ユウキ・コスモ
ユウキ・コスモ(Yuki Cosmo)
『伝説巨神イデオン』の主人公であり、イデオンAメカのメイン・パイロット及びイデオンのパイロットを務める。メカマニアで日常的なメカの扱いに関しては自分以上の者はいないと思っている。
母親とは生き別れているらしく、地球連合軍ブラジラーの基地司令カミューラ・ランバンに母の面影を重ねたことがあった。熱血漢で物語初期はその若さ故にベスに反抗することもあった。反抗期ということからか少し怒りっぽいところもあったが、ソロシップクルーの人間関係や葛藤を見続け、キッチ・キッチンとの出会いと別れなどを経験して、周囲を冷静に分析し、達観視できる程精神的に大きく成長する。
発動篇ではカーシャの死に涙しながらも最後の最後まで戦い、イデの導きによりバッフ・クランの業を背負うドバ・アジバと交信、戦いの真の意味を悟る。しかし、イデの意志に最後まで抵抗したのも彼だった。両腕を吹き飛ばされてもイデオンの機体と共に全てが消滅するその瞬間までその眼差しはイデに抗い続け、生きる意志を失わなかった。戦いに疲れた彼の魂は最も遅く目覚めることとなった。
声優の塩屋翼氏は現在音響監督として活動しており、声優としての活動は過去に演じた作品を演じるだけとなっている。杉田智和によると,『第3次スーパーロボット大戦α』では音声収録前は「代役を立てればいい」などの気乗りしない発言をしていたが、実際にオファーが来るとノリノリで音声収録を行ったそうである。
彼の代名詞とも取れる髪型(アフロ)はファンの間では『鳥の巣』と呼ばれており、四コマアンソロジーの類では度々ネタにされている。
一方で小説版(角川スニーカー文庫版)のイラストでは、TV版とは別人と思うほどの美少年として描かれている。
登場作品と役柄
- スーパーロボット大戦F
- 完結編の予告に登場。
- スーパーロボット大戦F完結編
- 気合を使ってイデオンソードやイデオンガンを使えるようにするのが彼の役目。
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 『伝説巨神イデオン』がストーリーの根幹となっているため、主人公クラスの中でも出番が多く、特にイデオンがラスボスと非常に因縁深い存在のため、収録されている台詞も熱い。
イベントとしては自身らが星を逐われた故に外宇宙への危機感を持っていないとの事でSEEDの学生組やカガリと論争になったり、同じ強大な「進化」のエネルギーを持ったロボットに乗る竜馬と良く絡んだりしていた。また、Fで出場できなかった夕月京四郎(闘将ダイモス)との二大アフロの競演が遂に実現する。
惑星ラクスでαナンバーズと再会した際の発言にも見られるように、彼らと比較的長期間に渡って共闘態勢をとっていても、被害者感情からくる不信感を中々拭う事が出来ずにいるなど、味方側のトラブルメーカーとしての側面も強調されている。
パイロットステータスの傾向
能力値
主人公格の割にはやや低めで安定している。特にSPは他の多人数ユニットと比べて初期値35と低い。命中だけは標準レベル。どうにも強い印象がないが、イデオンの能力がぶっ壊れているためこの能力でバランスを(取れているとは言い難いが)取っているのだろう。
精神コマンド
特殊技能(特殊スキル)
小隊長能力(隊長効果)
人間関係
- アフタ・デク
- 弟分。
- イムホフ・カーシャ
- ギジェ・ザラル
- 追う者と追われる者の関係を経て仲間に。コイントスによって彼の運命を図った際には、過去の遺恨を捨てる程の成長振りを見せた。最終的には、冗談を交し合うほどの間柄にまで進展するが…。
- キッチ・キッチン
- ドバ・アジバ
- イデ
他作品との人間関係
スーパー系
- 流竜馬
- 第3次αでは絡む場面が多く、当初は対立気味であったが、共に苦難に立ち向かう仲間となった。EDでは彼との再会を望む発言もしている。
- 北条真吾、キリー・ギャグレー、レミー島田
- 第3次αでは彼らのフォローもあり、サントスに奪われたイデオンの奪還に成功する。そのプロフェッショナル精神に感ずるものが有ったのか、地球育ちの人間に対する侮蔑感情が強い序盤では珍しく、囮役を買って出た彼らの安否を気に掛けた。
- 夕月京四郎
- 第3次αで競演。特定のルートに進むと何故か何度も二人一緒に並ぶ。
- 和泉ナナ
- そしてそんな京四郎とコスモの二人に突っ込みを入れた。
- 惣流・アスカ・ラングレー
- 第3次αでは惑星キャラルにてコスモがキッチンと会っている為出撃に遅れた時、コスモを(本人の居ない場面で)「鳥の巣頭」呼ばわりして怒った。何気に同作で彼を「鳥の巣頭」呼ばわりしたのは彼女だけ。
- 碇ゲンドウ
- 第3次αにて最初から逃げの為に人類補完計画を発動させようとする彼を否定した。彼はコスモを「イデの選んだサンプル」呼ばわりする。
- 碇シンジ
- 第3次αにてゲンドウとの決着が着いた後、改めて平和の為に戦い続ける事を決意した彼を祝福した。
- 加持リョウジ
- F完結編ではソロシップでスイカを栽培する彼に思わず皮肉を言ってしまう。
ガンダムシリーズ
- ジュドー・アーシタ
- 『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』によると、ジュドーはコスモの転生した存在であるらしい。
- カガリ・ユラ・アスハ
- 第3次αにてフレイ達ヘリオポリス出身の学生組の危機感の無いその姿勢を嘲笑した際、ムキになった彼女につっかかられてしまう。
リアル系
- 熱気バサラ
- 第3次αではαナンバーズと合流する前から何度か縁があった。彼とコスモは、アポカリュプシスを乗り越え、ケイサル・エフェスを打倒する上で非常に大きな役割を果たす事になる。
- ギギル
- 第3次α序盤で原作に於けるジルバル・ドク(SRW未登場)の役どころを担い、コスモを戦闘恐怖症に追い込んだ。
バンプレストオリジナル
- エツィーラ・トーラー
- 無限力に対する彼女の常軌を逸した探究心の前に、さしものコスモも怒りを覚える以前に引きまくっていた。
名台詞
- 「あ…あああ……うぁぁぁぁぁぁぁ!! 何故だ!? 何故殺す!? 何故戦う!? 何故そっとしておけないんだ!!」
「カララさんの理想主義が、イデを抑える鍵だったかも知れないんだ! イデの力が解放したらどうなるか、誰も分かっていないんだぞ! 貴様達が…貴様達が責任を取ってくれるのか!? 貴様達がーっ!! 」 - バイラル・ジンから脱出したカララとジョリバが撃墜された際の慟哭。第3次αでは直後のドバとベスの台詞も含め、DVEで再現されている。
- 「モエラの台詞じゃないけど、運命は自分で作ってみせる! 俺達だって、ルウやメシアと同じだ! 十分に生きちゃいないんだ!」
- コスモの基本スタンス。
- 「死んでたまるかよ! 俺はまだ十分に生きちゃいないんだ!」
- 戦闘台詞ではこのようにアレンジされている。PVでも喋っていたため、印象に残っている人も多いだろう。
- 「こんな…こんな甲斐のない生き方なぞ、俺は認めない! たとえそれが、イデの意思によろうともな!」
- 「死ぬかよぉぉぉーっ!!」
- 両腕を失い、ガンド・ロワの直撃を浴びながら叫んだ断末魔。戦いに次ぐ戦い、その果てにあまりにも多くのものを喪ったコスモは疲れ果て、因果地平で目覚めるのはもっとも遅くなった。
スパロボシリーズの名台詞
戦闘台詞
- 「グレンキャノンもだ!いけぇっ!」
- 第3次αにおける、全方位ミサイル発射時のカーシャとの掛け合いの一つ。ネット上では「グレンキャノンもだ!」の一文が取り上げられ、よくネタにされる。(実際、杉田智和氏も某ネットラジオでとある声優の誕生日を台無しにする罰ゲームの際に使用したことがある。)最近では「手裏剣もつけるぜ!」の一文もセットにされる事も。
- 「な、なんだ!?各戦闘要員は脱出しろ!イデオンが……」
- 撃墜台詞。この時点ならまだいいのだが……。
- 「なぜだぁっ!なぜ戦う!くそぉぉぉぉぉっ!!」
- 53話以降に撃墜されるとこの台詞になる。そして……。
- 「思い上がるな!貴様だけが生き残ったところで、どう責任を取るっていうんだ!」
「ケイサル・エフェス!貴様のエゴに飲み込まれてたまるか!」
「俺達は間違っちゃいない!こうして生きている事は間違いじゃないはずだ!」 - 第3次α最終話でのケイサル・エフェスとの特殊戦闘台詞。「無限力に取り込まれた哀れなサンプル」と洩らす霊帝の揶揄を跳ね除け、生きる為に最後の戦いを挑む。
αシリーズ
- 「俺だってガキじゃない。今がどういう時なのか理解してるぜ」
- グロリア奪還作戦に於ける竜馬との会話。尤も、直前に子供じみた八つ当たり感情でαナンバーズの面々とトラブルを起こしているだけに、説得力に欠ける。
- 「自分達は正しいことをやってると思っているんだよ、きっと。でなきゃ、軍隊なんてやってられないだろ」
「けど、地球はバルマーに攻め込まれなくてもいずれ内乱で自滅することになると思うがね」
「この前も言ったが、今の地球人は外宇宙の異変に対して無関心過ぎる」
「これだけの事態が起きてるのに身内争いを優先させる種族なんざ、自滅するのが当たり前かもな」 - 第3次αの中盤でバルマーのエペソ艦隊がαナンバーズの前に現れた後に同じ地球人同士で争う地球圏の現状に対して、痛烈な皮肉を口にした。その直後にそれを聞いた竜馬と衝突するも、アムロからは「身内争いをしている場合じゃないぞ」とたしなめられてしまう。
- 「戦ってやる…!敵が誰だろうと、生きる事を諦めてたまるかよ!」
- 惑星ラクスでの決戦で、続々と集結する敵勢力に萎えそうになる仲間達を鼓舞するフォッカーや竜馬の言葉を「根性論」と皮肉りつつ、その根性論に追従した叫びを上げる。
- 「礼なんかいるかよ…俺達は…仲間なんだからよ」
- αナンバーズに地球追放処分が下された事で、複雑な表情を浮かべる竜馬を励ました台詞。初めて、彼ら地球育ちの人間を「仲間」と表した台詞で、ようやく和解を果たしたかのような重要な発言に思えるのだが、この言葉が出る以前のシナリオは、どのルートを通ってもコスモが仲間意識を持つに至る明確な描写は無く、少々唐突な台詞にも映る。この後もαナンバーズとの確執が描かれる展開を考えると、ここで言う「仲間」とはαナンバーズとしての戦友ではなく、地球を追われる厄介者同士というニュアンスで捉えるべきなのかも知れない。
- 「この歌だ…俺達はずっとこの歌に、どこかで力を貰ってきたのかも知れない…」
「ああ、どんな巨大な敵でも希望を捨てなければやっていける…!そんな気分になれるぜ!!」 - 第3次αでのゲペルニッチとの最終決戦に於ける戦闘前会話。常にバサラの歌う姿勢を嘲笑していたコスモが、遂に彼の歌に魂を揺さぶられた瞬間であり、序盤での遣り取りを思うと感慨深いものがある。
- 「俺達は生きているだけだ!それに罰を下す奴がいるのなら、全力で抵抗してやる!」
- ネビーイーム攻略戦に於けるエペソとの戦闘前会話。イデオンを銀河の災厄の元凶と見做し、「神罰を下す」と言い放つ彼の傲慢振りを切り捨てる。
- 「それはわかるさ。だがな…そういう考えはもう通用しないんだよ」
「銀河が滅びるのに一つの星だけ生き残るなんてそんな都合のいい話があるもんか!」
「お前らだってわかっているはずだ」
「俺達の母星は地球かもしれないが、俺達の生きていく場所はこの銀河全てだ」 - 自分達の星を守るために戦い、敗れ去ったエペソやバルマーの兵達を見て。αナンバーズの多くはその死を悼んだが、コスモは狭い範囲でしか物を見ていないゼ・バルマリィ帝国の態度を冷ややかに指摘した。諦観や非情とも違う、必死で生き抜こうとするこの考え方こそ彼の持ち味といえる。
- 「聞けよ、シンジ!訳の分からない力に負けるな!」
「俺達はEVAからお前を引っぺがすしか出来ない!そこから出てくるのはお前の意思だ!」
「だから、目を覚ませ!」 - EVA初号機ヨリシロVerとの戦闘前会話。理不尽な運命に呑み込まれようとしているシンジへ、強大な力に翻弄され続けてきたコスモが「抗え」と叫ぶ。
- 「人間の心を持たず、全てを見下ろすお前は確かに神かも知れない!」
「だが、俺達はそんな奴の存在を認めない…認めてたまるか!」 - バルマー本星でルアフと対峙した時の台詞。他の星の人間どころか、同じ星の民の命すらもモノとしか考えないルアフの傲慢さを真っ向から否定した。
- 「勝手な理屈を!誰が戦争を望む!?誰が血を流す事を望む!?」
- 偽神打倒という大願成就の為に、数多くの無益な血を流し、その上で更なる野望を果たさんとするシヴァーへの激昂。
- 「俺の歌……俺の命……俺は……!」
「イデ! これでも俺達は愚かか!?」
「確かに俺達はお前に導かれるままに戦いを繰り返してきた…」
「だが、こうやってそれを越えて手を取り合う道を見つけることが出来たんだ!」
「これでも俺達は失敗作か! 俺達に生きる権利はないのかっ!!」
「俺達は…俺達は…ただ生きたいだけなんだーっ!!」 - 第3次αの最終盤、神壱号作戦の佳境にて、あまりにも苛烈を極める宇宙怪獣の大群の猛攻を前に誰もが諦めかけたその時、星間連合軍、ゼ・バルマリィ帝国軍、プロトデビルン、そしてバッフ・クラン軍と、銀河に生きる多くの者達がαナンバーズの救援に駆けつけ、その中で仲間達の声援を受けてイデにぶつけた叫び。そして、コスモの、αナンバーズの、そして銀河に生きる全ての人々の想いに応えるように、ついにイデはその力を解放する。
- コスモ「わかったぞ、イデ! お前だって生き延びたいんだよな! 俺達といっしょに!」
デク「来るよ、コスモ!!」
コスモ「どけーっ!! イデの巨神の力を使うぞ!!」 - 神壱号作戦の最終段階にて宇宙怪獣の大群との死闘の中での叫び。ついに銀河に生きる人々の命を認め、共に生きる事を選んだイデ。そのイデと共に在るコスモに、もう恐れるものは無い。
- 「また会えるよな、俺達…」
- 第3次αのEDにて。掛け替えのない戦友・流竜馬との別れ際に、彼との再会を望む。