天空侍斗牙
天空侍斗牙(てんくうじ とうが / Tohga Tenkuuji)
『超重神グラヴィオン』の主人公。グランカイザー及び、ゴッドグラヴィオン、そしてソルグラヴィオンとアルティメットグラヴィオンのメインパイロット。
幼い頃に両親を交通事故で失い、クライン・サンドマンに「G因子」の才能を見込まれて、孤児院に預けられる。しかし、孤児院とは名ばかりで、実際は来るべきゼラバイアとの戦いに備えて素質のある子供達=Gナイツ候補を集めた施設であった。その後サンドマンに才能を見出され、城へと引き取られた後、戦闘訓練に明け暮れた斗牙は先天的なG因子を開花させて、グランカイザーのパイロットとなる。
エイジに指摘されたようにサンドマン達も彼の幼少時からの人間教育には重点を置いていなかったようで、他者との関係を持てない城の中で引きこもりの訓練生活を送ってきたため、人間性に乏しく世間知らずである。平常時の性格は温和で優しいが、戦闘時には冷徹かつ非情な戦闘マシンの如き性格へと変貌し、ほぼ二重人格を思わせる程異なる雰囲気となる。先述したように人との付き合いがなく友人もいなかったため、他人を想わない融通の利かないところもある。しかし、エイジたちと共にゼラバイアと戦っていく中で精神的に成長。第1期の最終決戦時には他のグランナイツへの気遣いも見せられるようになり、仲間達からの信頼を受けてゼラバイアへと立ち向かっていく。
前述の経緯を経ても、人間関係を学んだ時期が絶対的に短く、第2期時点ではまだ、心情の機微や洞察などができない幼い子供のそれに近い程度だった為、善意から行ったある行為からリィルを傷つけてしまう。その事でエイジからの怒りの拳を受けた事、母のように慕っていたエィナを失った事などが重なり、彼の精神状態は追い詰められてしまい、自暴自棄となり姿を隠す。その後、彼を手に入れようとしたフェイの誘いに乗ろうとするが、自らを連れ戻しに来たエイジとの対話、そして想いの全てをぶつけ合った事で互いのわだかまりを乗り越え、グランナイツへと戻り、再びゼラバイアとの戦いへと身を投じる。最終決戦直前には、幼い頃にサンドマンと約束した「地球を護る為の"牙"となる」事を誓い、自らが傷つけてしまったリィルの事を護る事も新たに誓った。
モデルになったのは童話の「ピノッキオ」。第2期開始からソルグラヴィオン登場までの第9話~第10話は彼がピノッキオから人間になるまでの話ととる事が出来る。
なお原作の大張監督はエイジと斗牙をダブルヒーローとは呼ばず、エイジを「ヒーロー」、斗牙を男性であるにもかかわらず「ヒロイン」と呼んでいる。斗牙は本来のヒロインと言う意味からはかけ離れたキャラクターだが、熱血ヒーローと対になる存在という意味であろう。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- スーパーロボット大戦Z
- 初登場作品。福山氏はシリーズ初参加。ほぼ、原作通りの性格・行動で、原作の設定を反映し他作品キャラとの絡みは少ないが、『戦闘マシンとして育てられた』という共通点を持つ神勝平と剣鉄也と絡みがある。一方でエイジとの関係は原作以上に細かく描写されており、彼との激しいやり取りはα外伝のある一幕を思わせる。
- 特殊技能は平凡だが、格闘が高く、なにより隊長能力に『自軍フェイズでの攻撃力+10%』を持つので、火力は高い。精神コマンドも消費の少ない気合や直感、最終的に覚醒を覚える。他の精神コマンドはエイジ達で補えるので、使い勝手は良い。スーパー系にしては防御が低い、底力が無い(これはロジャーにも言えるが彼は機体が固いので問題ない)、搭乗機も装甲が薄め(グランカイザーに至ってはリアルロボット並)と初期状態では脆いので注意。原作イメージで付けられている見切りは機体と相性が悪いので上書き候補となる。技量値が高い為再攻撃と相性が良い。これにより、ソルグラヴィオンの最強技全体攻撃の「超重炎皇斬」より、「超重剣」の再攻撃の方が与えるダメージは高まる。
- クリア後の図鑑に「リィルを傷付けた際にはショックで逃げ出す」という内容の文章が追加されるが、実際はエィナを失った事が最大の原因である(リィルの件もその一つではある)。ただし原作ではリィルを傷付けた時点では直接逃げ出していないため、図鑑でこのような文章にした理由は不明。
- 第2次スーパーロボット大戦Z
- 破界篇におけるカラミティ・バースによって、グランナイツと共にZEXISのいる世界に転移した。やはり天然な性格は健在で、再世篇でアッシュフォード学園でルールを知らずに女性にオデコをどれだけタッチできるかを楽しみにしている一幕が見られた。なお、再世篇より低レベルであるが、遂に底力を自力習得した。
パイロットステータスの傾向
精神コマンド
特殊技能(特殊スキル)
小隊長能力
- Z
- 自軍フェイズでの攻撃力+10%
エースボーナス
- 第2次Z
- 斗牙、エイジ、琉菜、ミヅキ、エィナ、リィルの最大SP+10
パイロットBGM
- 「嘆きのロザリオ」
- OPテーマ。
- 「紅の牙」
- 「Zwei」OPテーマ。
人間関係
- 紅エイジ
- グランナイツの一員。対人関係が冷淡な斗牙とは正反対の直情型熱血漢。お互いぶつかり合うことで、互いを認め合う。サンドマンは彼らを「合わせ鏡のよう」と評した。
- 城琉菜
- グランナイツの一員。幼い頃に出会っていた斗牙に想いを寄せており、彼が居なくなった時はメンバーの中で最も心配をした。原作ではクライマックスで少しいい関係になっていた斗牙とリィルを遠くから見守っていた。
- ミヅキ・立花
- グランナイツの一員。年長者であり、斗牙などの年少者を引張って行く。斗牙復帰の際の年長者らしい気遣い方を見せていた。
- エィナ
- グランナイツの一員。プロトディーヴァである彼女は人とは成長速度が違うらしく、回想シーンで赤子の斗牙の面倒を見ている絵が存在する。そのためか、互いを想う気持ちは他のメンバーよりもより深いものとなっている。
- リィル・ゼラバイア
- グランナイツの一員。一度は彼女を傷つけてしまい心は閉ざされるが、再び集結したグランナイツのメンバーによってその心は開かれた。戦闘で中核となる斗牙を的確にサポートしており、同時に自身と対等に接してくれる斗牙に最も心を許している。斗牙自身も復活した際には彼女を守る事を誓っていた。
- クライン・サンドマン
- 斗牙に戦闘訓練を施した人物で、父親に近いスタンスで彼に尊敬される立場にあったが、教育はエィナに任せきりだった為、エイジとの接触によって、更に斗牙が成長する事を期待していた。普段は見せないが父親としての情も強かったらしく、斗牙が死を覚悟した際には強い動揺を見せていた。
- フェイ・シンルー
- 斗牙とは孤児院との付き合いで、彼の姉貴分だった。彼に対抗心を抱きつつも、彼の事を大事に思っている。
他作品との人間関係
スーパー系
- 神勝平
- Zでは絡みは少ないが、自らも知らないうちにザンボット3のパイロットとして育てられた事があるためか、斗牙の境遇に同情する場面がある。
- 剣鉄也
- Zでは絡みは少ないが、幼い頃からグレートマジンガーのパイロットとして育てられた戦闘のプロとして、カミーユの制止を無視してフォウを殺害しようとした斗牙の行動にある程度の理解を示し、斗牙が戦う理由に悩むときは先輩格として諭す。既に原作の展開を終わらせていた事もあり、ある意味では斗牙の完成形。第2次Z 再世篇ではZEXIS世界の鉄也が既に故人である事を知り、アポロともども衝撃を受ける。
リアル系
ガンダムシリーズ
- フォウ・ムラサメ
- Zでは香港で撤退しようとする彼女を容赦なく討とうとした為、これがエイジとの確執を生む事になった。
- ヨウラン・ケント、ヴィーノ・デュプレ
- Zでは香港にて女装してお忍びで外出していた斗牙とエイジにナンパしてきた。
- キラ・ヤマト
- エイジが言うには、彼の天然さは斗牙のそれに近いらしい。第2次Z破界篇では彼に「二股」の意味を訊ねたことも。
- メイリン・ホーク
- ZSPDでは卓球大会で彼女とペアを組む。恐らく自分と同じ声の人物とその級友を意識した組み合わせなのであろう。
- カトル・ラバーバ・ウィナー
- 第2次Z再世篇第23話で、ウイングガンダムゼロのゼロシステムによって豹変した彼を、昔の自分に似ていると指摘した。
- シャギア・フロスト、オルバ・フロスト
- Zでは斗牙を自分達と同じく「他者によって生き方を歪められた者」とし、斗牙を自分達の味方に誘うが、斗牙は彼らを拒絶した。
その他
バンプレストオリジナル
- 黒のカリスマ
- 後述にもあるが、彼に対して斗牙と同じ声の主人公を意識したような台詞をぶつける。
名(迷)台詞
- 「まだ僕達は、負けたわけじゃない!」
- 1期最終話で、圧倒的な強さを誇るゼラバイアに対し、心が折れかけた琉菜にかけた言葉。エイジよりも早く気遣う様子を見せたその言葉に、他のナイツも驚きはしたものの、心強さを感じ、再び闘志を燃やし始めた。
- 「僕はもう忘れたいんだ…グラヴィオンの事も…お城のみんなの事も……」
「僕は人間じゃなくていい! いつか、エイジに言われてたみたいに…化け物でいいよ!!」
「苦しんだり…悩んだりするのはもう沢山だ…。機械みたいに何も感じなくていいんだ!」 - Zwei第9話で、自分の鈍感故の善意の発言でリィルを傷つけてしまった事、自分のせいでエィナと琉菜が犠牲になったことで自暴自棄に陥って。フェイの誘いに乗ったり、かつての「戦闘マシン」としての自分に戻ろうとする事で仲間を失った悲しみと苦しみから逃避しようとするが、一方でエィナの眼鏡を片時も離さずに握りしめていた事に気付いたエイジの呼び掛けを突き離した事、エイジに自分のせいでエィナが無駄死になったと言われた事で乱闘が始まった…。
- 「うるさい!エィナは子供の頃から僕と一緒だったんだ!!」
- 乱闘の中、エィナを失った悲しみを一人で背負っていた事をエイジに咎められた彼は彼女への気持ちをエイジにぶつける…。その後の拳のぶつけ合いを経て二人の関係は修復されていった。
- エイジ「俺を…俺達を太陽と呼んだな!」
「そうだ! 僕たちはこの星の未来を照らす太陽。何度沈もうと、必ずまた戻る!! いくぞみんな!炎皇合神だ!!」
グランナイツ「了解!!」
エイジ「エルゴ! フォォーーム!!」 - Zwei第10話。ゴッドグラヴィオンの敗北、グランナイツの崩壊といったつらい出来事を乗り越えた斗牙の表情にもはや迷いはなく、死亡したはずのエィナが復活した事によりグランナイツは不死鳥のごとく甦った。そして、エイジの掛け声と共に、「太陽の神」ソルグラヴィオンは姿を現した。
- 「エイジ、僕と結婚しよう!」
- Zwei最終話で、サンドマンとアヤカの結婚式で女性陣を差し置いてブーケをゲットしてしまい、男のエイジにプロボーズ。斗牙が結婚を「好きな相手とするもの」とだけ聞かされたための珍事。即座に琉菜とリィルに「結婚は男と女でするもの」と突っ込まれるのだが、エィナは「男同士で出来る国もある」と余計な事を言い、エイジに至っては「琉菜よりマシ」とか言って(直前にカップリング扱いされたせいだろうが)拒否していなかったりする。
スパロボシリーズの名台詞
- 「人の革新って事はいつかみんなニュータイプになって、そうなれない人は落ちこぼれって事なの?」
- 『Z』第52話ミネルバ一時残留ルート「黒歴史の真実」においてザイデルとブラッドマンとの醜い争いを目の当たりにして。
- 「その仮面をはぎとり、今日こそ、お前の目的の全てを聞かせてもらう!」
- 『Z』第58話「メモリーズ」より。パラダイムシティで黒のカリスマに対して言い放った台詞。黒のカリスマの「仮面」といい、彼が初登場時に「オレンジ」と発言していること、更に斗牙の中の人といい、第2次Zで共演する事になるコードギアスの主人公を意識した台詞だろう。余談だが、黒のカリスマの発言した「オレンジ」は『交響詩篇エウレカセブン』に出てくる地殻変動弾である。
- 「執行者として戦う事が君の使命なら、僕達の使命は、その君を倒す事だ…!」
「僕達は戦う! グランナイツとして…この星に生きる人間として!!」 - 『ZSPD』シークレットエピローグ最終話「黒い歴史を越えて」於けるXAN-斬-との戦闘前会話より。善人悪人の区別無く人類に審判を下そうとする執行者の遺志を「敵」と見做し、決然と戦いを挑む。
- 「サンドマンが言っていた。言葉巧みに近づいてくる者は信用してはならないと」
- 『第2次Z破界篇』第30話「ストレート・フルクラム」に於けるアイムとの戦闘前会話より。インペリウムに協力する代わりに元の世界の帰還を手伝うと嘯くアイムをこの台詞で一蹴した。元ネタは孔子の「巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん)」であり、アイムも「ほう…孔子ですか」と触れている。
- 「鈍感は時に人を傷付けるよ」
- 第2次Z再世篇の終盤、バジュラ及びイノベイターとの最終決戦を前にして、ランカが敵に回ったことに動揺し、色々ぶちまけているアルトに対して。ランカやシェリルからの好意に気付かないふりをするアルトだが、それが彼女たちをかえって傷付ける結果になるという意味も込めてこう言った。かつて鈍感ゆえの善意の発言でリィルを傷付けてしまった斗牙が言うとなかなかに重い言葉である。
スパロボシリーズの迷台詞
- 「…僕は…負けた…。負けたから…エイジの言う事を聞かなければならないのか…」
- 『ZSPD』グローリー・スターレポート第1話「熱闘!戦士の休息」に於ける初戦闘時の戦闘前会話より。ルナマリアへの指示をエイジに遮られた挙句、卓球試合で敗北を喫した事を「これでもか」と強調されて、呆然と呟き凹み始める。
- 「あれ…? カレンって男だったっけ?」
- 第2次Z破界篇の第47話エンドデモにて、さやかから女子チームと共にパーティの料理を作るように言われたカレンに対して。もちろん彼女は「そういう意味じゃない!」と突っ込まれてしまう。しかもカレンが所属する黒の騎士団の総司令官が同じ声のゼロであるあたり、それを意識したのだろうかと勘繰りたくなってしまう。
- 「楽しそうだね。何人ぐらいの女の子にタッチできるかな」
- 第2次Z再世篇の第18話「アッシュフォード・ラプソディ」のアッシュフォード学園のイベント『キューピットの日』で斗牙がそのイベントの趣旨をまったく理解してない状態で言った台詞。それを聞いた琉菜とリィルは呆れ、アルトに至っては「こんなやつに二股を非難されるとは…!」と憤慨した。