「ラインバレル」の版間の差分

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:「鉄の影」より。スフィアのあった場所から現れたラインバレルの影が、各地を襲撃。その目的は、JUDA本社の地下に眠るラインバレルの破壊だった。影とはいえマキナを相手に、アルマでは敵うはずもなく特務室の面々は追い詰められる。唯一稼働していたヴァーダントの攻撃もろくに通用せず、事態は徐々に深刻の度を増していく。
 
:「鉄の影」より。スフィアのあった場所から現れたラインバレルの影が、各地を襲撃。その目的は、JUDA本社の地下に眠るラインバレルの破壊だった。影とはいえマキナを相手に、アルマでは敵うはずもなく特務室の面々は追い詰められる。唯一稼働していたヴァーダントの攻撃もろくに通用せず、事態は徐々に深刻の度を増していく。
 
:そんな中、地下にいた絵美は何とかラインバレルを動かせないかと四苦八苦していたが、浩一はそんな彼女に、ラインバレルに頼らずに自分の力で戦う、と断言。現れたエコーに素手で殴りかかるが、エコーの反撃を横から割り込んだ何かが止めた。それは、眠りについていたはずのラインバレルであった。一時的な覚醒とはいえ「マキナ殺し」の二つ名に偽りはなく、その力は現世に焼付いた己の影共を鎧袖一触に殲滅。『正義の味方』に相応しい活躍を見せ、物語のトリを飾った。
 
:そんな中、地下にいた絵美は何とかラインバレルを動かせないかと四苦八苦していたが、浩一はそんな彼女に、ラインバレルに頼らずに自分の力で戦う、と断言。現れたエコーに素手で殴りかかるが、エコーの反撃を横から割り込んだ何かが止めた。それは、眠りについていたはずのラインバレルであった。一時的な覚醒とはいえ「マキナ殺し」の二つ名に偽りはなく、その力は現世に焼付いた己の影共を鎧袖一触に殲滅。『正義の味方』に相応しい活躍を見せ、物語のトリを飾った。
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=== スパロボシリーズの名場面 ===
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;未来を紡ぐ「可能性」
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:UX46話「麗しのディストピア」より。死闘の末にデウスエクスマキナを追い込んだUXだが、「機械仕掛けの神」はなおも立ち上がる。全ては人類を滅びから救うため、そのために死を想像させねばならないと。だが、UXに集った戦士達は言う。そんなコトで滅ぶほど、人類は弱くはないと。未来を守るという意志を同じくしながらも、その方法が決して相容れない両者。だが、「正義の味方」は言う。ならば、自分達がそれを変えて見せると。
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:―――始まりは一つの可能性だった。一人一人の想いは、小さな点でしかなかった。だが、それは互いに繋がり、結び合い、可能性という名のラインを描いた。そして、数多のラインは一つに重なり、運命すら変える意志となって具現した。重なり合いカタチとなった、数多の可能性―――その名は、ラインバレル。
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:託された意志を、重なり合う可能性を、己が正義を未来に証明せんと、浩一は渾身の一撃をデウスに叩き込む。その一撃を以ってしてもデウスを倒すことは叶わなかったが、機械仕掛けの神は宣告する。その意志で、その正義で、人間で在り続けることを未来に証明してみせろと。
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:一つの未来を勝ち取り、UXは崩壊する空間を脱出する。殿となったラインバレルのコクピットで、浩一は決意を固める。どんな未来が待っていても、この意志を折りはしないと。
  
 
==関連人物==
 
==関連人物==

2013年6月3日 (月) 22:12時点における版

ラインバレル(LINE BARREL)

鉄のラインバレルの主人公機。マキナの一つで、本編の世界に転移した際、落下地点にいた浩一を死なせてしまう。その際、ファクターである城崎絵美の願いによって浩一をファクターとして蘇生させ、己が主とした。

当初は本来のファクターである絵美による外部制御が優先されており、新たなファクターである浩一はラインバレルを動かすためだけの存在、という側面が強かった。しかし、彼が友人である矢島の死をきっかけにファクターとして完全に覚醒した瞬間、絵美の制御を離れた上に封印されていた武器を解放、名実ともに浩一の半身となった。

両腕に装着した二振りの太刀と光学兵器「エグゼキューター」を武器に戦い、強力な戦闘能力を持つ。その存在の性質から「マキナ殺し」と呼ばれることもある。基本的に地上戦特化だが、テールスタビライザーを展開することで15分前後なら飛行可能。

マキナには遵守すべきある一定の原則が在るのだが、ラインバレルはその悉くに当てはまらない。具体的には、唯一であるべきファクターが二人存在する(既にファクターが存在するのに新たなファクターを選んだ)、無人にも関わらず敵機を攻撃する、自己修復能力が他機と比べて桁違いに早いなどの点など。

なお、テールスタビライザーは後付けの装備であり、ナノマシンによる修復の対象にならない。

アニメ版

高蓋然性世界で造られた機体の一つ。

前述の通りファクターは二人存在するが、基本的に搭乗・操縦が可能なのは浩一のみであり、絵美は乗る事も動かす事も通常出来ない。これは、ラインバレルの存在原理の一つに「城崎絵美を守る」という事項があり、ラインバレルはこれを最優先かつ恒常的に実践するため、絵美の搭乗を拒否するのである。ただし、マキナとしてファクターである浩一の生命維持も並行して実践するため、彼の生命に危険が迫り、なおかつ自身でのDソイル循環が困難になった場合のみ、緊急措置として絵美を搭乗させ、mode-Bを起動して戦闘を行う事で生命維持を続行する。

テルミノ・クレメンティア終了後は、ヴァーダントを除く他のマキナ同様、ファイナルフェイズの反動でDソイルが枯渇して機能を停止していた。だが、後に現れたラインバレル・エコーに対し、浩一が素手で立ち向かおうとした際に突如再起動。10分という制限つきだったが「マキナ殺し」の異名は伊達ではなく、すべてのエコーを一蹴する大活躍を見せた。

原作漫画版

マキナの原則を無視した行動について、中盤で衝撃の事実が明かされている。それは、ラインバレルには電脳が存在せず、代わりに開発者である城崎天児の脳が組み込まれ、その意志によって制御されていたということである。よってラインバレルはマキナの原則を無視した、「人間的」な行動を取ることが出来たのである。

電脳を失うということはマキナとしての、そしてファクターの死を意味するのだが、天児はこれに対し、機体の制御系統を電脳からファクターの脳へと設定し直し、限界を迎えた自らの肉体から脳髄を移植することでこれを解決した。

この、ラインバレルの制御系統を受け持つファクターを特に「真のファクター」と呼称する。本来マキナとは、電脳による自立思考・行動を行う一種の機械生物なのだが、電脳の無いラインバレルは純然たる機械。そのため、他のマキナが限定的ながら自ら思考・行動できるのに対し、ファクター=電脳のラインバレルは意思決定・行動内容の全てをファクターに依存する。いわばラインバレルとは、ファクターとなった人間の戦闘用ボディ、あるいは「マキナの特性を備えただけの機械」であるとも言える。これは、後に登場したヒトマキナ・真来梓とラヴバレルの関係に似ている。またこれにより、ラインバレルはコクピットからの操縦のみならず、ファクターの思考をノータイムで反映して行動を補正するため、他のマキナ・アルマに比べて極めて柔軟かつ的確(無論、ファクターの熟練度にもよる)な動きを可能としている。

ファクターが通常一人なのは「そのようにプログラムされているから」であり、ファクターの思考=自身の思考であるラインバレルはこれを無視出来る。絵美をファクターとしたのは彼女を生かすためであり、浩一をファクターとしたのは絵美の願いに応えたことと、長時間戦えない絵美、休眠状態の天児の代わりにラインバレルを動かす存在が必要だったためである。カウンターナノマシンを絵美だけが使えたのは天児の意向によるものであり、浩一の時に起動しなかったのは天児に取って彼はあくまで「間に合わせの操縦者」であったため。

後に天児が死を迎えた際、「真のファクター」は彼の意志により、天児から現在のファクターである浩一へと再設定されている。ただ、浩一自身はこの事実を知らない。これにより、ラインバレルの制御系統は浩一が自ら担うこととなり、カウンターナノマシンによる「オーバーライドモード」の発動も自力で可能となった。

ちなみに本来の機体色は黒であり、浩一搭乗時の白色はカウンターナノマシンが停止していることによる副作用。また、沢渡が「二本角」と形容する現在の姿は改修を受けたためのものであり、天児が作り上げた直後は一つ目にヘルメット状の頭部を持った、加藤機関の新型アルマに近いフォルムであった。この状態は、天児と接触した浩一の証言と、サブ電脳のデータから得られたわずかな情報でしか分かっておらず、「試作型」と呼称されている。

これに付随し、最終章に突入した今もなお明かされていない謎が存在する。それは、「ラインバレルを現在の姿に改造したのは何者であるか」「肉体を失った天児の脳を誰がラインバレルに搭載したのか」ということである。この中には、ラインバレルのさらに原型となった機体の存在がわずかに記されていたが、これは後にロストバレルであったことが判明する。

ちなみに、「ラインバレル」とは「境界・可能性の枝」を意味する「Line」と「多くの」を意味する「Barrel」を合わせた造語である。また、アニメ版のファイナルフェイズ発動時にモニターに表示された文字列は、上部に「LINE~」、下部に「Biogenous Armament Revivity Ravager Energized Lifeform Sustainer」となっている。

登場作品と操縦者

スーパーロボット大戦L
アニメ版設定で登場。当初は原作の展開を反映して浩一ともどもNPC扱いと言う異例の展開。正式参戦後はファクター技能による自動回復と高い攻撃力を生かし、ボスキラーとして活躍してくれる。その一方でザコ集団相手への継戦能力は他のマキナ勢と比べると低めで、強制出撃されるマップも多いことからある程度の改造を意識しないとそのマップのボスユニットと対峙する前に落とされがちでもある。
なお、最初の分岐で地上ルートにいくと、何と5話連続で強制出撃となる(=PUが組めない)ので注意。
欠点は移動力が低い事、パイロットの精神コマンドと機体性能の方向がかみ合っていない事、最終的にはエグゼキューターを多用せざるを得ないようになるのだがそうすると燃費がとても悪い事。PUを組む際はこの点を補完できるユニットを選ぼう。
スーパーロボット大戦UX
原作漫画版設定で登場。そのため、原作にあってアニメに登場しなかった圧縮転送フィールドなどが登場している。ファクター関連の仕様変更と浩一の高い活性率により、集中砲火にも強くなった。また、エグゼキューターにMAP兵器版が追加された。
本作でも燃費の悪さと移動力の低さ、という弱点は健在のまま。ただし、機体ボーナスによって射程が伸びるとエグゼキューター(斬撃)の最大射程が10になり、太刀が5、二刀流が4となかなか使いやすくなる。さらに、ボーナスが2段階目に移行すると空適応がSになるため、どんな相手ともPUを組めるようになる。おすすめは「加速」が使えるペインキラー&美海か、格闘武器と装甲、射程強化のボーナスを持つ雷装張飛ガンダム。後者だと最大射程が11に達する。ちなみに、悪いと言ってもLに比べれば燃費は改善されており、セーブがつけばエグゼキューター(斬撃)が消費24で撃てる。
ちなみに本作では「真のファクター」に関する議論が浩一当人を含めたUX全体で行われており、彼もこの事実を知っている。レイチェルは「ジョウ飛影の関係に近いかもしれない」と推測している。本作における飛影は「前」のジョウの魂を宿しているため、当たらずとも遠からずである。また、デウス戦がオリジナル展開で決着するため、漫画と違って行方不明にはならない。
また、名前に「幾つもの可能性というラインを重ね、具現したカタチ」という新たな意味が持たされている。

装備・機能

武装・必殺武器

太刀
両腕に装着された日本刀。ラインバレルの「マキナ」としての力である。
エグゼキューター(射撃)
テールスタビライザーに搭載されたビーム砲。ラインバレルの「マキナ殺し」としての力である。本来はビームを放つ射撃武器なのだが、実際にこの用法で使用されるケースは当初浩一が知らなかった事もあって少ない。
原作漫画版ではテールスタビライザーを修理するために一時的に取り外した後、グラン・ネイドル戦で予備カートリッジを搭載する形で手持ちで本武装を使用している場面があり、弾数制はここから来た物とも言える。
太刀二刀流
刀を両方抜き放ち、連続で斬りつけた後十文字に両断する。UXでは攻撃終了後、右手の刀の峰で肩を叩くポーズがある(これは原作二巻144~145ページの見開きの再現)。
エグゼキューター(最大出力) / (斬撃)
リミットを解除してmode-Cを一時的に起動、機体各部を展開。「マキナ殺し」の力を一時的に解放、エグゼキューターで巨大な刀身を形成し、相手を切り裂く。アニメ11話でヤオヨロズとヘリオスを粉砕した落下斬りの再現。UXでは「斬撃」表記になり、一直線型のMAP兵器版が追加。
原作では最初に使用した際怒りでフル稼働してしまった為、遙か遠方にあるレインボーブリッジを切り裂くほどの長さになっている他、刀身が安定していなかった。また、最大出力で展開するため本編通して三回しか使っていない(初使用時、オペレーション・スーパーノヴァ、ヒトマキナ丙型戦)。
オーバーライド
mode-B(オーバードライブ)を一時的に起動、実体を残すほどの超高速連続転送によって敵機を翻弄し、切り刻む。フィニッシュデモでは6体のラインバレルが八方から切り刻み、本体だけが納刀、分身が消えた後本体もオーバーライドで離脱する。本来は絵美搭乗時の能力であるが、後に浩一も使用可能となった。原作漫画版では負荷軽減のためのカウンターナノマシンは絵美にしか使えなかったが(後にラインバレルの真のファクターになった浩一も使用可能になった)、アニメ版では浩一も問題なく使える。
UXでは大きく流れが変わり、オーバードライブモードを起動した後相手目がけて突撃、圧縮転送フィールドをぶつけて空中に転移させた後オーバーライドで追撃、叩き落した敵をエグゼキューターで消滅させる。
圧縮転送フィールド
転送時に使われるフィールドを敵機目掛けて投射し、強制的に転送してその反動によって消滅させる。アニメ版では未使用。原作漫画版5巻でのグラン・ネイドル戦で使用し、迎撃に飛び出したネイキッドの右腕を吹き飛ばした。
UXでは16話と割合早い段階で追加される。射程は1だが威力が高く、オーバーライドの追加まで十分に必殺攻撃として使って行ける。
咆哮
イベントシーンで使用される装備というか特殊能力。これを浴びたマキナはラインバレルに対し、破壊衝動を抱くほどの恐怖(=殺さないと殺される)を覚えることになる。また、コピーであるアルマはこれを受けると完全に機能がマヒしてしまう。

特殊能力

剣装備
ラインバレルに装備されている太刀で切り払いを発動。
銃装備
UXで追加。エグゼキューターによって撃ち落としを発動。
オーバーライド
転送機能によって分身の効果。加えて移動コストが1で固定になる。
mode-C
Lにおいて終盤で追加。気力140以上でmode-Cになり、Dソイルの最大値が150になる。
HP回復L1
UXで所持。ファクターの仕様変更に伴い追加された。

移動タイプ

Lでは飛行可能だが地形適応はB。オーバーライドを発動させれば移動には困らないがPUを組む際には注意。10段階改造で空適性は改善される。
UXでは飛行不可能だが、2段階目以降の機体ボーナスで空適応を得られる。

サイズ

M


機体BGM

「鬼帝の剣」
LでのデフォルトBGM。
「Linebarrel」
UXでのデフォルトBGM。

対決

原作漫画版

イダテン
追い詰められるディスィーブを救援すべく満を持して登場。性能頼りの素人戦法とはいえナーブクラックの援護もあり、見事撤退に追い込む。
ヤオヨロズ
東京タワーを襲撃した陸との戦い。テールスタビライザーが修理中で飛行できなかったため、ディスィーブに乗って戦った。
グラン・ネイドル
5巻で展開。マサキの圧倒的な技量と浩一のスタイルが悪い方にかみ合って大苦戦を強いられたが、圧縮転送フィールドの発動により痛み分けに持ち込む。
タリスマン
阿戸炉村での衝突。
プリテンダー
デウスエクスマキナ
ヒトマキナの「主」との激突。転送フィールドのぶつかり合いにより行方不明となるが……。

アニメ版

ヴァーダント
森次離反時の戦い。圧倒的な経験の差から、手も足も出ず撃破される。だが……。
グラン・ネイドル
テルミノ・クレメンティアにおける「ラインバレル」の最終戦。


名場面

原作漫画版

覚醒せし「鬼」
2巻より。矢島の仇を討つべく執拗にハグレマキナを攻撃する浩一だが、事態収拾を急ぐ特務室に撃破されてしまう。復仇の機会を逃した浩一は逆上し、ラインバレルのさらなる力を解放する。機体各部が展開し、右手に握られた「それ」は、既存の兵器を凌駕するビーム兵器。赫怒の咆哮と共に放たれた一撃は外れ、遙かに離れていたレインボーブリッジを真っ二つに両断した……。
正義の味方、登場
2巻より。沢渡率いるアルマ部隊に追い詰められ、窮地に瀕したディスィーブ。しかし、彼らが一斉攻撃を受けようとしたまさにその瞬間、上から降って来た機体がアルマを真っ二つにして降り立つ。鬼を想起させるその白き巨人の名は、ラインバレル。マキナの常識すら凌駕する桁外れの性能は、アルマ部隊をものの数分で蹴散らし、見事に事態を収拾した。

アニメ版

ファイナルフェイズ発動
「鋼鉄の華」より。セントラルの巨大マキナを撃破したものの、それに伴う時空の歪みが残っていた。このままでは歪みによって二つの世界が接触し、全てが無へと還ってしまう。それを阻止すべく彼らが選択したのは、プロジェクトJUDAファイナルフェイズの発動。かかる事態に備え天児が用意していた最終兵器・ラインバレル……マキナ殺したるその機体に全てのマキナのエネルギーを集め、最大の一撃で次元回廊を断ち切る。しかしそれは、全てのマキナの機能停止、即ちファクター達の死をも意味する両刃の剣だった。
だが、彼らに迷いはなかった。失われたシャングリラの代理はヴァーダントが務め、残る全マキナの力を結集したエグゼキューターの一撃は、見事次元回廊を破壊。マキナ達もどうにかファクターの命を維持するところで踏みとどまり、ラインバレルも機能を停止しながらも地上に帰還。かくして、セントラルとの戦いは終わりを迎えたのであった。
その力、正義のために
「鉄の影」より。スフィアのあった場所から現れたラインバレルの影が、各地を襲撃。その目的は、JUDA本社の地下に眠るラインバレルの破壊だった。影とはいえマキナを相手に、アルマでは敵うはずもなく特務室の面々は追い詰められる。唯一稼働していたヴァーダントの攻撃もろくに通用せず、事態は徐々に深刻の度を増していく。
そんな中、地下にいた絵美は何とかラインバレルを動かせないかと四苦八苦していたが、浩一はそんな彼女に、ラインバレルに頼らずに自分の力で戦う、と断言。現れたエコーに素手で殴りかかるが、エコーの反撃を横から割り込んだ何かが止めた。それは、眠りについていたはずのラインバレルであった。一時的な覚醒とはいえ「マキナ殺し」の二つ名に偽りはなく、その力は現世に焼付いた己の影共を鎧袖一触に殲滅。『正義の味方』に相応しい活躍を見せ、物語のトリを飾った。

スパロボシリーズの名場面

未来を紡ぐ「可能性」
UX46話「麗しのディストピア」より。死闘の末にデウスエクスマキナを追い込んだUXだが、「機械仕掛けの神」はなおも立ち上がる。全ては人類を滅びから救うため、そのために死を想像させねばならないと。だが、UXに集った戦士達は言う。そんなコトで滅ぶほど、人類は弱くはないと。未来を守るという意志を同じくしながらも、その方法が決して相容れない両者。だが、「正義の味方」は言う。ならば、自分達がそれを変えて見せると。
―――始まりは一つの可能性だった。一人一人の想いは、小さな点でしかなかった。だが、それは互いに繋がり、結び合い、可能性という名のラインを描いた。そして、数多のラインは一つに重なり、運命すら変える意志となって具現した。重なり合いカタチとなった、数多の可能性―――その名は、ラインバレル。
託された意志を、重なり合う可能性を、己が正義を未来に証明せんと、浩一は渾身の一撃をデウスに叩き込む。その一撃を以ってしてもデウスを倒すことは叶わなかったが、機械仕掛けの神は宣告する。その意志で、その正義で、人間で在り続けることを未来に証明してみせろと。
一つの未来を勝ち取り、UXは崩壊する空間を脱出する。殿となったラインバレルのコクピットで、浩一は決意を固める。どんな未来が待っていても、この意志を折りはしないと。

関連人物

早瀬浩一
ファクター。彼の成長と感情に応じてラインバレルは力を発揮する。
城崎絵美
もう一人のファクター。ラインバレルは彼女を守ろうとするため、搭乗を拒否する。
加藤久嵩
開発者の息子(原作では助手)。敵対時はラインバレルを求めていたが……。
城崎天児
開発者。原作漫画版では真のファクター。
ナノ&マシン
原作漫画版に登場したキャラクター。サブ電脳のインターフェースであり、「真のファクター」のサポートを行う。

関連機体

ラインバレル mode-B
絵美搭乗時の姿。戦闘力は上がったが「マキナ殺し」の力が封じられている。またの名を「ラインバレル・オーバーライド」。
ラインバレル mode-C
浩一の怒りが生み出した「マキナ殺し」としての姿。あらゆるマキナを文字通り一掃する。
ラインバレル・アマガツ
原作漫画版に登場した、天児の意識によるラインバレル本来の姿。真のファクターたる天児の意志で駆動するため、浩一には制御不可能。本形態では頭部の各部が展開し隠されていた眼が現れ、一つ眼となる。戦闘能力は普段のラインバレル以上だが、燃費が悪化したため継戦能力は劣っている。
プロトタイプ・ラインバレル
初期状態。セントラルの量産型マキナに似ている。
ロストバレル
ラインバレル含む「バレルシリーズ」のプロトタイプ。
ヴァーダント
量産型。森次が乗っているのはその内の1機、ヒトマキナになれなかった機体に過ぎない。
新型アルマ
試作型の量産型。プロトタイプから電脳を外した機体。
マキナ
テルミノ・クレメンティアの終了時、次元坑道を彷徨うラインバレルが一瞬だけ遭遇した、ラインバレルに酷似した謎の機体。その正体は、「鉄のラインバレル」の原型作品である「鋼鉄の華」の主人公機であり、遭遇時には「鋼鉄の華」世界の浩一と絵美が搭乗していた。いわば並行世界のラインバレル。ラインバレルと違い顔があり、自意識を持っている。ちなみに意匠は右一つ巴。
なお、ラインバレルはこの機体をアレンジする形でデザインされている。
ラインバレル・エコー
アニメ版の後日談に当たる「鉄の影」に登場したラインバレルの影。ファクターは不在であり、オーバーライドも使用出来ないが、スペックはオリジナルと同等。復活を遂げた浩一とラインバレルにより全ての機体が撃破された。