デーモン
デーモンとは、『デビルマン』に登場する敵勢力。
概要[編集 | ソースを編集]
デーモン族、あるいは単純に悪魔とも呼ばれる。
人類出現以前の太古の昔、地球を支配していた知的生物。闘争本能と殺戮本能を満足させる事が生き甲斐であるとされ、恐竜などの当時の生物やデーモン同士で弱肉強食の殺し合いを展開していた。氷河期の到来によって氷の中に閉じ込められ冬眠することになってしまったが、現代になって復活することになった。なお一部の個体は氷河期の終わり頃に既に復活していたらしく、狼男やドラキュラなど世界各地に悪魔・怪物の伝承を生み、またイタリアの詩人ダンテは氷漬けになったデーモンを目撃したことで長編詩『神曲』を描いたのではと推測されている[1]。
様々な超能力を持つが、その中でも特筆すべきなのは合体能力である。これは他の生物[2]・無生物と合体する事でその能力を獲得することができるというもの。デーモンも元々は人間と同じような姿だったようだが、弱肉強食の世界の中でより強力な力を得るためにデーモンは合体を繰り返し、異様な姿と数々の超能力を持つ怪物のごとき超生物へと変化していった。作中でデーモンの死体を解剖した雷沼教授らの調べでは身体の細胞が部分部分で異なっており、体内器官も同じことが言えるとのこと。また細胞の配列を変化させる変身能力も備えており、現代では人間に擬態して人間社会に潜伏する者もいた。また派生作品での描写であるが合体から分離することも可能[3]。
個体によって人間大~ジェット機クラスのような大型の個体も存在する[4]が、一応は生物であるため、戦車の砲撃や細菌兵器、銃撃などにより撃破することも可能。ただ人間大のデーモンであってもライフル銃程度では数発、あるいは頭部に喰らっても殆ど効果が無いほどの生命力を持つ。また所持している超能力次第では戦車も軽々と持ち上げたり、核爆発すら起こせるほどの念動力や、溶岩らしきものと一体化した肉体などを持つ個体も存在し、原作漫画やその後の派生作品などでも人類はほとんど太刀打ちできなかった。
自らが氷漬けになっている間に繁殖していた人類に関しては「うまいなんてもんじゃない」「一度食ったら他のものが食いたくなくなる」など、こたえられない最高の食い物、ごちそうの山と称しており、食料かそれ以下と見做していた様子だが、メンタリティーとしては上記の通り闘争本能、殺戮本能を中心に持つものの、愛に準じたものや、仲間のかたき討ちを望む、人間に化けつつレストランで席を共にするなど友情や仲間意識を感じていたり、大魔王ゼノンおよび百の魔将軍の下に組織化され、デーモン全体の勝利のために多くの個体が自身の死をもいとわないといった上からの命令にはしたがうなど、実際には人類と大差ないものを持っていた。
なお雌雄の性別の差、人類と変わらぬ生殖行為を有することは描かれている[5]が、実際の生殖・出産・成長に関しては詳細不明である[6]。
また上記の通り生物であるが、人間がサバトなど理性を失う狂気じみた行為を行っていると、それを察してテレポーテーションで現れ、その場の人間と融合してデーモンとしての姿を現すといったシーンもあり、精神生命体などのように肉体は無く、人間と融合することで初めて実体化できるような描写もあったが、こちらの詳細も不明[7]。
そして人間との合体についてはリスクが存在する。これは人間が持つ理性に対し、ある意味では本能で生きているデーモンとの間で拒絶反応が起こるため。合体した人間が意志が弱い、或いは上記の通り理性を何らかの形で失っていれば、合体した人間の知識を持つデーモンとなるが、通常では拒絶反応の末に怪物化の後、合体した人間とデーモン共々死亡してしまう。しかしデーモンと融合しても強い意志、善良な心でデーモンを逆に抑え込んだ場合、その人間はデビルマンとなる。
ちなみに無差別合体を行って多くのデーモンが上記の拒絶反応の末死亡し、更にデビルマンや人間たちと戦ったり、神の裁きにより多くのデーモンが死亡したのだが、その上でデビルマンが軍団を作れるほど存在し、それをデーモン側も軍団で迎えうったことから、種族としての総数は相当な数が存在していた模様。
デビルマン(悪魔人間)[編集 | ソースを編集]
上記の通り、デーモンと融合してなお、自身の意志を失わず、逆にデーモンを抑え込みその力を得た悪魔人間。不動明はデーモンの中でも勇者と呼ばれるアモンを取り込み誕生した最初のデビルマンで、後のデビルマン軍団の中心的存在となった。
数々の超能力、肉体の頑強さ、合体能力[8]と、デーモンとデビルマンでは人間の知識を得たデーモンか、デーモンの力を得た人間かが違うものの、能力については殆ど差異が無い。
しかしデーモンにとっては人間の強靭な意志と頭脳が加わったデビルマンは恐るべき存在であるようで、作中ではシレーヌが戦闘前に恐れを抱き、悪魔王ゼノンですら「恐るべき」と称している[9]。
なお、不動明は取り込んだアモンの精神の影響を受けて合体後は以前とはうって変わって好戦的な性格となり、またアモンの過去の記憶も有している様子だった。だが終盤でデーモンが実行した無差別合体で生まれたデビルマン軍団にはそういった性格の変化らしきものは見られず、ミーコのように人間とデーモンの姿を使い分けられないデビルマンもおり、この性格の変化が不動明特有のものなのか、合体したアモンが強力なデーモンであったからなのかは詳細不明である。
登場作品[編集 | ソースを編集]
単独作品[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦DD
- サービス開始からの登場。同一世界のワールド1の第1世界に登場し、古代種族という共通点がある『鋼鉄ジーグ』の邪魔大王国とは知己であったという設定。
- なぜかネルフは世界が異なるはずのデーモンの動向を気にしており、冬月コウゾウを通じて梅崎博士を第1世界に派遣したりと動きを見せている。エヴァンゲリオンのモデルが「天使」だからであろうか。
人物[編集 | ソースを編集]
- アモン
- 明と合体したデーモン。後のデビルマンである。
- テキスク
- 最初に明と了に襲い掛かったデーモンの一人。
- シレーヌ
- 頭に巨大な羽根を持つ女性のデーモン。
- ゲルマー
- 水と同化し、その水を飲んだ相手を操る能力を持つシレーヌの部下のデーモン。
- アグウェル
- 壁などに同化し、相手をめり込ませる能力を持つシレーヌの部下のデーモン。
- カイム
- 人面のサイか角竜のような姿のデーモン。シレーヌを愛する。
- イーダー
- 人間社会に潜伏し、人を襲っていたデーモン。
- ジンメン
- 亀のような姿のデーモン。その甲羅には食べた人間の顔が浮かぶ。
- ラズバ
- 蜘蛛のような糸で人間を操るデーモン。
- ドゥラメール
- ウミヘビのような姿のデーモン。
- サイコジェニー
- 巨大な顔を持ち精神攻撃を得意とするデーモン。
- 魔将軍ザン
- 百の魔将軍の一人。
- 悪魔王ゼノン
- デーモン族の王。
- 大魔神サタン
- デーモン族を滅ぼそうとした創造神に反旗を翻しデーモン族を守った、デーモン族にとっての神。
余談[編集 | ソースを編集]
- 『デビルマン対ゲッターロボ』ではやはりこちらも古代種族である恐竜帝国とは氷河期到来以前はしのぎを削っていた相手と描かれている。
脚注[編集 | ソースを編集]
- ↑ なお、了には化石が存在していないことで滅びたという可能性は否定されている。
- ↑ 実際は遺体でも条件を満たせば合体可能らしく、劇中シレーヌが『原作漫画版』では自ら首をはねたカイムと、漫画『デビルマンレディー』ではビースト(同作でのデビルマンを指す名称)の遺体と合体している。
- ↑ 『対ゲッターロボ』『サイボーグ009対』でそれぞれ機械やサイボーグと合体しているが最終的に分離している。また『デビルマンレディー』では一部のデーモンが自らをあえて分離させることで、天使を欺くことに成功している。
- ↑ TVアニメ版ではマジンガーZくらいのサイズにまで巨大化する者が多かった。
- ↑ 原作漫画版においてはデビルマンがシレーヌを●●●するという案もあったそうだが、当然ながら編集部により即座にボツを喰らっている。
- ↑ 『デビルマンレディー』においては生殖行為からの妊娠、出産、成長などが描かれたが、かなり特異なケースであったので果たして他のデーモンもそうなのかはわからずじまいである。
- ↑ 『サイボーグ009対デビルマン』においては最初は不可視あるいは精神だけの存在で、駐車場で騒ぐ不良たちやサイボーグと融合して初めてデーモンとして実体を得たかのようにも見えるシーンが描かれている
- ↑ 原作漫画版では披露しなかったが、『デビルマン対ゲッターロボ』ではデビルマンがゲッターロボと合体したデビルゲッターが登場。『crybaby』ではデビルマンに仲間のデビルマン軍団が合体してその力を与えている。
- ↑ デーモンがとある方法により実行した「人間作戦」により、人類を滅亡にまで追い込むことに成功したことから、人間の頭脳、知恵などを脅威と考えたことは正しかった。