ディストーションフィールド

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ディストーションフィールド(Distortion Field)とは、『機動戦艦ナデシコ』に登場するバリア

概要[編集 | ソースを編集]

周囲の空間を歪ませ、攻撃を軽減するバリア。フィールドを纏った状態で移動するエステバリス等の機体はいわば「高速移動する超頑丈な砲弾」に等しい為、衝突した物体はたちどころに破壊される(通称ディストーション・アタック)。『ナデシコ』シリーズに登場するほとんどの機体が標準装備。

原作設定ではビーム兵器を完全に防御するが、ミサイル等の質量兵器には効果が薄い。そのためビームが効果のない相手に対し、軽減されるが出力差で勝っているために相手を破壊可能な兵器としてグラビティ兵器が開発された。

しかし、現時点ではすべてのSRWで通常兵器は軽減、グラビティ・ビーム兵器は一定値まで無効化ないしは軽減だがその効果がグラビティ兵器のほうが高く設定されている。また、ビーム兵器を持つ機体が多いため、対策としてはビーム兵器を改造して貫通させるのが(原作に反して)一般的。むしろ質量兵器や格闘のダメージ軽減効果が目立つ結果となっている。

初登場の『A』では凶悪な軽減率だったが、以降の作品では他のバリア並みに落ち着いている。

登場作品[編集 | ソースを編集]

各作品での性能
作品 ビーム兵器 グラビティ兵器 その他 消費EN
A 3000以下無効 5000以下無効 50%軽減 20
R 1500以下無効 2500以下無効 25%軽減 20
IMPACT / MX 1500軽減 2500軽減 1000軽減 20
J / W / BX 1500以下無効 2500以下無効 1000軽減 10
V / T 3000以下無効 3000以下無効 1000軽減 10

COMPACTシリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦IMPACT
全属性軽減タイプに変更された。このため他シリーズのように強力なビーム兵器で一撃必殺ということができず、この頃は『直撃』も存在しなかったため、攻撃力がデフレ気味の本作では非常に厄介な仕様になっている。特に木連の撤退ボスを相手にする時は、まず相手をガス欠にさせないとHPが削りきれないという事態が多々起きることになる。

携帯機シリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦A
初登場作品。見る機会の少ないグラビディ攻撃5000までの無効化はともかく、ビーム兵器を3000まで無効化し、それ以外の武器の威力を全て半減させるという、かつてのオーラバリアを越える驚愕の性能で登場。
ビーム攻撃を考えなければ、所持機体は実質HP倍加状態で、簡易版プロトデビルンの様相を呈す。木連兵器が出てきた頃の味方には強力なビーム兵器を持つ機体が少なく、またそれらのビーム兵器でも熱血なしではバッタのフィールドすら貫けないこともある。このため「切り込み役は対木連用として使用回数の多いビーム兵器を改造しておくこと」が本作のセオリーとなっている。所持機体数も多いので通常兵器で戦わざるを得ず非常に面倒な敵となるが、戦力が充実してくれば貫くのは容易になり「ビーム兵器で攻撃しないと面倒な敵」程度になる。
それは味方も同じであり、中盤はともかく、終盤の敵であるネオ・ジオンのMS相手では「ディストーションフィールドが役に立つ(by ウリバタケ)」どころか、ビーム攻撃であっけなくフィールドを貫かれ撃沈……もあり得る。しかし防御すれば6000、援護防御ならば最大で12000近くまで防げるので、防御しながらの運用ならばやっていけないこともない(この辺りはむしろかつてのA.T.フィールドか)。また、消費ENが20と多く、ナデシコから離れた状態でフィールド防御を連発しているとすぐにEN切れに陥る点も注意(これはナデシコからEN供給ができないダイテツジン、そしてナデシコ本体にも当てはまる)。
やはりこの作品での性能は強すぎたためか、以後の作品では大きく性能を落とされることに。
スーパーロボット大戦A PORTABLE
リメイク前と同仕様。特に弱体化されることもなかった上に、敵のHPが全体的に増加傾向にあるため、結果リメイク前以上に敵として猛威を揮う。
スーパーロボット大戦R
携帯機での前作である『A』と比べて、すべての設定ダメージ値を半減されての登場。それでも通常兵器のダメージを3/4にしてしまうので厄介だが、今回はビーム兵器持ちのユニットが早い段階で多数揃うこともあって、『A』よりもフィールド持ち機への対処には苦労しない。そしてフィールド無効化(バリア貫通)属性も登場した(エステバリスのフィールドランサー、そして電童・ブルホーンの全武装。敵でこれを持っているのは凰牙・ブルホーンの全武装のみ)。
当然味方の機体のフィールドも抜かれやすくなっており、防御状態でなければまず安心できず、ボス格のビーム兵器だと防御していても抜かれることさえある。相変わらず消費ENが20と多いが、運動性の向上やサイズ補正等の採用でエステバリス自体の被弾率がかなり下がったため、あまり気にならなくなった。
スーパーロボット大戦J
当初と比べると大幅に性能が落ちたが、この時期のSRWでは相当に強力な部類に入る。モビルスーツ戦やジンシリーズ戦で真価を発揮するが、エステバリスは避けるタイプのため、実質恩恵を受けるのはナデシコのみ。そして装甲が薄めのため抜かれやすい。
スーパーロボット大戦W
J』と同じ性能で登場。同様の理由でいささか微妙な性能だが、15段階改造まで行えば鉄壁と化す。敵が持っている場合は恐ろしくタフになるが、レッドフレームガオガイガーといった貫通攻撃持ちや、アーバレストテッカマンブレードのような大火力持ちがゴロゴロいるため対処は楽。
スーパーロボット大戦BX
木連のものは「時空歪曲場」の名称に変更された。性能は『J』や『W』と変わらないが、バリア持ちの敵が増えたことで、木連が特別にタフという印象は薄くなった。しかも、従来と違いビームサーベル等の格闘武器もビーム扱いとなったため、攻撃力次第ではこれで簡単に破れる。
プレイヤーが使う場合他のバリア系能力同様、バグ(?)による『不屈』との組み合わせが強烈。

VXT三部作[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦Vスーパーロボット大戦T
ゲーム内で確認できる説明文では少々わかりづらいが、「射撃のビーム属性」と「グラビティ属性」が3000ダメージ以下なら無効化、それ以外の属性は全て1000ダメージ軽減。
ビームとグラビティの無効率が同等になった。また、ビーム兵器も無効化バリアとして働くのは射撃限定となり、ビームサーベル等の格闘武器に対しては軽減するようになった為、『BX』でできた戦法は通用しなくなっている。
チュートリアルで登場する積尸気が通常通りに展開しており、攻撃した際にバリアに関するレクチャーが発生する。

単独作品[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦MX
数値上の性能自体は『IMPACT』と同等だが、「直撃」やバリア貫通武器の増加、全体的な火力向上などにより体感的な防御力は弱まっている。
だがそれでも、フィールドを持つ味方機はいずれもEN回復(ナデシコのみ大気のない場所に限る)を持つので維持するのは容易であり、装甲や防御の数値以上の耐久を示す。
敵側のフィールドについては、エステバリスがバリア貫通武器を持っているので破るのは容易い。ちなみにグラビティ兵器も軽減対象だが、敵側は誰一人として使ってこない(この作品における旧木連機体が使う重力波砲はグラビティ属性ではなく、ゲーム全体を通してグラビティ属性を持つのはナデシコのグラビティブラストしかない)ので実質敵側のみに適用される効果となっている。他の属性よりも減衰量が多いため、フィールド所有機に対しては、ナデシコはグラビティブラストよりもミサイルを撃った方がダメージが大きくなるという逆転現象が発生する。

主なユニット[編集 | ソースを編集]

ナデシコ系列の戦艦
エステバリス系列の機体
木連の各種機体
木連では「時空歪曲場」と表現するのだが、『BX』以前は表記には反映されない。

余談[編集 | ソースを編集]

  • ロム・ストールは『IMPACT』でディストーションフィールドの上から口上を行うという離れ業を披露してユリカとルリを驚愕させた。
  • 『IMPACT』で兜甲児は、名前が言いにくかったのか「なんとかバリヤー」と呼んでいた。
  • ディストーションとは「ねじれ」「歪曲」という意味なので、歪曲フィールドも同じ意味を持つ。