加持リョウジ

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加持リョウジ(Ryoji Kaji)

NERVの特殊監察部に所属する。ミサトリツコとは大学の同期で、ミサトとは一時期恋人関係にあった。アスカと共に来日し、洋上でミサトと再会する事になる。飄々としているが、NERVの謎に深く関わっており、様々な所で情報を集めている。面倒見の良い一面もあり、ミサトの為に使徒殲滅の作戦を提示したり、悩むシンジにアドバイスを送る事もあった。

実はゼーレ日本政府にも所属する三重スパイという裏の顔をもっている。このような事を行ったのは人類補完計画の概要を知りたいという知識欲に駆られての事だが、一歩間違えば「死」が降り掛かる命がけの行為であった。そして、彼自身の最後の「仕事」としてゼーレの指令で冬月コウゾウの拉致に関わるのだが、その後冬月を独断で解放したため、ゼーレが放った暗殺者(なお、漫画版では顔見知りの犯行と思われる)により凶弾に倒れた。そのスパイ活動で得た情報は葛城ミサトの手に渡る。

なお、ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』の彼が主役となるシナリオでは、原作と違った形の「最後の仕事」を行う為にミサトに心配されながらも見送られてゼーレの元へ赴く所でシナリオは幕を下ろし、彼がその後どうなったかは不明となるが、ミサトのシナリオで無事に彼女の元へ帰っている事が判明した。なお、ゼーレとの対決へ赴く際に、ミサトに「前に言えなかった事(おそらくプロポーズと思われる)を帰ったらする」と原作のような、死亡フラグになりかねない事を言っている。

エヴァンゲリオン』はアスカ登場以降の一時期(いわゆる「第二部」において)明るい作風であったが、その一要素として挙げられるのが彼である。人柄と常識を兼ね備える「大人」としての魅力に溢れており、シンジを上手く導いた立役者である。その一方で、ミサトとの付き合いと関係修復の過程は子供が立ち入れない場面である(一部描写自体が「18禁をギリギリ回避した」と言われる代物)。彼の死はミサトやシンジを追い込み、アスカに止めを刺し、それに呼応するかのように作品自体も負のイメージが強くなった。「彼が生きていればエヴァンゲリオンという作品も大きく変わっていたに違いない」というのが多くのファンの意見である。反面、アスカの精神安定に全く貢献できなかった事も事実ではある。

漫画版では弟や被災した仲間達を犠牲にして生き残ってしまった事を後悔しており、この事が(元凶である)補完計画に近づく動機になっている。ミサトとの破局にも関係している。

新劇場版ではアスカとの関係が無くなるなどで出番は少なくなったが、シンジにアドバイスをするという役割は変わらず。

なお、趣味のスイカの栽培だが、スイカが大好きというわけではない。
正確には、セカンド・インパクトで多くの生命が死滅した世界でも、生き物が育っていくことができる様子を見るためにしている事である。

登場作品と役柄

旧シリーズ

スーパーロボット大戦F
スーパーロボット大戦F完結編
スイカを栽培し、ユウキ・コスモに皮肉を言われたりしている。ラストはネルフ自爆させ、ゲンドウと共に運命を共にする。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
原作と同じ経緯で合流するのだが、シンジフラグを一つでも立てていた場合、見せ場であるはずの「男の戦い」イベントでシンジにアドバイスするのは万丈になってしまい、いつの間にやら登場しなくなるなど扱いは悪い。第3次αには未登場。
スーパーロボット大戦α for Dreamcast
新規EDルートで再登場。最期は崩壊するNERV本部と運命を共にした。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦L
『新劇場版』設定で登場。原作を反映してかLOTUSには同行せず、出番も少なめだが、第40話にてサリィと共にGreATに制圧された地球の現状をLOTUSに伝えた。新劇場版がまだ未完ということもあってかMXの時と同様最後まで生存している。

単独作品

スーパーロボット大戦MX
ラーゼフォン』の弐神譲二と情報交換するイベントがある。エンディングでは「8年前に彼女に言えなかったことを、言うつもりです」と言っていることからミサトに告白をするようである。スパロボでは最後まで死亡しなかった最初の作品で、「男の戦い」イベントにも関わる為に歴代で最も扱いは良い。

人間関係

惣流・アスカ・ラングレー
異性として憧れられているが、加持は子供としか見ていない。
新劇場では関係なし。直接会話することすらない。
葛城ミサト
元同級生・元恋人。複雑な関係。
赤木リツコ
大学の同期。「リョウちゃん」「リッちゃん」と呼ぶ仲。
碇ゲンドウ
ネルフの上司。加持の正体に気付いている節があり、お互いそれを承知の上で利用しあう微妙な関係。
ゲンドウ曰く「有能な人材は無碍にはせんよ」との事。
F完結編では彼と運命を共にした。
碇シンジ
彼に対して兄貴分として接し、彼を諭して再起を促す。
劇中でシンジをお茶に誘っているが、新劇場版ではさらにBL的な怪しい言動でシンジを絶叫させてしまった(ネットスラングで有名な某ホモ系ネタの絶叫を思わせている)。
『新世紀エヴァンゲリオン2』では、もはや変態としか言い様のない形でシンジに迫るイベントがある。
キール・ローレンツ
ゼーレは加持を「碇の首についた鈴」と例えた。
真希波・マリ・イラストリアス
新劇場版では彼女を知っており「問題児」と評していた。なお、『破』ではシンジの説得は加持ではなく彼女が行なっている。

他作品との人間関係

ユウキ・コスモ
F完結編ではソロシップでスイカを栽培していた際に、彼に皮肉を言われてしまう。
弐神譲二
MXでは似たようなポジションの人物。中盤以降、多くの絡みが用意されている。EDでは本来、自らが演じるはずだった「役」をゲンドウに奪われたと、弐神相手に告白。彼からは「猟犬になれなかったか」と評された。
ケーン・ワカバタップ・オセアノライト・ニューマン
MX序盤で、彼らの実力を不安視するミサトにDチームのそれまでの戦いぶりを説明し、「機体性能や運だけじゃない」と、パイロット適正の高さも評価した。

名台詞

「よっ!相変わらず凛々しいな」
ミサトと再会した時の台詞。
「彼女の寝相の悪さ、直ってる?」
保護者としてミサトがシンジと同居していると聞いて、「現」同居人にこの質問をする「元」同居人。聞かれたシンジはよく分かっていなかった様子だが、同席していた3人は揃って「イヤ~ンな感じ」のポーズで硬直、ミサトに至っては半狂乱で加持に怒鳴ったのちに「冗談…悪夢よこれ…」と頭を抱えることに…。色んな意味で大人な加持らしいといえばらしい台詞でもある。
「人類補完計画の要ですね」
アダムをゲンドウに渡した時の台詞。
「シンジ君…俺はここで水を撒くことしか出来ない。だが君には君にしか出来ない、君になら出来ることがあるはずだ。誰も君に強要はしない。自分で考え、自分で決めろ。自分が今、何をすべきなのか。ま、後悔の無いようにな」
壱拾九話『男の戦い』にて、第14使徒ゼルエル襲来時、エヴァに乗るのを拒否していたシンジに対して、スイカに水をまきながら言った台詞。
「よぉ、遅かったじゃないか」
次の瞬間、暗殺者の放った凶弾を受けて斃れてしまう…。
「これで、ジ・エンドか……」
ビデオ版以降に追加された、死の直前の一言。
「もし生きて帰れたら、8年前君に言えなかった言葉を言うよ」
「真実は君とともにある」
留守番電話に残されていたミサトへの最後のメッセージ。

スパロボシリーズの名台詞

「…また言いそびれちまったな…葛城…」
F完結編での最期の台詞。この台詞の後に加持はゲンドウやジオフロントと運命を共にした……
「裏方はあくまで裏方…その代わり、舞台仕掛けの仕組みを見る事が出来る」
「違いますか?十文字さん」
MX終盤、弐神の素性を口にした上で、同業者である彼と『多元世界補完計画』なる「芝居」についての長い考察を開始する。

余談

演じた声優の山寺宏一氏に多大な影響を及ぼしたキャラクターであり、その後彼の活動が声優の枠を超えたのは周知の通り。演じた声優の代表作品としても良く取り上げられるが、単に作品が有名である以上に「加持リョウジ」というキャラクターの魅力も詰まっていることが理由だろう。

話題まとめ

資料リンク