エンネア

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エンネア
外国語表記 Ennea
登場作品 機神咆吼デモンベイン
声優 成瀬未亜
柚原有里(SRW代役
デザイン Niθ(原案)
橋本秀樹
桜井正明
初登場SRW スーパーロボット大戦UX
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
別名 ネロ
異名 暴君
種族 人造人間
性別
所属 ブラックロッジ
役職 幹部
資格 魔術師
契約魔導書 無銘祭祀書
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エンネア / ネロは『機神咆吼デモンベイン』の登場人物。

概要

大十字九郎が路地裏で保護した記憶喪失の少女。名前の由来はギリシア語の「9」。

オレンジ色の髪に猫耳のような癖毛が特徴。保護した直後は呆然としたままだったが、その後本来の快活な性格を取り戻し、そのまま九郎の部屋に住み着き始める。家事全般が得意らしく、特に料理の腕前はプロ並とさえ言われるが、食材の買出しの際に必要経費と称して九郎の所持金を勝手に使う等、お調子者としての一面も併せ持つ。九郎やアルと共に家族として溶け込んでいく一方、九郎が戦う者であることを見抜いたり、アルからその目的を問われた際に答えをはぐらかす等どこかミステリアスな部分を秘めている。

その正体はブラックロッジの幹部「アンチクロス」の一人であり、魔導書「無銘祭祀書」を所有する魔術師ネロ。名前の由来は古代ローマ帝国5代目皇帝であり、ローマ帝国史上最大の暴君「ネロ」から。

その力はアンチクロスの中でも最強と謳われており、マスターテリオンと同等と言われるが、彼らを上回る凶暴さから地下に幽閉されている。脱走直後の時点だと頭は拘束衣の覆面で隠されている。原作PC版『斬魔大聖デモンベイン』では非常に露出度の高い格好をしていたが、移植やアニメ化にあたって修正された。 魔銃「クトゥグア」「イタクァ」を所持しているが、それらは紆余曲折を経て(ルートによって過程が異なる)九郎の手に渡ることとなる。

ウェスパシアヌスが発案した「ムーンチャイルド計画」の成功例で最高傑作、そして「Cの巫女」として「C計画」に欠かせない存在でもある。だが最初からそう仕組まれた存在で一連の真相を知っており、同時に絶望と諦観に満ちている。

作中での動向

エンネアを名乗り九郎と接触し、数日の共同生活を送った後、突如として出現したアンチクロス鬼械神とそれを迎え撃つデモンベインの街中での戦いに巻き込まれ、崩れ落ちる瓦礫の中に姿を消してしまう。

終盤、再び九郎達の前に姿を現すと同時に、その正体を明かし立ちふさがった。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦UX
初登場作品。クラウディウスカリグラと共に登場のタイミングが前倒しされ、インスマウスでの戦闘後に九郎が保護、そのままUXに転がり込んでくる。他作品のメンバーとは非常に仲良くしており、竜宮島では灯篭流しの手伝いもしていた様子。やがてザ・ブーム軍との戦闘中、外を出歩いていたところをグラサンの機体の墜落に巻き込まれてしまい、九郎とUXのメンバーに癒えぬ傷を与えることとなるが、終盤、暴君ネロとしての顔を表す。ループに気付きながら、自分の運命は変わらないと諦観している節が見受けられるが九郎に檄を入れられ、未来への可能性を託すが……。
キャストの柚原有里氏はスタッフロールではネロ役のみでクレジットされているが、中断メッセージにてエンネアとしてのボイスも収録されている。

パイロットステータス

能力値

回避以外の能力値はアンチクロス最強。実は回避の値は(魔術師による補正を除けば)雑魚を含めてUX最低なのだが、乗機が耐久型なので気にならない。

特殊スキル

UX
魔術師L9、魔導書L9、底力L9、援護攻撃L3、全体攻撃L3
マスターテリオンとほぼ同速度で技能LVが上がっていく。

人間関係

大十字九郎
非常に懐いており、事あるごとにアプローチを仕掛ける。
アル・アジフ
九郎を巡ってしょっちゅう喧嘩しあうが、エンネアは寧ろ楽しんでいる。
ウェスパシアヌス
彼によって生み出された。
クラウディウス
『UX』にて彼を殺害する。

他作品との人間関係

リナ・デイヴィス遠見真矢
UX』ではUXメンバーの中でも特に仲が良かったらしく、彼女が墜落に巻き込まれた時は二人ともただ泣きじゃくることしか出来ず、特に真矢にとっては苦い初陣になってしまった。
ジョウ・マヤ
『UX』では飛影と共に零影を駆るイルボラを退けるが、その直後に彼女が居なくなってしまったため、勝利の余韻に浸ることもなく無力感とやり切れなさに苛まれることに。
小楯衛
『UX』で条件を満たすとハザードの攻撃から彼を救出し、第43話の会話の中で自分が助けたという事を明かす。だが本人がこの場にいなかったため[1]、衛がこの事を知るのはエンディングまで持ち越しとなる。
なお、衛は『K』において彼女の正体と同じ名前の勇者に師事していた。
皆城乙姫
『UX』ではエンネアの正体とその運命を知っているらしく、彼女に問いかけをする。
曹操ガンダム
『UX』ではバイストン・ウェルにおいて何故戦いあうのか、という疑問に対し、彼から「信念のなせることであろう」と説かれる。
ミハエル・ブラン
『UX』世界でネロが見てきたループの中には彼が死亡する運命もあったようだ。
フェイ・イェンHD
『UX』第43話での彼女との戦闘前台詞ではフェイの心の中にいる「彼女」の存在に気付いている節がある。

名台詞

「九郎――っ! 朝だよ――っ!」
「あははは、起きた起きた!おはよ――! 九郎!」
九郎が保護した翌朝、彼のお腹に乗っかりながら言ったセリフ。原作ゲームではいわゆる「肌ワイ」というなんともアレな格好だった。無防備に微笑むエンネアと、昨夜の自失状態のエンネアが容易に結びつかず、しばし混乱してしまう九郎だった。
「うん! だってお外はこーんなに良い天気なんだからね! いつまでも寝てるのは勿体ないよ!」
彼女の元気さをぼうっとした頭のまま問うた九郎。その言葉に、快活に笑うエンネア―――後の彼女の運命を鑑みるに、なんとも悲しくなるシーンである。
「もしもね。未来を知ることができて、それでどんなに必死に戦ったって、誰も救えない、救われない。全部無駄なことだって分かったらどうする? ――それでもまだ戦える?」
九郎に対する問い。その時は深く考えずに返答する九郎だったが…。
PC版の発売前PVでも引用されている台詞であり、UXにおいては物語にも深く関わっている重要な意味合いを含んでいる。
「九郎はね……どんなに大変なことになっても、そんなノリで軽く戦い抜いちゃうんだよ、きっと」
「九郎は挫けない人。どんな大変な目に遭っても、『それがどうした』って、簡単に払い除けちゃう人なんだよ」
狂騒の一瞬間を終え、騒ぎながら喫茶店で休憩する三人。エンネアはアルとじゃれあう九郎を優しく見つめながらそう言った。直後に、悲しい別れが待っていることは、まだエンネアしか知らない―――
エンネアの死から復帰した後の九郎は、まさにこの言葉通りに、喩え最愛の魔導書が死のうとも、魔を断つ剣が折れようとも、決して挫けず怯まず闘いぬくことになる。それが邪神すら想像し得ない奇蹟を幾重にも起こしていくのだ。
「泡沫の夢だとしてもね―――神様でも壊せない、強くて綺麗なモノもあるんだよ。喩えばね―――」
原作ゲームアルルートノーマルエンドより。もう一度暴君としてついてこい、と曰う邪神への痛烈な皮肉。口端から紡がれる御伽噺。その切実な唄に応えるかのように、どことも知れないそこに降り立つもの。それは―――
だけど、みんなの祈りは届きました。
ある日、空が輝きました。
誰もが空を見上げました。
そして、誰もがそれを見ました。
憎しみに燃える空から、血を舐める地球に降り立った光の巨人。
空を輝かせ、地を照らし、彼はやって来ました。
―――善い神様が舞い降りたのです。
そして、悪い神様たちを懲らしめようと、その手に光り輝く剣を執りました。
原作ゲームアルルートノーマルエンドより。かくして物語(セカイ)を唄うラブソードスは世界(モノガタリ)に生まれた。彼女が唄うは世界を救う光の物語。それは御伽噺に過ぎないけれども、だけれども―――
いつか悪い神様たちは想うでしょう。
宇宙の果ての寒い場所に閉じ込められながら、悩むでしょう。
怒りながら、
嘆きながら、
憎みながら、
妬みながら、
そして―――憧れながら。
なぜ、こんなことになってしまったんだろう?
いったい誰が、何が、どんな願いが、宇宙の真理すらも捻じ曲げて、善い神様を創りだすのだろう?
―――生命とは何なのだろう?
これはお伽噺です。
だけど、それは。
世界の中心で夢見る神様ですら、
宇宙の総てをお創りになった神様ですら、決して、決して、消し去る事の出来ないそれは、
刹那の愛を紡いで、永遠の時を刻み続ける―――

いのちの歌。
かくて、最も陳腐な大団円が訪れる。ラブソードスは次の物語の時まで、静かに世界を歌い上げる。それは―――

迷台詞

「―――追い出したら、拉致されて監禁されてレイプされたって触れ回ってやる」
「んー、どうするよ兄ちゃん?社会的に死んでみるか?世間様から石やら腐った卵やら投げつけられながら後暗く生きてみるか?」
「『大十字九郎、ここにありき』って首括って死ぬか?んー?」
「わー おかされるー ころされるー たべられるー いやー やめてやめておねがい なぐらないでなぐらないで ごめんなさいごめんなさいゆるして」
九郎が家においては置けない、然るべき帰るべき場所を探す、と言った場面にて。小悪魔っぷりを遺憾なく発揮し、追い出したらただじゃおかないと九郎を脅す姿はなんとも言い様がない。九郎は心の中で「何故に俺の周りには俺を脅かさない女は寄って来ないのか。神に回答を求む。制限時間、今すぐ」と神を恨むしかなかった……
因みに「大十字九郎、ここにありき」という文句は、映画『ショーシャンクの空に』でブルックス・ヘイトレンが遺した言葉が由来。
PS2版『機神咆吼』ではさすがにCERO的な意味でまずかったのか、「レイプされて」「おかされるー」の行はカットされている。
「通勤通学途中のみなさーんにビッグニュース!ここの探偵さんは、そりゃあ悪逆非道の変態探偵!」
「無理矢理、あたしにワイシャツを着せて押し倒したり、次はブルマとスクール水着でいくよハァハァとか言って襲いかかってきますよ――っ!」
「きゃー、女性の人権侵害―っ!ノーモア大十字九郎――っ!」
服を買いに行く九郎への大暴言。連れていかなきゃ触れ回ってやる、ということである。万事がこの調子で、九郎のストレスがマッハ。アルに慰められ、心のなかで哭きたいと零す九郎だった……
「ふふーん? 嫉妬ですかにゃ? 見苦しいにゃ」
「自分が一番九郎に近いって油断しているのかな? ふふっ、甘い甘い、蕩けるように甘いねえ」
「女ってえのは日々、己の美貌を研鑽しないと、簡単に見捨てられてしまうんだからねー」
「あっ……でも、そもそもその貧弱な身体つきじゃあ、最初から相手にされないかもねー。 あははははは」
九郎の腕を密着した上でアルを挑発した台詞の数々。案の定、アルはキレてエンネアに魔術を繰り出すが、九郎が代わりに食らわされてしまい、空高くまで吹き飛んでしまう。身体つきに関しては大差は無いのだが…
上記のやり取りは『UX』でも中断メッセージで再現されている。

スパロボシリーズの名台詞

「へー、ミシェルってそういう人なんだね。エンネアも口説かれないように気をつけないと」
UX』第2部第30話「大いなる胎動」より。アルトミシェル達のやりとりに対し。九郎に対しては積極的だが、その他の男に対してはそこそこガードが固いらしい。彼女の発言に対し、珍しくミシェルが慌てる。
「ねえ、みんなはなんで戦おうとするの?」
「戦うことになれば、いっぱいいっぱい痛い思いもするんでしょ」
「それなのに、どうしてみんなはそうやって戦えるの?」
同上。戦場に出るUXの面々への疑問。九郎達はそれぞれの言葉で戦う理由を答えるが……
「もし、全部無駄だとしたら…」
「もしもね、未来を知ることができて、戦っても誰も救えない、救われない…」
「全部無駄なことだってわかったら、どうする?」
「それでもまだ…戦える?」
それぞれの回答の後。まるで先を見通しているような疑問。だが九郎は「何もしないで我慢できるのか…俺には無理」と答える。
「ほら、ネロを撃って?このままじゃ、アルトの好きな空も消えて無くなっちゃうんだよ?」
『UX』第43話でのアルトとの戦闘前台詞。だが、当のアルトからは彼が元歌舞伎役者ということもあってか、この挑発が演技であることを気付かれている。
「だからネロのココロを撃ちたいって?余計な事はしない方がいいと思うな」
「せっかく掴み取った命と運命、大事にしないとね!」
『UX』第43話でのミシェルとの戦闘前台詞。「女性を撃つ趣味はない」というミシェルに対しこの台詞を返すことから、彼女が見たループの中ではミシェルの眼鏡が割れる(=ミシェルが死亡する)運命もあったことが示唆されている。
(覚醒した君と、『彼女』の歌…どこまで響くのかな?どこまで輝くのかな?)
(フフ、楽しみだな…)
『UX』第43話でのフェイとの戦闘前台詞。前述の通り、彼女の心の中にいる『彼女』の存在に気付いている節が見受けられる。
「九郎、エンネアはね…」
同上。この言葉と共に、彼女は墜落する機体の爆発に巻き込まれてしまう。しかし…?
エンネア「ほら、聞こえるでしょう?みんなの声が…!」
九郎「ああ、聞こえるとも!」
『UX』最終話にて。この後、仲間に出来なかった隠しキャラ達が登場するのだが、迂闊に隠しキャラが残っていると、迷場面と化してしまう。

搭乗・関連機体

ネームレス・ワン
魔導書「無銘祭祀書」を用いて召喚する鬼械神

余談

  • 『UX』において彼女の声を務めるのは柚原有里氏だが、これは収録当時に休業状態だった成瀬未亜氏の別名義であるとされている(『UX』発売後の2013年4月に同名義でも復帰)。
  • 成瀬未亜氏は声優業の他にも原画家としても活動しており、書籍『機神咆吼デモンベイン 公式魔導書』では氏の描いたエンネアのイラストが掲載された。

脚注

  1. というよりも、九郎の最終話での反応から、エンネアの正体を知ったショックで衛を助けたという話を聞いていなかったと思われる。