ヴェルトバオム
ヴェルトバオムとは、『無限のフロンティアEXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ』に登場する植物。
概要
空中都市国家・アグラッドヘイムの中枢たる霊樹。 作中におけるアグラッドヘイムの行動は全てこの大樹を育てるためのものである。
親木は国そのものたる空中都市「シュテルベン・シュロス」の中央を貫く形で伸びており、ここから芽や若木を分けることも可能。 最大の特徴は次元の壁を突き破って多くの世界に根を下ろすという生態と、知性体の魂を栄養分として成長するという生育形態。 アグラッドヘイムの面々はシュテルベン・シュロスの親木が世界に降ろした「根」を伝って移動することが可能である他、別の場所に若木があればそれを出入り口として転移することもできる。
親木についてはある程度魂を蓄えると、それを消費してアグラッドヘイムを別の世界に転移させることができる。 が、これを行うと同時にその時存在している世界から「根」が強引に引き抜かれるため、結果として転移前に存在していた世界はバラバラに分断される。
また、力が高まってくると転移が散発的に発生し、これを受けた地帯は大地が真円に刳り貫かれ消失することになる。 本来は王である魔族、ガグン・ラウズがこの制御を担っている。
ある程度成長すると親木への転移ルートを開くことが可能になり、こうなったヴェルトバオムからはシュテルベン・シュロスに向けた虹色の光が伸びる。また、ヴェルトバオムではなくとも、親木と繋がった樹木からも伸びることがあり、不死桜でこの現象が起きている。 生態としては他に、周辺をさまよう霊や魂、思念を引き寄せる性質がある。エスピナ城の謁見の間に植えられた若木は城全体に影響したが、シュテルベン・シュロスの親木はエンドレス・フロンティア全体に波及していた。 このため、「ゼノサーガ」の世界から流れ込んだグノーシス(ざっくりいうと、精神世界≒虚数領域に存在する人の負の意識の塊で、拒絶・散逸・拡散の意識を持って行動している)が物質世界に引き寄せられ、実体化を起こしている。
アグラッドヘイムの目的は転移した先の世界にヴェルトバオムの根を下ろし、その地で戦いを起こす、あるいはすでに起きている戦いに介入する、地上に残された思念や魂を狩り集めるといった方法で養分となる魂を集め、ヴェルトバオムを成長させつつ国ごと転移……というプロセスを繰り返し、最終的にはあまねく並行世界全てに「根」をおろし、自在な世界間の移動を可能にすることだった。
「EXCEED」では本編開始前に波国で戦っていた際、修羅たちの魂を食らっていたヴェルトバオムが、エンドレス・フロンティアで起きた世界融合の余波を受けた衝撃で暴走。 ガグン・ラウズはシュテルベン・シュロスの崩壊を食い止めるべく身を挺してこれを阻止したが転移までは防げず、自身は肉体を失い、波国は覇龍の塔とアイスベルク監獄を中心とした一帯のみがエンドレス・フロンティア南西部に融合することになった。
この一件でヴェルトバオムは内包していた魂を食い尽して「渇き」の状態に入ってしまい、さらに統御者であるガグンは肉体が消えたことで親木の力のコントロールが出来なくなった。このため、再びの転移を実行すべくアグラッドヘイムの面々が暗躍。 しかし、魂の回収のため各地で転戦したものの、行く先々でアレディ一行に妨害され、またゲルダ一派の襲撃を受けるなどして回収作業は難航。 結果的に、ヴィルキュアキント崩壊時に解放されたヴァールシャイン・リヒカイトをはじめとするアインストの魂を吸収することで「渇き」の状態は脱したが、リグ・ザ・ガードによれば、それがなければ計画そのものが潰えていた可能性もあった模様。
最終的にはエスピナ城に定植した若芽は枯死、若木は神夜によって封印されたことで頓挫、シュテルベン・シュロスの親木もネージュと神夜による二重封印を受けて完全に沈黙した。
神楽天原のシンボルである桜の霊樹「不死桜」とは「時空の扉に干渉する」という共通項を持ち、こちらが「開ける」力であるのに対しあちらは「閉じる」力を持つ。 そのためか、楠舞家の姫が持つ霊力や妖精族・魔族の魔力による干渉を受け付けるという特徴があり、劇中では神夜によって若木と親木が完全封印されている他、不死桜が親木と繋がっている。
関連用語
- アグラッドヘイム
- この国の中枢に当たる。親木がシュテルベン・シュロスの中央を貫く形で伸びており、根元にあたる部分は改造されている。
- 不死桜
- 神楽天原・武酉城の奥に聳える桜の大樹。樹木の種類からしてまったく異なるものの、「魂に反応する」という共通項を備えた霊樹。ただし、力の方向性は正反対。
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