ニア・テッペリン
ニア・テッペリン(Nia Teppelin)
カミナが死亡した後、荒れていたシモンの前に現れた謎の美少女。瞳の中に花を持つ箱入り姫。
第2部(9話~15話)以降のキーキャラクターであり、「主人公の相手役」という役割のヒロイン。名前の由来は「near(近い)」から。
常に敬語だが常識に乏しく、よく質問をする。語彙もあまり豊富ではなく、場の空気を読む能力に欠けるが、それだけに思ったことははっきりと口にし、自分の意見や信念を決して曲げない強い意志を持っている。
その正体は螺旋王ロージェノムの娘であったが、自我を持ったと判断され廃嫡された姫。出自から最初は大グレン団に疑われるが、彼女の純粋で真摯な心は次第に荒くれ揃いの大グレン団にも認められ、特にシモンとは激闘の中でお互い大事な人になっていく。
ちなみに無自覚の料理音痴で、ロシウを病室送りにするほど致命的に不味いが、味音痴のシモンとブータが「美味い」と言って食べ続けたため、料理が下手という自覚もないまま料理番になってしまう。
特殊な色合いの髪は最初ロングヘアだったが、敵に捕獲された際にヨーコの狙撃が掠めて散切り頭になったため、戦闘後にヨーコが整えてショートカットになった。
瞳孔には赤いクローバーのマークが浮かび上がっているなど特殊な部分は多いが、ほぼ普通の人間と変わらない容姿をしている。体つきは華奢だが、淑女のたしなみとして一通りスポーツ教育を受けているため、ヨーコよりも身体能力が高い。
なおロージェノムは人間であるため、実の娘である彼女も獣人ではなく人間である。しかし、その正体は、アンチスパイラルが作り出した仮想生命体(人獣問わずあらゆる生命体のDNAに潜伏し、アンチスパイラルの呼び声によって覚醒するまでは、通常の生命体として存在する。通常の生命体と違い、DNAの末端に至るまで支配されている)。ムガンの襲来時にメッセンジャーとして覚醒、シモンの前から姿を消す。以降は敵対者として何度となくムガンと共に現れたが、その時の語り口は天真爛漫な元のニアとはまるで異なる冷たく無機質なものだった。
カテドラル・テラ(カテドラル・ラゼンガン)の制御を取り戻したタイミングに前後し、シモンの叫びを聞いて己を取り戻すも、螺旋力の解析のためアンチスパイラルの本星へ召還される。その後「螺厳篇」(TV版「回天編」)最終局面で救出され、大グレン団と共にアンチスパイラルとの決戦に臨み、見事に勝利を収めた。
TV版には登場しなかったが、写真集では彼女の専用ガンメン「ソルバーニア」が存在していたことが明かされている。この機体は劇場版『螺巌篇』において、あるパワーアップを果たした状態で登場している。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
- 初登場作品。日本ルート34話からダイグレンのサブパイロットとして加わる。「大グレン団突撃」使用時にカットインが挿入されるが、ニアが艦長であるかのような印象を持ってしまうほど目立っている。支援系のコマンドを豊富に持っているが、最大SPの低さがネックとなってどれかひとつしか使えないことが多い。また初期レベルが10と低く、ダイグレンに修理装置の類はないので活用するにはある程度戦う必要がある。
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- プロローグで登場した後は暗黒大陸ルートで何度か顔を出し、38話で「メッセンジャー・ニア」名義で敵対。原作とは異なりアンチスパイラルがシモンと直接対決を行って一時撤退したため、召還されずに自由を取り戻し大グレン団に残っている。これによりシモン達はアンチスパイラルは倒れたと思っているが…。
パイロットステータス設定の傾向
精神コマンド
ここで修得するものはラインナップだけ見ると素晴らしいのだが、消費SPが割高。
人間関係
- シモン
- 外界で初めて出会った「人間」。ニアはシモンの荒んだ心を解きほぐし、シモンはニアの為に再起した。そして…
- カミナ
- 会ったことはないがシモンから話を聞いており、「アニキさん」と呼ぶ。
- ヨーコ・リットナー
- あっという間に現れて大グレン団のアイドルになったニアはヨーコにとって最初気に食わなかったが、やがては姉妹のような絆を結ぶ(カミナが生きていれば本当に義姉妹になっていたろう)。
- ロシウ・アダイ
- 彼女の手料理を食べたせいで死にかけた。
- キタン・バチカ
- 尋問を受けるが、ニアの独特のノリでそれ所では無くなってしまう。
- ロージェノム
- 父。捨てられたとはいえ父への信頼や情愛は最後までニアの心から消えなかった。そして、彼もまた…
他作品との人間関係
スーパー系
- エイーダ・ロッサ
- 第2次Z破界篇での初対面時、彼女からアイドルになるよう奨められる。
- 厚井鉄男
- 彼女の料理を食べた際に「まーずーいーぞぉぉぉぉ…!!」と悲鳴をあげた。
- 九条美海
- CCでは彼女と意気投合している。
リアル系
- ランカ・リー
- 第2次Z破界篇での初対面時、彼女の記憶に唯一残る「アイモ」を歌って見せる。幼少期から父がよく歌ってくれたとニアは語っているが、当然この時はフロンティア船団はこちらの多元世界に存在しないため、驚愕していた。
- グレイス・オコナー
- ニアから獣人の王であるロージェノムが、多元世界に存在しない筈の「アイモ」を昔から知っている事を知らされ、その符号の意味に強い関心を抱く。
- エウレカ・ズィータ
- 第2次Z 破界篇終盤、イマージュに自らの記憶を与えた事で心を失った彼女の為に、率先して「アイモ」を歌う。
- ジロン・アモス、ブルメ、ダイク
- 彼女の手料理を楽しみにしていたが、食べた直後には手の平を返すかのごとく、シモンに押し付ける(ジロンに至っては「これは痛いんだ!」と形容するほど悲鳴を上げた)。どうやら彼らのトラウマになっており、再世篇にて昼食に誘われた際には全力で断っていた。
名台詞
15話まで
- 「ニンゲンってなんですか?」
- シモンと会って初めて地上の人間を見た時の感想。当初は本当に世間知らずであり、「~ってなんですか?」が出たが最後、怒涛の質問攻めが始まることに。
- 「みなさん、たーんと召しあがれ」
- 料理を振舞ったときの台詞で、話のタイトルになっている。しかしその料理を口にした大グレン団は…。
- 「皆さん、ごきげんよう」
- ニアといえばコレ、度々使われる。
17話から
- 「やだ」
- シモンの「一緒になろう」とのプロポーズを断った台詞。「人は同じ人にはなれない」という天然ボケな理由らしいが、すぐにキヤルとキヨウに説得されてプロポーズを受けた。
- 「シモン、あなたはあなたのなすべきことをする為にここにきた。そうでしょ?」
- 最終決戦、攻撃を躊躇うシモンに対する台詞。ロージェノムと同じように、自らの命を躊躇無く捧げた。
- 「人の心は無限!その大きさに私も賭けた!」
スパロボシリーズの名台詞
通常時
- 「私が子供のころにお父様が歌ってくれた歌ですから」
- 第2次Z 破界篇後半で「アイモ」を歌ってる際、シェリルから「この歌が好きなの?」と訊ねられての返答。フロンティア船団がこちらの多元世界に転移したのはつい最近であり、当時は存在しない筈の「アイモ」をロージェノムが昔から知っている様だが、それが意味をする事とは…?
- 「…失われたものは戻りません…でも、せめて出来る事を考えた時…」
「私にはエウレカさんと一緒に歌ったこの歌を歌う事しか出来ないのです」 - 第2次Z 破界篇終盤でエウレカの心を取り戻す為、決然とした表情で「アイモ」を口ずさむ。その想いはZEXIS全員の意思をひとつにし、やがて「奇跡」を起こすのであった。
メッセンジャー時
- ニア「ゲッター線に取り込まれた男…」
竜馬「俺の事を言ってるのか?」
ニア「果てしなき進化に取り憑かれた哀れな生命…絶望の中に消えるがいい」
竜馬「あいにくだな、ニア!絶望なんて言葉は俺の頭の中にはねえんだよ!」
竜馬「ゲッターに乗っている限りな!」 - 第2次Z再世篇にて竜馬との戦闘前台詞。アンチスパイラル陣営も竜馬がゲッター線に選ばれし存在であることを知っている模様。
- ニア「ゲッター線を束ねる宿命を持つ者…」
渓「な、何? 號の事を言っているの…!?」
號「………」
ニア「その存在は銀河に災いを呼ぶ…スパイラルネメシスを阻止するためにもゲッターはここで破壊する」
號「…俺には使命がある。そのためにも負けるわけにはいかない」
號「行くぞ! ゲッタァァァァッ!!」 - 第2次Z再世篇にて號との戦闘前台詞。ゲッター線の行き着く先も知っているようだ。
関連機体
- ソルバーニア
- 写真集にて判明した彼女専用のガンメン。この状態は未登場だが、進化形態が劇場版に登場。
余談
- 恐ろしい事に、彼女の容姿は螺旋王ロージェノムの幼い頃にそっくりである。さすがにあのような漢前には成長しないであろうが。
- ニアを演じる福井裕佳梨氏は、彼女の瞳に浮かぶ赤いクローバーの紋章を赤十字のマークと間違えたという。さらに余談になるが、福井裕佳梨氏が演じた『トップをねらえ2!』(SRW未参戦)の主人公ノノの瞳に地球帝国宇宙軍の証である赤い十字の紋章が浮かんでいる(変身(?)後のみではあるが)。