無限力
無限力(Infinite Power)
『伝説巨神イデオン』に登場する用語。
無限力と書いて「むげんちから」と読む。その名はイデオンが危機に陥った際に発現した不可思議なパワーを月で解析した結果、その力が無限のポテンシャルを秘めているものであると判明した事から命名された。イデの存在を知らないソロ星の住民がそれの持つ力に対して付けた名であり、その経緯から転じてイデそのものを指す言葉としても使用される。
無限力の源
無限力の源は、第6文明人の意志であり、イデオンやソロシップを構成する金属・イデオナイトによりその空間に留まっている。これは富野作品で良く扱われるオーガニック的なエネルギーを凝縮した無機質なシステムでありそれ単体では唯の「力」であるが、これに「意志」が投下される事によってその力を発現し、数多の意志が同じ方向を向いて行く事によってその力を肥大させて行く。
無限力のパワー
人間の視点から見るならば、それを一番実感として感じられるのはイデオンの戦闘力である。動力も積んでいないはずの「遺跡」を合体させ人型にしてみせたり、バリアを貼って見せたり、月を一刀両断してみせたり、例を上げればきりがない。もっと大きな視点では、劇中遥か数百、数千万光年離れた地球、バッフ・クラン双方に流星群を降らせたり、果ては宇宙を「因果地平の彼方」に消したりなど、その力は正に神の領域。ただし、文字通り無限の力であるが、必ずしもその力が人に対して有効に働いてくれる訳ではない。これは無限力自体がただの力ではなく目的を有した存在だからである。
SRWにおける扱い
F
初参戦であったが、この時はまだシナリオが重要視されておらず、特殊エンディングが存在するものの無限力はあまり大きく取り上げられていない。精々そのぶっ飛んだ火力(威力9999)で流石イデと言われた程度である。
第3次α
次に参戦した第3次αにおいてはクロスオーバーを交えてシナリオ面でも大きく取り上げられており、元ネタであるイデだけでなく、 ゲッター線、ビムラーやザ・パワーやGストーンなど他作品に置ける超エネルギーをも内包した強大な力として描かれている。設定は主にイデオンのそれに準拠しており、知的生命体の意志集合体であるとともに、「運命そのもの」でもある。非常に強大な力であり、ひとつの宇宙を思いのままに操るのみならず、並行世界・異次元・異世界にさえも影響を及ぼすことができ、「神の力」「絶対運命」「アカシックレコード」などとも呼ばれる。真理に辿り着いた(いわば「成仏」した)霊の集合体でもあり、「あの世」のようなものとも言える。またゲッター線やビムラー側の性質として、進化を求め進める力であるという設定が加えられている。進化の目的は自身の元になるにふさわしい「善き知的生命体」を創造することにあるらしく、それ自体には問題はないのだが、進化を進めると同時に「失敗作」とみなした生命を淘汰してもいる(アポカリュプシス)ため、生者からは抗うべき災厄の力とみなされてる。ただし無限力の中でもどのように進化を進めるかについて意見や役割の相違はあるらしく、イデが積極的にアポカリュプシスを進めているのに対し(ゲーム中ではアポカリュプシスに対してはイデが発動しない場面がある)、ゲッター線、ビムラー、ザ・パワー、Gストーンなどはアポカリュプシスに反対・ないしは中立的な立場を取っている。また人類補完計画に対しても見解が分かれている。
負の無限力
バンプレストオリジナル。「反イデ」とされる力を指す。第3次α世界においては意志集合体であるイデ・無限力が力を持つのと同じく、悪霊や怨霊などの意志集合体も無限力に匹敵する力をもつものとされ、前者(正の無限力)に対して後者を「負の無限力」と呼んでいる。(ただし作中では単に「悪霊の力」と呼ばれることが多く、「負の無限力」と呼ばれることはあまりない。単に無限力というと「正の無限力」の方を指す)。負の無限力は主に過去のアポカリュプシスによって滅ぼされた者達の集合体であるため、正の無限力とは対立関係にある。しかしこちらもまた生命の味方というわけではなく、むしろ正の無限力と形は違えど生命にとっての災厄である。ディス・レヴ、ムゲ・ゾルバドス、ケイサル・エフェスなどの力の源となっている。またその有り様はダークブレインやペルフェクティオにも類似している。
関わりがある存在
- イデ
- 無限力の代表格。元々人間だった者たちの意志の集合体で、自分達の望む生命体を生みだすために直接、あるいはイデオンを通じてその力を振るう。
- ゲッター線
- SRWシリーズで一番出番の多い無限力。「争いによる進化」を促す。ただしSRWシリーズでは積極的には活動せず、見守るだけのことが多い。ゲッターロボ、そして流竜馬を通じてその力を振るう。
- ビムラー
- ゲッター線同様進化を司る存在だが、こちらは「融和による進化」を促し、その点でゲッター線とは異なる。ソウルたる真田ケン太とゴーショーグンを介してその力を振るう。
- ザ・パワー
- 木星に眠る無限エネルギー。多くの魂達を内包しており、αシリーズでは獅子王絆を始め、ロス・イゴールや兜剣造、イングラム・プリスケンが共に在る。無限力の中では中立派で、接触してくればその者の思惑に関わらず力を与える。
- ムートロン(ラ・ムーの星)
- 無限力を象徴する存在のひとつとして羅列的に名が挙がるケースが多い中、MXでは物語の根幹を成す最重要ファクターとして扱われている。αシリーズでは無限力としての扱いは小さいが、役目としてはアポカリュプシスに対抗するための切り札の一つ。ライディーンを介してその力を振るう。
- Gストーン
- 意思(勇気)によって発動し、無限大の力を出すという設定からか、無限力の一つに数えられている。ただし一部のシーンで羅列的に名が挙がるのみで、無限力としての扱いは小さい。そもそもが人の手になる存在のためか、無限力の中では力が小さい。獅子王凱を始めとする勇者ロボ軍団を通じて力を振るう。
- アニマスピリチア
- 熱気バサラが宿す特殊なスピリチアであり、「進化」と「再生」を司る。彼の「歌」に乗ってその力を振るい、負の無限力を相殺する。時空を超えたり、クロスゲートを開いたりなど、無限力の中でも特殊な立ち位置にある。
- 宇宙怪獣
- 第3次αにおいては無限力の支配下にあり、自身は知性をもたないにもかかわらず、戦術・戦略的な行動をとったりする。
- サイコドライバー
- 地球ではリュウセイ・ダテとマイ・コバヤシ、イルイ・ガンエデン、バルマーではケイサル・エフェスが該当。アカシック・レコードにアクセスできる汎超能力者であり、無限力に真っ向から立ち向かえる希少な存在。洸を含む念動力者は全てこの素質を持つが、実際にこのレベルまで至れるほど強い念の持ち主は極小。
- アポカリュプシス
- 無限力のうち、主導権を握るイデによって引き起こされる宇宙滅亡の災厄。人類を「不適格」と判断した際に発生するが、第3次αでは人類が一丸となって立ち向かい、災厄を振り払った。
- アカシックレコード
- 無限力の根源たる「絶対運命」。宇宙そのものの意志とも言える「記録」。全ての無限力は、この概念が形を変えて現れたものである。
- アストラナガン
- 繰り返される死と再生(正の無限力)とそれにまつろわぬ霊たち(負の無限力)の狭間に立つ因果律の番人。
- ディス・レヴ
- 「負」の無限力に極めて近い力を操る銃神の心臓。悪霊・怨霊を吸収し、輪廻の輪に導くことで、その際に発生する「生死の狭間の力」を糧として駆動する。近づいた生命体を取り込むという危険な特性を持っているが、クォヴレー・ゴードンの力の前には屈服せざるを得ず、彼にのみ制御が可能。
- ペルフェクティオ
- 宇宙そのものが持つ破壊エントロピーの化身。本来は知性も意志も無い、純粋な「破滅」そのもの。フェリオ・ラドクリフを取り込んだことで疑似的な知性を得たものの、ブルー・スウェアに敗退し放逐される。だが……?
- オリジン・ユニット
- SC2世界の鳥の人に搭載されていた、感情からエネルギーを生成するオーパーツ。最終的にはシュウイチロウ・ユキムラの手に渡りアゾエーブに搭載され、ユキムラの狂気によって生成され放たれた「破滅の波導」によって全並行世界の滅亡というスパロボ史上最大最悪の惨事を引き起こした。
- スフィア
- Zシリーズにおけるアカシック・レコード、「太極」の欠片。12種類存在している。
- 次元力
- スフィア、もしくは「呪われし放浪者」によって振るわれる次元を超えた無限の力。アークセイバーの機動兵器の動力でもある。
- メシア
- ジョーダン・ベスとカララ・アジバの子。イデに望まれた存在であり、その命を守るためにイデは力を振るった。αシリーズではバッドエンドのみ登場。