エンブリヲ

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エンブリヲ
外国語表記 Embryo
登場作品 クロスアンジュ 天使と竜の輪舞
声優 関俊彦
デザイン 小野早香
異名 不確定世界の住人、ハイゼンベルクの悪魔神様、調律者、創造主
種族 人間
性別
髪色 金髪
瞳の色 碧眼
趣味 読書
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概要

全てが謎に包まれた青年。世界各国の為政者達よりも一段高い位置より世界を睥睨し、失われた太古の兵器や技術を所有している。

また、瞬間移動や空中浮遊、死者の蘇生や分身、感覚と精神の操作、痛みは感じるものの撃ち抜かれたり刺し貫かれても平然と別の場所から出現する不死身の身体等々、普通の人間であればできないような芸当を行う。これら全ての超常的な力は自身が発見し研究を重ねた、多元宇宙に干渉する超エネルギー「ドラグニウム」から来ている。

人物

マナとノーマの秘密も知っており、ノーマに対しての特別な差別意識は無い。物静かな佇まいをしていることもあり、一見すると彼が善人であるように思える人も多いが、本質は独善的で傲慢なエセ紳士。 美しい者の絶望を愉しむなど本性は極めて残忍。

ただし女性には「新しい何かを生み出す母としての役割」があるとしてその存在の意味はあると考えている。一方で男性は何も生み出さないので存在価値をほぼ認めていない。ならば女性に対して敬意を払っているかというとそういうわけでもなく、「世界の調律者」である自分は全ての女性を支配して当然だと考えている。

登場作品と役柄

単独作品

スーパーロボット大戦V
初登場作品。第21話からの登場で、原作の時期よりも早いタイミングとなっている。中断メッセージにも登場し、セリフ回しが原作の立ち回りを知っていると憎らしい。
本作では物語の舞台の一つである西暦世界を支配しており、レナードらアマルガムと組んで暗躍。
「見目麗しく、芯の強い女性キャラクターが多く出演する本作において、エンブリヲが一体何をするのか?」と、原作を知る多くのプレイヤーから妙な期待がかかっていたが、通常ルートの最終局面でアンジュだけではなく、各作品の女性ヒロイン達を何人か攫って「花嫁」にすると称して手駒にしようとする(無論、恋人持ちどころかもいるがそれすらも無視)という予想以上のことをやらかした。
しかし、クロスオーバーに伴う強力な障害も当然存在しているのだが、自分の能力に絶対の自信を持つが故がそんな物が存在しているなど、全く考えていない節がある。それどころか、利用目的で近づいた筈の相手に逆に騙されたり裏切られるなどの失敗も犯しており、原作と比べると滑稽な印象が強い。
最終的には不死身のからくりを暴かれ、戦闘に参加している女性陣全員に罵詈雑言を浴びせられながら撃破され敗北。それでも攫った女達を道連れにしようと悪足掻きをするがレナードの裏切りで同士討ちをする事態になり、更なる傷を負った所でトドメを刺されるという、あまりにも無様な最期を遂げた。そして、すぐ後に西暦世界の真の支配者であるブラックノワールが出現、彼は掌で踊らされていた道化に過ぎなかったという事実が明かされるのだった。

パイロットステータス

精神コマンド

信頼応援祝福激励期待
戦闘用のコマンドが最後を除いて一切無い。エンブリヲのキャラを考えるにどれもこれも一方的な物であろう。

特殊技能(特殊スキル)

天才2回行動ガードL3、再攻撃サイズ差補正無視L3、気力+ボーナス、プレッシャーL4

人間関係

ジル
彼女にとっての怨敵。彼女からは皮肉を込めて「神様」と呼ばれる。
アンジュ
自ら計画達成に必要な彼女を手中に収めようとしていたが、エンブリヲの洗脳を乗り越えたことで彼女へ更なる執着を示す。
一方、アンジュからは「滅絶に値する敵」として認識されている。恋愛云々の相手ではなく、最終的には「見つけ次第殺す」相手として見られることに。
モモカ・荻野目
彼女も洗脳を自力で振り払った女性だが、好みでは無かった模様。
サリア
アンジュに撃墜された後に救い、部下にする。しかしアンジュへの嫉妬心からアンジュの捕獲任務に乗り気ではなく、失敗した際にお尻を叩いて叱責している。
エルシャ
虐殺で死んだ子供を蘇生することで部下にする。しかし後の戦闘で再び死んだ子供の蘇生を断ったためにエルシャはいいように利用されていることを悟り騎士団を離反する。
クリス
死にかけていたところを救い部下にする。「唯一の友達」という形で自分に依存させる。
ヒルダ
原作では特に絡まないが、『V』ではテオドーラに乗り換えた彼女と戦わせるとヒルダを誘惑しようとする。が、当然ながら一蹴される。
ターニャイルマ
彼女たちを捕獲した後、篭絡し部下にする。最終的には捨て駒にした。
ジュリオ・飛鳥・ミスルギ
自分の理想を曲解し、勝手にアルゼナルへの虐殺行為を指揮した彼を粛清する。
シルヴィア・斑鳩・ミスルギ
彼女を保護する。『V』では人質にするが、効果は無かった。
タスク
「旧人類の生き残り」と見下す。
アンジュとの関係を知った時は殺意を剥き出した。
ナオミ
PS Vitaソフト『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞tr.』の主人公。ルートによっては、彼女の影響を受けて(良い意味で)変化する。

他作品との人間関係

パープル
V』ではアンジュの処刑に彼を紹介する。
ロード・ジブリール
V』では彼を拾い上げ部下とするがジュリオ同様自分の目的を都合よく解釈する彼を見限り抹殺する。
レナード・テスタロッサ
V』では協力関係にあるが、互いに見下しあっている。
ただ、流石のレナードもエンブリヲの見境のないハーレム願望には呆れており、最終的に滑稽かつ醜悪極まりないエンブリヲの姿を見て改心するに至った。
伊東真也
『V』では彼の心の闇に浸け込み、真ドラゴンの在り処を聞き出す。ちなみに、声が同じ。
早乙女博士
『V』ではドラグニウム(ゲッター線)の研究者同士繋がりがあったが、彼に真ドラゴンの完成に利用される。
カガリ・ユラ・アスハマリナ・イスマイール
『V』では彼女達を罠にかけて、自分の妾とするため拉致する。
不幸中の幸いというべきかアンジュがされたような感覚の操作などの辱めは受けなかったようだが、その紳士の皮を被った醜悪な人間性は2人から当然の如く拒絶されていた。
ラクス・クライン
『V』は彼女にも目を付け拉致する。
困難ルートでは彼女だけを拉致しており、手籠めにしようとした背景には、古の民から別れたコーディネーターの姫を自分に跪かせたいという下劣な思惑があり、当人からはそれを見透かされていた。
実は彼女はエンブリヲを破るための「永遠語り」の歌を代々受け継いでおり、本来なら最優先で始末しなければならない抹殺対象だったのだが、それを知らなかった為にアンジュに執着してる間にまんまと逃げられるという大ポカをやらかしてしまう。
結果、時空の狭間から追い出されてしまう事態となり憎悪を剥き出しにして対峙するが、彼女から「最低の人間」と評されると同時にその孤独な境遇から「可哀想な人」と哀れみを送られてしまい、それが罵倒されるよりも屈辱的な返しだった為に更に激高する事になった。
森雪ベルナデット・ブリエットベラ・ロナミスマル・ユリカ吉永サリー
『V』通常ルートでは彼女たちを一斉に拉致している。

名台詞

「どうしようもないな」
「本当に、どうしようもない」
第12話よりエンブリヲの第一声。国家元首達の会談を聞きながら、本を閉じて自分の席に向かいつつ発言。
「選択肢は二つ。1、『ドラゴンに全面降伏する』」
「2、『ドラゴンを全滅させる』」
「だから…3、『世界を作り直す』」
「全部壊してリセットする…害虫を殺し、土を入れ替え、正常な世界に」
国家元首達に提案したドラゴンへの対処の提案。ちなみに、3つ目の提案に対しジュリオは「素晴らしい!」と共感していた。
この事からジュリオは「世界からノーマを殲滅させる」事がエンブリヲの目的だと思っていた様子。
「全く酷い事をする…こんなことを許した覚えは無いんだが」
第13話より。突如アンジュの前に現れてアルゼナル襲撃の元凶がジュリオである事を知らせる。
エンブリヲからしてみれば、虐殺は自分の理想とは程遠い行為だったのだろう。
「アンジュ、君は美しい。君の怒りは純粋で白く、何よりも熱い。理不尽や不条理に立ち向かい焼き尽くす炎のように。気高く美しい炎。つまらないものを燃やしてその炎を汚してはいけない。だから…私がやろう。君の罪は私が背負う」
同話。怒りを滾らせ兄ジュリオを殺そうとするアンジュだったが寸前でエンブリヲが介入し止められる。直後、ヒステリカのディスコード・フェイザーを発動させジュリオを粛正するのだった。
「旧世界の人間たちは野蛮で好戦的でね、足りなければ奪い合い、満たされなければ怒る。まるで獣だった。彼らを滅亡から救うには人間を作り変えるしかない。そしてこの世界を創った」
「だが今度は堕落した。与えられることに慣れ、自ら考えることを放棄したんだ。君も見ただろう、誰かに命じられれば、いとも簡単に差別し虐殺する。彼らの腐った本性を」
「人間は何も変わっていない。本質的には邪悪で愚かなものだ」
第20話「神の求魂」にて。これまでの展開を見てきた視聴者からすれば、エンブリヲがそう言いたくなるのも仕方ないと思えるだろう。
……もっともそうするよう仕向けた本人が言っても説得力が希釈されるのも確かなのだが。
「私も生きてみたくなったのだよ。そのためなら多少の危険は覚悟の上だ」
「だが、最後に君に叱られて。私は選択を誤っていないことを確信したよ、ナオミ」
「すまない、優しき乙女よ… 君と出会えてよかった。ありがとう」
PS Vitaソフト『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞tr.』より。
上記のゲーム版の主人公であるナオミとの交流によって、原作本編では考えられないようなきれいなエンブリヲが拝める。

迷台詞

「ドラマティック!!」
アンジュに催眠術をかけ無理やりキスをするが、術が解け反抗された際には、怒るどころか感激した。そして、彼女を手に入れようと異常なまでに執着し続けるようになり、この場面を覗き見ていたサリアはショックで身を震わせている。
そして、この時の判断が後に破滅に繋がっていく事となる
絶対的支配者であり続けた彼にとっては自分に服従せず対等の目線で語りかけてくれる女性の思いというものは、それが例え敵意であっても焦がれるものであったのかも知れないが、視聴者からは実はドMなのではないかと思われており、『V』においてもダメージを受けた際の戦闘台詞として採用されている。
「下らぬホラ話で我が妻を愚弄するか!」
「なんたる卑猥で破廉恥な真似を…! 許さんぞ、我が妻を陵辱するなど! 貴様の存在…全ての宇宙から消し去る!」
第24話「明日なき戦い」にて。タスクを挑発するが、逆に挑発され返され思わずムキになる。内容自体「お前が言うな」の極致であり、アンジュを既に自分の物にしているような言い方などに下劣な本性が見え隠れしている。
「何故だアンジュ!!無限の時間に無限の愛。私に支配されることの何が不満だというのだ!?」
「1000年の中から選んでやったというのに!!私の愛を理解出来ぬ女など、もはや不要ッ!!」
第25話「時の彼方で」にて。当然ながらアンジュからは徹底的に拒絶される事になり……
「アンジュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
同話。断末魔の叫び。タスクに人間体を一刀両断され、同時にもう一つの身体のヒステリカもヴィルキスに粉砕される。

スパロボシリーズの名(迷)台詞

「フフフ、私は待っている。たとえ、何百年経とうともね…。だが、君が男性の場合はその限りではない。それだけは言っておこう」
V』の中断メッセージより。どこぞの王子伯爵にも通ずるゲスい台詞である。
「下らぬホラ話で愚弄するか! 『スーパーロボット大戦』は一人用のはずだ!」
「許さんぞ、我が妻と遊ぶなど! 貴様のセーブデータを全ての宇宙から消し去る!」
同じく中断メッセージより。元ネタの原作24話の会話からしてツッコミどころ満載なのだが、改変した結果余計に大人げない内容となっている。
アンジュ「終わりだよ、エンブリヲ!」
「アンジュ!この私が選んでやったというのに……!」
ヒルダ「最後の最後まで・・・!」
サリア「上から目線で・・・!」
サラマンディーネ「みっともない真似を晒してくれる!」
マオ「この自意識過剰の・・・!」
リョーコ「カッコつけ野郎が!」
さやか「あなたみたいな男は・・・!」
ルナマリア「誰かを愛する資格もなければ・・・!」
ファ「愛される資格もない!」
ルー「そういうわけだから・・・!」
エル「そのおかしな髪型を・・・!」
マリーダ「二度と私達に見せるな!」
プル「あっち行け、ヘンタイ!」
プルツー「こっち見るな、ヘンタイ!」
アスカ「消えろ、最低男!」
マリ「さっさと爆発しな、クズヤロー!」
レイ「さようなら」
第50話より。撃破すると、女性陣から徹底的に罵詈雑言を浴びせられながら最期を迎える。スパロボ史上、これほど惨めでみっともない最期を遂げたボスは他には存在しないだろう。

搭乗機体・関連機体

ラグナメイル
エンブリヲによって製造・保有する7機の絶対兵器。
中でも、ヒステリカはエンブリヲが操るのだが、コクピットには直接搭乗せず、肩に乗って機体を操っている。それも当然で、ヒステリカはエンブリヲのもう一つの身体そのものである。

余談

  • エンブリヲの名の由来である「embryo」とは「胎芽、胚」を意味する。
  • 視聴者からのあだ名は「ブリヲ」や「鰤男」等々。
  • OPにてエンブリヲが振り向くと同時にアンジュの服が脱げる演出があった事から「眼力で(服を)脱がすマン」というあだ名も付けられた。
    • 後に催眠術等でアンジュを攻めた際にアンジュの服が脱げた。つまり、本当に眼力で脱がした
  • エンブリヲの異名である「ハイゼンベルクの悪魔」のハイゼンベルクとは、ドイツの理論物理学者ヴェルナー・カール・ハイゼンベルクからきていると思われている。
    • ちなみに、ハイゼンベルクは行列力学と不確定性原理によって量子力学に絶大な貢献をした人物である。