「セガサターン」の版間の差分
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== 概要 == | == 概要 == | ||
− | セガの6番目の家庭用ゲーム機(据え置き型ゲーム機としては第5世代に相当)。名称は太陽系の第6惑星である「[[土星]] | + | セガの6番目の家庭用ゲーム機(据え置き型ゲーム機としては第5世代に相当)。名称は太陽系の第6惑星である「[[土星]](Saturn)」を由来としており<ref>[https://www.sega.jp/history/hard/column/column_05.html 家庭用ゲーム機新時代の幕開け『セガサターン』]</ref>で、同社の前世代機種であるメガドライブとの後方互換性はない。32ビットCPU(日立製のSH-2)を2基搭載<ref>初期のCMで「64ビット'''級'''」を自称した。</ref>しているのが特徴で、ゲームソフトはCD-ROMで供給された<ref>本体後部にロムカートリッジ端子が搭載されているなど、将来的に『メガドライブ』との互換アダプタも想定されていたが後に頓挫しており、結果的にパワーメモリーと拡張RAMカートリッジ(1MB・4MB)において使用された。</ref>。 |
− | + | 2Dスプライトと3Dポリゴンの両方を扱えるハードだが、2Dの描画能力が非常に優れている一方、同世代の他機種と比較して3D描画能力は低め。これは当初2D描画の処理性能に重点を置いて設計開発されていたものが、後から将来性の担保の為、3D描画機能も実行出来る様に追加された事に起因する。 | |
コントロールパッドの使い勝手の良さは多くのプレイヤーから好評を得ており、その完成度の高さは後にパソコン用や[[プレイステーション2]]用に復刻版が発売された事でも窺える。2D描画性能とパッドの相性の良さからか、2D格闘ゲームが数多く発売されている。コントローラーは他にマルチコントローラーなども発売された。 | コントロールパッドの使い勝手の良さは多くのプレイヤーから好評を得ており、その完成度の高さは後にパソコン用や[[プレイステーション2]]用に復刻版が発売された事でも窺える。2D描画性能とパッドの相性の良さからか、2D格闘ゲームが数多く発売されている。コントローラーは他にマルチコントローラーなども発売された。 | ||
− | + | ボタン電池で電源を確保する本体ストレージ用メモリ(容量32KB)と、外部記憶媒体のパワーメモリー(容量512KB)の2種のデータ保存形式が取られている。なお、パワーメモリーの方は端子部がスロットとの接続不良を起こしやすく、保存データが消えやすいことで知られている。本体メモリも電池切れで安定性に欠けるため終始ユーザーを悩ませたが、周辺機器として発売された外部接続のFDドライブを併用するという方法もあった。 | |
− | 発売から数年間はソニーの[[プレイステーション]]と互角のシェア争いを繰り広げたが、スクウェア(当時)の『ファイナルファンタジーVII』といった人気ソフトがプレイステーションで発売されるようになると、次第には引き離され敗北。末期には自虐的なCMまで流すハメになっていた。なお海外ではソニックシリーズといった人気ソフトが発売されなかったことから、メガドライブで築いたシェアも手放すことなり、全世界で3000万台売り上げたメガドライブから大きく販売台数を落とし、本機では1000万台以下のセールスまで落ち込んでいた<ref> | + | 発売から数年間はソニーの[[プレイステーション]]と互角のシェア争いを繰り広げたが、スクウェア(当時)の『ファイナルファンタジーVII』といった人気ソフトがプレイステーションで発売されるようになると、次第には引き離され敗北。末期には自虐的なCMまで流すハメになっていた。なお海外ではソニックシリーズといった人気ソフトが発売されなかったことから、メガドライブで築いたシェアも手放すことなり、全世界で3000万台売り上げたメガドライブから大きく販売台数を落とし、本機では1000万台以下のセールスまで落ち込んでいた<ref>これはメガドライブ市場を延命したいセガ海外支社側が主導して開発したメガドライブ32ビット化拡張ユニット『スーパー32X』が不振に終わったことも絡んでいる。</ref>。 |
専用モデム(14.4Kbps)を用いてインターネット接続ができる他に、ネット対戦専用ソフトもあったが、当時のネット利用には電話回線を用いていたため、定額制となった現在より利用料金がかさむ事や通信速度が遅かった為にあまり普及しなかった。ちなみにこのモデムはSFCのネット対戦システム「XBAND」と同じシステムであり、利用するにはモデムに専用プリペイドカードを挿入する。 | 専用モデム(14.4Kbps)を用いてインターネット接続ができる他に、ネット対戦専用ソフトもあったが、当時のネット利用には電話回線を用いていたため、定額制となった現在より利用料金がかさむ事や通信速度が遅かった為にあまり普及しなかった。ちなみにこのモデムはSFCのネット対戦システム「XBAND」と同じシステムであり、利用するにはモデムに専用プリペイドカードを挿入する。 | ||
− | + | セガ製プラットフォームにおいて初めてスパロボシリーズ(『[[スーパーロボット大戦F]]』)が発売されたゲーム機でもある。 | |
− | + | アーキテクチャの特殊性からエミュレートが非常に困難であるとされ、現時点でも本機のソフト動作を完全再現できるエミュレーターは存在しないと言われている。 | |
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:セガよりRPGが発売。開発部署は後に『サクラ大戦』を手掛けるセガ第二CS研究開発部。 | :セガよりRPGが発売。開発部署は後に『サクラ大戦』を手掛けるセガ第二CS研究開発部。 | ||
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:『[[PROJECT X ZONE]]』の続編。セガサターン販売促進キャラクター「せがた三四郎」が参戦している。 | :『[[PROJECT X ZONE]]』の続編。セガサターン販売促進キャラクター「せがた三四郎」が参戦している。 |
2024年2月8日 (木) 00:49時点における最新版
セガサターンは、1994年11月22日にセガ・エンタープライゼス(後のセガ)より発売された家庭用ゲーム機。一般的な略称は「SS」や「サターン」などで本項もそれに倣う。
概要[編集 | ソースを編集]
セガの6番目の家庭用ゲーム機(据え置き型ゲーム機としては第5世代に相当)。名称は太陽系の第6惑星である「土星(Saturn)」を由来としており[1]で、同社の前世代機種であるメガドライブとの後方互換性はない。32ビットCPU(日立製のSH-2)を2基搭載[2]しているのが特徴で、ゲームソフトはCD-ROMで供給された[3]。
2Dスプライトと3Dポリゴンの両方を扱えるハードだが、2Dの描画能力が非常に優れている一方、同世代の他機種と比較して3D描画能力は低め。これは当初2D描画の処理性能に重点を置いて設計開発されていたものが、後から将来性の担保の為、3D描画機能も実行出来る様に追加された事に起因する。
コントロールパッドの使い勝手の良さは多くのプレイヤーから好評を得ており、その完成度の高さは後にパソコン用やプレイステーション2用に復刻版が発売された事でも窺える。2D描画性能とパッドの相性の良さからか、2D格闘ゲームが数多く発売されている。コントローラーは他にマルチコントローラーなども発売された。
ボタン電池で電源を確保する本体ストレージ用メモリ(容量32KB)と、外部記憶媒体のパワーメモリー(容量512KB)の2種のデータ保存形式が取られている。なお、パワーメモリーの方は端子部がスロットとの接続不良を起こしやすく、保存データが消えやすいことで知られている。本体メモリも電池切れで安定性に欠けるため終始ユーザーを悩ませたが、周辺機器として発売された外部接続のFDドライブを併用するという方法もあった。
発売から数年間はソニーのプレイステーションと互角のシェア争いを繰り広げたが、スクウェア(当時)の『ファイナルファンタジーVII』といった人気ソフトがプレイステーションで発売されるようになると、次第には引き離され敗北。末期には自虐的なCMまで流すハメになっていた。なお海外ではソニックシリーズといった人気ソフトが発売されなかったことから、メガドライブで築いたシェアも手放すことなり、全世界で3000万台売り上げたメガドライブから大きく販売台数を落とし、本機では1000万台以下のセールスまで落ち込んでいた[4]。
専用モデム(14.4Kbps)を用いてインターネット接続ができる他に、ネット対戦専用ソフトもあったが、当時のネット利用には電話回線を用いていたため、定額制となった現在より利用料金がかさむ事や通信速度が遅かった為にあまり普及しなかった。ちなみにこのモデムはSFCのネット対戦システム「XBAND」と同じシステムであり、利用するにはモデムに専用プリペイドカードを挿入する。
セガ製プラットフォームにおいて初めてスパロボシリーズ(『スーパーロボット大戦F』)が発売されたゲーム機でもある。
アーキテクチャの特殊性からエミュレートが非常に困難であるとされ、現時点でも本機のソフト動作を完全再現できるエミュレーターは存在しないと言われている。
セガサターンのバリエーション[編集 | ソースを編集]
初期型はグレーであるのに対し、後の廉価版はホワイトを主体とした配色になっており、こちらは一般的に「白サターン」と呼ばれる。他にもビクター社から発売した互換機である「Vサターン」、日立から発売した互換機である「Hi(ハイ)サターン)、「スケルトンセガサターン」などいくつかバリエーションが存在する。
次世代機[編集 | ソースを編集]
- ドリームキャスト
- セガ最後のコンシューマ用ゲーム機。SSからの性能向上はもとより、かつSSよりも低コスト化を実現。更にモデムが標準装備されインターネットとの接続が容易となった。ただし、SSとの後方互換性は有していない。『スーパーロボット大戦α for Dreamcast』が発売されている。
商品情報[編集 | ソースを編集]
スーパーロボット大戦シリーズ [編集 | ソースを編集]
セガ製プラットフォームでは初めてスパロボシリーズが供給され、旧シリーズの流れを汲む『F』『F完結編』が展開された。後に両作品ともプレイステーションに移植されているが、BGMの質やセーブのスピード差などから、バグがあるにもかかわらずSS版の方が評価は高い。
参戦作品[編集 | ソースを編集]
関連作品[編集 | ソースを編集]
- 魔法騎士レイアース
- セガよりRPGが発売。開発部署は後に『サクラ大戦』を手掛けるセガ第二CS研究開発部。
- 新世紀エヴァンゲリオン
- セガがTV版のスポンサーとして参画していた関係で、第弐拾弐話にて惣流・アスカ・ラングレーが洞木ヒカリの家で遊んでいたゲーム機として本機種が登場した他、同作初のゲーム化作品も本機種向けタイトルとしてリリースされた。
- 電脳戦機バーチャロン
- 業務用で人気だった3Dロボットアクションゲーム「電脳戦機バーチャロンシリーズ」の第1作目。初めて移植された機種がセガサターンで、後にパソコンやプレイステーション2にも移植された。スパロボには同シリーズの作品が一部参戦しているが、この1作目は未参戦。ちなみに各バーチャロイドの背中にはセガサターンが装備されている[5]。
- PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD
- 『PROJECT X ZONE』の続編。セガサターン販売促進キャラクター「せがた三四郎」が参戦している。
- セガ・ハード・ガールズ
- セガのゲームハードを擬人化した作品。メインキャラクターの一人にセガサターンがいる。
脚注[編集 | ソースを編集]
- ↑ 家庭用ゲーム機新時代の幕開け『セガサターン』
- ↑ 初期のCMで「64ビット級」を自称した。
- ↑ 本体後部にロムカートリッジ端子が搭載されているなど、将来的に『メガドライブ』との互換アダプタも想定されていたが後に頓挫しており、結果的にパワーメモリーと拡張RAMカートリッジ(1MB・4MB)において使用された。
- ↑ これはメガドライブ市場を延命したいセガ海外支社側が主導して開発したメガドライブ32ビット化拡張ユニット『スーパー32X』が不振に終わったことも絡んでいる。
- ↑ 2作目『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム』ではドリームキャストとなっている。
資料リンク[編集 | ソースを編集]
商品情報[編集 | ソースを編集]