マキナ

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2013年5月14日 (火) 21:32時点における名有り (トーク | 投稿記録)による版
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マキナ(Machina)

鉄のラインバレル』に登場する、目的・製作者の不明なオーバーテクノロジーの産物である人型兵器の総称。また、本作の原作である読切作品『鋼鉄の華』の主役機の名称でもあるが、本項では前者について記述する。

電子頭脳(電脳)が搭載されており、ある程度の自律行動が可能。基本装甲はニューロカーボン、表面装甲はナノセラミック製。動力については原作・アニメとも言及がないが、描写からすると電力であると思われる。機体ごとに家紋のような「意匠」を持ち、全部で11体存在する。「ドレスクラー・ソイル」というナノマシンにより自己修復が可能であり、人間に固有ナノマシンを移植することでその人間を「ファクター」と呼称する専属パイロットとし、戦う。ファクターとなった人間はマキナと命を共有する代わりに常人を超越した力を得、搭乗時に眼球に赤い紋章が浮かび上がる(ファクターアイと呼称する)。

原則「人に危害を加えない」という縛りがあり、そのため無人状態では人間及び有人機への攻撃は不可能。何らかの事故によって人間を殺してしまった場合、自動的にナノマシン移植によるファクター化が行われる(その時点でファクターが存在した場合は例外だが、時間をおかずにファクターが死亡した場合は殺された人間が新たなファクターになる)。さらに、全機共通の絶対原則として「ファクターの命を最優先で守る」という縛りがある。マキナはこれを何よりも重視するため、一定の年齢でファクターの成長を止め、事実上の不老不死に変えてしまう(これは、「老化」をも「ファクターの死の要因」と受け止めるため)。そのためファクターのコンディションとマキナの状態は直結しており、どちらかが不調だと全力を発揮するどころか、最悪の場合行動不能に陥る。

また、「転送」と呼ばれる空間跳躍によって瞬時にファクターの下へ現れることが可能である。レイチェル曰く、「ファクターの存在する座標を自分の未来位置と仮定して行われる一種のタイムトラベル」だが、これはファクターにとんでもない負担をかけるため、前述の原則により無人でなければ行えない。これを高速移動や特定座標への移動に使用するのが「オーバーライド」であり、転送フィールドを展開することで行われる。このフィールド同士が接触すると、一種のパラドックスを起こしてマキナごと対消滅してしまう。

基本的に全機体が単座(ディスィーブの複座は後付け)。原作漫画版ではロストバレルとラインバレル以外全てのマキナは量産型という設定である(ロストバレルは最初のマキナ、ラインバレルは量産試作型の改修機)。

しかし、その中で異彩を放つのが主役機のラインバレルである。この機体はマキナでありながらマキナの定義から外れた「幻の12体目」であり、マキナの特徴に当てはまらない。具体的には同機の項を参照されたし。

アニメ版

不明とされている設計・製作者の正体は、本編のヒロインである城崎絵美の父である城崎天児(きざき あまがつ)。その目的はセントラルの侵略用兵器であり、ラインバレルがその破壊である。

デザイン上の共通点としては、かかとがない、コクピットの外観が目に似ている事。さらにマキナに限らず、「ラインバレル」のメカのコンセプトは「アニメで描けないほど線の多いデザイン」。「MACHINA」とはラテン語で「機械」を意味する。

原作漫画版

概ねアニメ版と同じではあるが、真実を知る石神とデータ回収を行った森次、そして天児と接触した浩一により、恐るべき事実が判明している。これには、マキナの開発経緯自体が大きく関連している。

まず、そもそも「ラインバレル」の舞台となった世界は天児がマキナを開発した時代の過去ではなく、その時代から降った時代であった(つまり久嵩が「未来人」という認識は誤り)。

元々は天児がナノマシンの実用化に成功したのが始まり。その能力を把握するため様々な研究が続けられていたが、その過程で生まれたのが人工筋肉や人工血液、電脳である。当初は兵士を強化する外骨格から始まり、人型ロボットからマキナへと発展していった。この時、世界で初めて大型のマキナとして完成したのが、現在「ロストバレル」と呼称されている黒いマキナである。

これ以降、様々な国でマキナが造られるようになったが、その頭脳である電脳は非常に高性能であり、自律意志を限定的ながら持っていた。そのため、完全な意志を持って反乱を起こさないよう、前述の原則が設定された。それ以後、ナノマシン技術は本来の目的である医療用に使われ、戦争そのものもマキナによる代理戦争へと変わっていった。だが、これによって人類は「不老不死」を得てしまい、その結果生物としての人間たる所以を忘れ、現状に甘んじて未来を想像しなくなっていった。これにより「想像力を失った」人類は、ファクターとなっていた一部を残し、自殺によって本編の660年前に絶滅した(この自殺に至るシステムは「自滅スイッチ」と呼ばれる)。この生き残ったファクター達が、浩一や森次など現在の人間の祖先にあたる(マキナの総数からして、天児、久嵩や宗美、絵美以外にもかなり多くのファクターが存在していたと思われる)。

だが、残されたマキナ達は、存在を維持するための原則が人間の存在を前提としていたため、人類絶滅を目の当たりにして絶望。自分達が存在するために主を必要とした彼らは、自分達の中からそれを生み出すべく、殺し合いを始めた。これは、互いに殺し合う中で死の概念とそれに対する恐怖を認識し、それを起点に想像力を得て人間になろうとしたための行為。これによって想像力を得たマキナは「ヒトマキナ」と呼称される。

なお、大量に存在するヴァーダントや洞窟の奥に埋まっていたペインキラーといったものがあるのに、加藤が何故正確なマキナの残数を把握していたのかは不明。

なお、自滅スイッチに対して「死の恐怖」を抱き、少なくとも天児などは想像を駆使して対処しようとしていたと思われるのだが、結局ファクター以外絶滅している理由は原作では語られていない(マキナの原則により「自滅スイッチ」を死の要因と看做して排除してしまった、ということも考えられる)。

また、マキナの形状やその設計思想については、17巻75話「死人帰り」で宗美が墓参りに行った先の住職(道明寺の父親)が、「マキナは明らかに鬼を模して造られており、我々の知る『鬼』の伝説に関わりがあるのではないか」と述べている。この伝説というのは、「鬼たちが病気や戦で死んだ人間の死体を繋ぎ合わせ、蘇らせていた」というもの。「鬼=マキナ」だとすれば、これは、「死んだ人間をファクターとして甦らせていた」という行為が、何者かによって伝えられるうちに変質した、あるいはそのようにぼかして伝えられたと考えられる。

ヒトマキナ

原作漫画版に登場する、死を認識し、その中で想像力を得ることで「人間になったマキナ」のこと。当然のように自意識と感情、そして想像力を備え、人語を解する。ただし、会話は通常のヒトマキナは出来ず、「主」と呼ばれるデウスエクスマキナ以外では、地上にいた通称「お爺ちゃん」と呼ばれる人間型、離反してJUDAについた大場真紀梓が可能となっている。
但し飽くまで会話が出来ないと言うだけで、通信やデータのやり取りによるコミュニケーションは勿論可能である。

ただ、真の意味で「死への恐怖とそれへの対抗たる想像力」を持つと言えるのは、「主」たるデウスエクスマキナ、地上に送られた「お爺ちゃん」と真来梓のみ。それ以外の多くのヒトマキナは、殺し合いの末に培った経験則や予測を想像力と取り違えている、あるいは「主」を得たことで思考を停止させた、「自律行動するただのマキナ」である可能性が高い。しかしそれでも、通常のマキナに比べて遙かに高い思考力を備えていることは確かである。

ちなみに、ヒトマキナの定義は「想像力を得たマキナ」であるため、裏を返すとJUDAや加藤機関のマキナも、何らかの拍子に死を認識するとヒトマキナになってしまうということである。そうなってしまった場合、マキナ自身の意志がファクターからのコントロールよりも優先されるようになってしまう(最期までファクターと共に人類の側に着いたジュダが居た様に、ヒトマキナと化してしまう事が人類の敵となる事に直結するわけではない)。

例外は想像力の根源となり得る電脳を持たず、意志の全てをファクターに依存するラインバレル。但し、逆説的に言えばファクター自身がラインバレルの頭脳であるという事であり、ラインバレルに搭乗するのは後述の大場真来梓とラヴバレルの関係と同じ…つまり戦闘用外骨格を纏っている事と等しく、マキナの頭脳が独立した意志を持っていると言う見方をすれば、最もヒトマキナから遠く、しかし最もヒトマキナに近い機体とも言える。

この意味では、どちらかというとファクター自身がマキナとなっていたラインバレル・アマガツはヒトマキナの亜種とも言える。逆に、浩一を真のファクターとした現状のラインバレルは、ヒトマキナからもっとも遠い存在、「主」に付き従うマキナ本来の姿とも言える。

アニメ版には登場しないが、そちらの世界には真逆の似た存在である「マキナになった人間」、つまりマキナ人間が存在している。また、ラインバレルの「真のファクター」は、見方を変えれば「マキナの身体を持つ人間」であるため、このマキナ人間にも近いと言える。

該当機体

ヴァーダント
「蒼の戦慄」と形容される特性可変式前線戦闘型。ファクターは森次玲二。原作漫画版ではロストバレルに始まる「バレルシリーズ」の正式量産型であり、森次が使っているのはその内のヒトマキナになれなかった機体。
ハインド・カインド
装甲と砲撃能力を重視した支援型。ファクターは山下サトル。原作漫画版では浩一の発案で「ハインドタンク」なる戦車形態が登場。
ペインキラー
拠点防衛能力(原作では拠点強襲能力)に特化した支援型。ファクターは九条美海。原作漫画版では支援機を持ち、合体機構を備える。
ディスィーブ
後付けではあるが唯一の複座機にして非戦闘型、そして非人型という異色の機体。ファクターは遠藤イズナ。原作漫画版では後に死を認識してしまい、ヒトマキナと化して暴走を起こす。
アパレシオン
電磁迷彩による隠密行動に特化した偵察型。狙撃の性能も高い。ファクターは矢島英明
プリテンダー
ディスィーブの発展機に当たる唯一の可変型。ファクターは桐山英治
グラン・ネイドル
ラインバレル以外で唯一ビーム兵器を実装した要塞型。後述のネイキッド共々、ファクターは菅原マサキ
ネイキッド
グラン・ネイドルの制御ユニットを兼ねる接近戦型。
タリスマン
迎撃能力を高めた防衛型。ファクターは中島宗美
シャングリラ
加藤機関の移動基地である超弩級戦艦。ファクターは加藤久嵩。しっかり第三艦橋がある。
ジュダ
原作漫画版のみ登場。JUDA本社の中枢であり、七支刀を武器とした接近戦を行う。ファクターは石神邦生。ただのマキナではなく「ヒトマキナ」の一人。邂逅時に名乗った名前は正確には「ユダ」であり、「ヒトマキナの裏切り者」という意味。「人類を救うための方法」とその実行プロセスを石神に伝え、最期は転送フィールドでヒトマキナに特攻をかけて消滅した。
ロストバレル
シャングリラ内部に死蔵されていた11体目にして「最後のマキナ」。最も初期に作られた最初の大型マキナであり、ラインバレルやヴァーダントなど、全てのマキナの原型。意匠は左二つ巴、ファクターは沢渡拓郎。ビームの刀を武器に戦う。
ラインバレル
「鬼」「マキナ殺し」「カウンター・マキナ」とも呼ばれる12体目。ファクターは早瀬浩一及び城崎絵美、そして頭脳として城崎天児が組み込まれていた。
プロトタイプ・ラインバレル
ラインバレルの完成当初の姿。角はなく、機体色も黒。
ラインバレル・アマガツ
原作漫画版に登場したラインバレルの本当の姿。ファクターは城崎天児
アダマント
ゲーム版に登場したオリジナル。セントラルの最終防衛ラインとして2機配置された。
セントラル
統一意志セントラルの最終兵器。ネイキッドと融合した。ちなみに「セントラル」はスパロボでの名前で、設定名称は不明。
量産型マキナ
セントラルが投入した侵略兵器。ラインバレルの意匠を残す無人機。原作では加藤機関の機体で、アルマとして作られている。過去の世界ではマキナとして作られ、殺し合いを生き延びてヒトマキナと化している。
正体はプロトタイプ・ラインバレルの量産型。加藤機関が造ったのはこれから電脳を外した存在。
マキナ
「鋼鉄の華」の主役機で、ラインバレルの原型。意匠は右一つ巴、搭乗者(ファクターではない)は浩一と絵美。マキナの基本デザインはこの時点で完成していた。
新型迅雷
原作漫画版に登場。迅雷の改良型で浩一も搭乗した。
ラインバレル・エコー
後日談「鉄の影」に登場したラインバレルの影。ファクターのいない自律稼働。
「お爺ちゃん」
地上にいたヒトマキナの一体。リンカーンを模した姿をしている。真来梓に対し、「人間を救うにはどうすればいいか、人間を見て考えなさい」と言いつけている。
大場 真来梓(おおば まきし)
ヒトマキナの一体で少女型。「お爺ちゃん」の言いつけに従い、人類を救うために人間の観察を続けていたが、その途中で森次に一目惚れしてヒトマキナを離反、JUDAについてしまった。
ラヴバレル
真来梓が戦闘に使用する改造ヒトマキナ。ただし電脳は真来梓自身であるため、ラヴバレル自体は意志を持たない。また名前に「バレル」とついているが、バレルシリーズに属する機体ではない。
ヒトマキナ丙型
最初に登場したヒトマキナ。巨大な赤ん坊の姿をしている。
ヒトマキナ乙型
ヒトマキナ甲型
デウスエクスマキナ
ヒトマキナの「主」。通常のマキナに対するファクターに相当する存在であり、明確な個我と心を持つ。

関連用語

アルマ
マキナを模して地球の技術で作られている。
加藤機関
大半のマキナはもともとここに所属していた。
JUDA
石神がマキナを持ちこんだ。
キリヤマ重工
プリテンダーを所有している。
迅雷
キリヤマ重工により、アルマに更にプリテンダーのデータを加えて開発された。その名の通り新型迅雷の原型。
統一意志セントラル
マキナを侵略兵器として使おうとしていた。
パルド・ロック
原作版ペインキラーの随伴機。
「ラインバレル」世界の人間達
原作漫画版では深いかかわりを持つ。