ジェニオン・ガイ
ジェニオン・ガイ | |
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登場作品 |
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デザイン | 岡本光晴 |
初登場SRW | 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇 |
SRWでの分類 | 機体 |
スペック | |
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分類 | DEMシリーズ(対御使い用決戦兵器)/スフィア搭載機 |
型式番号 | DEM-03 |
全長 | 45.0m |
重量 | 76.6t |
動力 | |
変形形態 | ジェニオン⇒ジェニオン・ガイ⇒ジェミニオン・レイ |
開発者 | AG(ジエー・ベイベル) |
所属 | 無所属→Z-BLUE(チームDEM)→ヒビキ個人所有 |
主なパイロット |
メイン:ヒビキ・カミシロ *サブ:西条涼音 |
ジェニオン・ガイとは『第3次スーパーロボット大戦Z』の登場メカで、主人公機ジェニオンの変形形態。
概要[編集 | ソースを編集]
TS-DEMONのセカンドモード、正式名称「グリッター・アルマメント・インフィニティ・モード」によって発動する強攻形態。「ガイ」は「GAI」と書き、「Glitter Armament Infinity(光り輝く無限の武器)」を略したもの。また「規格外」と「鎧」という意味も持たされている。命名者はAG。
パーソナルトルーパーを連想させるスマートなノーマルモードと異なり、全身が展開・肥大化してスーパーロボットと化している。背部ユニットのパーツを分割・装備して変形する形式であり、サイズは倍近く増えている。
設定画から推測するに、
- 下半身が前後逆転
- 肩部上のアーマーが外側に90度回転、側面のアーマーが上に跳ね上がり、ノーマルの腕が変形してその下に移動
- ブースター上部のパーツがガイの腕に変形して元の腕があった位置に移動(肩部後ろの接続ソケットはカバーで覆われる)、背部ブースターのカバー(表面アーマー下部とその側面にある小さなアーマー)が脚部に移動
- 膝部分のアーマーが倒れ、つま先が下方に展開、ガイの踵に変形
- アクセルグレイブの刀身部分が展開、ウイングに変形
- Dソリッドパニッシャーがブースターに変形
- サイドアーマーが後方へ移動
- ブースター中央のアーマーが上半身を覆うように展開、胸部のスフィア搭載部分が開放
- 頭部にヘルメットをかぶせるようにして、胸部アーマーに仕込まれている追加アーマーを装備
- 各部が展開、次元力を通して緑色に発光
というように変形しているらしい。
あくまで動力源としての使用にとどまったノーマルモードと違い、ガイは次元力の本領たる「事象の制御」を基本とした武装を多く持つ。また、胸部にスフィア封入用の球体パーツが存在するが、当初これは空っぽの飾りであった。
中枢制御システムである「TS-DEMON」には段階が存在し、これは搭乗者の意志や感情を読み取り、次元力をより強く引き出すセカンドモードの起動によって発動する。発動コード「フル・ブーストアップ」の音声認識により起動する。
最初の起動は偶然に近く、その後ヒビキとスズネ、AGはG.A.I.モードの起動条件を解明すべく躍起になっていたが、なかなかその条件が掴めずにいた。最終的には何度かの起動を経て、TS-DEMONをヒビキの精神状態によってモードシフトさせることで起動可能であることが判明した。
当初は引き出せる次元力の限界から、1~2分程度しか稼働できず一部のモードを使用できなかった。しかし、ガドライトとの最終決戦の際には最後のリミッターが解除されたことでセカンドモードの無制限稼働が一時的に可能になり(これは動力源の限界を超えたオーバーワークであり、ジェミニア撃墜後に停止している)、その後はジェミニア撃破時に奪い取った「いがみ合う双子のスフィア」によって次元力を無尽蔵に引き出せるようになった。それにより稼働時間と出力の問題は解消されている。
武装ユニットを展開・装備する変形シークエンスの関係で、ノーマルモードの武装は全て使用不可能(配置上、インパクトダガーだけは一応使えるが手のサイズが合わない)。徒手空拳と次元力の照射が攻撃手段となる。事象制御によりジェニオンよりも柔軟な動きが可能だが、スフィア奪取後は起動時間の制限こそなくなったものの出力が完全にオーバーフローしており、出力任せの力押しが精一杯である。唯一の例外は「ニーベルング・アナイレーション」。
惑星ジェミナイの科学の集大成であるジェミニス隊長機・ジェミニアに酷似したフォルムを持つ。そのため、ガドライト・メオンサムを始めとするジェミニスの人間は、この機体を自分達の誇りを汚す存在として忌み嫌っている。
AGによれば、ジェニオン・ガイは意図的にジェミニアに似せて作られ、類似性から来る収斂進化の利用(同様の性質を持つものは形も似通うということから、逆にジェニオン・ガイをジェミニアに似せることで同様の性質を持たせようとした)により、「いがみ合う双子のスフィア」を奪取するために作られたらしい。 事実として、ジェニオンはこのジェニオン・ガイこそが本来の姿であり、次元力の抽出が不完全であったためにリミッターを設け、ジェニオンとして運用していたという。つまり、この機体は「いがみ合う双子」を搭載した姿こそが想定された状態であり、ガドライトを倒したことで完全に完成したことになる。
しかし、スフィア搭載機となったことで時間制限は解決したものの、今度は莫大な出力を操りきれず「スフィアに機体が使われる」状態になっていた。これは、このGAIモードもまた通過点に過ぎないのが理由。
なお、起動時のインフォメーションムービーに出て来る赤い文字列は「TS-DEMON GLITTER ARMAMENT INFINITY MODE APPROVED」。
開発経緯[編集 | ソースを編集]
ジェニオンとは、DEMコーポレーションの立案した「プロジェクト・ジェミニ」により、ジェミニアの「いがみ合う双子」のスフィアを奪うために外観を似せて作られたイミテーション機である。
パイロットとして選択されたスズネは元々解離性同一障害を患う二重人格者、つまり究極の二面性を持っていた。DEMはそれを知って彼女をパイロットに選択したが、たまたま居合わせたヒビキが先に登録システムに接触、ジェニオンのパイロットになってしまった。しかし、ヒビキの中にもまた「希望と絶望」という相反する感情が存在したため、AGは職務遂行のためヒビキをテストパイロットに選定。さらに保険として本来の乗り手であるスズネを丸め込み、二人がかりで擬似スフィアであるTS-DEMONを稼動させていた。 時獄戦役にて一人で乗っている時に起動しなかったのはこのためであり、TS-DEMONがセカンドモードへ移行するだけの出力は二人掛りでないと出せなかったのが原因。
変形能力を持たされていたのはジェミニスの目を欺くためと、スフィアの力を前提にしたGAIモードは擬似スフィアでは出力が足りなかったためである。そしてジェニオン・ガイの「ガイ」とは、「GAI」でも「鎧」でも規格「外」でもなく、「骸」。つまり、魂たるスフィアのない抜け殻という意味。形式番号のDEMとは「Diabolus Ex Machina」、機械仕掛けの悪魔という意味であった。
しかし、これもまた完全な真実というわけではなく、真の開発目的はその先にあった。詳細はジェミニオン・レイを参照。
登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]
Zシリーズ[編集 | ソースを編集]
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 初登場作品。イベントで数回登場した後、中盤で変形が可能となるが、満を持して任意変形可能となったその直後にジェミニアに一蹴される、というなかなか締まらないスタートとなる。さらに、当分の間はシリーズ屈指の短さである1ターン制限の為にピンポイントな運用を迫られるのが難。ヒビキのスキルの構成からすると、単機突撃ではなく火力を強化しての援護攻撃が主な仕事となる。
- 変形後は運動性の高いスーパー系と言うべき機体に変貌、運動性と照準値以外が軒並み強化されサイズがLになる。これにより並のスーパー系を上回る装甲と高い運動性を両立することができるようになるが、ヒビキの能力がリアル系寄りなので実際はそこまでの堅さは無い。真価を発揮したいのならヒビキの徹底的な養成が必要だろう。
- なお、ガイになると武装全てがEN消費型になるので息切れには注意が必要。DECチャージャーなどをつけてやるといいだろう。
- DLC「アルティメット・バトル」では、スフィア奪取後の話であるため、時間制限がなくなりニーベルング・アナイレーションが追加された状態で使用可能。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 今回は最初から制限時間無しでGAIモード起動が使用可能だが、EN消費の重さもほぼそのままである為早めのカスタムボーナス取得が望まれる。ヒビキのEセーブ取得も早めに。立ち上がりの遅さを補うために闘争心も欲しい。
- ジェミニオン・レイと比較すると性能が全般的に劣るが、燃費は上回っているので、アタッカーでなく援護に回すならガイのままの方が良いだろう。
単独作品[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- 「第3次天獄篇」発売記念キャンペーンで本機のLRカードの配布が行われた。
装備・機能[編集 | ソースを編集]
武装・必殺技[編集 | ソースを編集]
ジェニオン・ガイの全武装及びジェミニオン・レイの一部の武装・技は基本的にTS-DEMONのモード名がそのまま流用されている。
武装[編集 | ソースを編集]
- ヘルヘイム
- 胸部のクリスタルに次元力を集約し、エネルギーボールとして射出して敵機を打ち砕く。長射程・移動後使用不可の単体攻撃。
- 名の由来は北欧神話に登場する亡者の国「ヘルヘイム」。ヘルヘイムはロキの子供であるヘルが管理する世界で、下記二つの由来である2体の怪物も同様にロキの子供である。
- ビルレスト
- ジェニオン・ガイ本体の倍はある、専用の超巨大武装ユニット。右腕にマウントして使用する、上部と側面に2種のエネルギーカノンを装備したブースター付きの打撃武器。先端部分はパイルバンカーの要領で打ち出すことが出来る。亜空間に収納されており、コールに応じて転送される。その甚大な次元力に振り回されるジェニオン・ガイの補助ユニットとして運用されるため、次元力の制御が可能になったジェミニオン・レイでは使われない。
- 名の由来は北欧神話において、橋の中で最高のものとされる「ビルレスト」。「欺く道」という意味があり、神々が渡った後崩れ去るという。
必殺技[編集 | ソースを編集]
- ミドガルズオルム
- 機体のリミッターを解除して跳躍から飛び蹴りで強襲、敵の背後を取り左手に次元力を集中させ、指弾による衝撃波で敵を吹き飛ばし消滅させる。
- ジェニオンのアクセルグレイブに比べると射程+2、威力+300、消費EN-5、気力制限なしと完全上位互換。
- 名の由来は北欧神話に登場する毒をもった大蛇「ヨルムンガンド」の別名で、「ミッドガルドの大蛇」という意味。
- ヴァナルガンド
- 超巨大武装ユニット「ビルレスト」を転送・接続して行う当面の必殺技。ビームと光の機雷を撃ち込んだ後突撃、3連続でバンカーを叩き込んだ後、スフィア発光から全身でぶつかってトドメを刺す。
- 名の由来は北欧神話に登場する魔狼フェンリルの別名。
- 射程がそこそこあるのでニーベルングよりも援護攻撃に使いやすい。威力もジェニオンのストームブリンガーを遥かに上回り、時獄篇最終盤まで及び天獄篇中盤~ジェミニオン・レイ解禁までは主にこの武装を使用することになる。
- ジェミニオン・レイ解禁時に気力制限が10下がる。
- ニーベルング・アナイレーション
- 時獄篇第58話クリア時に追加されるジェニオン・ガイの真の必殺技。「いがみ合う双子」の力を最大限に行使して発生した次元力を十二分に活かした攻撃。
- 指パッチンを始動に次元力による遠隔爆破で相手の動きを止め、さらにジークンドーの連撃で相手を空中に吹き飛ばした後、右拳によるワンインチパンチで(宇宙だろうと)地面に叩き落し、さらに蹴り落としで踏みつぶす。
- トドメ演出では蹴り落としの勢いのまま敵を地中深くまで押し込み、自身は這い上がって脱出し、さらに指パッチンから次元力による大爆発を起こす。
- ワンインチパンチの直前、技名にあるニーベルングの指輪一組を両手で鷲掴みにして吸収するかのようなカットインが入る。また指パッチンを多用するため、カオス・レムレースと関係あるのではないか、と予想するユーザーが時獄篇の時点で多かった。
- 初期攻撃力5800は正式参戦する機体の武装の中では五指に入る威力であるものの、その分必要気力140・EN消費80・射程1固定と条件が厳しいためで大ボス相手に使うのが妥当。時獄篇でもグランゼボーマや尸逝天と相応しい相手は残っているため遠慮なく叩き込んでやろう。
- なお、アシュタンガ級やプレイアデス・タウラなど、あまりに大きな相手に使うと敵機に隠れてジェニオン・ガイが全く見えないことがある。こうなると迫力も半減である。
- 天獄篇では最初から使用可能だが、中盤「ストームブリンガー」と同じタイミングで使用不可能になる。スズネ復帰と共に気力制限が15も下がる。
- 名の由来は北欧神話の冥界「ニブルヘイム」の別名と「絶滅」の組み合わせ。意訳すれば「冥界送り」と言ったところ。
- 歌劇「ニーベルングの指輪」もモチーフとされており、上記の通りデモには指輪が出てくる。なおこの話のモデルは、上記3つの武装のモチーフである異形らの父「ロキ」である。
特殊機能[編集 | ソースを編集]
- TS-DEMON(ティーエス・デーモン)
- 次元力を抽出する動力源。「デモン」で正式名称は「Tactical System-Dimention Energy Manegement Operation Next」。ジェミニオン・レイ変形時にはインフォメーションモニターの表示が「Tactical System-『Diabolus Ex Machina』- ON」に変わる。
- Zチップ収集機能
- パイロットスーツ生成機能
- コールドスリープ機能
- これらの能力はジェニオンと同じ。
特殊能力[編集 | ソースを編集]
- D・フォルト
- 1200以下の全属性ダメージを無効。ENを10消費。これのおかげで序盤はそれなりに守りが固いが、頼り過ぎるとあっさり落とされかねないので注意。特に天獄篇の中盤以降のは敵の火力過多によりほとんど役に立たない。
- スフィア発動
- 天獄篇第32話で追加。GAIモード発動と差し替えられ、気力140以上でジェミニオン・レイに変形可能になる。
移動タイプ[編集 | ソースを編集]
サイズ[編集 | ソースを編集]
- 1L
- 機体サイズが2倍近くになり、サイズ1Lになる。
カスタムボーナス[編集 | ソースを編集]
- 移動力+1、特殊能力「EN回復(小)」取得
- 変形機なのでボーナスも同じ。時獄篇では1ターンしか保たないため、最終盤以外はEN回復は飾り。
- 天獄編では別機体扱いで個別に改造可能だが、共有しているので特に意味はない。
機体BGM[編集 | ソースを編集]
- 「禁忌という名の希望」
- 時獄篇第1話のシナリオタイトルでもある。「瞳の中の明日」がヒビキの曲ならばこちらはジェニオンの曲といったところか。
対決・名場面[編集 | ソースを編集]
時獄篇[編集 | ソースを編集]
- 二つの力
- 時獄篇28話「闇の詩」より。墓穴特訓の最中に襲い来るアンナロッタ。アクエリオンEVOLの出撃直後、スズネの危機にヒビキもまた飛び出して来る。UGを迎え撃つため格納庫へ急ぐ二人だが、その中でスズネは繋いだ手を介してヒビキの意志と、己の心の底に潜む何かを感じ取る。そして出撃したヒビキは、対峙したアンナロッタに怒りを露にする。それを援護しようと、アクエリオンに乗るミコノがエレメント能力を行使。「繋ぐ力」によって接続された二つの意志、その力を受けたジェニオンは、三度真の姿となる。それは一つになった意志のもと、UGの指揮官に襲い掛かる。
- 冥界送りの一撃
- 死闘の末にガドライトを下したZ-BLUEだが、彼は未だスフィアの力で抵抗を図る。彼のスフィア「いがみ合う双子」は相反する意志の衝突を力としており、無力化するにはこれを意志で制御する「偽りの黒羊」が必要となる。しかし、かのスフィアはアサキムごとZONEに封印され、使うことが出来ない。
- 手詰まりかと思われたその時、アドヴェントが前に出る。その様子に何らかの真実を悟ったガドライトは激昂、アスクレプスを撃墜。だが、そのせいでガドライトは感情のバランスを崩し、「いがみ合う双子」が機能不全に陥る。
- 目の前で恩人とも言うべきアドヴェントを失ったヒビキは怒りのままにジェミニアを襲うが、ここに来て負荷のかかりすぎたTS-DEMONが停止。しかし、その絶望に抗うように叫んだヒビキの意志、すなわち「苦境の中でもくじけない意志」という絶望の中の希望と「勝利まであと一歩なのに動かない」という希望の中の絶望という、相反する「相反する感情」に「いがみ合う双子」が応え、その力は新たな器へと宿る。真の力を得たジェニオン・ガイは、対面する片割れを乗り手の戦技とスフィアの力によるアクロバット・コンボで完全粉砕。長きに渡る対決は、最後の最後にジェニオンの勝利で幕を閉じた。