フルメタル・パニック! (原作小説版)

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フルメタル・パニック!
(原作小説版)
著者 賀東招二
挿絵 四季童子
掲載誌 ドラゴンマガジン
出版社 角川書店(後のKADOKAWA)
レーベル 富士見ファンタジア文庫
刊行期間 1998年9月 - 2011年8月
巻数 長編:全12巻
短編:全9巻
外伝:全2巻
シリーズ フルメタル・パニック! シリーズ
アニメ版 フルメタル・パニック!
フルメタル・パニック?ふもっふ
フルメタル・パニック! The Second Raid
初登場SRW 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
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フルメタル・パニック!』は、賀東招二著の小説作品。

概要

『月刊ドラゴンマガジン』連載(後に書き下ろしのみにシフト)のライトノベル。幼少期から戦場に身を置き、生き抜いてきた兵士・相良宗介を主人公にしたSFミリタリーアクション作品。また、学園コメディの短編シリーズも執筆された。単行本は富士見ファンタジア文庫より発売され、それぞれ長編全12巻、短編全9巻、外伝全2巻。

小説媒体の例に漏れず表現規制が緩いため、陰惨な描写や不謹慎な描写が多い。また、倫理観に反する内容も含むため、スパロボで扱われるフルメタとは雰囲気が大きく異なり、漫画やアニメでも作風が異なっている場合も多い。

フルメタル・パニック!』並びにその続編『ふもっふ』『The Second Raid』『フルメタル・パニック! Invisible Victory』(SRW未参戦)の原作に当たる。

スパロボ参戦作品としての『原作小説版』は、参戦作品である『第3次Z天獄篇』『V』の制作段階での未映像化作品(長編では6巻目にあたる『踊るベリー・メリー・クリスマス』以降が該当)を指す意味合いが強い。

原作小説以外も含めたシリーズ全体についてはフルメタル・パニック! シリーズの項目も参照。当項ではスパロボ参戦段階での未映像化ストーリーのみの登場人物とメカを記載する。

登場人物

スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。

ナミ
東南アジアの都市「ナムサク」の弱小AS闘技場(アレーヌ)チーム「クロスボウ」のオーナー兼整備士を務める少女。
ミシェル・レモン
ナムサクに取材旅行と称して赴いたルポライター。ASにはあまり詳しくない。
クラマ
アマルガム実行部隊の一人。宗介とは深い因縁がある。
リー・ファウラー
レナードの部下の一人。黒のエリゴールに搭乗。
サビーナ・レフニオ
レナードの部下の一人で、忠誠心以上の感情も抱いている。白のエリゴールに搭乗。
ヴィルヘルム・カスパー
レナードの部下の一人で、クルツの狙撃の師匠。赤いエリゴールに搭乗。
クダン・ミラ
長編1巻冒頭で宗介が助けたウィスパードの少女。漢字表記で「久壇未良」となる。
ソフィア
ナムサク11にて行われた実験の被験者となった少女で「原初のウィスパード」と呼べる存在。

登場メカ

スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。

ARX-8 レーバテイン
『つどうメイク・マイ・デイ』から登場。ARX-7 アーバレストの後継機。
ARX-8 レーバテイン 緊急展開ブースターXL-3装備
『ずっとスタンド・バイ・ミー』に登場。レーバテインに専用ブースター『XL-3』を装備させたもの。
プラン1055 ベリアル
『つづくオン・マイ・オウン』から登場。ラムダ・ドライバを搭載したレナード・テスタロッサ専用アーム・スレイブ
プラン1065 エリゴール
『つどうメイク・マイ・デイ』から登場。コダールの発展型ASで、デザインはアニメ版コダールiの流用。
サベージ (クロスボウ)
『燃える・ワン・マン・フォース』に登場。アーバレストと同じカラーリングと特殊な調整を施された初期型サベージ

登場作と扱われ方

Zシリーズ

第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
初参戦作品にして、アニメ版を含めたシリーズフル参戦。ただし、時系列の都合などもあってか『踊るベリー・メリー・クリスマス』のシナリオは展開されず(漫画『フルメタル・パニック!∑』に倣ったとも見れる。メインシーンにおける敵機がアラストル中心なのでそもそも再現が難しかったとも見れる)。
原作にてイラストが描かれなかったキャラクターに関しては、原作の挿絵とキャラクターデザインを担当した四季童子氏が新たにデザインを行っている。アニメ未登場で声がついていないキャラクターへの新規キャスティングなどはされていないため、一部ASで戦闘する機会のあるキャラはイベントでの登場のみとなっている。これは『鉄のラインバレル (原作漫画版)』とほぼ同じ扱い。
また、シナリオ再現は無いものの宗介とカリーニンの出会いやクルツの過去など短編シリーズ初出の設定も幾つか拾われており、用語にて解説されているものも多い。
原作のイラストレーターである四季童子氏はTwitterで「第3次スーパーロボット大戦Zで原作フル参戦」と、『天獄篇』の公式発表前に口を滑らせてしまっていた(該当のツイートは削除済み)。ただ前作『時獄篇』のシナリオ中には、以下のような『天獄篇』での原作版参戦の伏線が随所に散りばめられていたので、黙っていても容易に予測されたと思われる。
  • 原作小説の舞台である東南アジアの一国「ナムサク」が言及される。
  • カリーニンやレナードが「歪んだ世界」というキーワードに対し意味深な反応を見せる。
  • かなめが特異点であることに触れられている。
  • 『天獄篇』の予告にて「つづくオン・マイ・オウン」の1シーンらしきものが映る。

VXT三部作

スーパーロボット大戦V
今回は既に『TSR』終了後の時系列なので『天獄篇』と同様、小説版のシナリオが展開される。概ね原作通りの展開で進んでいた『天獄篇』と異なり、アレンジが多く見られる。
アニメ未登場の一部のキャラに声優がキャスティングされており、そのキャストは2018年に放送されたアニメシリーズ『IV』にも引き続き採用された。

単独作品

スーパーロボット大戦X-Ω
第2期参戦作品第3弾として2016年5月に追加参戦。
2018年5月にはゲーム『戦うフー・デアーズ・ウィンズ』発売記念として、期間限定イベント「孤独なラン・アンド・バトル」が開催。イベント報酬としてクロスボウが実装されたほか、SSRレーバテインがログイン報酬として配布された。

タイトルリスト

  • 長編

2008年10月に新装版が発売され、カバーイラストが一新された。

タイトル 初版発売年月
戦うボーイ・ミーツ・ガール 1998年9月
疾るワン・ナイト・スタンド 1999年3月
揺れるイントゥ・ザ・ブルー 2000年2月
終わるデイ・バイ・デイ (上) 2000年11月
終わるデイ・バイ・デイ (下) 2001年4月
踊るベリー・メリー・クリスマス 2003年3月
つづくオン・マイ・オウン 2004年10月
燃えるワン・マン・フォース 2006年1月
つどうメイク・マイ・デイ 2007年3月
せまるニック・オブ・タイム 2008年2月
ずっと、スタンド・バイ・ミー (上) 2010年7月
ずっと、スタンド・バイ・ミー (下) 2010年8月
  • 短編
タイトル 初版発売年月
放っておけない一匹狼? 1998年12月
本気になれない二死満塁? 1999年5月
自慢にならない三冠王? 1999年10月
同情できない四面楚歌? 2000年6月
どうにもならない五里霧中? 2001年10月
あてにならない六法全書? 2002年6月
安心できない七つ道具? 2003年7月
悩んでられない八方塞がり? 2005年7月
マジで危ない九死に一生? 2011年8月12日
  • 外伝
タイトル 初版発売年月
音程は哀しく、射程は遠く ―サイドアームズ― 2004年4月
極北からの声 ―サイドアームズ2― 2006年7月

余談

  • 当初は短編が『ドラゴンマガジン』に連載され、長編は書き下ろしという形を取っていた(『ドラゴンマガジン』の基本パターン)。短編を終わらせ、一時期長編が連載に移行したが、程なく書き下ろしに戻った。
    • 初掲載作品は短編「南から来た男」であり、この時点では「紛争地帯での常識を平和な日本に持ち込む勘違い男」というコメディでしかなかった。そして長編一巻の発売で初めて「ミスリル」やアーム・スレイブ関連のネタが登場、この作品の根幹がロボット(SF)・ミリタリー物だと明かされたという経緯がある。
  • クライマックス直前の場面で終わった巻から2年以上続刊が出ず、ファンをやきもきさせていたが、2010年7月・8月に最終話上下巻が刊行され約12年の連載を経て完結を迎えた。
    • 短編シリーズは2004年に連載終了。2011年8月に既存の文庫に未収録だった数本のエピソードに長編の後日談(書き下ろし)を収録した9冊目が発売された。
      • 同日には実質続編ともいえる別作者の外伝『フルメタル・パニック! アナザー』の刊行もスタートした。
    • 2023年にはシリーズ25周年記念として、本編の約20年後の宗介とかなめ達を描いた後日談となる新刊の刊行が発表された。
  • 長編シリーズでも『踊るベリー・メリー・クリスマス』は映像化を飛ばされたが、実はオーディオドラマが存在している。
  • 小説シリーズの次巻予告は『装甲騎兵ボトムズ』の次回予告のオマージュである。
    • なお、長編は「宗介と地獄に付き合ってもらいます」、短編は「かなめのハリセンが唸ります[1]」と長編と短編で内容が異なる。
  • 非アニメ化シナリオの一つ『磯の香りのクック・ロビン』というシナリオに「ダイクウマリュウキングガイ」なる架空の貝(...に見せかけたサザエ)が登場する。この名前は申し訳程度だがアナグラムになっている。

商品情報

  • 長編

  • 短編

  • 外伝

脚注 

  1. ちなみに短編1巻の時点ではハリセンを使わない(初めて使うのは短編2巻収録のエピソード)ため、最後に(いつ唸った?)とセルフツッコミが入る。

リンク