テッカマン

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テッカマン(Tekkaman)

『宇宙の騎士テッカマンブレードシリーズ』に登場する存在。

肉体らしい肉体を持たないラダムが、他の惑星の侵略用に開発した生体兵器。強靭な肉体を持つ知的生命体を「テックシステム」に取り込み、遺伝子レベルで適合性を調査し、ラダムの知識を植えつける。この段階を「素体テッカマン」という。その後、戦闘用フォーマットを行い、最後に肉体の中枢、つまり脳髄にラダムが寄生することで「テッカマン」は完成する。

侵攻初期段階とラダム樹が咲いた最終段階ではフォーマットの仕方に違いがある。侵攻初期は短期間で強引にフォーマットを行うため、一部耐えられない個体が出てくる。不適合とされた個体は、フォーマット、或いはその前段階でテックシステムから排出される。排出された個体は、肉体組織が崩壊しており、やがて死に至る。過酷なフォーマットを経るためか、総じて強力な傾向にあり、個体差も大きい。

一方、最終段階は個体を捕獲後、数年をかけてフォーマットを行うため、不適合な個体は出てこない。

テッカマンへの変身

テッカマンへの変身は「テックセット」と呼ばれ、クリスタル状のシステムボックスを「テックセッター」の叫びとともに使用することで、体の表面に強固な外殻が形成される。続いてシステムボックスに内蔵された「光=物質変換機能」によって、最外装のアーマーやバーニアなどの装備が外殻に組み込まれる。なお、このシステムボックスの「光=物質変換機能」はある種の電磁波を利用しており、これに干渉スペクトルを照射することで変身を妨害、あるいは強制解除させることができる。Dボゥイに対してテックセットを妨害する手段でも用いられたが、ユミ達がラダム樹に捕らえられた人々もその手段で助け出されている。

なお、変身前の服については、クリスタルフィールドの性質からラダムと地球で異なり、ラダムのテックプラントによるテッカマン(エビルやダガーなど)はそのままであるが、ラダム樹に捕獲された素体からフォーマットされた、もしくは地球製テックプラントによるテッカマン(アキやイーベル)は変身解除時に弾け飛んでしまう。これらは『Missing link』『ブレードII』で確立した設定である。

テッカマンの特性

人間大の大きさでありながら、極超音速を遥か超える機動力(最大で光速域の速度)と核はおろか、フェルミオン=反物質反応弾でもキズが付かない装甲を持っており、斬撃武器の「テックランサー」、反物質砲「ボルテッカ」が標準装備されている。また、装甲を変形させて体をスリム化させ、更に高速域での突撃をする「クラッシュ・イントルード」という技を使うものもいる(ブレード・レイピア・ソード・デッドが主に使用)。 更にはワームホールを生成(時間の概念のない空間)し赤色星を呼び出しす事で太陽系を消滅させる程の力を持つ。(ミッシングリンク) テッカマンは機械ではなく生体であるため、スパロボにおいても撃墜時の演出はテッククリスタルが砕け散るようなものになっている(『J』では閃光を放って消滅する)。

装備・能力

テッカマンの能力は個体ごとに違うが、ある程度共通の武装を持つ(ジュエル除く)。以下の通り。

テックランサー
接近戦用の武器。個体ごとの違いが一番多く表れており、本来は名称もそれぞれに違う(アックスに至っては文字通り斧)。なお、デッドのものはボルテッカの発射機構を搭載している。
テックワイヤー
投擲したランサーを回収するための鋼線。劇中ではブレードが使用したのみ。
クラッシュイントルード
クリスタルフィールドを形成して全身を覆い、超高速で突撃をかける。テッカマンの中でもスピードに秀でた個体のみが持つ。
ボルテッカ
体内の反物質「フェルミオン」を加速して放つ砲撃。発射口は個体ごとに違い、基本的に全てのテッカマンが所持している(例外はフォーマットを中断していたダガー、強化素体ともいえるアキ、戦闘能力を持たないジュエル)。なお、レイピアは自爆でしか放てず、デッドは体内ではなくランサーに発射機構を持つ。基本的に撃ちっぱなしの技であるため制御は効かず、またフェルミオンを使い尽くす上に反動も強いため、変身1回につき1発が限度。
ミッシング・リンク
侵略失敗時の最終兵器。ワームホールを生成して赤色巨星を呼び出し、太陽系を消滅させる。

また、地球製含め固有の武器や能力を持っている個体も多い。

コスモボウガン
ダガーが使う射撃武器。ランサーを弓代わりに使用して放つフェルミオンの矢で、いわばボルテッカの代用品。
ボルテッカランサー
ブラスター状態のブレードが使用。テックランサーからボルテッカを放つ。
ラムショルダー
エビルが両肩に装備している剣。ランサーを失った場合の予備武器。
PSYボルテッカ
エビルの固有能力で「サイボルテッカ」と読む。敵の放ったフェルミオンを吸収して威力に上乗せするボルテッカ。当然の如くボルテッカは効かないが、濃度が高すぎると吸収できない。
テッカマンドール
オメガの使用する能力。エビル以外のラダムテッカマンの影を呼び出して戦わせる。
リアクターボルテッカ
地球の技術で開発された広域殲滅型ボルテッカ。不測の事態によりイーベルが装備。クリスタルフィールドとの併用で、目標のみにボルテッカを集約してピンポイントかつ広範囲に攻撃を行う。
ボルテッカドレイン
増加装甲状態のデッドが使用。内容としてはPSYボルテッカの上位互換で、ボルテッカのエネルギーを吸収して使用できる。

また、異星人テッカマンの中には、母星の生き物がラダム化したと思しき乗り物に乗っている個体が存在する。

ラダム・テッカマン

所謂ラダムに支配された生命体が変身するテッカマン。惑星侵攻初期のため、前述のとおり個体差が大きい(そのためか、テッカマンダガーには「ボルテッカ」が装備されていない。ただしこれは、オービタルリングの管理・ブレードの追撃のため、一時的に戦闘フォーマットをボルテッカ装備前で中断していたため)。また、ラダムの本能の影響か、その人間の抱えていた性格が攻撃的、かつ極端に増幅されている(シンヤのタカヤに対するコンプレックス、フォンのケンゴに対する愛情など)。

第一次ラダム戦役時のラダム・テッカマンの戦闘フォーマットは惑星を侵略するための実働、精鋭部隊としての役目を担っているため、ラダムが寄生する器としての役割が主体である侵略最終段階のフォーマットの異星人テッカマンらと比べてその戦闘能力は極めて高い。
テッカマンデッドの能力がブレードを凌駕するのも、戦闘フォーマットの種類が惑星侵攻用であったためである。

フリッツ・フォン・ブラウン / 後方支援型 テッカマンダガー
モロトフ / 参謀型 テッカマンランス
ゴダード / 接近戦格闘型 テッカマンアックス
フォン・リー / 護衛型 テッカマンソード
相羽シンヤ / 多目的汎用型 テッカマンエビル
相羽ケンゴ / 司令官型 テッカマンオメガ
Dボゥイ(相羽タカヤ) / 強襲突撃型 テッカマンブレード
(MISSING LINGにおいて再フォーマットを受けたため、以降は完全なラダムテッカマンと化した)
デッド・エンド / 対テッカマン型 テッカマンデッド
量産型 異星人テッカマン
フレイル/テッカマンミハエル
スパロボ未登場。「プラハの黒い九月」の首謀者。第二次ラダム戦役の生き残りの異星人テッカマンと融合し、戦闘型のテッカマンとなった。
ジュエル/テッカマンジュエル
スパロボ未登場。小説版『水晶宮の少女』に登場した異星人テッカマンで、時空間を操る能力を持つ。

不完全なテッカマン

変身能力だけを残して排除されたミユキと、父親に助け出され、フォーマットが中途半端に終わったタカヤのことを表す。タカヤの場合は、「テックセット」に30分の時間制限があり、それを過ぎるとテックシステムが暴走する。ミユキの場合は不適合とみなされてテックシステムから排除されたため、既に肉体組織の崩壊が始まっており、死を待つだけの身体となっていた。

Dボゥイ相羽タカヤ) / テッカマンブレード(TVシリーズのみ)
適合そのものは成功していたが、精神支配が中途半端に終わっている。
相羽ミユキ / テッカマンレイピア
適合自体が不完全で、組織崩壊が始まっていた。

地球製のテッカマン

ラダム樹に取り込まれた人間(素体テッカマン)を助け出し、地球製の技術でフォーマットを受けた人間達の事を指す。
純粋なテックシステムでは無いため、侵攻初期のラダムテッカマンのような高い能力は無く、クラッシュイントルードの使用やバーニアの使用にやや制限がある。また、テッカマンアキは地球製テッカマンを造りだす過程で生まれた実験体であるため、テッカマンであっても極めて素体に近い存在である。

ユミ・フランソワ / テッカマンイーベル
ダービット・クリューゲル / テッカマンゾマー
ナターシャ・パブロチワ / テッカマンベスナー
如月アキ / テッカマンアキ

なお、地球製テッカマンのスペースナイツ所属者の名前はそれぞれ、

の意味であり、これにアキ(秋)が加わることで「春夏秋冬」となる。

ブラスター化

用語の詳細は「ブラスター化」の項目を参照。

ブラスターテッカマンブレード / Dボゥイ(相羽タカヤ)
テッカマンブレードブラスター化
ブラスターテッカマンエビル / 相羽シンヤ
テッカマンエビルブラスター化

関連用語

ソルテッカマン
テッカマンのデータを基に造った兵器。

余談

  • テッカマン変身時のキーワード「テックセッター」だが、原典『宇宙の騎士テッカマン』においては「tech set are(テック・セット・アー)」と発音している。