マークニヒト
マークニヒト(Mark Nicht)
- 登場作品:蒼穹のファフナー
- 分類:ファフナー・ザルヴァートルモデル→フェストゥム
- 形式番号:Mk.Nicht
- 全高:45 m
- 重量:---t
- 開発者:ミツヒロ・バートランド
- 所属:人類軍→フェストゥム
- 主なパイロット:狩谷由紀恵→イドゥン⇒来主操
- メカニックデザイン:鷲尾直広
日野洋治とミツヒロ・バートランドがフェストゥムとの最終決戦に向けて共同開発した人類軍の最新型ファフナー、「ザルヴァートルモデル」の一機。
ミツヒロが主導となって建造した機体で「一体でも多くの敵(フェストゥム)を殲滅すること」をコンセプトとしている。パイロットは実質使い捨ての生体パーツ扱いで、ファフナーパイロットを捨て駒としてしか見ていないミツヒロの思想を反映している。
「Nicht(ニヒト)」とはドイツ語で「否定」の意味で、「ここにいない」を示しており、同型機のマークザインと対をなす。カラーは黒色。
マークザインのデータを元に建造されマークフィアーのコアを移植することで完成、狩谷由紀恵をパイロットとして最終起動実験が行われ、フェストゥムとの最終決戦「ヘヴンズドア作戦」に投入されるはずだった。
しかし、人類軍士官に同化して潜入していたイドゥンによってパイロット共々機体を乗っ取られ、ファフナーとフェストゥム双方の力を備えた、人類にとって最強最悪の敵と化してしまう。
皆城総士の誘拐を目的に竜宮島に襲来した際には人類軍の戦闘機も同化してその後ろに連結する形で飛来し、第2ヴェル・シールドをほぼ一瞬でぶち破り(飛来速度が速すぎたために第1ヴェル・シールドは展開が間に合わなかった)島に到達、応戦したベイバロン・モデルとマークジーベンを一蹴、マークアインの決死のフェンリルでも損傷を与えられないという驚異の性能を見せつけ、アルヴィスの隊員に多数の犠牲者を出し、総士も攫われるという壊滅的な損害を与えた。
蒼穹作戦においても、総士の戦術を持って人類軍と竜宮島のファフナーを追い詰めるが、近藤剣司のマークアハトの奮戦と総士の罠によって、イドゥンが「痛み」と「死の恐怖」を知覚してしまった事で動きが止まり、駆けつけたマークドライとマークジーベンの攻撃を立て続けに受けて敗退する。
なおも帰還しようとする一騎達の輸送機に追いすがり、マークザインを無の世界へと引きずり込んで同化しようとするが、「存在する事」を選ぶ一騎と総士の意思に押し負け、逆に同化されてここからいなくなるという皮肉な最期を遂げた。
蒼穹作戦後のフェストゥムはこの機体の姿を取ることがあるらしく、その姿は全身に結晶が配置され、前腕が長くなっているなど非常に禍々しい外見となっている。
劇場版では消滅には至っておらず、一騎と総士によってマークザインの中に封じられていたことが明らかになる。新たなミールによって引きずり出され、来主操をパイロットとして再び竜宮島を襲う。この際は2年の時、或いはミールの影響のためか外観は結晶体の混じる鋭角的なラインを持ったフォルムとなり、機体色は紫色に変化するなどマークザイン以上に原型からかけ離れた姿となっている。最終的には操が人類軍の核攻撃から美羽を守るべく、マークニヒトから抜け出し特攻。機体はほぼ無傷なまま残留し、操縦席には総士が残されていた。
前述のように「一体でも多くの敵(フェストゥム)を殲滅すること」を反映して設計したのだが、「忌まわしき敵に奪取され人類側を大いに苦しめた」という、人類の存在と、本来の設計思想そのものをその名の通り「否定」する皮肉な結果となり、最終的にマークザインによって今度は自分が存在することを「否定」されるというこれまた皮肉な末を辿っている(さらに言うと、UXでは条件を満たすとフェストゥムに奪われたこの機体が紆余曲折を得て人類側と共闘する事態にまでなってしまう)。
登場作品と操縦者
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦K
- 原作どおり、終盤に竜宮島と北極で計2回戦う。既に狩谷は同化されているはずなのに一回目のパイロットは彼女名義。マップ兵器のホーミングレーザーが厄介。
- スーパーロボット大戦UX
- 第2部中盤の原作最終局面でイドゥン機として登場。自動回復こそないが攻撃力が高く、また80000越えのHPと同化能力で戦力を削ぎに来る。
- 第3部では劇場版設定で来主機として登場。終盤ボスだけにHPが20万越え、操も底力持ちだが、マップ兵器の識別機能がなくなったので対策は簡単。そもそもEN回復がないのでマップ兵器を空撃ちさせ続け、ルガーランス(射撃)を撃ち切らせれば手も足も出ない状態になる(これはTV版仕様にも言えるが、TV版マークニヒトと戦うシナリオは全てターン制限が入るのでキャンペーンマップくらいでしか活かせない)。
- 最後は核ミサイルからエルシャンクを庇って消滅してしまうが、条件を満たせばその後味方として使用できる。火力は低いが、ルガーランス(射撃)以外の武装はバリア無効付きなので、バリア貫通の戦術指揮を使ってない場合では対バジュラ要員にもなれる。
- なお、本作ではマークニヒトに使用されたマークフィアーのコアはノーヴル博士がミツヒロに提供している。
装備・機能
武装・必殺攻撃
- ワーム・スフィアー
- 物質をゼロ次元へと捻じ切ってしまう球体を発生させる。ベイバロン・モデルを大破させ、マークアインにも致命傷を与えた。
- ワーム・スフィアー(連射)
- ワーム・スフィアーを連続発射する。UXでは敵対時の劇場版のみ自機中心型のMAP兵器版が存在。
TV版
- 格闘
- ワーム・スフィアーを投げつけた後に、接近し殴りつける。劇中では同化したルガーランスを投げつけ、マークジーベンの上半身を消し飛ばしてしまった。
- ホーミングレーザー
- ザルヴァートルモデルの標準装備。背中に二基搭載されたホーミングレーザー発振器。Kではビーム兵器なので、ビーム完全無効のアカツキや(シナリオによるが)海に沈めたアークエンジェルに任せればノーダメージでEN切れに追い込む事が出来る。MAP兵器版もあるのでその点は注意。
- 劇場版では発振器がなくなったため使用できない。
劇場版
- ルガーランス
- 槍型の刺突武器。マークザインのもののコピーと思われる。伸ばした手から生成する。
- なお、使う際に取り出す必要があるためか、UXのマークニヒトは剣装備となっていない。
- ルガーランス(射撃)
- ルガーランスからエネルギー弾を発射する。
- ルガーランス(斬撃)
- UXでは突撃した後逆手で突き刺し、離脱しながらワーム・スフィアーを叩き込んでトドメ。
特殊能力
- 同化(同化L2、味方はL3)
- ファフナー系の相手に攻撃を命中させた際、気力を低下させる。気力を90以下(UXでは100以下)に下げるとマークニヒトと同化させHPとENを吸収。敵は撃破扱いとなる。UXでは敵対時は無差別に発動するため、余計厄介になった。味方になった後も持ってはいるが、対応する相手が出てこないので死に能力となっている。まぁ、バジュラを救いに来たのにバジュラと同化したら台無しではある。
- オールキャンセラー
- UXの敵仕様のみ。
移動タイプ
サイズ
- M
機体BGM
- 「ナイトヘーレ開門」
対決・名場面など
- 否定〜イドゥン
- 最終起動実験で乗っ取られ、初陣で真っ先にミツヒロの野望と存在を「否定」した。ファンの中にはここで溜飲が下がった方もいると思われる。だが…。
- 襲撃〜にくしみ
- 二ヒトを乗っ取ったイドゥンは次のターゲットを竜宮島に向けて襲撃する。迎え撃った3機のファフナーをその高い戦闘能力で一蹴、なおも暴れ回る。
- 皆城乙姫の叫びも届かず、由紀恵を同化した際に学んだ「憎しみ」の感情にまかせて一方的に蹂躙し、島民の命を次々と同化していく。
- 最期はマークアインのフェンリルによって消えたと思われたが…。
- 恐怖〜そんざい
- 「我々を…!無へ戻せぇぇぇぇぇっ!!」
- 存在することに恐怖を覚えたイドゥンは発狂し、自身を消滅させるようにワーム・スフィアを連射する。
- しかし、機体は無傷。マークニヒトの高い防御力が、そんなイドゥンの想いすら「否定」したのであった。
- 対話~いたみ
- 劇場版より、マークザインとの激突。高空で交錯する二機のファフナーは、それぞれの思いを叩き付けるかのようにぶつかり合い、そして……。
スパロボシリーズの対決・名場面
- 再会〜すくい
- UX49話「侵略の終焉」より。フロンティア船団によってインプラント弾を撃ち込まれ、操られるバジュラを救出すべく戦い続けるUX。しかし、物量で勝るバジュラを相手にUXは徐々に劣勢を強いられていく。次々と現れる増援に戦意を折られかける中、マークザインで戦っていた一騎のもとに声が響く。
- 直後、バジュラの大軍をワーム・スフィアーでかく乱しつつ宙域に飛来したのは、結晶化した装甲と翼を持ち、紫に彩られた異形のファフナー……人類の火から美羽を、対話の道を守って消えたはずのマークニヒトと、それを駆るフェストゥムの少年・操。救いを求める声を聴いた彼は、バジュラを救うために、一騎達と共に戦うために「ここにいる」ことを選び、そして帰って来たのだ。
- 対決〜ひてい
- バジュラを救うための戦いが続く中、ザ・ブーム軍に与したハザードのファミール艦が戦場に現れる。ハザードという男は操個人からしても、同胞たるフェストゥムに理由なき「痛み」と「憎しみ」を与え、架け橋たる美羽をも「否定」しようとした怨敵。しかし操は、それに起因する怒りによる戦いを「否定」し、さらなる悲劇の可能性をも「否定」するためにマークニヒトを駆る。
関連機体
- マークザイン
- 同型機。終盤から劇場版にかけて、機体内部に封印されていた。これはフェストゥムに機体の存在を学習させないようにするためで、封印されなければフェストゥムにマークニヒトを量産されるというという恐ろしい事態になっていた。