ザガート
ザガート | |
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外国語表記 | Zagato |
登場作品 | 魔法騎士レイアース |
声優 | 小杉十郎太 |
デザイン | 石田敦子 |
初登場SRW | スーパーロボット大戦T |
SRWでの分類 | パイロット |
プロフィール | |
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種族 | セフィーロ人 |
性別 | 男 |
髪色 | 黒 |
髪型 | 毛先を束ねた長髪 |
瞳の色 | 紫 |
所属 | ザガート一派 |
役職 | 神官 |
主な搭乗機 | 魔神ザガート |
概要
エメロード姫に仕える神官で、姫の祈りの補佐や護衛を務めていた。穏やかで思慮深い人物だったが、突如として姫を攫って幽閉し、セフィーロに反旗を翻す。
姫の側付きだっただけに聡明で有能な人物で、導師クレフに師事を受けた魔法の腕も超一流。また、自力で魔神を造り上げる程の知識と技術を有する。
魔法騎士を始末する為、様々な刺客を差し向ける形で伝説の成就を阻もうとするのだが…。
真相
作中にて、セフィーロに混乱が巻き起こった全ての元凶はザガートにあるとされていたが、正確には「ザガート1人」だけではなかった。
ザガートは神官だった頃から『柱』となった者の心の自由を犠牲に「セフィーロの安定」を維持する柱システムを懸念しており[1]、幼い頃から年頃の少女らしい楽しみを知らずにセフィーロの安定を祈り続けるエメロードを哀れに思っていた。エメロードは自分を思いやるザガートを1人の男として愛するようになり、ザガートもまたエメロードを愛するようになる。
しかし、エメロードが「ザガート個人の幸せ」を願うようになった結果、セフィーロのバランスは急激に崩れ、凶暴な魔物が出現するなど大きな混乱を招いてしまう。つまり、セフィーロの崩壊の原因はザガートにも少なからずあったのだが、根本的な問題を突けば、『柱』としての役目を負わされたエメロード自身、ひいては1人の人間がひたすらセフィーロの為だけに祈り続ける生涯を強いられる『柱』の不条理なシステムそのものだった。
自らが取り返しのつかない「過ち」を犯してしまったと思い込んだエメロードは自身を幽閉しザガートへの思いを断ち切ろうとする。そして『柱』として破綻した自分を殺させるために3人の魔法騎士を召喚してしまった。ザガートはエメロードの意思に背き、例えセフィーロが崩壊しようとも彼女を守ることを誓い、魔法騎士達への刺客を送り込んだ。だが一方で、自身の行いが正しいとは思っておらず、エメロードを悲しませることしかできないと自嘲していた。親衛隊長だったラファーガを洗脳した姿をあえてエメロードに見せ付けた上で魔法騎士達と戦わせる事を宣言し、失望によって自身への想いを断ち切らせようとしていたと思しき節もある。
最終的に全ての刺客が敗れ、自らの拠点である空中宮殿にまで魔法騎士達が辿り着いたことで、自らの魔力と心を注ぎ込み生み出した魔神ザガートに搭乗。圧倒的な力で彼女達を追い詰めるも、魔法騎士達の合体技「閃光の螺旋」の前に敗北。エメロードの心が自由になる事を切に願いながらその生涯を終えた。
登場作品と役柄
VXT三部作
- スーパーロボット大戦T
- 初登場作品。今作ではラバーンやショットと結託し、バイストン・ウェル兵たちを戦力に加えている。
- 敵の首魁と言う事もあり能力は高いが、原作通り撃破後に魔神エメロードが襲いかかってくるのでSPの温存はしっかりと。
- 今作では地上にも積極的に侵略してくるが、これは「このままでは滅亡が免れないセフィーロの民を移住させる為」と理由付けがなされている。
パイロットステータス
能力値
ボス級だけあって能力値は高め。この後の連戦を考えると最低でもSPは温存したい。エクストラアクションの活用もしっかりと。
精神コマンド
- T
- 信頼、集中、必中、不屈、希望、愛
- ある意味ではエメロードと対となるラインナップ。原作未視聴のプレイヤーでも彼がセフィーロに反旗を翻した理由を察せられる内容になっている。腹心であるイノーバへの信頼、世界を敵に回して自身が命を落とそうともエメロードを柱から解放するという信念と希望、そして彼の行動の根底にあるエメロードへの愛が反映されている。
特殊スキル
- T
- 底力L8、闘争心L2、気力限界突破L2、極、ガードL3、サイズ差補正無視L2
- エメロードを守るという意志の現れか、極に加えて高ランクの底力とガードを持つので、殴れば殴るほど固くなる。ただ幸いにして2回行動は持っていない。
エースボーナス
- 気力130以上で自軍フェイズ開始時、精神コマンド「不屈」がかかる
- 『T』で採用。ver.1.03で追加されたスーパーエキスパートモードにて習得。ただでさえ固いのに、1回のみとは言え更に固くなる。
人間関係
- エメロード
- 彼女を幽閉する。実は彼女と相思相愛の仲で、一連の行動の真意はセフィーロのために死を望む彼女を守り、彼女を『柱』から解き放ち1人の女性に戻すことだった。
- なお、見た目からザガートがロリコン扱いされがちであるが、実年齢はザガートよりもエメロードの方が年上であり、彼女はある時期を境に大人の姿に成長している。
配下
- アルシオーネ
- 部下。恋心を抱かれているが己の目的を果たすための手足としてしか見ておらず、原作漫画版では魔法騎士の抹殺に二度失敗した彼女を見限り粛清している。
- アニメ版では三度目の失敗で見限るが、失脚させただけで殺さず、結果的に唯一自分の元に残った部下になったものの二度と使うことはなかった。第一章ラストでエメロード姫との関係を知られ、絶望した彼女に縋られるも「お前のエゴに過ぎない」と突き放し、最後まで彼女の想いを受け入れることはなかった。
- イノーバと共に高い忠誠心を見せ、その忠誠心は紛れもない事実なのだが、恋心故に自らの立場を考えずに妄信している節があり、「無償の奉仕(愛)」「見返りを求めず」の姿勢が、ザガートには「何も知らないのに、悪事と知りながら、こっちに付く理由が無いのに来た」と忠誠心の高さに反し嫌われ冷遇されていた。また、エメロード姫付き魔操士と言う身分にありながら、あっさり寝返ってきた事から、忠誠心はおろか恋愛感情すら「口先だけの軽いもの」「自己正当化の方便」と見なされ信用されていなかった(然る身分にありながら裏切った経緯は、ザガートの他の部下達からも眉を顰められている)。
- 事情を知らされずに全てを捨てて来たアルシオーネにとっては理不尽な話だが、エメロードが心の自由が許されず恋心を殺そうと苦悩していたのに対し、臆面もなく恋心を曝け出して押し付けてくる彼女を嫌悪していたのかもしれない(原作漫画版だと粛清直前に物凄く軽蔑した目を彼女に向けている)。とはいえ、ザガートが何も知らせぬままそんな彼女の恋心を利用していたのも事実であり(知っていたが信用していなかった説もあるが)、目的のためなら手段を問わない一面を伺わせている。
- アスコット
- 部下。彼と魔獣に場所を提供することで味方に引き込むが、海の説得に応じた彼に離反される。
- カルディナ
- 部下。金で雇っているだけの関係に過ぎず、風の戦いへの覚悟を垣間見た彼女に『報酬分は働いた』として離反される。
- 明るい性格のムードメーカーであった為、ザガートも他の家臣たちと比べて多少砕けた態度をとっていた様で、核心に近い話を彼女にはしている(少なくともアルシオーネより信頼している)。ザガートからは上記の様に真の目的がセフィーロの支配ではない事を仄めかされていたが、深く問い詰めなかった。
- ラファーガ
- 部下。自身を阻止しようとした彼に勝利し、洗脳して配下に置く。
- のちに光の剣から発せられた炎によって洗脳魔法を解かれた。
- イノーバ
- 副官。アニメのみ登場。元々はエメロードから贈られた精獣であり、魔法で人間の姿を与えた。エメロードとの関係と自身の目的を知る唯一の部下で深い信頼を寄せており、普段冷静なザガートも彼の戦死時には深く悲しんでいるそぶりを見せた。
セフィーロ
- 獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風
- 伝説の魔法騎士達。エメロード姫を守る為、彼女達の抹殺を図り旅を妨害する。
- ランティス
- 弟。よく似た雰囲気と容姿・声を持つ。『柱』のシステムに対する疑問を共有していたことからも、彼にとって心を許せる存在であったのは確かである。
- クレフ
- かつての師。アニメでは魔法騎士を送り出した彼の不意を突いて石化する。
- かつてはランティスと共にどちらが先に自身の力を超えるかと期待されていた。
他作品の人間関係
- ラバーン・ザラマンド、ショット・ウェポン
- 『T』では協力者。
- トッド・ギネス、アレン・ブレディ、ジェリル・クチビ
- 『T』では彼らを配下に加えている。
名台詞
- 「異世界から魔法騎士を召喚しましたね」
「無駄な事はおやめなさいエメロード姫。魔神が蘇る事はない、伝説の魔法騎士も誕生しない」 - 第1話より。エメロード姫の元に訪れ魔法騎士の抹殺を宣言し、セフィーロがどうなってもいいのかと問う姫に一言頷く。普通に見れば単に「魔法騎士は倒すから諦めろ」と言っているだけだが、ザガートの真意を理解してから見ると「お願いだから止めてくれ」と言っている様にも聞こえる。
- 「セフィーロより、大切なものがある」
- カルディナから、エメロード姫に祈りを続けてもらい、全権を譲ってもらってはどうか?と問われて。この言葉には、重大な意味が込められていた....
- 「エメロード…私はあなたを泣かせてばかりだ…。誰よりもあなたの笑顔を望んでいるのに、私は誰よりもあなたを悲しませる存在でしかない」
「魔法騎士の伝説は、この私が打ち砕く」 - 魔法騎士との決戦を前に。後の真相からも、エメロードの事を愛する一方、ザガートは自分自身の存在が彼女やセフィーロを不幸にしているという自責の念があったようで、ザガートは自分自身に裁きを下すかの様に、魔法騎士達に最後の戦いを挑む。なお、似たようなセリフは、弟のランティスも言っている。(原作『2』第1巻のラスト)ランティスの場合は、『魔法騎士の伝説は、この手で終わらせる』である。
- 「だとしたらどうする、アルシオーネ?」
「自分自身の為だろう? 人は自分の為だけに戦う。お前もそうだ、私の為ではない。自分の心の為に戦ったのだろう」 - 第19話より。ザガートの想い人がエメロード姫であること、今までの全てはエメロード姫の為であった事を知ったアルシオーネに本当なのかと問い詰められるが、否定せずに聞き返す。
- それを受けたアルシオーネが『導師クレフを裏切ったのも、魔法騎士と戦ってきたのも全てザガートの為であったのに』と嘆いたのに対し、下記の通り吐き捨てる。
- 「私の為……? 何の役にも立てなかった上に、
戯言 を言うのはこの口か!?」
「役に立たぬ魔操士よ、何処へなりと立ち去れ」 - 上記の発言の後、ザガートの言葉を聞き入れず『自分の為でなくザガートの為に尽くした』と縋るように主張し続けるアルシオーネをつかみ上げ(片手でのネックハンギングツリー)、怒りを込めて突き放す。
- アルシオーネからすると「愛するザガートの為に主君(エメロード姫)も師も裏切り、身も心も無償で捧げ尽くしてきたのに…」という気持ちだろうが、逆にザガートからしたら「主君も師も裏切った(=忠誠心の低い)信頼の置けない女」と、アルシオーネ本人の考える自己評価と真逆の評価になる。ザガートからしたら本来の立場や役割を裏切りと言う最悪の形で放棄したアルシオーネの「忠誠心」も「恋愛感情」も全く信用できないものであり、正に「自己正当化のための方便=戯言」以外の何物でもないのである。
- ちなみに脚本を手がけた大川七瀬氏によれば、第一稿ではト書きに「アルシオーネの口に指を入れる」と書かれていたが、没になったとのこと。
- 「エメロード……どうか……自由に……」
- 魔法騎士達との最終決戦時。
閃光 の螺旋の直撃を受けて自身の敗北を悟り、穏やかな笑みと共に呟く。これがザガートの最期の言葉となった。自分が死ねば次はエメロードだと解っていながら微笑んでいたのは、「死ねば、エメロードも自分の事は諦めてくれるだろう」と言う僅かながらの希望に縋ったのかもしれない。しかし… - 『T』では撃墜時のセリフの一つ。
- 「『柱』になれるのは、誰よりも強い心の持ち主。そして、『柱』になった者は、このセフィーロの創造主でもある」
「しかし、その心は本当に自由なのだろうか……?」 - 原作『2』の回想シーンにて。『柱』制度への疑問を弟ランティスに打ち明ける。そしてその疑問から、彼は後にある行動をとる。『柱』であるエメロード姫を幽閉し、魔法騎士を抹殺しようとする行動を……。
- 「……ランティス……人には、それぞれ決して変えることのできない『願い』がある。たとえ、謗られても、悪の烙印を押されても、ゆずれない『願い』が……」
- 第40話より。光が覗いた過去の平和だった頃のセフィーロの記憶にて、ランティスと『柱』制度について語り合う内に。ここで何かを決心するまでは、光が見たことのない優しそうな表情をしていた…。
スパロボシリーズの名台詞
- 「異世界の戦士達よ…。もしかすると私は、お前達の全てに勝つ事はできないかも知れない…」
「だが、魔法騎士だけはこの手で倒す!」 - 『T』第34話「終焉の日」より。T3との最終決戦で、スーパーロボット達の力を認め敗北する可能性をも考慮しながら。刺し違えても魔法騎士だけは絶対に倒さなくてはならない理由が彼にはあった…。
- 「マジンを駆る者よ!もう少し早く、お前に出会いたかった!」
「あのマジンを手に入れる事が出来れば、私の生き方も変わっていたかも知れない…!」
「世界の理を破壊する者…!その力あれば、『柱』の運命も変えられたかも知れなかったな!」 - 同上、甲児との戦闘前会話より。この時点でザガートはゴラーゴンがどのような物か完璧に把握していたようである。
- 「そうはさせん! あの方を救う事など、誰にも出来んのだ!」
- 同上、ワッ太との戦闘前会話にて「お前を倒して、エメロード姫を絶対に助け出してやる!」と意気込む彼に対して。
- 事実、エメロード姫を救う事はザガートにも出来ず、殺すことでしか救う方法がなかったのである……
搭乗機体
- 魔神ザガート
- ザガートが全ての力と心を注いで造り上げた黒き魔神。
余談
- 名前の由来は、イタリア・ミラノに本拠を置く老舗(1919年創業)のカロッツェリアSZデザインの旧名から。
- OVAでは既に故人。魔神は巨大な龍でイーグルが操縦している。
- 故人の設定だがOVA1巻のクライマックスで彼の魔神が登場した際に、眼を開き顔を上げるシーンがある。
- OVA版は尺の都合でカットされたと思わしき所(アスコットに捕縛された筈の海が、次のシーンで何事もなく対峙している等)が何ヵ所かあり、彼も当初は生存している設定だったのかもしれない。
- 原作でザガートの配下は4人だが、初登場シーンで滝に隠れたシルエットのみ登場した謎の5人目が存在する。登場前に死亡・粛清・離反された、魔法騎士への刺客にならなかっただけで別任務があった、単に作者が忘れていた、アニメ化の際に存在を思い出してイノーバを登場させた、など様々な説がある。