ソール11遊星主
ソール11遊星主(11 Planetary Masters of Sol)とは、『勇者王ガオガイガーFINAL』に登場する敵勢力。
概要
三重連太陽系の再生を目的とした集団。戒道によれば「三重連太陽系の守護神」。
現在はその目的達成のために外宇宙の暗黒物質を吸収する計画を遂行しており、宇宙収縮現象進行の直接の原因となっている。このため、宇宙収縮現象を食い止めようとするGGGとは敵対関係となり、三重連太陽系宙域に新たに創造されたレプリ地球を舞台に激闘を繰り広げることとなる。
その正体は、消滅の危機に瀕した三重連太陽系を再生するために赤の星の住民が生みだした一種のセーフティプログラムである。通常の人間に近いフォルムを備えた者から純然たる戦闘機械型のものまで計11体が存在しているが、その中でも目的達成のために最も重要と言える「再生能力」を司る個体は、超巨大物質復元装置のコアユニット「ピサ・ソール」であり、他の10体は三重連太陽系の再生を効率的に行うための端末に過ぎないと言っても過言ではない。
戦闘能力
個々の戦闘能力は高く、特筆すべき点も多いが、その戦略の基本はあくまでピサ・ソールの無限再生機能による物量戦であり、単純な攻撃力においては破壊の力を宿すジェネシックガオガイガーに及ばない[1]。また後述の通り11体の遊星主の戦闘能力・特殊能力は、GGGメンバー及び勇者ロボとちょうど対応しており、全体として裏勇者ロボ軍団とでも呼ぶべき能力設定となっている。
動力源
動力源には、ピサ・ソールを含む11体全てが、Gストーンをより汎用化・高出力化した「ラウドGストーン」を採用。ラウドGストーンはGストーン以上の出力を発揮することが可能であるが、ジェネシックオーラによる破壊の力からは逃れることが出来ず、唯一の弱点となっている。
起源
ソール11遊星主開発のそもそもの発端は、150億年前に三重連太陽系の人々が、彼らの存在する宇宙が寿命を迎えつつあるのを知ってしまったことから始まる。
この事実を認知した三重連太陽系の人々は次元ゲート「ギャレオリア彗星」の開発に着手し、数世代を経て完成に至るが、「他の宇宙から暗黒物質を集めて三重連太陽系の宇宙の再生を行う」事を主張する赤の星と、「滅び行く現宇宙を捨て、別の宇宙へ移住する」事を主張する緑の星の間で完成後の利用の意見対立が発生した。このうち、赤の星のアベルによって作られたのがソール11遊星主であり、一方それに反対する緑の星のカインの手によって、ソール11遊星主を止めるためのアンチプログラムとして開発が進められたのがGクリスタル及びジェネシックガオガイガーである。
しかし、この両惑星の対立の最中、紫の星がZマスタープログラムを暴走させてしまい、三重連太陽系全体に機界昇華の危機が迫る。突然の存亡の危機に際し、緑・赤の両惑星は一時的に協定を結んでZマスタープログラムの変貌体=ゾンダーの侵攻に対抗した(※この過程で、緑の星では「ギャレオンの対ゾンダー戦力への転用」「新たに誕生したラティオ少年(=天海護)の能力を基にGストーンを開発」、赤の星では「Jジュエル、生体兵器アルマ(=戒道幾巳)の開発」「31体のソルダートJ及びジェイアークを主力とするソルダート師団の編成」といった各種の戦力整備が進められた)が、対抗手段の構築はあと一歩のとこで間に合わず、機界昇華は達成されてしまう。この戦闘の最中、遊星主もその大半が機界昇華されたものと考えられるが、機能中枢であるピサ・ソールは唯一機界昇華を免れる(恐らくは常時展開されているレプリションフィールドの効果によるものと思われる)。
そして、恐らくはゾンダープログラムの停止を感知したことで、ピサ・ソールは本格的に三重連太陽系の復元という自らの使命を開始。11遊星主を復活させ、暗黒物質の吸収を始めることとなる。
メンバー
ピーヴァータ・プラヌス・ペチュルオン・ペルクリオ・ポルタンの5人は、普段は無言かつフードとマントで全身を隠しており、パーツキューブとフュージョンすることにより、勇者ロボ軍団と同規模のメカノイドになる。 また、全員がレプリジンによる複製体であるとされており、メンバーが11人なのは三重連太陽系の恒星及び惑星の総数が11である為。その事から察するにアベル、カイン以外は詳細が判明していないものの恒星(太陽)に相当するであろうピサ・ソール以外の10人は三重連太陽系に存在する10の惑星に関連する人物であると思われる。
- パルス・アベル
- 赤の星の指導者アベルの複製。赤の星の末裔たるアルマ=戒道幾巳の裏的存在。
- パルパレーパ
- 遊星主の戦闘隊長。医者の姿をしている。ケミカルフュージョンにより、パルパレーパ・プラス、パルパレーパ・プラジュナーになる。戦闘隊長=獅子王凱の裏的存在。
- ピア・デケム
- 可変空母ピア・デケム・ピット及びピア・デケム・ピークの操舵。母艦勇者ロボとその主であるソルダートJの裏的存在。
- ピルナス
- パルス・アベルに付き添う人間と蜂の姿をした女性。固有の機体を持たない生身の女性戦士=ルネ・カーディフ・獅子王の裏的存在。
- ペイ・ラ・カイン
- 緑の星の指導者カインの複製。緑の星の末裔たるラティオ=天海護の裏的存在。
- ピーヴァータ
- 建設機械をモチーフとしたメカノイドにフュージョンする。機械的な勇者ロボ=超竜神の裏的存在。
- プラヌス
- 槍と盾を持った女性騎士風のメカノイドにフュージョンする。女性的な勇者ロボ=天竜神の裏的存在。
- ペチュルオン
- 巨大なスクリューと磁石を備えたメカノイドにフュージョンする。気流と地磁気を操る勇者ロボ=撃龍神の裏的存在。
- ペルクリオ
- 管楽器をモチーフとしたメカノイドにフュージョンする。音響を操る勇者ロボ=マイク・サウンダース13世の裏的存在。
- ポルタン
- 忍者風のメカノイドにフュージョンする。諜報用勇者ロボ=ボルフォッグの裏的存在。
- ピサ・ソール
- 物質復元装置を操る存在。究極の再生システム。究極の破壊システムたるゴルディオンクラッシャー=そのコアたるゴルディーマーグの裏的存在。
登場作品
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α
- 初登場作品。パルス・アベル、パルパレーパ、ピア・デケム、ピルナス、ペイ・ラ・カイン、ピサ・ソールの6名が登場[2]。
- 上記の通り、原作での作戦が全宇宙規模で甚大な影響を及ぼすものであるため、味方側のみならず他の外宇宙勢力からも危険な存在として認知されている。版権組織としては比較的早期に倒されてしまうが、ピサ・ソールの無限複製能力により、名だたる外宇宙勢力を複数同時に敵に回しても引けをとらない物量戦を展開し、大きな存在感を発揮している。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦W
- 『第3次α』の6人に加え、残る5名がそれぞれのメカノイドと共に登場を果たした。
- 原作と違い、ザ・データベースと共に地球圏に直接進行してくる。彼らでも「何故太陽系に侵攻するのか」わからなかったが、消滅間際に護から明かされた事実により、『魂のふる里』に帰ってきていた真実が明らかとなる。
余談
- 上述の通り、ピサ・ソール以外の11名は機界昇華の後に物質再生能力によって復元されたものである。つまり、オリジナルの遊星主たちはマスタープログラム暴走時に滅んでおり、劇中に登場したのはピサ・ソールを除き全員レプリジンである。
- 開発の順番を纏めると
- ソール11遊星主開発
- カウンターであるジェネシックガオガイガー開発
- Zマスターの暴走
- ラティオの誕生とその力を元にしたGストーン開発、ギャレオンの改造
- さらにそれを元にしたJジュエルとジェイアーク艦隊開発
- となっており、スペックや規模的には大きいが、技術段階や耐性面では最下位ということになってしまう。
- Gストーンから改良版として作られたはずのラウドGストーンがジェネシックオーラに弱いという凱がOVA本編で叫んでいた設定だと上記時系列に矛盾がでるため、小説版ではジェネシックオーラは遊星主の身体を構築するプログラム自体を破壊するものとしている。
- 小説版のソール11遊星主は150億年前の三重連太陽系で行動しており、暗黒物質を150億年後の現代から吸収している。そのためGGGメンバーが次元ゲートを通って150億年前の三重連太陽系に向かうという展開になっている。