チーフ

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チーフ
外国語表記 Chief
登場作品

電脳戦機バーチャロンシリーズ

声優 谷昌樹
種族 地球人(?)
性別
所属 MARZ
役職 捜査官・指導教官
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チーフは『電脳戦機バーチャロン マーズ』の主人公の設定を下敷きに、同作品のスパロボ参戦に際して独自のキャラ付けがされた、半オリジナルキャラクター。

概要

アクションゲーム『電脳戦機バーチャロン マーズ』は一人称視点で進むゲームであり、モニターの前にいるプレイヤーこそが主人公である為、「チーフ」という名前と性格のキャラクターは同作品には登場しない(それ故に、最初からリリン・プラジナーの事を知っている等、『マーズ』主人公=プレイヤーとは若干設定に乖離がある)。原作でどうしてもチーフに会いたいなら、主人公の名前を「チーフ」にすれば気分は出るかもしれない。

原作の『マーズ』主人公は限定戦争・火星戦線の混乱の中に特捜機動公安部隊MARZの捜査官(初期階級は準査)として潜入し、同地で消息を絶ったハッター軍曹を救出に向かうところから物語は始まる。数々の激戦を戦い抜き、限定戦争の裏に潜む悪意と接触。MARZの設立者であるリリン・プラジナーからMARZ本来の目的を知らされ、真のMARZとして決戦に臨む事となる。

指導教官という職務に付いているらしく、戦闘中度々相手を指導する。またMARZの基本任務である不法戦闘機体(※限定戦争のルール下を離れた犯罪行為を行うもの)を取り締まろうとする戦闘中のセリフから察すると、火星戦線捜査官の現場も務めている模様。寡黙な性格であるため、相棒のハッターも苦労している様子である。リリン・プラジナーに忠誠を誓い、MARZの任務遂行に生きる。乗機であるテムジン 747Jに対しては並々ならぬ愛着があるようで、圧倒的な性能差があるはずのテムジン Type a8相手でも見劣りしないと豪語する。

ちなみにチーフというのは本名ではない。初参戦の『第3次α』にて名前を聞かれた際「本名は捨てた」「忘れた」「名前など必要ない」と返答したものの、「どう呼べばいいのかわからない」という苦言が出たため便宜上「チーフ」という名を指定したためである。また、ハッターは本名を知っているようである。本名を名乗らないのは原作のプレイヤーに配慮した為と思われる。

余談ではあるが、MARZ関係者の容姿や経歴などは徹底的に秘匿されている(例外:ハッター軍曹)という設定もあり、彼の素性が明らかにされないことの理由ともなる。

登場作品と役柄

αシリーズ

第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
いるだけ参戦の上に本人が無口なので目立たない。しかし能力は優秀でラスボスとの特殊戦闘台詞もある。ハッターやフェイはともかくとして、なぜ彼がパレッス粒子の影響を受けないのかは謎。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦K
ハッターと共に中盤に参戦するがハッターに比べて影がうすい。今回は最初から「チーフ」と呼ばれている。能力はバランスがとれていて優秀。しかし機体が追いついていない印象を受ける。

パイロットステータス

能力値

防御以外は平均的に高く、攻撃面に優れる。また設定を反映してか技量も高め。

精神コマンド

第3次αK
加速集中必中不屈熱血

特殊技能(特殊スキル)

第3次α
カウンターL9、切り払いL7、援護攻撃L3
高レベルのカウンターが習得済みなのは「『バーチャロン』はいわゆる『後だしジャンケン』をするゲームであり、テムジンという機体はその運用傾向が特に顕著である」、という原作のゲーム性を反映してのことと思われる。
K
斬り払いL2、撃ち落としL3、カウンター底力L5、援護攻撃L2、援護防御L2、アタックコンボL2

小隊長能力(隊長効果)

命中率+10%、小隊移動力+1
第3次α』で採用。

パイロットBGM

「In the Blue Sky」
第3次α』、『K』で採用。冒頭の「Get Ready!」のコールが格好良く、強烈に印象に残る曲。

人間関係

イッシー・ハッター
同僚(あるいは部下?)。チーフが寡黙な分、ハッターが喋るため、ある意味バランスが取れている。
フェイ・イェン
騒がしい同行者。ただ、チーフとハッターで意見が分かれた場合に妥協案を出すのは彼女なので、割と重要なポジションである。
リリン・プラジナー
MARZの総帥。忠誠を誓っている。SRWでは名前のみ登場。
ちなみに声優フォウ等も演じたゆかな氏。『マーズ』では可愛らしく励ましたり凛々しく命令したりしてくれる。
クリアリア・バイアステン
K』で一回だけ敵対する。同じテムジン系に駆っているということで、対抗意識があるような発言もしている。一方でチーフはクリアリアを「貴公」と呼んでおり、敬意を払っている様子も見える(と、言いながらしっかり「教育」しようとするが)。またクリアリアもチーフの信念と実力を認めている。
ちなみにクリアリアもリリン・プラジナーへの忠誠を誓っているので、似た者同士と言えなくもない。

他作品との人間関係

獅子王麗雄
第3次α』では彼からの提案を受け入れ、元の世界への帰還方法が見つかるまでの間、αナンバーズに所属する事となる。
ボルフォッグ
『第3次α』で共演。多くを語らずに黙々と任務を遂行するという共通項ゆえ波長が合うのか、勇者ロボ軍団の中では彼との交流が多い。こちらの世界の情報提供も彼から受けた。

スパロボシリーズの名台詞

原作では一言も喋らないので、必然的にスパロボでの台詞のみ。

「………」
戦闘アニメ、戦闘マップ、シナリオデモを問わず頻出する無言の間。
第3次α』における初登場のシナリオ第26話「かりそめの旅人」の彼の台詞の半分近くはこれで占められているほど。ハッター軍曹も泣いちゃうゾ。

戦闘台詞

「MARZ戦闘教義指導要綱13番、『一撃必殺』!」
ブルー・スライダー使用時の台詞。勘違いされがちだが、あくまでも「指導要綱13番」が「一撃必殺」なのであり、ブルー・スライダーそのものを指すわけではない。さらに言えば「MARZ戦闘教義」自体がオリジナル設定である。
「いかなる時もMARZ流、それが俺のやり方だ…」 / 「標的、不法戦闘機体…これはMARZの管轄内だ」 / 「貴様を指導する!」
汎用戦闘台詞。例え異世界に飛ばされてもMARZとしての、そして指導教官としてのスタンスは崩さない。
「貴様には、指導が必要だ!!」
同じく汎用台詞。「特殊公安組織の人間」である彼は、いかなるときも違反者を見逃さず指導と共に罰則を与える。
彼の言う「指導」には、行政指導的な意味合いも多く含まれているのだろう。
「指導、終了!」 / 「指導、完了!」
特定の武器で撃破した際の決め台詞。チーフを象徴する台詞と言っても過言ではない。フェイにパクられてたりもしている。
「迂闊だぞ、ハッター!貴様、MARZ戦闘教義24番を忘れたか!」
ハッターへの援護防御時。状況から察するに、おそらく24番の内容は「油断大敵」あたりだろう。
「怨恨、妄執に凝り固まった機械神…か!」
『第3次α』にて対パルパレーパゲベル・ガンエデン戦などで使用される特殊戦闘台詞。「怨恨、妄執に凝り固まった機械神」という形容はMARZの真の敵を連想させるものがあるが……
「愚かしいまでの力への執着…霊帝ケイサル・エフェス!貴様には超特別指導が必要だ!!」
「ケイサル・エフェス、並行宇宙への関与は犯罪だ!貴様を超特別指導する!!」
『第3次α』最終話の逆襲時に於けるケイサル・エフェスへの特殊戦闘台詞。チーフのキャラクター性に「超」というフレーズはミスマッチだが、霊帝という敵の存在の大きさを考えれば、それも止む無しだろう。

第3次α

(…つまるところ、定位リバースコンバートの交錯か?)
第26話より。ハッターとフェイの漫才をよそに、突如見知らぬ場所へ飛ばされた原因を冷静に推測する。
ここで述べられている定位リバースコンバートとは、電脳暦の世界でVRを実体化させるために行われる、「人間の精神を媒介としてあらゆるものをデータ化し、並行世界へ転送した後任意の場所に実体化させる」というリバースコンバートの始点と終点を同じ座標として行うもの。この時3人は、定位リバースコンバートの終点座標が元の位置ではなく、電脳虚数空間からクロスゲートを通じて繋がった新西暦の木星圏に指定されてしまい、その結果このタイミングでαナンバーズの前に現れた、ということのようだ。
「この世界…MARZの管轄外だが、リリン・プラジナー総帥のためにも今、倒れるわけにはいかないのだ」
同話より。チーフにしては珍しく饒舌に、MARZとしての使命を語る。
「名前、か…。フッ…忘れたな、そんなものは」
同話の戦闘後にて名前を求められた際の発言。ハッターやフェイにまで呆れられた。
「それでも、どうしてもと言うのなら…そうだな、『チーフ』とでも呼べばいい」
で、ハッターに怒られフェイに説教されての発言。
「…ハッター、フェイ、いい加減にしろ。それとも補習室行きを希望するということか?」
第29話「押された烙印」にて。敵接近中にも相変わらずの漫才コンビぶりのハッターとフェイに対して。
「俺が見た所、αナンバーズには軍属でない者も多い…」
「彼らには超法規的措置が適用されているはず」
「加えて、GGGSDFといった複数の命令系統が存在する現状を鑑みれば…完全に地球連邦軍の指揮下にあるとは言い切れない」
同29話にて。αナンバーズをアラスカ基地へ強制連行しようと現れた三輪に対し、極めて論理的な反論を展開。
「役職柄、だ。その手の情報はいち早く押さえる。ボルフォッグからのデータ提供には感謝したい」
上の続き。「いつの間にそんなことを調べたんだ?」と驚くサンシローにこう答える。特捜機動公安部隊の面目躍如といったところか。
「了解。ならば、彼らに特別指導を行おう」
第33話「受け継ぎし遺産」にて。バロータ軍兵士の正体が精神制御を受けた人間であることが判明し、皆に極力コックピットを狙うなと念を押すに答える。
「まったく…指導ものだな」
サブシナリオ「バサラ放浪」にて。足元不注意で花束の少女を驚かせてしまったハッターに対して、あきれ気味に一言。
「そうか…。では、君達の任務の成功を祈り、今日までの協力に感謝する」
EDにて。フェイの「自分たちの世界に来ないか」という発言に「自分達にはまだこの世界でやる事がある」と辞退した勇者ロボ達に対して。この言葉と共にチーフは元の世界へと帰還する。

K

「連れが騒がしい点は謝罪する。だが、こちらの準備は整っている。指示を!」
第20話「裏切りと出会いと」における初登場時。連れの非礼を詫び、自軍に指示を要請する。
「MZV-747…同じテムジン系として見劣りするものではない」
「白騎士、貴公を教育する!!」
同じく第20話より。クリアリアと戦闘になった際に。機体性能的には見劣りしないはずはないのだが、チーフはそんなものはないと言い捨てる。実は自分の愛機にプライドを持っていたようだ。この分だとチーフはたとえType a8が支給されてもそんなものは必要ないと言わんばかりに747Jに乗り続けるのだろう。ちなみに747J自体は最新鋭機の747をMARZ専用にカスタムした超高性能機であり、多数の一般機をモブ扱いで蹂躙出来るレベルである。
「言われなくとも、その辺は考慮している」
第20話戦闘終了後。ハッターがかつて命を助けられた大空魔竜に補給を受けようとした事に反対して、ハッターに「こいつらを疑うなら俺を疑え」と怒られた際の発言。つまり、チーフの本音としては「ハッターの命の恩人だし、補給も受けたいが、あまりこの世界に干渉すべきじゃないよなぁ」と言ったところだったらしい。結局、フェイの「ハッターの顔を立てて好意に甘える」という案で妥協している。
「安全に帰る事ができるか、できないかは任務遂行の上で非常に重要だ…」
「忘れてはならない。任務遂行とは、帰還できて初めて成立する概念だ」
第21話「決戦の時は来たれり・前編」より。意訳すると「家に帰るまでが任務」という事である。
バーチャロイドはリバースコンバータによってどこへでも移動可能となっている」
「基本中の基本だ」
同じく第21話より。シャドウが唐突に姿を現した事に驚く大空魔竜隊に対して。当然の事だと言わんばかりだったのだが……
「…課外授業だ」
「これより課外授業を開始する!」
上記の発言の後、自分達が異世界に居る事をフェイに言われて誤魔化した台詞。
ちなみに原作「バーチャロン」シリーズでの定位リバースコンバートには膨大なエネルギーが必要とされ、実用間もない頃に月面から地球へ第二世代型ライデンの試作機を転送した際はVRの製造プラントのエネルギーが(生命維持にかかわるレベルまで)丸ごと落ちた。「マーズ」の段階でこそかなり普及しているが、それでも専用の設備やカタパルトなどが必要で、STRCカタパルトを搭載して移動できるものは戦艦クラスですら4隻しか存在しない。少なくとも、短距離ならまだしも惑星間などの超長距離を本当に単体で自在にどこにでも転移できるわけではない。
任意でそこまでできるのはおそらくあの反則機体くらいだろう(シャドウの場合、機体側のあらゆるリミッターが外れてしまっているのでいきなり出現してもおかしくないといえばおかしくないのだが)。
ル=コボル!私利私欲のためにタングラムを貶めたお前には…イディクスの指導者として、超絶指導が必修だ!」
「戯言は指導が済んでからにしてもらう!MARZ最終教則ファイナルX、開始する!」
最終話「心からの…」における戦闘前会話。唯でさえ厳しいチーフが「超絶」と言うとは、想像の及ぶモノではない。

搭乗機体・関連機体

テムジン 747J
MARZカスタムの施された第三世代テムジン。商用の機体とは全く異なる次元の性能を誇る。

余談

  • 名前の元ネタは、海外の一人称視点シューティングゲームとして有名な『ヘイロー』シリーズの主人公「マスターチーフ (Master Chief)」からと思われる。担当声優も、日本版『ヘイロー』のマスターチーフと同じ谷昌樹氏である。