「ヤマト」の版間の差分

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2017年2月27日 (月) 08:23時点における版

同名の機体はヤマトシリーズ作品のいずれにも登場するが、当記事では『宇宙戦艦ヤマト2199』のものを解説する。

  • 外国語表記:YAMATO
  • 登場作品宇宙戦艦ヤマト2199
  • 分類:国連宇宙軍超弩級宇宙戦艦
  • 全長:333m
  • 全高:99.47m
  • 全幅:61.77m(安定翼展開時:87.72m)
  • 乗員:999名
  • 動力:ロ号艦本イ400式次元波動缶(波動エンジン)1基、艦本式コスモタービン改(74式推進機関)8基二軸
  • 推進機関:核融合推進
  • 所属:国連宇宙軍
  • 主な搭乗員:
    • 沖田十三【艦長】
    • 第一分隊、砲雷科
    • 第二分隊、船務科・航海科
      • 森雪【船務長】
      • 相原義一【通信長】
      • 新見薫【情報長】
      • 榎本勇【掌帆長】
      • 島大介【航海長】
      • 太田健二郎【気象長】
    • 第三分隊、機関科
      • 徳川彦左衛門【機関長】
      • 山崎奨【応急長】
    • 第四分隊、主計・衛生科
    • 第五分隊、航空科
    • その他
      • 伊東真也【保安部長】
  • メカニックデザイン:玉盛順一朗

概要

恒星間航行用超弩級宇宙戦艦。識別番号「BBY-01」、建造計画名「A201F5-E」。西暦2199年進宙。

元は「イズモ計画」用の移民船として建造されていたが、物語開始の1年前にイスカンダルから「次元波動エンジン」の技術供与を受け「ヤマト計画」へ移行、地球人類史上初の恒星間航行用宇宙船として建造された。

ガミラスによる発見を避けるため、遊星爆弾によってが干上がった日本の九州・坊ノ岬沖において第二次世界大戦末期の西暦1945年(昭和20年)に爆沈していた戦艦大和の残骸に偽装して建造が進められた。なお、偽装解除前に攻撃してきたガミラスのポルメリア級強襲航宙母艦を主砲三式融合弾で撃墜し、出航前に初戦果を上げている。 旧作と違い指揮統率は主に第一艦橋にて行われるが激戦が予想される場合は航海要員以外は第二艦橋(CIC)にて行うようになっている。それにともないメイン・サブコンピューターによる指揮補助、ネットワークデータリンク能力が付与されている。

メインエンジンはイスカンダルから齎された技術を用いて製造された波動エンジンを使用。波動コアと呼ばれる装置を核として動いており、起動には大量の電力が必要となる。地球を発つ際には世界中から電力供給を受けることでようやく起動した。ワープシステムや波動砲の動力でもあるが未知の技術ゆえ何が起きるか解らないところがあり、ワープの初使用時にはオーバーヒートを起こし、波動砲の試射時にはエンジンの一部が溶けかかるという事態を招いている。

惑星の水面上で艦の上下を入れ替えて潜水艦として行動することもできる。ヤマトのバイタルパート(艦底の重要防御区画)の装甲の厚さを活かした防御形態と言える。 艦底部の第三艦橋には波動防壁の制御室が存在する。 食糧については「O・M・C・S」("Organic Material Cycle System"、オムシス)と呼ばれる供給システムが稼働している。だが、技術の問題なのか、あるいは恒星間航行艦としては400mにも満たない小型の艦体のせいなのか、「動物性タンパク質の供給については、知らない方がいい方法が使われている」とのこと。

製造設備については簡単な部品の製造や資材加工が可能なものの、旧作に存在した艦内工場は存在せず三式弾やミサイル等の製造は不可能となっている。故に、資材の原料は立ち寄った惑星以外にも、敵艦や敵基地の残骸も漁っている。

登場作品と操縦者

単独作品

スーパーロボット大戦V
初登場作品。『宇宙戦艦ヤマト』名義で登場。通常版・限定版共にパッケージイラストに描かれており、通常版ではナデシコCと並んで描かれる。
メインパイロットは沖田。サブパイロットは真田古代の3人が務める。参戦は第1話終了時から。
並のスーパーロボットが霞む超火力・波動障壁による耐久と言葉通り桁違いの性能を持つ。欠点は戦艦らしくP武器が甘い点。とはいえシリーズ中にはP武器が無い戦艦も少なくないのを考えれば有るだけでも利点であり、最弱武器でも無い点から欠点といってももはや粗捜しの域と言っても過言ではない。
第1話の抜錨がほぼフルボイスだったり、出航や初ワープ使用の際には専用ムービー、惑星間弾道弾迎撃の専用戦闘アニメも用意されているなど破格の扱いを受けている。

装備・機能

武装・必殺武器

武装

48サンチ三連装陽電子衝撃主砲(ショックカノン)
3門の砲塔を前部に2基、後部に1基、計3基搭載。波動エンジンからのエネルギー供給を受け発射する陽電子砲。
主兵装にして波動砲と並ぶヤマトの代名詞。特有の発射音をしており、擬音では非常に表現しづらい。
発射されたエネルギーは途中で3本が螺旋を描くように絡み合い束になる。景気よく撃ちまくっているが、これは波動エネルギーによって初めて実現したもの。
なお、波動コアを持たないヤマト以前の旧世代の艦艇にとってはショックカノンこそが波動砲に相当する切り札的な大砲であり、それにも関わらず威力・発射間隔・砲門数の全てにおいてヤマトのショックカノンに劣っている始末であった。
なお、「サンチ」とはフランス語読みした「センチ(英語)」の事。「meter」もフランス語では「メートル」だが英語では「メーター」と読む。このため、長さの単位でよく使われる「センチメートル」とは英語とフランス語がごっちゃになっている。
三式融合弾
主砲及び副砲に装填可能な実体弾。対艦用APHE弾頭と対空用榴散弾頭の2タイプある。有効射程距離、威力は陽電子砲より低いものの、エンジン出力に関係無く使用でき、APHEなら直撃させればデストリア級航宙重巡洋艦も十分撃破可能。
ガミラスではミサイルのように実体弾自体は存在しているものの、燃焼薬莢によって無誘導の「砲弾」を利用する兵器はすでに廃れている模様で、ヤマトにこれで砲撃されたガミラス艦のオペレーターが驚愕するシーンもある。しかしヤマトは山越えの曲射や遅延信管を用いた重構造物の破壊、エンジン出力低下時といった陽電子砲に比べ優位性に優れる状況下等において実体弾ならではの利点を最大限に活用し、これが決定打となった戦闘も多い。
元ネタは「三式焼散弾」と呼ばれる対空砲弾であり、発射してから一定時間後に爆裂し、火が付いた破片で敵の航空機を撃ち落とす「クラスター弾」のような物であった。[1]
20サンチ三連装副砲塔
こちらも実体弾を装填可能。
主砲のうち第二砲塔と第三砲塔の艦橋側にあり、前後2基6門装備されている
元は15.5㎝だったがこちらでは5㎝ほど大きくなっており、軽巡並みの主砲から重巡並みの主砲になっている。
次元波動爆縮放射機(波動砲)
直径は200サンチ。波動エンジン内で生成された余剰次元を艦首から軸線上に展開、その際に生まれては消滅を繰り返すマイクロブラックホールの熱量が射線上のあらゆる物質を破壊する。三式弾とは逆の意味でガミラスを驚愕させた兵器である。
ヤマトの艦体を丸ごと砲身として使用する『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』を代表する最終兵器。ガミラスからは一貫して「大砲」と呼ばれた。発射シークエンス時の遣り取り[2]もまた、有名である。
旧作におけるヤマトの波動砲との最も大きな違いとして、本作では最終兵器という側面が特に強調されている。原作、本作共に木星での戦闘にて初めて使用した際にはオーストラリア大陸級の浮遊大陸を一撃で消滅させるほどの威力で乗員に大きな衝撃を与え、最終盤では波動砲の存在そのものが大きな問題を招くことにもなった。
後世のあらゆる作品にジャンルの垣根を超えて多大な影響を与えた武装であり、主砲・副砲と異なる「必殺砲」が搭載された戦艦は枚挙にいとまが無い。ロボットアニメの母艦に限定してもローエングリンマクロスキャノングラビティブラストオーラノバ砲ハイパーメガ粒子砲など探せばいくらでも出てくる程[3]バンプレストオリジナルではあの艦の最強武器のトドメ演出がどこからどう見ても旧作ヤマトのオマージュである。
発射前に長大な発射シークエンスが必要となるだけでなく、発射後もエネルギー漏れやエンジンの不調等のトラブルが発生する「ハイリスク・ハイリターンな兵器」、所謂「ロマン砲」の開祖。そのコンセプトは艦艇以外にも受け継がれており、人型機動兵器でもそれは同じである。
垂直ミサイル発射管(VLS)
史実における戦艦大和の煙突にあたる部分に8セルを1基、艦底部にも発射管を8門搭載。
魚雷発射管
艦首及び艦尾両舷に12門を搭載するほか、両舷側面に短魚雷発射管も16門を搭載。
史実には無い装備だが、一つ前である長門型までは装備されたことがある。しかし、艦首は波で上下によく揺れるうえ、発射するために速度を落とす必要があったために廃止された。
94式爆雷投射機
マスト付け根に搭載。
対空砲
パルスレーザーを発射する対空砲台。艦体各所に多数搭載する。基本的には敵機を落とすのではなく、敵機が近づけないように、攻撃させないようにするための艤装である。
波動防壁
正式名称は「次元波動振幅防御壁」。次元波動理論を応用したエネルギーフィールド。ガミラス側にも「ゲシュタムフィールド」という名称で存在する。
「20分程度しか展開できず、耐圧限界点を超えると突破されてしまう」といった弱点を持つが、ガミラス艦の陽電子ビームにも充分耐えることが可能。
なお、制御室はあの悪名高い第三艦橋に存在する。
ロケットアンカー
船首両舷に設けられたロケットエンジン付アンカー。ヤマトを係留する以外に急速転進の際に使用することもある。劇場版ではこれを利用した奇襲戦法も見せている。
第二次世界大戦では実際にこの戦法が執られ、「秋津洲流戦闘航海術」という名前で使われた。
重力アンカー
宇宙空間でヤマトを場に固定するためのシステム。波動砲使用時に使用され、これを使わないと波動砲の圧力に圧されて後退していってしまう。
しかし、この点を逆に利用して、反動を利用しての緊急的な脱出手段としての使用もなされた。

必殺技

一斉射
ミサイルや主砲を使っての連続攻撃。

艦載機攻撃

コスモファルコン隊
加藤三郎率いるコスモファルコン隊が出撃して総攻撃を行う。
『V』では移動後使用不能で射程も4までと癖があるが、サイズ差補正無視・バリア貫通ありとなっている。

特殊能力

波動防壁
EN回復(中)

移動タイプ

サイズ

2L

カスタムボーナス

強化パーツのスロット+1

機体BGM

「降下するヤマト」
『V』にて採用。

関連機体

コスモゼロ
正式名称は「零式52型空間艦上戦闘機」。艦載機として2機を搭載。
コスモファルコン
正式名称は「99式空間戦闘攻撃機」。艦載機として36機を搭載。
戦艦大和
当艦のモデルであり実在した旧大日本帝国海軍の超弩級戦艦。
大和が沈没して約250年後、「遊星爆弾によってが干上がり露わになった戦艦大和の残骸を隠れ蓑に、宇宙戦艦として生まれ変わったヤマトが極秘裏に建造されていた」というのが『宇宙戦艦ヤマト』の設定になっている。
ちなみに計画番号の「A201-F5」は元の大和の「A140-F5」のオマージュである。
『V』では第1話のマップ上のオブジェクトとして登場する。

余談

  • リメイク前の原作『宇宙戦艦ヤマト』におけるヤマトは「第二次世界大戦末期に沈没した戦艦大和の残骸を極秘裏に修復し、そのまま宇宙戦艦に改造した」という設定であった。
    • …が、実際の戦艦大和の残骸は船体自体が真っ二つに分断されており、極秘裏に修理することなど到底無理であった[4]。この事実を後に知った当時の制作スタッフは大いに落胆し(特に西﨑義展氏の落胆ぶりは目に見えてひどかったらしい)、松本零士氏に至っては悔し泣きをする程であったという。そのため、『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作品である『宇宙戦艦ヤマト2199』では「戦艦大和の残骸に偽装して、宇宙戦艦ヤマトを新規建造した」という設定となっている。なお、戦没艦としてはこれでもマシな状態であり、姉妹艦の武蔵は原型を留めない程バラバラに砕け散っていた。
    • 旧作のヤマトの艦の大きさもまた、史実における戦艦大和の263mに準じていた(265.8 m)が、BBY-01では333mとなっている。この数字は現実における歴代米原子力空母と同程度(330~336m)であり、現実では「人類史上最大の軍艦」「移動可能な兵器として最大」と言った意味合いがある。
  • ヤマトの第三艦橋は、ある意味で欠かすことの出来ない波動砲とは別の意味で後世に影響を与えた設備である。
    • 実際、旧作におけるヤマトの第三艦橋は「幾度と無く壊され、その度に何事も無く復活する」という色々な意味で杜撰かつ酷い扱いを受けていた。時には跡形も無く破壊されたことすらある(最低でも2度)。そのような扱いから後発のロボットアニメでもネタにされ、『OG』においてもハガネが第三艦橋を中破させている。
    • 『宇宙戦艦ヤマト2199』では流石に改善されて大惨事に至ることはなくなったが、壊れなくなっただけで扱いの酷さはあまり変わっていない。実際、船底からせり出しているにも関わらず第3話の時点で木星の重力に捕まり、ガミラスの浮遊大陸の地表にヤマトはドリフトで着陸させられている。しかし、堅牢性の改善自体は視聴者の予想を超えており、最も強固な部位となっていた。
  • 上記のナンバリング、第二艦橋のCIC化、艦内編成、その要員の階級を見ればわかると思うが旧作ヤマトがいずれも旧海軍を元に構想されたのに対しこちらは現海上自衛隊を元にしている。船務長なんかがわかりやすいだろう。
    • 実際スタッフも海自の体験航海を行ったようで、詳しくわかりやすく描かれている。

商品情報

※2199版商品のみ記載

脚注

  1. ただし、対空砲弾としての性能はあまり高くなく、地上砲撃の方が威力を発揮した。
  2. 特に、「エネルギー充填120%完了!」「対ショック・対閃光防御!」等の台詞が有名。
  3. ゴラオンのオーラノバ砲に至っては、旧シリーズロボット大図鑑にて「まるで波○砲である」とネタにされている。
  4. 柳田理科雄氏の著作『空想科学読本5』では、「250年以上昔の船体を宇宙船に改造するなぞ、21世紀現在のNASAが19世紀の帆船をシャトルにするようなものだ」という旨の指摘がされている。