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2012年11月1日 (木) 20:18時点における版
ブラックホールエンジン(Blackhole Engine)
ブラックホールの現象を動力として利用したエンジン。半永久機関。別名『ブラックホール機関』。
ブラックホールは恒星物質などを吸収し、降着円盤を形成。「ジェット」と呼ばれるエネルギーや、ガンマ線、X線を放出する。中心部には特異点が存在する。量子力学におけるエネルギーと時間との相対性理論により、時空間すら歪めてしまう。これをどのように開発したかは不明で、詳細を知っているのはゾヴォーグ(ゲスト)と、シュウ・シラカワのみである。
記載に関しては、『第4次スーパーロボット大戦(S)』と『OGシリーズ』のそれぞれの扱いについて記載する。
旧シリーズ
ゲストと地球人との技術提携によりもたらされた技術。これを動力として最初に採用したのがグランゾンであり、後にヒュッケバインにも採用された。
しかし、ゲストから提供された技術は地球側に明かされていない部分(ブラックボックス)が存在していた。グランゾンのブラックホールエンジンにはそのブラックボックスの中にゲスト側によって細工が施されており、特異点の相違をずらすことで時空間(次元)を歪め、本来は発生する確率が低い偶発的な事件や事故が多発するように仕組まれていた。この欠陥を利用して地球圏を混乱させ、それに乗じて地球圏の軍事力を独占することがテイニクェット・ゼゼーナンの狙いであった。
欠陥を内包したエンジンをグランゾンに搭載したシュウはゼゼーナンに利用される格好となったが、後にシュウはそのことに気づき、EXで出会ったゴーショーグンのエネルギー・ビムラーを利用して特異点を抑えることを思いつく。そして、第4次においてゼゼーナンやロンド・ベル隊の前で特異点を崩壊させてみせた。
なお、シナリオ「特異点崩壊」でのシュウの言葉を以下に記載する。
「相変わらず、早とちりな人ですね。今のはグラビトロンカノンではありませんよ。特異点の位相をずらし、崩壊させたために発生した余波です」
「あまいですね。原理自体は、それほど難しいものではありませんでしたよ。ただ、発動させるキーとなるエネルギーが不明だったのが、ネックでしたがね」
「ともかく、これで、あなたがたの切り札は、無効になったわけです。これからは、今までのようにうまく行くとは限りませんよ」
「何しろ、これ以上、偶然は続かなくなったわけですからね」
「では、説明してさしあげましょう。私のグランゾンの心臓部には、ゲストの技術を使った特異点…つまり、ブラックホールが使用されています」
「ところが、この心臓部は、ブラックボックスのためどのような原理で動いているのか、わからないしくみになっていました」
「それをいい事にゲストは、私のグランゾンに、ひとつのしかけをほどこしていたのです。特異点の位相をずらしむき出しの特異点を作り出すしかけ…」
「普通の特異点は、時空をゆがめるだけですが、ある一定の位相を持たせる事により、事象の発生確率の密度をも、ゆがめることが可能になるのです」
「ええ。グランゾンが存在する限り、この地球では通常では起こりえない事件が多発し、混乱が支配する…そういうしくみになっていたのです」
「そして、その混乱を利用し、あわよくば地球の技術を独占しようとしていたのが、そこにいらっしゃるゼゼーナン卿です」
「さすがに、私も、理論は理解できたのですが、実際に行うとなると、特異点をおさえこむだけの特性をもったエネルギーが見つからず、こまっていたのです」
「そんな時、あのゴーショーグンの利用しているエネルギー…ビムラーの特性に気がつきました」
「タキオンと似た性質を持ち、なおかつ成長までする特殊エネルギービムラー…これがなければ、今のような事はできませんでしたよ」
なお、『スーパーロボット大戦F』では、これを基に『縮退炉』という動力炉を開発し、ガンバスターやヱクセリヲンに搭載させている。
αシリーズ OGシリーズ
αシリーズではマクロスから発見されたEOTを元にイングラム・プリスケンが開発を行い、OGシリーズではメテオ3から直接発見された動力炉である。
開発後ヒュッケバインに搭載されることになるが、それぞれ意図的な欠陥が施されており008Rの起動実験時にエンジンが暴走。実験施設の月面基地テクネチウムは消滅し、テストパイロットだったライディース・F・ブランシュタインは左腕を失った。これを基にEOT技術の見直しと、異星人との戦いに備えて更なる技術開発が進められていく。残った008Lは厳重に封印され、後に大改修を施して戦線に投入している。
αシリーズでは地球人にエアロゲイターへの恐怖心を植え付ける狙いで、イングラムが開発時に細工を施しており、OGシリーズではインスペクターが所属する異星人勢力が、自らが提供した技術ではなくエアロゲイターの技術を使用した地球側に、協定違反を理由に制裁を与えるために欠陥を施している。
なお旧シリーズと異なりグランゾンにはシュウ・シラカワ自らが開発した『対消滅エンジン』を搭載している(αの攻略本によればブラックホールエンジンの技術を元にしてはいる)。αシリーズでは事前にこの欠陥を把握していたシュウがあえてブラックホールエンジンを搭載していないが、OGシリーズではゲストの存在が示唆されており、ロボット大図鑑でも「エアロゲイター以外の異星人の技術が使われている」と記載されていることから、何らかの細工が施されている可能性はありうる。
ちなみにαシリーズでは、ライの負傷が左腕を失うだけで済んだのは、事を見越したシュウがあらかじめパイロットの命が助かる様にコックピットに細工を施したためである(つまりシュウはブラックホールエンジンが欠陥品である事を見抜いていた。にも関わらず、コックピットに細工をするだけで静観していた事をリュウセイに非難されているが、シュウ曰くここでブラックホールエンジンの欠陥を直すような事をすれば、地球の技術力がさらに高く評価される結果となり、エアロゲイターの来襲が早まるだけだったという)。OGシリーズではシュウがヒュッケバインシリーズに関わっている描写はないので、この辺りがどうなっているのかは不明。
特異点の記事も参照していただきたい。
メモ
OGシリーズでは、通常起こりえない事件を頻発させる特異点の存在について現状では触れられてないが、グランゾンのエンジンが欠陥品のブラックホールエンジンでなく、自己開発した対消滅エンジンであることから、第4次スーパーロボット大戦の展開が再現されるかは不明である。OG世界でもう一つのブラックホールエンジンを搭載したヒュッケバインもまた、大規模な改修を経て実戦で運用されているので、欠陥がそのまま放置してあるとは考えにくい。
しかし、現にOGシリーズでも複数の異星人から立て続けに侵略を受け、さらに様々な存在が平行世界から次々と転移してくるなど、大事件が多発している。OGsではユーゼス・ゴッツォらしき存在が確認されていることから、彼が開発したクロスゲート・パラダイム・システムがOG世界にも存在していると見ることは可能であるが、ともあれ今後の展開は続編次第である。