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2013年7月25日 (木) 00:04時点における版
加藤久嵩(Hisataka Kato)
- 登場作品:鉄のラインバレル
- 声優:福山潤
- 本名:城崎久嵩(アニメ版)
- 性別:男
- 年齢:不明
- 身長:187 cm
- 体重:63 kg
- 血液型:A型
- 所属:加藤機関
- 役職・称号など:加藤機関総司令
- 主な搭乗機:シャングリラ、ツクヨミ
- 趣味:テレビゲーム
- キャラクターデザイン:下口智裕(原作漫画版)、平井久司(アニメ版)
鉄のラインバレルの敵組織加藤機関の創設者にして総司令官たる人物。強いカリスマ性を持ち、沢渡達を始めとする隊長格は(意図を知らずとも)その命令を忠実に遂行し、一般兵も彼に心酔している。
久嵩自身もファクターであり、専用のマキナを持つ。しかしそれは、ラインバレルやグラン・ネイドルとは桁が違う、加藤機関の移動基地そのものたる超弩級戦艦型マキナ「シャングリラ」である。
なお、アニメ版では計画のために滅私を尽くして超然としているが、漫画版では天児や石神などの思惑に振り回され四苦八苦して計画を遂行している、と言うようにメンタル面に差異がある。
アニメ版
「世界征服」を目的に組織を行動させていたが、各地に「スフィア」なる謎の物体を設置する、ラインバレルを攻撃しながらも浩一本人には明確な敵対行動を取らないなど謎の行動が目立ち、マサキを除く機関構成員の大半はその真意も、加藤機関本来の目的も知らされずにいた。
その正体は異世界…「高蓋然性世界」の出身者であり、本名は「城崎久嵩」。つまり、絵美の実兄であり、ラインバレルを始めとするマキナの開発者・城崎天児(きざき あまがつ)の息子である。正体を隠すための一環として、母の旧姓である「加藤」を名乗っている。加藤機関本来の目的は、向こう側に存在する「統一意志セントラル」の侵略に対する対抗手段を鍛え上げ、同時に侵略に対する防御を固めることであり、そのため終盤でJUDAに対し共同戦線を提唱した。こちら側へ来る際、セントラルの目を欺くため天児の頼みで彼を射殺しており、監視役にして連絡員たるマサキの目を欺きつつ計画を進めていた。
原作終盤、グラン・ネイドルの防御を破るべく特攻をかけ、死亡した。その間際、絵美に天児を殺したことを詫びていた。
原作漫画版
JUDAとは完全に敵対していたが、石神の遺志によって協力体制をとる。また身よりのない孤児であった過去があり、絵美や天児との関係も大きく違う。また人類滅亡を防ぐため未来から来た、とされていたが、実際には滅亡当時(つまり660年前)から生き延びて来たうちの一人。
人類が絶滅に至った原因の一端を担ったことに責任を感じており、恩師の娘であり自身にとっても妹同然の城崎絵美や、生き残った人類を守り世界を元に戻すことを目的として包丁で自刃、シャングリラのファクターになった過去を持つ。だが、シャングリラはファクターとなった久嵩を守るため、彼にナノマシンを移植すると同時に宇宙へと脱出してしまい、目覚めた時には既に手遅れとなっていた。以来絵美とはJUDAとの戦いを始めるまで会っていない。
その後、詳細な経緯は不明だが「やり直された」世界が正常に運行され始めた後は日本海軍に所属しており(階級は少将)、その裏で「やり直される」前の世界で生まれたヒトマキナに対抗すべく秘密結社を組織、世界大戦の裏でマキナ狩りを続けていた。これが「加藤機関」である。また、この当時に当時海軍中尉であった石神と出会っており、彼をシャングリラの艤装に招いたうえで加藤機関にスカウトしている。
転機となったのはネイキッドと菅原マサキを機関に加えてしばらく後、一人のヒトマキナを回収したことだった。「ジュダ」と名乗ったそのマキナから情報を引き出すべく石神をファクターとしたのだが、この件ですべき事を知った石神は機関を離脱して消息を絶ってしまう。
以後はヒトマキナと想像力の喪失から人類を守るべく活動したが、ヒトマキナ相手には勝ち目が無いと考え、加藤機関を人類にとっての恐怖の対象=死の象徴にし、世界を制御することで人々から想像力を喪失させず、ヒトマキナの脅威から人類を守ろうとした。しかし、このやり方では人類を救うことは出来ず、結局計画の全ては天児の遺志とラインバレルを受け継いだ浩一、真実を知っていた石神によって瓦解。すべきことを知った後は旧特務室の面々と合流し、本格的にヒトマキナへの反攻を開始した。
ちなみにファクターアイは浩一たちのような赤ではなく、金色。また、シャングリラは巨大すぎるため、自身が前線に立つ際は、専用のアルマ「ツクヨミ」に乗る。
浩一が『正義の味方』であることを望んだ人物の一人。原作者曰く、石神と同じく「浩一の父親的存在」であり、「自分たちがカッコいい、一番強いと思う敵のイメージを合わせて作られたキャラクター」らしい。
登場作品と役柄
- スーパーロボット大戦L
- アニメ版準拠で登場。活躍も概ねアニメ版に準拠しており、スパロボオリジナルの展開はあまり無いものの、シナリオの要所要所で目立つ人物。特に組織や立場的な関連性もあって、ラスボスであるルド・グロリアの正体を明かしてくれるのも彼の役目。
- スーパーロボット大戦UX
- 原作漫画版設定で登場。今回ようやくファクターアイのグラフィックが追加。ツクヨミに乗って敵としても登場するため、パイロットデータが造り起こされた。終盤に味方となり、味方パイロットとしても出撃可能に。L同様に、本作でも物語の根源に深く関わっている。想像力の欠如した人類に楔を打ち込もうとするが、UXの物語には想像を促す彼ですらも想像できないであろう、驚愕の展開がこれでもかと盛り込まれている。
- なお、世界観設定上、彼は前世の宇宙から転移してきたはずなのだが、それに関しては一切触れられない。もっとも、それ(=異世界・未来世界組がいたのは過去の宇宙だった)が判明するのは最終話の戦闘中であり、それまでは全員が全員「未来世界から転移して来た」と思っていたため仕方がないが。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
全ての能力が平均的に高い強敵。特に格闘・技量に優れる。
精神コマンド
特殊スキル
- ファクター 底力 援護攻撃 全体攻撃 指揮官
- 一軍を率いるだけあって指揮官レベルが高い…のは敵仕様のみ、味方になると指揮官の先天成長限界は石神と同じくL2まで。
- 当然の如くファクター持ちだが、実際に乗っているツクヨミはアルマなので、実質死に技能。
戦術指揮
- 全体攻撃時の攻撃力10%上昇、防御力10%上昇、HP10%回復
- どちらかというと防御より。何の因果かラインバレルにぴったりのボーナス。
人間関係
アニメ版
- 早瀬浩一
- 宿敵。「正義の味方」として期待をかけている。浩一本人は久嵩の真意を知らなかったため俄然敵視していたが…。
- 城崎絵美
- 妹。当初彼女は記憶を失っており、久嵩との接触を機に回復し始めている。久嵩が天児を撃ったことを理解しつつも許せずにいたが…。
- 城崎天児
- 父。ラインバレルを始めとするマキナの開発者。久嵩をセントラルに潜入させるため、あえて自身を射殺させた。
- 菅原マサキ
- 副官にして監視役。久嵩にとって最も身近な「敵」。
- 沢渡拓郎
- 部下。久嵩を名前で呼び捨てにするなど、地位はともかく立場的には対等。
- ユリアンヌ・フェイスフル
- 部下。
- ジャック・スミス
- 部下。ただし、森次との決着を最優先にするという前提がついており、森次のJUDA離反に伴い彼も機関を離反した。
- 王政陸
- 部下。
- 石神邦生
- JUDAのトップにしてかつての相方。久嵩の真意を知る数少ない人物の一人。
- 矢島英明
- アパレシオンのファクターとなった彼を一時的に利用していた。自分のことを省みず、他人のために行動する姿を見て城崎天児のことを思い出していた。
原作漫画版
- 早瀬浩一
- 宿敵。当初は単なるイレギュラーでしかなかったが、天児の件をきっかけに敵視の度を深める。しかし、久嵩を変えたのもまた、結果としては彼であった。
- 城崎絵美
- 恩師・天児の娘。久嵩自身にとっても妹分であり、何かと気にかけていた。世界の再構築後はほとんど接触がない。
- 城崎天児
- 恩師。人類絶滅に際し、久嵩の手を借りて死亡、ラインバレルのファクターとなる。世界再構築の後も久嵩にとってはもっとも尊敬する人物であり、どんな形でも再会を願っていたが……。
- 菅原マサキ
- 副官。一番隊隊長の二代目であり、久嵩に心酔する懐刀。
- 沢渡拓郎
- 部下。久嵩のやり方に疑問を覚えた末、最終的に離反。
- ユリアンヌ・フェイスフル
- 六番隊隊長。実際には石神が送り込んだJUDAのスパイであった。
- ジャック・スミス
- 部下。
- 王政陸
- 部下。彼の自我の強さを買って機関に引き入れたが、想像力の乏しさから最終的に見限る。
- 石神邦生
- JUDAのトップにしてかつての相方。「ヒトマキナ」への対応を巡って袂を分かったが、ロストバレルの一件で彼に一杯食わされるハメに。
- 「推進派達」
- 久嵩個人の切り札とも言える存在。その正体は恩師・天児のクローン達である。
他作品との人間関係
- 張五飛
- Lでは久嵩の「正義」を見極めるために、久嵩に同志として協力する。彼は久嵩を亡きかつての宿敵・トレーズに匹敵する器と覚悟を持った漢と認めている。
- ウラジミール
- Lでは共に来たるべき敵に備え、その脅威に立ち向かう者たちの覚醒を促さんとするという似た目的を持っている為、彼女と協力関係を結んでいる。
- ギルバート・デュランダル、F.S.
- Lでは僅かな期間だが、彼らと共にLOTUSの指導者となっている。三人そろって怪しい面もあるが人類の未来を真剣に憂う者であるなど、いくつかの共通点を持つ。
- ルド・グロリア
- 直接対面するシーンはないが、同じ世界の出身で共にセントラルから送り込まれた尖兵という立場でもあるため彼の事を知っており、彼と、彼率いる「GreAT」の存在をLOTUSに警告した。
- シンジロウ・サコミズ
- UXでは20世紀の太平洋戦争の時代では共に大日本帝国軍の軍人であり、当時彼とも対面していたため顔見知りの間柄である。小倉に落とされるはずだった原爆を食い止め、散った彼を憂う会話が存在し、自分達と変わらない時の姿のままで生存していた時には驚きを隠せないでいた。地上に上がって来た彼らホウジョウ軍を一時的に保護し、同盟を結び、サコミズの生存フラグが成立した場合、ヒトマキナとの戦いより再び共闘する。彼からは現在でも「加藤少将」と呼ばれ、敬意を表されている。
- 呂布トールギス、貂蝉キュベレイ
- UXでは三璃沙から飛ばされてきた彼らを客将として迎えていた。久嵩自身は呂布を「戦場で己の死と向き合わなければ、生を認識できない哀れな男」と評する。第2部後半に機関を離脱するが、彼らの生存フラグが成立した場合、ヒトマキナとの戦いより再び共闘する。
- 刹那・F・セイエイ
- UXでは彼が発動したクアンタムバーストにより城崎天児の遺志と対話し、本心を知る。
- 覇道鋼造
- UXではかつて同じ時代を生きた人間。彼とは直接面識はなかったが、それでも彼の偉業を称賛し、その人間性にも敬意を抱き、その想いを彼の孫娘の瑠璃に語る。また、彼の「正体」に勘付いているような素振りも見せている(後述)。
名台詞
アニメ版
- 「想像したまえ」
- 敵にも味方にも常に思考を促す決まり文句。しかし、さすがにUXの驚愕の展開の数々はさすがの加藤も匙を投げるだろう……。
- 「陽動とわかっていても他に対抗できるものがない以上、自分達が戦い続けるしかない。大変だね、正義の味方は」
- 2話「疾走する正義」より。スパロボだと自軍がこんな状況におかれる事がザラにある。
- 「まさか。あれはまだ序の口、目覚めの産声というところかな…?」
「うずくまって泣いていた子供がようやく自らの足で世界に立った…」
「これからどんな風に成長していくのか、実に興味深いね」 - 4話「正義の代償」およびLの同名ステージのエンディングにて。ハグレマキナを圧倒し、エグゼキューターで大暴れしたラインバレルと浩一を評して。かなり初期から彼とラインバレルに注目していたことがうかがえる。
- 「それはよくないな…。想像力とは生きるための力そのものだ」
「事態を予測し、可能性を考慮し、未来に備える…」
「その能力をなくした者は柵に囲われた家畜と何ら変わりない」
「想像せよ。それだけが来たるべき時代を生き抜く唯一の手段なのだ」 - 加藤久嵩流「想像」の定義。極めて的を射ている。ちなみに後述の浩一に語った「世界征服」の概念と合わせ、原作漫画版における「想像力の喪失による人類絶滅」にも大きく関わっている。
- 「想像した味と違うかね?」
「見かけが甘い菓子だからと言って、中身がその通りであるとは限らない」
「想像することを止めた瞬間、世界は成長を止める」
「もっとよく観察し、情報を精査して考えたまえ…」 - 突然JUDAに現れ、「カレー味のカステラ」を浩一達に振る舞った際の台詞。自信に満ちた言葉に、居合わせたJUDAの面々は圧倒されていた。
- 「違うな。間違っているぞ、マサキ」
「ここは『引き上げず戦闘を続行しろ』だ」 - スフィア設置後、撤収命令を出したマサキに対して。久嵩独特の言い回しが印象に残る台詞だが、後年福山氏が「コードギアス」で演じたキャラクターが久嵩と同様の台詞を使用。アニメの放送はギアスの方が先だったためそちらで有名になり、Lでは結果的に声優ネタとなった。
- 「あれが人間と言えるのか?想像力を失い、ただ日々を生きるもの」
「そんなものは、プログラムにただ従うだけの機械…マキナと変わりない」
「ならば、俺達は『人類という名のマキナ』の『ファクター』になる」
「想像力のないマキナどもはファクターたる俺達が淘汰する」
「生きようとあがく者だけに人としての未来を築かせる」
「それが俺達、加藤機関の世界征服だ」 - 18話「メメント・モリ」にて、浩一と対峙した際の台詞。生きるべきものと死すべきものをわけ、死による抑圧から想像を促そうと言う考えだが、「抵抗したくても出来ない者達」を知る浩一は俄然反発する。なお、この発言の「マキナども」とは、加藤機関本来の敵である「マキナ人間」を指している。何気に原作漫画版における人類滅亡の原因と加藤機関の目的に近い台詞でもある。
- 「やはり、早瀬浩一は想像以上だ。おかげで計画を2ステージ分短縮できる」
「…妹をよろしく」 - 去り際に。この辺りから久嵩真の狙いが徐々に明かされていく。
- 「まだ、終わってはいないだろう? お前の正義は…森次玲二?」
- ヴァーダントのファクターとなった森次に対して。
- 「人間だったということさ…最期までな…」
- 機体との融合を拒絶し、プリテンダーと共に散った桐山を見て。傍らに立つマサキへの皮肉とも取れる。
- 「沢渡。ユリアンヌ。そして同志諸君。加藤機関総司令としての、最後の命令を伝える!」
「理想の未来を想像し、それを必ず実現せよ!」 - 炎上するシャングリラのブリッジから下した最終命令。
- 「早瀬浩一。道は我々が切り拓く。後は頼むぞ…正義の味方」
- 最期の台詞。この言葉を残し、シャングリラはグラン・ネイドルへ突撃をかける。そして…。
- 「…フ…」
- 破滅へ突き進むシャングリラの艦橋で、その男は静かに笑っていた…。
原作漫画版
- マサキ「ラインバレルの破壊は失敗 こちらのマキナも奪われた形になりましたが…」
久嵩「上々だよ あれだけの情報を得られたんだからさ」
「それに比べりゃ イカレたマキナ一体 奪われるぐらい どうってコトはないよ」
「…それより せっかくココまで来たんだからさ ウチのエース達に見せてあげようよ」
「…浮上!」
「諸君よぉく見ておきなさい あれがジュダ(JUDA) 我々の『敵』がいるところだよ」 - 初登場時。この時シャングリラは潜水してJUDAの近海に近づいており、更にアップの際にファクターアイを発動している。
- この時点ではまだキャラクターが固まりきっておらず、石神に近い軽めの口調が目立つ。
- 「一本の明確な線を引き、混沌な世界を終わらせ人類を再教育する――それが俺たちの言う世界征服だ」
- 日本政府の要人たちに説いた加藤機関の目的とする世界征服。居合わせた人間からは「抽象的過ぎる」などと言われるが、加藤はそんな政府要人たちの想像力の無さに失望する。彼に言わせれば、そんな人々に想像を促すことこそが人類の再教育、なのだ。
- 「お前が一番想像を理解していない 何故なら自分自身が死ぬコトを想像していないからだ」
- 王政陸を粛清した際に沢渡が伝えた加藤からの伝言。端的に加藤の求める想像の意味がここで語られている。
- 沢渡「―――で こっちの報告だが―――陸が死んだ つーか俺が殺した」
久嵩「そうか 手間かけさせたな」 - 21話「ベクトル」にて、沢渡からの陸の抹殺報告を受けて。久嵩にとって陸はただの捨て駒でしかなく、わかりきった結果ゆえに何の感慨も見せなかった。
- 「あ そうそう」
「大きくなったな城崎絵美 ―――天児も元気そうで何よりだ」 - 早瀬軍団のクリスマスパーティの会場外に現れた際に遭遇した絵美に対して。久々の対面と共に、記憶を回復させるためにあえて恩師を名前で呼んでいる。
- 「現在 我々は全核保有国の核発射用管制システムを掌握している」
「4日後 我々は全核保有国の核ミサイルを発射する 目標は発射したその国だ つまり―――」
「全ての核保有国は自国の持つ核で滅んでもらうってワケだ」
「そこで早瀬浩一 キミに手伝ってもらいたいコトなんだが――――」
「キミには是非とも この計画を阻止してもらいたい」
「あ~ それと詳しい計画内容は既にそちらへ送ってあるから ではまた来年に逢おう」 - 大晦日にJUDAに入れて来た通信。核ミサイル発射作戦を宣告した上で、その阻止を自ら要請するという意味不明な行動に、浩一のみならず全員が面食らっていた。
- これは、久嵩真の目的である「想像力喪失の阻止」の一環であり、それで人類が滅びては意味がないための行動。「この作戦はJUDAによって失敗したが、加藤機関はいつでも世界を滅ぼすことが出来る」という認識を人々に与えるための大芝居である。
- 「――彼は運命の子ではなく、ましてや選ばれし勇者でもない… なんてコトはない何処にでも居る少年のハズだった」
「否 だからなのか?――何処にでも居る様な只の人間だからこそなのか!?」
「この世界に再び可能性が生まれると言うのか――早瀬浩一(あの少年)が可能性という名の『特異点』になったとでも言うのか!?」
「己で確かめるしかないのか…」 - 再びラインバレルに乗った浩一が二番隊隊長である真田を圧倒した場面を見て。この直後…。
- 「早瀬浩一…お前に確かめたいコトがある ――お前は一体何者だ?」
- ツクヨミに乗って戦場に現れた際の台詞。恩師が居るはずのラインバレルを操縦する浩一に対しての物。
- 「…何故だ …何故お前なんだ… 何故だぁああ」
「お前は只の少年だったハズだ!! お前は選ばれた人間等では無かったハズだァ!!」 - 恩師の死を告げられ託されたのが浩一だという事実を受け入れることが出来ずに。
- 「…冗談じゃない …私がどれだけ永い時間をかけて選択したコトだと思っている… 今更やり方を変えるなど… それを昨日今日ファクターになった子供に…」
「…ふざけるなよ…… ふざけるなよ 城崎天児ゥウゥ」 - 恩師の遺言を教えられて…。しかし、六百年以上の年月をかけた選択を変えろと言われているコトに激高しシャングリラを喚び出す。尚、あえて名前で呼んだ事はあってもフルネームで呼び捨てたのはこの時だけである。
- 「…僕は負けない…」
「生きて守らなければならない人が居るんだ…この世界を元に戻さなければならないんだ」
「遺伝子に刻まれた自滅スイッチが人間に課せられた原則であるのなら――」
「僕は人間であるコトを捨ててやる!!」 - 城崎天児の助手としてナノマシンの開発に貢献した結果は人類の絶滅だった。
この結末を招いた責任、絵美の保護者としての責任を強く感じた加藤は生き延びて人類を救う力を得るためシャングリラを起動、人間であることも捨てる覚悟で自らの胸に包丁を突き立てファクターとなった。だが……。 - 「何故だ…シャングリラ ……何故 僕達は宇宙なんかにいるんだ!!?」
- ファクターとなって目覚めた直後、その瞳に映った……即ちファクターアイに投影された、シャングリラの見る光景。それは、一面に広がる宇宙空間。ファクターとなった久嵩を守るため、シャングリラは生存の可能性の低い地球を捨て、宇宙へと脱出してしまっていたのだ。大切なものを守るために得たはずの力は、しかし彼から大切なものを奪い去ってしまった……。
- 「……結局私は……既にあの時負けていたというコトか……」
- 過去の回想から覚めて。
- 「加藤機関全隊員に告ぐ――これより全力でJUDA特務室を援護しろ!!」
- 原作漫画版における真の敵『ヒトマキナ』との対決に至り、ついに覚悟を決めJUDAとの共闘を決意、隊員たちへ指令を下す。しかし、全力での辺りに何かを意識しているような気がするのは考えすぎだろうか……?
迷台詞
- 「えー、全世界の紳士淑女の皆さん。私は加藤機関総司令、加藤久嵩。突然ですが、我々はこれより世界征服をさせていただく」
- 「流れるは血、失うは涙」における世界征服宣言。…なのだが、交通機関を抑えたはずなのに電車が普通に走っている。どうした、加藤機関。
- 「昔は大きくなったらお兄ちゃんと結婚するって言ってくれてたのに…」
- 「鬼を喰らうモノ」の次回予告での大迷言。何を言っても絵美から「あなた、最低です!」とぶった切られて。これに対する絵美のセリフも当然の如く「あなた、最低です!」。久嵩に限らず、「鉄のラインバレル」は次回予告を担当するキャラが確実に崩壊するが、これはさすがに壊れ過ぎだろう。
- 「インパクトに頼っては駄目だ。ファッションはもっとさり気なく、かつ印象的な物であるべきだ。この俺のように」
- ピクチャードラマ#05にて、マサキの提案(チャイナドレスやドS等の格好)では真面目な話を全く聞いてくれないと危惧して。その直後、無言でスルーしたマサキに「何か?」と突っ込んだ。
- 「城崎絵美はまだこちらに到着していない。二人が来るまで少し話でもしないか?」
- 18話「メメント・モリ」にて、矢島の呼びだしを受けて一足早く現れた浩一に対して。何でもない普通のセリフなのだが、この時久嵩は焼き網を団扇で扇ぎながらホタテを焼いていた。加藤総司令、何がしたかったんだ。
スパロボシリーズでの名台詞
戦闘台詞
- 「まったく、こんな展開になるとは…私も想像力が足りなかったよ」
- フェストゥム、ELS、バジュラとの戦闘台詞。久嵩がその事を言っているのは、地球外生命体である彼らとの対話が可能と知ったからだろう。
- …しかし、本作をプレイした側からすればむしろ「他作品の版権キャラの生存理由」がぴったり当てはまってしまう。
- 「九条美海、想像力が足りないな」
- 美海への援護防御時。UXの彼女への援護台詞はダメ出しを喰らわせるモノが多く、加藤に至っては「想像力が足りない」とストレートに一刀両断した。
インターミッション
- 「失礼、LOTUSの早瀬浩一君に面会したいのだが……」
- L12話「放課後の来訪者」で、いきなりJUDAに現れた際の台詞。原作でも似たような台詞があり、どうも正当な手続きを踏んでから入って来たらしい。
- 「眩しいな…君のその真っ直ぐな思いは…大人である我々にとって…」
- L36話「正義のために」にて、グラン・ネイドルへの特攻の直前、「仲間を犠牲にして生き残れない」と拒否した浩一に対して。浩一が「正義の味方」であることを望んだ久嵩だが、本当に「正義の味方」でありたかったのは彼自身だったのかも知れない…。
- 「人は……何度でも、運命を……」
(先生……僕は……) - UX43話にて、クアンタムバーストにより天児との対話を果たして。恩師が未来を託したのは、新たな可能性たる「正義の味方」。師の願いを託された久嵩の胸中に去来する想いとは……。
- 「石神め、やってくれる。想像が足りなかったのは、私自身だったというワケだ…。」
「貴様らから逃げるのは、今日で終わりだ…ヒトマキナッ!」 - UX45話「ユダ」にて仲間になった際の戦闘前台詞。それまでの自身の逃げの行動に見切りを付け、ヒトマキナとの戦いに臨む決意を固める。
- 「……」
「行くぞ、石神!!」
「俺とお前は、同じ志を持ちながら、違う未来を見ていた……」
「だが、今! 俺達には同じ未来が見えているハズだ!!」
「もはや、二度と視線は外さない!」
「さあ、行こう! 俺達の選んだ、今を生きるためにッ!!」 - UX45話「ユダ」にて、石神の生存フラグが成立した場合。全ては人類を救うため―――志を同じくしながらも、見据える未来の違いから袂を分かった二人。しかし、全ての真実が明かされ、そして死の運命を覆そうと足掻くUXを前に、久嵩はかつての盟友に叫ぶ。
- 久嵩「私もかつて諦めた人間だ。君と同じようにな……」
操「それならわかるだろ!? 一度選んだことは、簡単には変えられないって! 俺はもう選ばされたんだ!」
久嵩「しかし、私は選び直した! 君もまだ選び直せるハズだ! 本当にまだ救いたいモノがあるのなら!」 - UX47話における操との戦闘前会話。久嵩も一度は諦め、しかしかつての盟友によってその道を選ぶコトが出来た。だからこそ加藤機関総司令は、目の前の黒きファフナーに叫ぶ。かつての己と同じ、諦めようとしている者に。
- 「人は…何度だって、自らの運命を選ぶコトが出来る…」
- UX47話にて、「変わる事が出来ない」と自暴自棄になる操に対してこの言葉で諭した。
- 久嵩「一言で言うならば……彼は、絶望を知らぬ男でした」
「イオリア・シュヘンベルグ、城崎天児、そして覇道鋼造……」
「みな人類の未来を予見し、滅びに立ち向かおうとした男達です」
瑠璃「やはりお爺様も、未来のことを知っていたのですね……」
久嵩「そして、彼は希望を胸に、世界のあらゆる絶望と戦い続けた」
「おかげでアーカムシティは、推進派ですら手が出せない場所にされてしまいましたがね」
瑠璃「では、加藤司令は、お爺様と直接会ったことは…」
久嵩「ええ、ありません」
「いや……ひょっとしたら、別の意味で会っているのかも知れないが……」 - UX51話のIM、エルシャンクのブリッジにおける瑠璃とのやり取り。実は「デモンベイン」の原作ネタで、鋼造はこの劇中に「ある人物」として登場。久嵩が言っているのはその事である。
- 「いずれにせよ、覇道鋼造の魂は、間違いなくデモンベインの中に受け継がれていますよ」
「この世界が、過去と未来を繰り返し、可能性を積み重ねて来たのならば……」
「デモンベインもまた、幾度も覇道鋼造の魂を宿して来たと言えるのではないでしょうか」 - そのやり取りの後の言及。この後さらに、「鋼造の意志は瑠璃や九郎の中に確かに生きている」と続ける。確かにデモンベインは鋼造が造った(修復した)ものだが、魂を宿すほどに深く関わってはいない。そして、九郎自身は鋼造とは会ったこともない。
- これについては、デモンベイン原作の瑠璃ルートで明かされる「覇道鋼造」の真実が全てを物語っている。
- 「ヒトが生み出す可能性は無限。 そのヒトによって創り出される未来もまた無限に広がってゆく…!」
「神といえど、想像が足りなかったようだな!」 - UXでの第51話にて、マスターテリオンとの最後の決戦の末、ナイアの描いたシナリオが完全に崩壊。この結末を受け入れられず、ただ取り乱すばかりの邪神に対して、痛烈に突きつけた一言。ナイアルラトホテップに対してのUXの面々からの皮肉の中でも特に痛烈、かつ痛快な一撃の一言である。この際、石神社長が生存していれば「ヒトが生み出す可能性は無限~」の部分が石神社長の台詞に差し替わり、絶妙なコンビネーション攻撃をナイアに見舞ってくれる。