「ルイーズ・テレサ・キャムフォード」の版間の差分
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− | * | + | *公式ファンブック掲載のバトルストーリーではミドルネームが異なり、ルイーズ・'''エレナ'''・キャムフォードの名で登場している。また、設定もアニメとは少々異なっている。ちなみにこちらでは、ヘリック共和国前大統領(初代大統領)ヘリック2世・ムーロアの異母弟で、ゼネバス帝国皇帝ゼネバス・ムーロアの娘'''エレナ・ムーロア姫'''その人であり、同じくゼネバス皇帝の忘れ形見である[[ギュンター・プロイツェン]]と血縁関係にあり、奇しくも先の大戦時の元首同様に異母弟にあたる。後に事実を知ったルイーズは「呪い」と評している。 |
+ | *帝国皇帝ゼネバスの一人娘で勝ち気で強気な姫。ゼネバス皇帝に大切に育てられたた為、わがままだがどんな人にも分け隔てなく接する優しい心を持っていたとされる。ガイロス帝国の裏切りによりゼネバス帝国が滅亡すると、父ゼネバス共々ガイロス帝国へ保護・亡命を名目に連れ去られ、旧ゼネバス将兵を従わせるための人質(表向き客分)として生かされていた。グランドカタストロフによる第1次大陸間戦争(第1次暗黒大陸戦争)休戦と混乱の最中ゼネバスが崩御(エレナ姫が喪主を務めた)、休戦の証として共和国に引き渡されて中央大陸に帰還。伯父ヘリック2世の庇護の元、政治家として成長する。 | ||
+ | **その後、結婚し[[ロブ・ハーマン]]を授かっている。この事から夫の姓は「ハーマン」と推測され「キャムフォード」は身分を偽るための偽名・旧姓と思われる。 | ||
+ | **ロブ・ハーマンが息子であるという事実は伏せられている事から、出自を隠す事の他に、自身の複雑すぎる因果を彼に背負わせない為に旧姓を名乗っていたものを推測される。 | ||
+ | *実は、旧バトストでエレナ姫の存在に触れていたのは宣伝用の冊子版のみであり、それ以外の書籍版などでは全く触れられておらず、影も形もなかったばかりか、ゼネバス帝国の滅亡前夜、皇帝ゼネバスが「兄上には妻も子もできたが、私には何もない」と述べている。 | ||
+ | **因みにゼネバス帝国が滅亡したZAC2051年の段階でエレナ姫は16歳だとされている。ただ、旧バトストの資料は設定が二転三転する事もあり(資料によって顔が違うのは当たり前)、設定上の矛盾に深い理由は無いのかもしれない(一応、現在は宣伝用冊子版が公式の様である)。 | ||
+ | **真面目な考査として、宮廷内の政争や謀略などで姫の存在が隠されており、「私には何もない…」の話の直後(ゼネバス帝国滅亡後)に姫の存在を知り、認知したのではないか?と言う説や、ゼネバスは「男の後継者がいない」と言う意味で「私には何もない」と言ったのではないか?と言われている。 | ||
+ | ***「帝国の星人(人民)からは慕われ愛されていた」と述べられている事から、姫の存在は公表されていたと考えるのは普通であり、後者の可能性が高い。 | ||
+ | **同冊子によると年齢は16歳、身長は162cm、体重は「?」。年頃の少女に体重を聞くのは、この星でも失礼なようである(姫なので無礼でもある)。 | ||
+ | *バトストでは、復興を後回しにして軍備増強を図る帝国に対し、先の大戦からの戦後復興と国力回復にいそしみ、対立が激しい東西民族(旧ゼネバス国民と共和国民)間の融和に努めるなど、'''当初は'''理想的な国家元首と描写されていた。 | ||
+ | **第2次大陸間戦争(西方大陸戦争)開始当初は、強大な国力と国民一丸となって対応し、最初期こそ苦戦したものの以降は優位に戦争を進めていた。しかし、第2次暗黒大陸戦争へと移行した大戦末期、ネオゼネバス帝国の再興と中央大陸への侵攻が行われると事態は一変、旧ゼネバス国民は挙ってネオゼネバスを支持。手を取り合い一丸となっていた筈の国民は、即バラバラになってしまう。旧ゼネバス国民にとって'''融和政策は民族浄化・同化政策と同義であり'''、自らの政策が彼らの心情を全く考えない自己満足であったと痛感する。そして同時に、旧ゼネバス国民が'''愛する故国と民族の尊厳を奪った共和国を心の底から憎んでいた'''事を知る。 | ||
+ | **同時にルイーズ大統領が皇帝ゼネバスの娘・エレナ姫であった事、民族籍を偽っていた事が(読者に)判明する。嘗て、互いを「最愛の弟」「自慢の兄」と尊敬し愛していながら、殺し合いを止められなかったヘリック2世とゼネバスの因果からは逃れなれない事を知り、'''その運命を「呪い」と絶望する'''。 | ||
+ | **これにより、ルイーズ大統領の心は完全に折れてしまい、一時は自らの出自を明かしプロイツェンとその息子ヴォルフと共同統治者になろうと考えに至るほどになる。しかし、今更国民が納得しないと理解し首都脱出を図る。セイバリオンの余白部分のコンテナに潜み脱出を試みるも、脱出後にコンテナ部分のハッチが開いており、外に投げ出されてしまっていた事が判明し、新型ゾイドの設計図を残し消息を絶った(公式には敵の追撃でコンテナ部分を損傷した際にハッチが開いてしまった'''不慮の事故'''と言う事になっているが、大統領の心情を察するに或いは…)。 | ||
+ | **ルイーズの言葉に嘘・偽りは無く、国民の融和・和解を心の底から願っていたのは事実である。だが、ヘリック共和国を蝕む民族差別という名の癌細胞の前にはどうする事もできなかった。 | ||
+ | ***ルイーズの伯父であり育ての親でもある前大統領ヘリック2世には、自分よりも出来が良いと認める最愛の弟ゼネバスがいた。兄弟仲は大変良好であり、ヘリック2世が父王ヘリック1世のゾイドを無断で動かして事故を起こし大怪我を負った際、ゼネバスは「自分がやった事だ(兄は巻き添えを食らった)」と兄を庇った事があり、腹違いの兄弟でありながら大変に仲の良い兄弟であった。所が成人し、ヘリック2世が父王の跡を継ぎ国王から大統領に即位、ゼネバスが共和国総司令に就任すると、風向きが変化する。ヘリック2世の出身民族である風民族は、地民族の混血であるゼネバスを嫌い排除を画策、互いの側近(悪く言えば腰巾着)達が相手を中傷し、内需拡大を主張するヘリック2世と外征を主張するゼネバスの政策面の対立が激しくなり、民族対立へと発展する。 | ||
+ | ****だが、政策面で対立があろうとも、兄弟は互いを尊重し歩み寄ろうとした。当初はヘリック2世が折れるつもりだった(ヘリック2世が折れる事でゼネバスにも考えを改めさせようとした)のだが、それを良しとしなかったのがヘリック2世を推す風民族を中心とする多数・主流派の議員達であった。多数派民族議員は、あろう事かヘリック2世に無断でゼネバスを陥れ「国家反逆罪」で全ての役職を解任し追放を決定したのである。議会の謀略に気付いたヘリック2世は、あえて謀略を容認し追放する事で弟ゼネバスを守る事にした(ゼネバスは兄の心情を理解し、解任と追放を甘んじて受け入れた)。そして、弟を陥れた議会と多数派民族議員を心の底から軽蔑し憎んだ。追放されたゼネバスは、母方の地民族に擁立される形で中央大陸西部を掌握して皇帝として即位。結果、政策面の対立に過ぎなかった両者を敵対国元首と後戻りできない所まで追いつめてしまう。 | ||
+ | ****だが、敵対国元首となり相見える事がなくなっても、その兄弟仲は生涯変わることは無かった。ヘリック2世は80過ぎての晩婚であり子宝に恵まれなかった。<ref>Zi人は地球人と比較して長寿の種族であり、80過ぎての初婚はZi人の基準でも遅いが珍しくない。</ref>そんな兄に待望の子供が産まれたと知ったゼネバスは、一時停戦すると外交使節団を派遣し祝福したのである(兄ヘリック2世が感激したのは言うまでもない)。そして、大戦末期にゼネバス帝国滅亡し第1次暗黒大陸戦争が始まると、ヘリック2世は「中央大陸侵攻を狙う暗黒軍(ガイロス帝国の当時の名称)の排除」を表向きの大義名分とし戦争を続けたが、真の目的は「'''誘拐された皇帝ゼネバスの救出'''」と私情が戦争理由であった程である。ヘリック2世は政策や戦争で追いつめられると「助けてくれゼネバス」と兄思いの出来の良かった弟に助けを求めていた。この様に互いに尊敬し信頼していたにも拘らず、背負う国と民が出来た彼らは殺し合いを止められず、戦争はなし崩し的に休戦(停止)し手を取り合うことのないまま没してしまう。 | ||
+ | ***この様な理由からヘリック2世は、多数派の風民族の蔓延る議会・議員たちがゼネバスの娘など納得しないと理解してしたからこそ、彼女の出自を偽り自らの後継者にしたのである。だが、ヘリック2世が弟を救えなかった負い目から、何不自由ない生活をさせた結果、彼女が本当に救おうとしていた旧ゼネバス国民の考え心情を知る事ができなかったのは悲劇と言えるだろう。結局、ヘリック共和国は民族差別の言う名の癌細胞に蝕まれ続け、因果という名の呪いが止めとなり、遂には滅亡へと至ったのである。 | ||
+ | *今でこそ(特に新バトスト以降は)公正な共和制国家として描写されているが、実は建国経緯からして真っ当とは言い難く、旧バトストでは前述した通り民族間の差別が横行し謀略が蔓延る腐敗国家として描写されている。 | ||
+ | **資料によって建国経緯が異なる。旧バトストでは中央大陸には八つの部族が存在し東西に別れて部族間抗争を繰り広げていたが、暗黒大陸から侵略された時に風民族族長で東側連合代表のヘリック・ムーロア(ヘリック1世)が敵に立ち向かう為に東西部族を統合し立ち向かい撃退した。この結果、地民族族長で西側連合代表のガイロス<ref>ガイロス帝国の建国者ガイロスとは当初は同姓同名の別人とされ実に紛らわしかったのだが、後年のHMMの設定では逆に族長ガイロスと皇祖ガイロスは同一人物とされている(この設定だと新旧バトストでの様々な設定の辻妻が合う)。</ref>が、ヘリックの手腕を認め西側代表を辞任し暗黒大陸に渡った。結果、他の部族長たちもヘリックを統治者として認めた事でへリック共和国が設立し、ヘリックが国王ヘリック1世として即位した<ref>国王が居るのだから王国だと思われるが、国号はヘリック共和国であるとされている。しかし、ヘリック王国とする資料もあり、設定が安定しない</ref>。HMMでは経緯が異なり、ヘリック王国が周辺部族を武力で統合し設立したとされている。 | ||
+ | ***この時、暗黒大陸の部族に中央大陸の侵略を唆したのは、何を隠そうヘリック・ムーロア本人(実は族長ガイロスもグル)なのであり、要は盛大なマッチポンプである。目論見通り中央大陸の統一に成功するが、引き換えに外部に強大な敵を作ってしまったのである。 | ||
+ | ***大陸を統一したものの、民族間(特に東西民族)の対立は解消されず、部族間の対立・差別が無くなることはなかった。これは議会・国政の場でも同様であり、仲の良かったヘリック・ゼネバス兄弟の仲を謀略で裂き敵対国元首と後戻りできない所まで追い詰め、滅ぼしたゼネバスの民を冷遇し差別し続けた。結局、新バトストでのへリック共和国の滅亡は因果が巡って来たともとれる。 | ||
+ | *実は、ヘリック共和国に'''選挙を行った形跡がない'''と言う衝撃の事実がある。ルイーズ大統領の出自を考えると説得力がある。 | ||
+ | **バトストでは「叔父から姪へ引き継いだ」TVアニメ版でも「夫から妻へと引き継いだ」と身内で大統領職を回している状態である。 | ||
+ | **前述した通り、初代国王ヘリック1世没後に王位を継承したヘリック2世が王政を廃止し共和制へと移行、自ら初代大統領となった経緯がある。つまり、議会改革や市民革命によって共和制になったのではなく「'''上からの押し付け=権力者の自己満足'''」で共和制になった為、王政気質が抜けていない(共和制の仮面をかぶった君主制)。当然、上層部がそんな具合である為、国民も王政気分が抜けずムーロア(ヘリック王家)こそ支配者と思想が強く、結果ヘリック共和国の滅亡(西方大陸への亡命政権)へとつながる。 | ||
+ | **TVアニメ版でもその設定が残っているかは不明である。 | ||
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+ | == 脚注 == | ||
+ | <references /> | ||
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2024年7月2日 (火) 11:08時点における最新版
ルイーズ・テレサ・キャムフォード | |
---|---|
登場作品 | |
声優 | 高島雅羅 |
デザイン |
上山道郎(原案) 坂崎忠(アニメ版) |
初登場SRW | スーパーロボット大戦Operation Extend |
SRWでの分類 | NPC |
プロフィール | |
---|---|
種族 | 惑星Zi人 |
性別 | 女 |
所属 | ヘリック共和国 |
役職 | 大統領 |
ルイーズ・テレサ・キャムフォードは『ゾイド -ZOIDS-』の登場人物。
概要[編集 | ソースを編集]
ヘリック共和国の大統領。前大統領だった亡き夫の後を継ぎ、共和国の平和のために苦心している。
共和国軍人であるロブ・ハーマンは実の息子だが、ハーマンが大統領の息子として特別視されることを嫌っているため、彼女も公的な場では大統領と一軍人として接している。
登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]
単独作品[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦Operation Extend
- 初登場作品。原作同様の役回りで、惑星Ziのトップの一人としてコネクト・フォースに協力する。
人間関係[編集 | ソースを編集]
- ロブ・ハーマン
- 実子。
- ドクター・ディ
- ルイーズのことを幼少期から知っている。
- ギュンター・プロイツェン
- ニューヘリックシティを攻撃された際には彼から無条件降伏を迫られる。
- ルドルフ・ゲアハルト・ツェッペリンIII世
- 彼の即位後は両国の関係も良好になり、国の代表として会談に臨むことが多い。
他作品との人間関係[編集 | ソースを編集]
名台詞[編集 | ソースを編集]
- 「貴方も父親に似てきましたね。指揮官は貴方です」
- 第61話。ウルトラザウルスに乗艦し、指示を出していた彼を評して。
搭乗機体[編集 | ソースを編集]
- ディバイソン
- 第48話にて搭乗。しかし、厳密に言えば彼女はヒルツによって拘束され、手足を縛られたままアンビエントに乗っ取られたディバイソンのコクピットに幽閉されているので、彼女自身は操縦していない。
- ハンマーヘッド(大統領専用機)
- 白いカラーリングを施された大統領の移動執務室的役割を持った専用機。そのためか通常機よりやや大型となっている。
余談[編集 | ソースを編集]
- 公式ファンブック掲載のバトルストーリーではミドルネームが異なり、ルイーズ・エレナ・キャムフォードの名で登場している。また、設定もアニメとは少々異なっている。ちなみにこちらでは、ヘリック共和国前大統領(初代大統領)ヘリック2世・ムーロアの異母弟で、ゼネバス帝国皇帝ゼネバス・ムーロアの娘エレナ・ムーロア姫その人であり、同じくゼネバス皇帝の忘れ形見であるギュンター・プロイツェンと血縁関係にあり、奇しくも先の大戦時の元首同様に異母弟にあたる。後に事実を知ったルイーズは「呪い」と評している。
- 帝国皇帝ゼネバスの一人娘で勝ち気で強気な姫。ゼネバス皇帝に大切に育てられたた為、わがままだがどんな人にも分け隔てなく接する優しい心を持っていたとされる。ガイロス帝国の裏切りによりゼネバス帝国が滅亡すると、父ゼネバス共々ガイロス帝国へ保護・亡命を名目に連れ去られ、旧ゼネバス将兵を従わせるための人質(表向き客分)として生かされていた。グランドカタストロフによる第1次大陸間戦争(第1次暗黒大陸戦争)休戦と混乱の最中ゼネバスが崩御(エレナ姫が喪主を務めた)、休戦の証として共和国に引き渡されて中央大陸に帰還。伯父ヘリック2世の庇護の元、政治家として成長する。
- その後、結婚しロブ・ハーマンを授かっている。この事から夫の姓は「ハーマン」と推測され「キャムフォード」は身分を偽るための偽名・旧姓と思われる。
- ロブ・ハーマンが息子であるという事実は伏せられている事から、出自を隠す事の他に、自身の複雑すぎる因果を彼に背負わせない為に旧姓を名乗っていたものを推測される。
- 実は、旧バトストでエレナ姫の存在に触れていたのは宣伝用の冊子版のみであり、それ以外の書籍版などでは全く触れられておらず、影も形もなかったばかりか、ゼネバス帝国の滅亡前夜、皇帝ゼネバスが「兄上には妻も子もできたが、私には何もない」と述べている。
- 因みにゼネバス帝国が滅亡したZAC2051年の段階でエレナ姫は16歳だとされている。ただ、旧バトストの資料は設定が二転三転する事もあり(資料によって顔が違うのは当たり前)、設定上の矛盾に深い理由は無いのかもしれない(一応、現在は宣伝用冊子版が公式の様である)。
- 真面目な考査として、宮廷内の政争や謀略などで姫の存在が隠されており、「私には何もない…」の話の直後(ゼネバス帝国滅亡後)に姫の存在を知り、認知したのではないか?と言う説や、ゼネバスは「男の後継者がいない」と言う意味で「私には何もない」と言ったのではないか?と言われている。
- 「帝国の星人(人民)からは慕われ愛されていた」と述べられている事から、姫の存在は公表されていたと考えるのは普通であり、後者の可能性が高い。
- 同冊子によると年齢は16歳、身長は162cm、体重は「?」。年頃の少女に体重を聞くのは、この星でも失礼なようである(姫なので無礼でもある)。
- バトストでは、復興を後回しにして軍備増強を図る帝国に対し、先の大戦からの戦後復興と国力回復にいそしみ、対立が激しい東西民族(旧ゼネバス国民と共和国民)間の融和に努めるなど、当初は理想的な国家元首と描写されていた。
- 第2次大陸間戦争(西方大陸戦争)開始当初は、強大な国力と国民一丸となって対応し、最初期こそ苦戦したものの以降は優位に戦争を進めていた。しかし、第2次暗黒大陸戦争へと移行した大戦末期、ネオゼネバス帝国の再興と中央大陸への侵攻が行われると事態は一変、旧ゼネバス国民は挙ってネオゼネバスを支持。手を取り合い一丸となっていた筈の国民は、即バラバラになってしまう。旧ゼネバス国民にとって融和政策は民族浄化・同化政策と同義であり、自らの政策が彼らの心情を全く考えない自己満足であったと痛感する。そして同時に、旧ゼネバス国民が愛する故国と民族の尊厳を奪った共和国を心の底から憎んでいた事を知る。
- 同時にルイーズ大統領が皇帝ゼネバスの娘・エレナ姫であった事、民族籍を偽っていた事が(読者に)判明する。嘗て、互いを「最愛の弟」「自慢の兄」と尊敬し愛していながら、殺し合いを止められなかったヘリック2世とゼネバスの因果からは逃れなれない事を知り、その運命を「呪い」と絶望する。
- これにより、ルイーズ大統領の心は完全に折れてしまい、一時は自らの出自を明かしプロイツェンとその息子ヴォルフと共同統治者になろうと考えに至るほどになる。しかし、今更国民が納得しないと理解し首都脱出を図る。セイバリオンの余白部分のコンテナに潜み脱出を試みるも、脱出後にコンテナ部分のハッチが開いており、外に投げ出されてしまっていた事が判明し、新型ゾイドの設計図を残し消息を絶った(公式には敵の追撃でコンテナ部分を損傷した際にハッチが開いてしまった不慮の事故と言う事になっているが、大統領の心情を察するに或いは…)。
- ルイーズの言葉に嘘・偽りは無く、国民の融和・和解を心の底から願っていたのは事実である。だが、ヘリック共和国を蝕む民族差別という名の癌細胞の前にはどうする事もできなかった。
- ルイーズの伯父であり育ての親でもある前大統領ヘリック2世には、自分よりも出来が良いと認める最愛の弟ゼネバスがいた。兄弟仲は大変良好であり、ヘリック2世が父王ヘリック1世のゾイドを無断で動かして事故を起こし大怪我を負った際、ゼネバスは「自分がやった事だ(兄は巻き添えを食らった)」と兄を庇った事があり、腹違いの兄弟でありながら大変に仲の良い兄弟であった。所が成人し、ヘリック2世が父王の跡を継ぎ国王から大統領に即位、ゼネバスが共和国総司令に就任すると、風向きが変化する。ヘリック2世の出身民族である風民族は、地民族の混血であるゼネバスを嫌い排除を画策、互いの側近(悪く言えば腰巾着)達が相手を中傷し、内需拡大を主張するヘリック2世と外征を主張するゼネバスの政策面の対立が激しくなり、民族対立へと発展する。
- だが、政策面で対立があろうとも、兄弟は互いを尊重し歩み寄ろうとした。当初はヘリック2世が折れるつもりだった(ヘリック2世が折れる事でゼネバスにも考えを改めさせようとした)のだが、それを良しとしなかったのがヘリック2世を推す風民族を中心とする多数・主流派の議員達であった。多数派民族議員は、あろう事かヘリック2世に無断でゼネバスを陥れ「国家反逆罪」で全ての役職を解任し追放を決定したのである。議会の謀略に気付いたヘリック2世は、あえて謀略を容認し追放する事で弟ゼネバスを守る事にした(ゼネバスは兄の心情を理解し、解任と追放を甘んじて受け入れた)。そして、弟を陥れた議会と多数派民族議員を心の底から軽蔑し憎んだ。追放されたゼネバスは、母方の地民族に擁立される形で中央大陸西部を掌握して皇帝として即位。結果、政策面の対立に過ぎなかった両者を敵対国元首と後戻りできない所まで追いつめてしまう。
- だが、敵対国元首となり相見える事がなくなっても、その兄弟仲は生涯変わることは無かった。ヘリック2世は80過ぎての晩婚であり子宝に恵まれなかった。[1]そんな兄に待望の子供が産まれたと知ったゼネバスは、一時停戦すると外交使節団を派遣し祝福したのである(兄ヘリック2世が感激したのは言うまでもない)。そして、大戦末期にゼネバス帝国滅亡し第1次暗黒大陸戦争が始まると、ヘリック2世は「中央大陸侵攻を狙う暗黒軍(ガイロス帝国の当時の名称)の排除」を表向きの大義名分とし戦争を続けたが、真の目的は「誘拐された皇帝ゼネバスの救出」と私情が戦争理由であった程である。ヘリック2世は政策や戦争で追いつめられると「助けてくれゼネバス」と兄思いの出来の良かった弟に助けを求めていた。この様に互いに尊敬し信頼していたにも拘らず、背負う国と民が出来た彼らは殺し合いを止められず、戦争はなし崩し的に休戦(停止)し手を取り合うことのないまま没してしまう。
- この様な理由からヘリック2世は、多数派の風民族の蔓延る議会・議員たちがゼネバスの娘など納得しないと理解してしたからこそ、彼女の出自を偽り自らの後継者にしたのである。だが、ヘリック2世が弟を救えなかった負い目から、何不自由ない生活をさせた結果、彼女が本当に救おうとしていた旧ゼネバス国民の考え心情を知る事ができなかったのは悲劇と言えるだろう。結局、ヘリック共和国は民族差別の言う名の癌細胞に蝕まれ続け、因果という名の呪いが止めとなり、遂には滅亡へと至ったのである。
- ルイーズの伯父であり育ての親でもある前大統領ヘリック2世には、自分よりも出来が良いと認める最愛の弟ゼネバスがいた。兄弟仲は大変良好であり、ヘリック2世が父王ヘリック1世のゾイドを無断で動かして事故を起こし大怪我を負った際、ゼネバスは「自分がやった事だ(兄は巻き添えを食らった)」と兄を庇った事があり、腹違いの兄弟でありながら大変に仲の良い兄弟であった。所が成人し、ヘリック2世が父王の跡を継ぎ国王から大統領に即位、ゼネバスが共和国総司令に就任すると、風向きが変化する。ヘリック2世の出身民族である風民族は、地民族の混血であるゼネバスを嫌い排除を画策、互いの側近(悪く言えば腰巾着)達が相手を中傷し、内需拡大を主張するヘリック2世と外征を主張するゼネバスの政策面の対立が激しくなり、民族対立へと発展する。
- 今でこそ(特に新バトスト以降は)公正な共和制国家として描写されているが、実は建国経緯からして真っ当とは言い難く、旧バトストでは前述した通り民族間の差別が横行し謀略が蔓延る腐敗国家として描写されている。
- 資料によって建国経緯が異なる。旧バトストでは中央大陸には八つの部族が存在し東西に別れて部族間抗争を繰り広げていたが、暗黒大陸から侵略された時に風民族族長で東側連合代表のヘリック・ムーロア(ヘリック1世)が敵に立ち向かう為に東西部族を統合し立ち向かい撃退した。この結果、地民族族長で西側連合代表のガイロス[2]が、ヘリックの手腕を認め西側代表を辞任し暗黒大陸に渡った。結果、他の部族長たちもヘリックを統治者として認めた事でへリック共和国が設立し、ヘリックが国王ヘリック1世として即位した[3]。HMMでは経緯が異なり、ヘリック王国が周辺部族を武力で統合し設立したとされている。
- この時、暗黒大陸の部族に中央大陸の侵略を唆したのは、何を隠そうヘリック・ムーロア本人(実は族長ガイロスもグル)なのであり、要は盛大なマッチポンプである。目論見通り中央大陸の統一に成功するが、引き換えに外部に強大な敵を作ってしまったのである。
- 大陸を統一したものの、民族間(特に東西民族)の対立は解消されず、部族間の対立・差別が無くなることはなかった。これは議会・国政の場でも同様であり、仲の良かったヘリック・ゼネバス兄弟の仲を謀略で裂き敵対国元首と後戻りできない所まで追い詰め、滅ぼしたゼネバスの民を冷遇し差別し続けた。結局、新バトストでのへリック共和国の滅亡は因果が巡って来たともとれる。
- 資料によって建国経緯が異なる。旧バトストでは中央大陸には八つの部族が存在し東西に別れて部族間抗争を繰り広げていたが、暗黒大陸から侵略された時に風民族族長で東側連合代表のヘリック・ムーロア(ヘリック1世)が敵に立ち向かう為に東西部族を統合し立ち向かい撃退した。この結果、地民族族長で西側連合代表のガイロス[2]が、ヘリックの手腕を認め西側代表を辞任し暗黒大陸に渡った。結果、他の部族長たちもヘリックを統治者として認めた事でへリック共和国が設立し、ヘリックが国王ヘリック1世として即位した[3]。HMMでは経緯が異なり、ヘリック王国が周辺部族を武力で統合し設立したとされている。
- 実は、ヘリック共和国に選挙を行った形跡がないと言う衝撃の事実がある。ルイーズ大統領の出自を考えると説得力がある。
- バトストでは「叔父から姪へ引き継いだ」TVアニメ版でも「夫から妻へと引き継いだ」と身内で大統領職を回している状態である。
- 前述した通り、初代国王ヘリック1世没後に王位を継承したヘリック2世が王政を廃止し共和制へと移行、自ら初代大統領となった経緯がある。つまり、議会改革や市民革命によって共和制になったのではなく「上からの押し付け=権力者の自己満足」で共和制になった為、王政気質が抜けていない(共和制の仮面をかぶった君主制)。当然、上層部がそんな具合である為、国民も王政気分が抜けずムーロア(ヘリック王家)こそ支配者と思想が強く、結果ヘリック共和国の滅亡(西方大陸への亡命政権)へとつながる。
- TVアニメ版でもその設定が残っているかは不明である。