「童話」の版間の差分
細 (誤字の修正および追記。) |
細 (『ピノッキオの冒険』を追加等。) |
||
6行目: | 6行目: | ||
童話は大抵子ども向けとして創られているためか、基本的に主人公は子どもが容易に想像でき、好感が持てる人物像となっている。また、その行動に明確な結果が待っていて子どもに対する教訓となっている(所謂『善行を行った者には褒美を与え、悪行を行った者には罰を受ける』という展開や結末がある)。それらが動物など擬人化された存在である場合も多く、[[ヨーロッパ|西洋]]の童話では継母は悪人として書かれることがある。 | 童話は大抵子ども向けとして創られているためか、基本的に主人公は子どもが容易に想像でき、好感が持てる人物像となっている。また、その行動に明確な結果が待っていて子どもに対する教訓となっている(所謂『善行を行った者には褒美を与え、悪行を行った者には罰を受ける』という展開や結末がある)。それらが動物など擬人化された存在である場合も多く、[[ヨーロッパ|西洋]]の童話では継母は悪人として書かれることがある。 | ||
− | 大抵は幸せな結末で終わるのが基本だが、アンデルセン童話では『人魚姫』のように悲劇的な結末を迎える作品も少なからず存在する。また、'''グリム童話では悪行を犯した者に対しては残酷ともいえるレベルの報いや制裁を受ける事が多い(因果応報と言われたらそれまでだが)''' | + | 大抵は幸せな結末で終わるのが基本だが、アンデルセン童話では『人魚姫』のように悲劇的な結末を迎える作品も少なからず存在する。また、'''グリム童話では悪行を犯した者に対しては残酷ともいえるレベルの報いや制裁を受ける事が多い(因果応報と言われたらそれまでだが)'''。しかし、想定する読者対象が子どもであることも配慮して、そのシーンを削除、もしくは修正・改変をされた作品も少なからず存在する。それは、ある意味で[[スパロボ補正]]にも通じると言えるだろう。 |
==童話が取り入れられている作品== | ==童話が取り入れられている作品== | ||
45行目: | 45行目: | ||
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では[[戦艦]]「[[ネバーランド]]」の名称元として取り入れられている。 | :*[[無限のフロンティアシリーズ]]では[[戦艦]]「[[ネバーランド]]」の名称元として取り入れられている。 | ||
===シンデレラ=== | ===シンデレラ=== | ||
− | + | グリム版とペロー版がよく知られているが、実は世界中にこの物語と似た作品が数多く存在している。なお、グリム版は相当えげつなく描かれている。 | |
;シンデレラ(Cinderella) | ;シンデレラ(Cinderella) | ||
:主人公。継母とその連れ子である姉たちに苛められる辛い日々を送り、自分だけドレスも無い為に城の舞踏会にも行けないなど不幸の連続だった。魔女によって舞踏会に行ける準備を整ったが、夜12時には魔法が解けるので帰ってくるようにと警告される。 | :主人公。継母とその連れ子である姉たちに苛められる辛い日々を送り、自分だけドレスも無い為に城の舞踏会にも行けないなど不幸の連続だった。魔女によって舞踏会に行ける準備を整ったが、夜12時には魔法が解けるので帰ってくるようにと警告される。 | ||
:城の舞踏会では美しいドレスと容姿から王子に見初められるも夜12時の鐘の音に焦ったシンデレラは急いで帰ってしまう。しかし、王子がシンデレラが帰る際に落とした靴を手がかりに探し、その靴にピッタリ入れることができたために妃として迎え入れられた。 | :城の舞踏会では美しいドレスと容姿から王子に見初められるも夜12時の鐘の音に焦ったシンデレラは急いで帰ってしまう。しかし、王子がシンデレラが帰る際に落とした靴を手がかりに探し、その靴にピッタリ入れることができたために妃として迎え入れられた。 | ||
:ちなみに、苦労の末に[[幸運]]を手にしたことを意味する「シンデレラ・ストーリー」はこれが由来。 | :ちなみに、苦労の末に[[幸運]]を手にしたことを意味する「シンデレラ・ストーリー」はこれが由来。 | ||
− | :*[[無限のフロンティアシリーズ]]では、「[[アシェン・ブレイデル]]」のモチーフとして取り入れられている。シンデレラは[[ドイツ語]] | + | :*[[無限のフロンティアシリーズ]]では、「[[アシェン・ブレイデル]]」のモチーフとして取り入れられている。シンデレラは[[ドイツ語]]でアッシェンブレーデル(日本語訳すれば、原題である『灰かぶり』)を意味している。 |
− | |||
===白雪姫=== | ===白雪姫=== | ||
ドイツのヘッセン州の民話で、後にグリム童話の一つとして収録された。<br/> | ドイツのヘッセン州の民話で、後にグリム童話の一つとして収録された。<br/> | ||
99行目: | 98行目: | ||
:これはグリム童話での顛末であり、(自業自得とは言え)子どもに聞かせるにはあまりにも残酷だったのか、子ども向けの白雪姫の童話ではそのシーンが削除されている。 | :これはグリム童話での顛末であり、(自業自得とは言え)子どもに聞かせるにはあまりにも残酷だったのか、子ども向けの白雪姫の童話ではそのシーンが削除されている。 | ||
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では、[[ネージュ・ハウゼン]]の通常技「レッドホット・パンプス」の由来となっている。 | :*[[無限のフロンティアシリーズ]]では、[[ネージュ・ハウゼン]]の通常技「レッドホット・パンプス」の由来となっている。 | ||
− | |||
===竹取物語=== | ===竹取物語=== | ||
− | + | [[日本]]で最も古くから誕生した物語。しかしその物語が成立した年、作者ともに不明。なお、かぐや姫に5人の求婚者が現れるのだが、'''帰還が遅かったものほど不幸な目に遭っている'''。 | |
;かぐや姫 | ;かぐや姫 | ||
− | :竹取の最中に翁が光り輝く竹の中から見出され、翁夫婦に育てられた少女。発見時はその大きさも三寸(約9cm)だったが、3ヶ月ほどで妙齢の娘と変わらない体格となったが、作中の文章を見る限り'''絶世の美女''' | + | :竹取の最中に翁が光り輝く竹の中から見出され、翁夫婦に育てられた少女。発見時はその大きさも三寸(約9cm)だったが、3ヶ月ほどで妙齢の娘と変わらない体格となったが、作中の文章を見る限り'''絶世の美女'''として描かれており、その美しさに惚れて度々求婚をかけられたりした。 |
+ | :実は[[月]]からやってきた人間(月人)であり、彼女はその月を見るたびに今まで育ててくれた翁夫婦たちと離れることを恐れてしまったが、最後は迎えにやってきた月人によって執着心を奪う特性を持つ天の羽衣を着せられて、翁らへの愛情を奪われて月へと帰ってしまった。 | ||
:なお、月の住人(=天人)の王いわく、翁の下に現れた理由は「翁が何かしら善行を行った助けに」とのこと。ただし、そこで翁に富をもたらしたことが罪となり、下賤な存在である地上人のもとに居続ける羽目になったと語っている。なお、童話として語られる場合は理由や天人が地上人を下に見る扱いは取り入れないケースが多い。 | :なお、月の住人(=天人)の王いわく、翁の下に現れた理由は「翁が何かしら善行を行った助けに」とのこと。ただし、そこで翁に富をもたらしたことが罪となり、下賤な存在である地上人のもとに居続ける羽目になったと語っている。なお、童話として語られる場合は理由や天人が地上人を下に見る扱いは取り入れないケースが多い。 | ||
:*[[機動戦士ガンダムSEED]]シリーズでは[[マスドライバー]][[施設]]が存在するカグヤ島([[オーブ連合首長国]]領)の名称元になっている。 | :*[[機動戦士ガンダムSEED]]シリーズでは[[マスドライバー]][[施設]]が存在するカグヤ島([[オーブ連合首長国]]領)の名称元になっている。 | ||
134行目: | 133行目: | ||
:ちなみに「~の甲斐がない」という慣用句の語源はこの逸話。 | :ちなみに「~の甲斐がない」という慣用句の語源はこの逸話。 | ||
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では[[楠舞神夜]]の通常技「燕の介」の由来となっている。 | :*[[無限のフロンティアシリーズ]]では[[楠舞神夜]]の通常技「燕の介」の由来となっている。 | ||
− | |||
===不思議の国のアリス=== | ===不思議の国のアリス=== | ||
− | + | 1865年にイギリスで誕生した児童小説。実は、作者であるルイス・キャロルは数学者であり、その知人の少女のために即興で聞かせた物語が元となっている。<br/> | |
ちなみに、[[続編]]として『鏡の国のアリス』が発表されている。 | ちなみに、[[続編]]として『鏡の国のアリス』が発表されている。 | ||
;アリス | ;アリス | ||
147行目: | 145行目: | ||
:しかし、その後でハートの王がひそかに罪人を解放しているため実際に処刑されてはおらず、グリフィンからそのことで陰口を叩かれている有様。 | :しかし、その後でハートの王がひそかに罪人を解放しているため実際に処刑されてはおらず、グリフィンからそのことで陰口を叩かれている有様。 | ||
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「[[カルディア・バシリッサ]]」のモチーフとして取り入れられている。 | :*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「[[カルディア・バシリッサ]]」のモチーフとして取り入れられている。 | ||
− | |||
===ブレーメンの音楽隊=== | ===ブレーメンの音楽隊=== | ||
グリム童話の一編。ちなみにブレーメンと書かれてあるが、その道中にあった家を気に入り、最終的にはそこでずっと暮らしていった。 | グリム童話の一編。ちなみにブレーメンと書かれてあるが、その道中にあった家を気に入り、最終的にはそこでずっと暮らしていった。 | ||
192行目: | 189行目: | ||
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「[[クレオ・グレーテル]]」のモチーフとして取り入れられている。 | :*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「[[クレオ・グレーテル]]」のモチーフとして取り入れられている。 | ||
===オズの魔法使い=== | ===オズの魔法使い=== | ||
− | + | 1900年にアメリカ合衆国の作家ライマン・フランク・ボームが発表した児童文学作品。この作品の[[続編]]が、ボームや他の作家達によって書かれている。 | |
;ドロシー・ゲイル(Dorothy Gale) | ;ドロシー・ゲイル(Dorothy Gale) | ||
:本作の主人公。カンザス州で暮らす少女。ある日竜巻によってオズの国に飛ばされてしまう。 | :本作の主人公。カンザス州で暮らす少女。ある日竜巻によってオズの国に飛ばされてしまう。 | ||
209行目: | 206行目: | ||
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「エスメラルダ城塞」の名称元として取り入れられている。ちなみに、エスメラルダは[[スペイン語]]でエメラルドを意味する。 | :*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「エスメラルダ城塞」の名称元として取り入れられている。ちなみに、エスメラルダは[[スペイン語]]でエメラルドを意味する。 | ||
===人魚姫=== | ===人魚姫=== | ||
− | + | 1836年に発表されたデンマークの作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話。純粋に王子を愛しながらも、最期まで報われなかった人魚の悲しい物語。<br/> | |
失恋を繰り返し、生涯独身として過ごしたアンデルセンの人生を想起させてしまう。 | 失恋を繰り返し、生涯独身として過ごしたアンデルセンの人生を想起させてしまう。 | ||
;人魚姫 | ;人魚姫 | ||
215行目: | 212行目: | ||
:どうしても王子に会いたい人魚姫は海の魔女によって人間になったものの、声を失ってしまったためそれを伝えることはできず、ついには失恋してしまう。 | :どうしても王子に会いたい人魚姫は海の魔女によって人間になったものの、声を失ってしまったためそれを伝えることはできず、ついには失恋してしまう。 | ||
:姉たちが海の魔女から授かった短剣で王子を殺してその血に触れれば人魚に戻れるが、王子を純粋に愛した彼女はそれができず、最終的には[[海]]に身を投げ出して自害した(この際、泡となって天国に昇った)。 | :姉たちが海の魔女から授かった短剣で王子を殺してその血に触れれば人魚に戻れるが、王子を純粋に愛した彼女はそれができず、最終的には[[海]]に身を投げ出して自害した(この際、泡となって天国に昇った)。 | ||
+ | :その一方で、人魚姫と王子が共にハッピーエンドを迎えるように改変された作品(例えば、ディズニー版『リトル・マーメイド』等)も存在する。 | ||
:*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「[[アン・シレーナ]]」の由来となっている(ついでに言うと、シレーナも[[イタリア語]]で「人魚」を意味する言葉である)。 | :*[[無限のフロンティアシリーズ]]では「[[アン・シレーナ]]」の由来となっている(ついでに言うと、シレーナも[[イタリア語]]で「人魚」を意味する言葉である)。 | ||
+ | ===ピノッキオの冒険=== | ||
+ | 1883年に発表されたイタリアの作家カルロ・コッローディの児童文学。…であるが、原作は社会風刺を意図して描かれていて、どぎつい表現も少なからず存在する。 | ||
+ | ;ピノッキオ(Pinocchio) | ||
+ | :主人公。ゼペット爺さんによって創られた木の人形。生命が吹き込まれ、ゼペット爺さんの子どもになる。ピノッキオは悪戯好きで怠慢な性格で、悪い連中に何度も騙されて酷い目に遭うが、最終的には心を入れ替える。そんな彼を見た[[妖精]]によってピノッキオは晴れて人間となる。 | ||
+ | :'''原作初版本におけるピノッキオは不良少年と言うべき面が強く、悪い連中に騙されて死んでしまうという結末を迎えている'''(この結末には読者からの抗議があったので、改めて物語の続きが書かれた)。 | ||
+ | :なお、ウォルト・ディズニーは『ピノッキオの冒険』を映画化する際に、ピノッキオの性格およびストーリー展開の改変を行った。このディズニーによる改変は多くの人々に受容され、今日にも大きな影響を与えている。 | ||
+ | :*[[超重神グラヴィオン]]([[超重神グラヴィオンZwei|Zwei]])では[[天空侍斗牙]]の人物像のモデルとなっている。 | ||
{{DEFAULTSORT:とうわ}} | {{DEFAULTSORT:とうわ}} | ||
[[category:資料]] | [[category:資料]] |
2015年3月23日 (月) 17:27時点における版
童話
児童が読む、または親などの大人が幼年期の子どもに読み聞かせる文学である。「おとぎ話」や「昔話」、「メルヘン」などもこれに含まれる。そのジャンルは世界中から伝わる民話、伝説、神話、寓話、創作された物語と多岐にわたる。
その目的は幼児期の子どもが童話を読むことで言葉や文字を学習したり、美的感覚、善悪の判断等の情操教育や想像力や価値観を育てることである。そして、親(大人)が子どもにコミュニケーションをとる手段の一つとして童話を絵本、紙芝居と言った形で読み聞かせたりする。
童話は大抵子ども向けとして創られているためか、基本的に主人公は子どもが容易に想像でき、好感が持てる人物像となっている。また、その行動に明確な結果が待っていて子どもに対する教訓となっている(所謂『善行を行った者には褒美を与え、悪行を行った者には罰を受ける』という展開や結末がある)。それらが動物など擬人化された存在である場合も多く、西洋の童話では継母は悪人として書かれることがある。
大抵は幸せな結末で終わるのが基本だが、アンデルセン童話では『人魚姫』のように悲劇的な結末を迎える作品も少なからず存在する。また、グリム童話では悪行を犯した者に対しては残酷ともいえるレベルの報いや制裁を受ける事が多い(因果応報と言われたらそれまでだが)。しかし、想定する読者対象が子どもであることも配慮して、そのシーンを削除、もしくは修正・改変をされた作品も少なからず存在する。それは、ある意味でスパロボ補正にも通じると言えるだろう。
童話が取り入れられている作品
- バンプレストオリジナル
- 無限のフロンティアシリーズではあらゆる童話の登場人物、道具などをモチーフにして取り入れられている。
- 完全勝利ダイテイオー
- 『桃太郎』をモチーフとしており、主人公の一人の愛称もそのまんま「モモタロウ」である。
- 交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい
- 『ピーター・パン』をモチーフにして取り入れられている。
- 勇者王ガオガイガー
- 『竹取物語』をストーリーモチーフとしている。
- コードギアスシリーズ
- スピンオフ作品『ナナリーinワンダーランド』は『不思議の国のアリス』をモチーフとしている。
作品
ピーター・パン
イギリスで誕生した戯曲、小説。作者はジェームス・マシュー・バリー。
- ピーター・パン(Peter Pan)
- ネバーランドに住む少年で空を自由に飛ぶ事が出来、けっして大人になることがない。勇気を持っているためか、同じく年を取らない子供たちのリーダー的存在となっている。
- 大抵の服装は緑色の服に緑色の帽子と言ったスタイルであるが、作品によって細部が異なる。
- 無限のフロンティアシリーズでは「ピート・ペイン」のモチーフとして取り入れられている。
- 交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱいでは主人公レントン・サーストンをピーターパンにたとえるシーンが有る。
- ティンカーベル(Tinker Bell)
- ネバーランドに住む妖精。彼女の妖精の粉を浴び、なおかつ信じる心を持てば空を飛べることができる。
- 作中で壊れた鍋やフライパンといった金物を修理しているが、これは名前のTinkerが鋳掛屋を意味していることから。
- 無限のフロンティアシリーズではネバーランドのメインシステム「ティンク・アベル」の名称元として取り入れられている。
- フック船長(Captain Hook)
- ピーター・パンの宿敵である海賊の船長。黒髪と黒ひげをおり、片手が付け替え式のフックのような義手である。
- 無限のフロンティアシリーズでは「ハーケン・ブロウニング」のモチーフとして取り入れられている。フックは鉤という意味で、ドイツ語で鉤はハーケンである。
- ミスター・スミー(Mr. Smee)
- フック船長の相談役である水夫。実は、フック船長より年上だったりする。
- 無限のフロンティアシリーズでは「澄井鞠音」のモチーフとして取り入れられている。鞠音はもちろんこの人。
- タイガー・リリー(Tiger Lily)
- フック船長に誘拐されたインディアン酋長の娘。
- 無限のフロンティアシリーズでは「リィ・リー」のモチーフとして取り入れられている。
- ネバーランド(Neverland)
- 親とはぐれた子どもが妖精と住む国。
- 無限のフロンティアシリーズでは戦艦「ネバーランド」の名称元として取り入れられている。
シンデレラ
グリム版とペロー版がよく知られているが、実は世界中にこの物語と似た作品が数多く存在している。なお、グリム版は相当えげつなく描かれている。
- シンデレラ(Cinderella)
- 主人公。継母とその連れ子である姉たちに苛められる辛い日々を送り、自分だけドレスも無い為に城の舞踏会にも行けないなど不幸の連続だった。魔女によって舞踏会に行ける準備を整ったが、夜12時には魔法が解けるので帰ってくるようにと警告される。
- 城の舞踏会では美しいドレスと容姿から王子に見初められるも夜12時の鐘の音に焦ったシンデレラは急いで帰ってしまう。しかし、王子がシンデレラが帰る際に落とした靴を手がかりに探し、その靴にピッタリ入れることができたために妃として迎え入れられた。
- ちなみに、苦労の末に幸運を手にしたことを意味する「シンデレラ・ストーリー」はこれが由来。
- 無限のフロンティアシリーズでは、「アシェン・ブレイデル」のモチーフとして取り入れられている。シンデレラはドイツ語でアッシェンブレーデル(日本語訳すれば、原題である『灰かぶり』)を意味している。
白雪姫
ドイツのヘッセン州の民話で、後にグリム童話の一つとして収録された。
グリム童話のものは、例によって子どもにはそのまま聞かせられない内容になっている(自業自得とはいえ、王妃が最終的に拷問のような目に遭っている辺り)。
- 白雪姫
- 主人公。一般的に童話では毒リンゴを売りつけられるだけだが、原典では王妃に3回殺されかけており、少なくとも1回死んでいる。というのも、傲慢な王妃の嫉妬により命を狙われたのが理由である。
- また、毒リンゴを吐き出して助かった理由も異なるが(後述)、最終的には自分を助けてくれた王子と結ばれ、妃となったようだ。
- スーパーロボット大戦Dの「ブランシュネージュ」の名称元として取り入れられている。フランス語でブランシュネージュは白雪姫を意味する。
- 無限のフロンティアシリーズでは、「ネージュ・ハウゼン」のモチーフとして取り入れられている。
- 王妃
- 継母であり、死んだ白雪姫の母にかわって妃になった。だが、その性格は傲慢かつ嫉妬深く、彼女の人物像を一言で表すなら「自分が一番美しくなければ気が済まない」であろう。
- 魔法の鏡から自分より美しい白雪姫の存在を知って、彼女の殺害を企てようとしている。
- 余談だが、グリム童話初版本において王妃は白雪姫の実母という設定であった。第2版以降は、現行の設定に変更されている。
- 無限のフロンティアシリーズでは、ネージュ・ハウゼンの特殊技「ジェラス・クイーン」の由来となっている。
- 魔法の鏡
- 自我を持つ鏡。自分の美を基準に基づいて「世界で一番美しい人物」を正直に言う。王妃は白雪姫が美しいという回答を耳にするたびに苛立ち、作品によってはそれを叩き割っている。
- 無限のフロンティアシリーズでは、ネージュ・ハウゼンの通常技「ベレイシャス・ミラー」の由来となっている。
- 王子
- 登場人物の一人。通りかかろうとした途中に白雪姫の美しさに惹かれたのか、死体でもいいから引き取ろうとした事も。
- しかし、連れて帰る道中で柩が揺れた衝撃で口に含んだ毒リンゴを吐き出すことができたので、結果的には命の恩人と言えるだろう。
- …これはグリム童話のものであり、ディズニー版ではそのシーンは「白雪姫にキスをして生き返らせる」というロマンチックなものに改変された。ちなみに、このディズニー版の改変は後世に大きな影響を与えており、子ども向けの白雪姫の童話においても、王子のキスで白雪姫が蘇生する結末が採用されている。
- 無限のフロンティアシリーズでは、ネージュ・ハウゼンの通常技「ロイヤル・キッス」の由来となっている。
- 小人
- 7人いる小人たち。王妃によって城をを追い出された白雪姫に『家事全般をこなす』という条件付きで匿う。
- 無限のフロンティアシリーズでは、ネージュ・ハウゼンの援護技「カインドネス・セブン」の由来となっている。
- 狩人
- 登場人物の一人。…というより白雪姫の殺害計画の一つとして組み込まれている。その内容は狩人に白雪姫を殺させ、その証拠に白雪姫の心臓を持っていくという残虐なものだった。
- しかし、狩人の方はその殺害方法にためらいがあったのか、白雪姫を森においていき、代わりにイノシシの心臓を王妃に持っていくという形だった。
- 無限のフロンティアシリーズでは、ネージュ・ハウゼンの通常技「ハンターズ・マーシィ」の由来となっている。
- 絹糸
- 白雪姫の殺害計画の一つして使われた道具。その内容は王妃自身が物売りに扮して絹の糸で首を絞める。
- 一旦事切れることに成功したが、7人の小人が異変に気づいて息を吹替えされて失敗に終わる。
- 無限のフロンティアシリーズでは、ネージュ・ハウゼンの通常技「シルキィ・レース」の由来となっている。
- 毒のクシ
- 白雪姫の殺害計画の一つして使われた道具。その内容は王妃がクシに毒を仕込み、物売りに扮して白雪姫の頭に突き刺す。
- しかし、これも7人の小人によって助け出されてしまう。
- 無限のフロンティアシリーズでは、ネージュ・ハウゼンの通常技「ベノム・コーム」の由来となっている。
- 毒リンゴ
- 白雪姫の殺害計画の一つして使われた道具であり、子ども向けの童話で最も見かけている。その内容は王妃がリンゴに毒を仕込み、物売りに扮して白雪姫を食わせる。
- こちらは白雪姫を殺害させることはできたが、王子のある行為によって水泡に帰してしまう。
- 無限のフロンティアシリーズでは、ネージュ・ハウゼンの通常技「ベノム・カーマイン」の由来となっている。
- ガラスの棺
- ガラスでできた棺。一度死亡した白雪姫をこの棺に入れたが、そこに王子が通りかかったことが白雪姫の命運を大きく分けることとなった。
- 無限のフロンティアシリーズでは、ネージュ・ハウゼンの通常技「グラス・コフィン」の由来となっている。
- 赤く焼けた靴
- 王妃の報いとして使われた道具。白雪姫と王子の結婚式の際に王妃は赤く焼けた靴を履かされ、死ぬまで踊らされてしまう。
- これはグリム童話での顛末であり、(自業自得とは言え)子どもに聞かせるにはあまりにも残酷だったのか、子ども向けの白雪姫の童話ではそのシーンが削除されている。
- 無限のフロンティアシリーズでは、ネージュ・ハウゼンの通常技「レッドホット・パンプス」の由来となっている。
竹取物語
日本で最も古くから誕生した物語。しかしその物語が成立した年、作者ともに不明。なお、かぐや姫に5人の求婚者が現れるのだが、帰還が遅かったものほど不幸な目に遭っている。
- かぐや姫
- 竹取の最中に翁が光り輝く竹の中から見出され、翁夫婦に育てられた少女。発見時はその大きさも三寸(約9cm)だったが、3ヶ月ほどで妙齢の娘と変わらない体格となったが、作中の文章を見る限り絶世の美女として描かれており、その美しさに惚れて度々求婚をかけられたりした。
- 実は月からやってきた人間(月人)であり、彼女はその月を見るたびに今まで育ててくれた翁夫婦たちと離れることを恐れてしまったが、最後は迎えにやってきた月人によって執着心を奪う特性を持つ天の羽衣を着せられて、翁らへの愛情を奪われて月へと帰ってしまった。
- なお、月の住人(=天人)の王いわく、翁の下に現れた理由は「翁が何かしら善行を行った助けに」とのこと。ただし、そこで翁に富をもたらしたことが罪となり、下賤な存在である地上人のもとに居続ける羽目になったと語っている。なお、童話として語られる場合は理由や天人が地上人を下に見る扱いは取り入れないケースが多い。
- 機動戦士ガンダムSEEDシリーズではマスドライバー施設が存在するカグヤ島(オーブ連合首長国領)の名称元になっている。
- 無限のフロンティアシリーズでは「楠舞神夜」のモチーフとして取り入れられている。
- 仏の御石の鉢
- 仏(ブッダ)が悟りを開いた時に出現したとされる石鉢。見た目は黒い鉢で光沢がある。1人目(求婚は5人同時。以下帰還の順)の求婚者・石作皇子(いしづくりのみこ)に出された難題。
- どうせかぐや姫には分かるまいと適当な鉢を持っていったが、光らなかったため失格。そのやり取りから民衆の笑い物にされてしまうが、懲りずにまたかぐや姫に言い寄ったようである。
- ちなみに「恥を捨てる」という慣用句の語源はこの逸話。
- 無限のフロンティアシリーズでは楠舞神夜の通常技「如来の鉢」の由来となっている。
- 蓬莱の玉の枝
- 不老不死の地・蓬莱山にある、根は銀、茎は金、白い玉がなるとされる木の枝。2人目の求婚者・車持皇子(くらもちのみこ)に出された難題。
- 職人に本物の金と銀で枝を作らせ、持参。かぐや姫も困惑するが、職人が報酬の直談判に来たために偽者であるとばれ、失格。その後、彼は姿をくらましてしまう。
- ちなみに「偶さか=まれ」という言葉の語源はこの逸話。
- 無限のフロンティアシリーズでは楠舞神夜の通常技「蓬莱の枝」の由来となっている。
- 火鼠の皮衣
- 火の中に入れても燃えない衣。3人目の求婚者・右大臣、阿倍御主人(あべのみうし)に出された難題。
- わざわざ中国まで出向いて手に入れた立派な反物を持参するが、火にくべると燃えてしまったため失格。
- ちなみに「敢え無く~」という慣用句の語源はこの逸話。
- 余談であるが、秘宝の中では現実に難燃性の素材が実用化されている為、ある意味火鼠の衣を伝承に最も近い形で再現するのは可能である。
- さらに余談になるが、高橋留美子氏の漫画作品『犬夜叉』である主人公の犬夜叉が着ているのが火鼠の衣である。
- 無限のフロンティアシリーズでは楠舞神夜の通常技「火鼠の衣」の由来となっている。
- 竜の首の玉
- 龍の首元にあると言われる、五色に輝く宝玉。4人目の求婚者・大納言、大伴御行(おおとものみゆき)に出された難題。
- 船を繰り出し龍探しに勤しんだが、嵐に巻き込まれて船員の多くを失い断念。そして彼も重病にかかってしまう。
- ちなみに「堪え難い」という慣用句の語源はこの逸話。
- 無限のフロンティアシリーズでは楠舞神夜の通常技「龍顎門の珠」の由来となっている。
- 燕の子安貝
- 燕が卵を産むときにだけ体内に作られ、産卵の際に出てくると言われる。5人目の求婚者・中納言、石上麿足(いそのかみのまろたり)に出された難題。
- 果敢にも自ら崖を上り、燕の巣からの回収を試みるが、貝だと思って掴んだそれは燕のフンであり、更に崖から落ちて重傷を負う。このことに気を落した彼は、その後まもなく病気で亡くなってしまう。
- ちなみに「~の甲斐がない」という慣用句の語源はこの逸話。
- 無限のフロンティアシリーズでは楠舞神夜の通常技「燕の介」の由来となっている。
不思議の国のアリス
1865年にイギリスで誕生した児童小説。実は、作者であるルイス・キャロルは数学者であり、その知人の少女のために即興で聞かせた物語が元となっている。
ちなみに、続編として『鏡の国のアリス』が発表されている。
- アリス
- 物語の主人公である少女。白ウサギを追いかけている途中で不思議の国に迷い込み、その世界でしゃべる動物や動くトランプなど様々なキャラクターと出会い、冒険していく。
- 終盤にてハートの女王と対面し、そこで生きたトランプたちによって裁判をかけられるが、その内容が馬鹿馬鹿しかったことにに腹を立て抗議するも、トランプに襲われてしまう。
- しかし、目覚めると姉の膝枕の上で眠っていたこと、今までの冒険は彼女が夢を見た内容であったことに気づいた。
- 無限のフロンティアシリーズでは「NAMCO×CAPCOM」の主人公「有栖零児」のモチーフとして取り入れられている他、物語全体が「ミラビリス城」のマップ及び出現エネミーのモチーフとして取り入れられている。
- ハートの女王
- トランプのハートの女王。クロッケー大会を主催する…のだが、槌と球、ゲートがフラミンゴとハリネズミ、生きたトランプというもの。加えて、極度の癇癪持ちで、些細なことで怒っては「首をはねろ!」と言いつけて回る。
- しかし、その後でハートの王がひそかに罪人を解放しているため実際に処刑されてはおらず、グリフィンからそのことで陰口を叩かれている有様。
- 無限のフロンティアシリーズでは「カルディア・バシリッサ」のモチーフとして取り入れられている。
ブレーメンの音楽隊
グリム童話の一編。ちなみにブレーメンと書かれてあるが、その道中にあった家を気に入り、最終的にはそこでずっと暮らしていった。
- ロバ
- 昔は働き者だったが、年老いていくうちに重い荷物を運べなくなった為に、飼い主に餌を食べさせなくなってしまう。
- このままだと死んでしまうと察したのか、隙を突いて逃げ出したロバはブレーメンに行って音楽隊になることを決意した。
- 無限のフロンティアシリーズでは「エイゼル・グラナータ」のモチーフとなった。
- 犬
- 昔は猟犬として狩りをこなす事ができたが、年をとってしまうと速く走れなくなり、狩りにも行けなくなってしまう。
- そして殺そうとした飼い主から逃げ、途方にくれたところをロバに出会って音楽隊になることを決意した。
- 無限のフロンティアシリーズでは「キュオン・フーリオン」のモチーフとなった。
- 猫
- 昔は家の中にいるネズミを追い掛け回していたが、年老いていくうちに歯が弱ってしまう。
- 役に立たないと思った飼い主が井戸を投げ込んで殺そうとし、夢中で逃げ出した。そして、ロバ達と出会って音楽隊になろうとした。
- 無限のフロンティアシリーズでは「カッツェ・コトルノス」のモチーフとなった。
- 鶏
- 昔は朝早く起きてそのひと鳴きで起こす役割をしていたが、年をとるとそれができなくなってしまい、明日にはスープにされてしまうことになった。
- 最後のひと鳴きをしていたところを通りすがりのロバ一行に気に入られて誘われたようだ。
- 無限のフロンティアシリーズでは「ヘンネ・ヴァルキュリア」のモチーフとなった。
千夜一夜物語
中世頃のイスラム世界でアラビア語でまとめられた説話集。『アラビアンナイト』とも。主軸はある事情で極度までに女性不信となった王を説得させるために、王妃となったシェヘラザードがこの話を聞かせている。
最も有名なのは『アラジンと魔法のランプの物語』であるが、実はアラビア語原典の『千夜一夜物語』には収録されておらず、別系統である可能性が高い。
- アラジン(Aladdin)
- 『アラジンと魔法のランプの物語』(第731夜 - 第774夜)に登場する中国で暮らす少年。
- 母と貧乏暮らしをしているが、マグリブ出身の魔法使いにそそのかされ、そこで穴の中にある魔法のランプを手にしてから彼の運命が動き出す。
- 無限のフロンティアシリーズでは「アレディ・ナアシュ」のモチーフとなっている。
- シンドバッド(Sindibaad)
- 『船乗りシンドバッドの物語』(第290夜 - 第315夜)に登場する船乗り。
- インド洋を中心に船に乗って商売をしながら島から島へと渡り歩いたが、後に約27年間にも及ぶ壮大な冒険へと出るのであった。
- 無限のフロンティアシリーズでは「シンディ・バード」のモチーフとなっている。
- 開け、ゴマ
- 『アリババと40人の盗賊』(第851夜 - 第860夜)にて、秘密の洞窟の扉を開けるのに必要な掛け声。
- 無限のフロンティアシリーズではアレディ・ナアシュの台詞「開け、轟魔よ! 我に力を!」のモチーフとなっている。
ヘンゼルとグレーテル
グリム童話の一つ。作中では『お菓子の家』が印象に残るが、こちらも子供に聞かせるには残酷な表現が多く含まれている為、改変されたシーンがある。
この童話の原型となる話は、長く続いた飢饉を凌ぐために家族が子供捨てを余儀なくされたという事実を反映した内容となっている。
- ヘンゼル(Haensel)
- 捨てられた兄妹の兄。行く宛もないグレーテルとともに森に迷い込み、そこでお菓子の家を見つけるが…。
- この名は「男の子」での洗礼名「ヨハネス(Johannes)」を省略した「ハンス(Hans)」に縮小語尾-『el』をつけた地方色のある子供向けの名前。
- 無限のフロンティアシリーズでは菓子店「ファッティ・ヘンゼル」の名称元として取り入れられている。
- グレーテル(Gretel)
- 捨てられた兄弟の妹。行く宛もないヘンゼルとともに森に迷い込み、そこでお菓子の家を見つけるが…。
- この名は「女の子」での洗礼名「マルガレーテ(Margarete)」を省略した「グレーテ(Grete)」に縮小語尾-『(e)l』をつけた地方色のある子供向けの名前。
- 無限のフロンティアシリーズでは「クレオ・グレーテル」のモチーフとして取り入れられている。
オズの魔法使い
1900年にアメリカ合衆国の作家ライマン・フランク・ボームが発表した児童文学作品。この作品の続編が、ボームや他の作家達によって書かれている。
- ドロシー・ゲイル(Dorothy Gale)
- 本作の主人公。カンザス州で暮らす少女。ある日竜巻によってオズの国に飛ばされてしまう。
- 無限のフロンティアシリーズでは「ドロシー・ミストラル」のモチーフとして取り入れられている。
- カカシ
- マンチキンのお百姓に作られたカカシ。道中でドロシーと出会ってからは『脳』がないことを負い目に感じつつある。
- 無限のフロンティアシリーズでは「セリブラムレス」のモチーフとして取り入れられている。
- ブリキの木こり
- 全身がブリキで出来ている木こり。元は人間であるためか意思こそ持っているが、『心臓』を持ってないため、それを求めている。
- 無限のフロンティアシリーズでは「ハートレス」のモチーフとして取り入れられている。
- ライオン
- 百獣の王でかなり立派な体格をしている。しかし性格が臆病であることに悩んだ彼は、『勇気』を欲している。
- 無限のフロンティアシリーズでは「ヴァラレス」のモチーフとして取り入れられている。
- エメラルドの都
- 街中が美しい建物で並び、緑色の大理石とエメラルドで構成されている。
- 無限のフロンティアシリーズでは「エスメラルダ城塞」の名称元として取り入れられている。ちなみに、エスメラルダはスペイン語でエメラルドを意味する。
人魚姫
1836年に発表されたデンマークの作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話。純粋に王子を愛しながらも、最期まで報われなかった人魚の悲しい物語。
失恋を繰り返し、生涯独身として過ごしたアンデルセンの人生を想起させてしまう。
- 人魚姫
- 人魚の王の6人の娘たちの内、末の姫。王子を助けて恋心を抱くが、自分が人魚であったがゆえに人間に会うことすら許されなかった。
- どうしても王子に会いたい人魚姫は海の魔女によって人間になったものの、声を失ってしまったためそれを伝えることはできず、ついには失恋してしまう。
- 姉たちが海の魔女から授かった短剣で王子を殺してその血に触れれば人魚に戻れるが、王子を純粋に愛した彼女はそれができず、最終的には海に身を投げ出して自害した(この際、泡となって天国に昇った)。
- その一方で、人魚姫と王子が共にハッピーエンドを迎えるように改変された作品(例えば、ディズニー版『リトル・マーメイド』等)も存在する。
- 無限のフロンティアシリーズでは「アン・シレーナ」の由来となっている(ついでに言うと、シレーナもイタリア語で「人魚」を意味する言葉である)。
ピノッキオの冒険
1883年に発表されたイタリアの作家カルロ・コッローディの児童文学。…であるが、原作は社会風刺を意図して描かれていて、どぎつい表現も少なからず存在する。
- ピノッキオ(Pinocchio)
- 主人公。ゼペット爺さんによって創られた木の人形。生命が吹き込まれ、ゼペット爺さんの子どもになる。ピノッキオは悪戯好きで怠慢な性格で、悪い連中に何度も騙されて酷い目に遭うが、最終的には心を入れ替える。そんな彼を見た妖精によってピノッキオは晴れて人間となる。
- 原作初版本におけるピノッキオは不良少年と言うべき面が強く、悪い連中に騙されて死んでしまうという結末を迎えている(この結末には読者からの抗議があったので、改めて物語の続きが書かれた)。
- なお、ウォルト・ディズニーは『ピノッキオの冒険』を映画化する際に、ピノッキオの性格およびストーリー展開の改変を行った。このディズニーによる改変は多くの人々に受容され、今日にも大きな影響を与えている。