マーダル

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2015年9月28日 (月) 20:15時点におけるオオクラ (トーク | 投稿記録)による版 (声優)
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マーダル(Mardoul)

20年程前に惑星アーストに忽然として現れた残忍なる征服者。豪胆にして知略に富む正体不明の人物で、ボーダー王国を陥落させた張本人。

第一期アースト文明にて建造された機甲兵を発掘、強大な力を得て惑星アーストの統一を目指す。

主人公であるジョジョにとっての強大な壁であると共に、その成長を見守り続ける人物の一人。

その正体は惑星ランプレートに生まれた異星人。「闘争」こそが生命の本質であり、真の平和は自ら争いを克服することで訪れるという思想を持つ。与えられた平和を享受した結果、生きる目的と感情を失い無気力になった故郷の人々とクレセント大銀河を再生させるために争いを起こしたが、高度文明連合に敗れたことでアーストに追放されたという経緯を持つ。しかし、アーストに渡ってからもその志は潰えておらず、機甲兵を使った争乱と共に工業を起こし、わずか十数年でアースト人に800年分の科学力を叩き込むべく教育して跳空間転移基を復活させ、ランプレートへ舞い戻ることが真の目的だった。

物語終盤、目的を達成してジョジョ達ごとランプレートへ転移。人々を虐殺し、恐怖と憎しみから人々を覚醒させようとする。だが、高度文明連合が発動させたイレーザーによって敗北。ジョジョ達をアーストに帰し、自らはランプレートと運命を共にした。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦BX
初登場作品。原作同様絶対的なカリスマ性と大器を持つ大物悪役ぶりは健在で、戦いの主な舞台をアーストから地球に移し、ドレイクをはじめとする他勢力と組みつつ力を太らせていく。原作の名言を連発しているので、スパロボ歴代でも屈指の悪として強い印象を残す。
今回はイレイザーがZマスターの攻撃で跳ね返されて破壊される(同時にランプレートも滅びない)ため、最終的にZマスターと相打つ形になる。Zマスターという悪すらも喰らい尽くすマーダルという究極悪の最期は必見である。
敵パイロットとしてはボストンルートの第30話、共通ルートの第45話に登場。45話では最終的に味方NPCとして共闘することになる。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

征服王の二つ名は伊達ではなく、回避も含め全ての能力が高水準でまとまっている。高い射撃と命中から繰り出される一斉攻撃を喰らえばただでは済まない。

特殊スキル

BX
プレッシャーL4、底力L9、援護攻撃L3、気力限界突破全体攻撃L3、指揮官L4

人間関係

ハイ・シャルタット
マーダル親衛隊長。マーダルへの忠義一筋の男。
ローダン
マーダルの腹心。マーダル軍最強の軍団「ローダン軍」を率いる将軍。後に思想の違いから反乱を企てる。
プロッツ
マーダルに「無重力の谷」の管理を任された老人。
ビルセン
「鉄の塔」建造をマーダルによって任された老人。
ザバ
マーダル配下の猪突猛進型の将軍。
ジョルディ・ボーダー(ジョジョ)
彼の故郷であるボーダー王国を陥落させる。
フェリア・ボーダー
ジョジョの実母。その美貌に執着し、妻に迎えようとする。
ヒルムカ
高度文明連合のB3級調査官。彼女の干渉行為に気付き、告発を行う。

他作品との人間関係

ドレイク・ルフト
BX』では地球に転移後、彼と同盟を結ぶ。彼もまたマーダル同様に大器を持った「王」であり、互いの力量と器を認め合う存在である。マーダルの思想が彼の野心に火をつけて戦いの純度を磨き上げていく。
騎士ゼノンマンサ
『BX』では協力関係。彼からも敬意を表されている。
グラハム・エーカー
『BX』では、Zマスターへの特攻を選んだマーダルの信念を「死ではなく、人類が生きるための道標」と評した。
ジェフリー・ワイルダーオズマ・リーミハエル・ブランクラン・クランルカ・アンジェローニ
『BX』ではアーストに転移してきた彼らを拘束し、一時的に配下に収めていた。完全な部下として徴用するつもりだったようだが、叶うことはなかった。
シェリル・ノーム
『BX』ではアーストに転移してきた彼女を拘束し、地球への転移の為に利用する。
海動剣真上遼
『BX』では「闘争を求める強き人間」として彼らを高く評価している。ただし、当の彼らはマーダルの思想を「闘争を他者に強いる」ものと突っぱねている。
Zマスター
『BX』では一瞬の隙を突いて、ザ・パワーの力を積んだ指揮戦車で内部に突入、「惑星ランプレートの危機はランプレート人の手で救う事が未来に必要」として特攻し、相打ちとなった。
ブルーヴィクター
『BX』では当初は協力関係にあり、彼の戦士としての有様やデストルークの守護者としての強固な信念を高く評価している。
ジスペル
『BX』においてマーダルは、彼の存在に勘付いていた数少ない人物の一人。

名台詞

「永遠に続く平穏などに何の意味がある…。生と死がせめぎあい、欲望と理想が錯綜し、喜びと悲しみが世界を彩ってこそ、楽土」
「張り裂けんばかりの悲しみ、包みきれんばかりの喜び…」
「生きとし生けるものの楽土は混沌にこそある!」
マーダル「全ての悪を葬り過去を拭い去ったアースト人は、このランプレートの人工天体に、確かに理想の楽園を実現した。しかし、そこで全てが止まった。無気力と沈滞だけが支配し、活力が失われた。人々は……そう、お前の母のように、生きたまま長い眠りについたのだ」
「苦痛も無く美しいまま眠り続けるのと、たとえ混乱と矛盾に苦しみながらも自由に生きるのと、お前はどちらを選ぶ!」
ジョジョ「決まってる!」
マーダル「余もお前と同じ考えだ。クレセント銀河に生命の力を復活させるために、余はアーストに埋もれた暗黒の力を求めた。敢えて悪をなし、憎悪と暴力を楽園に放つのだ」
「恐ろしい混乱となるだろう。クレセント銀河は地獄と変わる。それを克服してこそ、真の楽園が生まれるのだ」
「王子よ、余と共に戦え。余の同志と共にクレセント銀河を破壊し、再生するのだ。確かに余の為にアーストは乱れ、汚された。しかし、それだからこそ、お前のような生命力にあふれた者が生まれたのだ。お前を育て逞しく鍛えたのは、『悪の力』なのだ!」
そもそもの行動理念。圧倒的な力で相手を圧し、それでも足掻く相手が自らにとっての『抑止力』たらんとするならば、その相手はその圧倒的な力――即ち『悪の力』という水を得て成長したと言える。そしてマーダルは成長したジョジョすらも取り込まんとする。
「ハイ・シャルタット、余との事は夢と思ってアーストへ帰れ」
「余は愛するランプレートの民の下へ帰る」
最終回にて、惑星ランプレートが高度文明連合の超兵器・イレイザーにより消滅すると知る。この時マーダルは己の戦いが失敗に終わった事、そして敗北を悟った。しかし、惑星ランプレートを、そしてそこに生きる人々を愛する征服王は一人ランプレートに残る事を選んだ。その際、忠誠心篤い側近・ハイに下した最期の命令。
しかし、ハイは初めてマーダルの命令に逆らい、彼の後についてランプレートに残り、ランプレートと運命を共にしたのだった…。
BX』では、第45話にて、Jらと共にZマスター内部に突入した際にこの台詞が使われている。この後、ハイが命令に逆らい後を追うのか、それとも従いジョジョを支えるのか…それはプレイヤー次第である。

スパロボシリーズの名台詞

「フフ、手元に置いておくだけでは意味がない」
「ワシは真に価値のある物ならば、足元になびかせてみたいのだ」
「たとえそれが、敵となる者であってもな…」
『BX』にて、クォーターの面々を前線に投入することを諌言するハイに対し、マーダルは大胆にもこう発言した。自らの大望のためならば、敵すらも徴用する。自らの首を掻くことになろうとも、その毒すらも飲み込まんとする器量を感じさせる。そして何より、マーダルの危険性を象徴するといってもいい台詞である。典型的な支配者体質といってもいいが、マーダルの場合「自らの危険性を完全に飼い慣らしている」という前提がある。
「止めるな!これはランプレートの民の為に必要な事! 生の放棄ではない!」
「ランプレートの危機をランプレート人の手で救う! それはこれから先の未来で、この星に住む者達の誇りとなる! 歪んだ福音を打ち砕く力となるのだ!!」
BX』第45話「伝説の光芒」より。Zマスター内部に突入したマーダルが何をしようとしているのか察したジョジョを止めて。「闘争」こそが「生命」の本質、それを信念とする征服王は強大な力と「闘う」姿を見せるため、制止を振り切る。
さらっと「歪んだ福音」と口にしている辺り、ジスペルの存在に勘付いていた可能性がある。
「そしてジョルディ王子を支え、全ての未来に光を照らすのだ!」
同上。ハイに「アーストへ帰れ」と命じた後、BXではこう続く。ジョジョの成長を見守り続けてきた彼だが、もうこれからそれを見る事は叶わない。だからこそ、その先の成長を忠誠心篤い側近に託す。だがこの後、ハイがそれに従うか、主に殉じるかはプレイヤー次第。
「フフフ…これがワシの負け方よ! 目に焼き付けよ、ジョルディ王子!」
「滅びよ、Zマスターッ!」
同上。ザ・パワーをZマスターの本体である心臓原種にぶつけようとする際、通信越しにその様子を見ているジョジョに「負け」を認めつつ、こう言い残す。この言葉を最期に、カリスマと大器を併せ持った征服王は光の中に消えた。故郷を滅びの戦火に散らせるまいと超弩級の悪がZマスターを滅ぼしたのだった。

余談

  • 敵役でありながら壮大な野望と理想を抱き、強固な信念、聡明さとカリスマ、非常に大きな大器を併せ持った人物であり、演じた故・加藤精三氏の重厚な演技も相まって、ファンからは「ロボットアニメ史上屈指の名悪役」「真の主人公」と評されるほど非常に評価の高いキャラクターである。