軌道エレベーター
軌道エレベーターとは、惑星などの表面から静止軌道以上まで伸びる軌道を持つエレベーターである。「宇宙エレベーター」とも言う。
概要
基本的に静止衛星軌道上に宇宙ステーションを持つ構造であり、地表からステーションを経由してそれ以上の高度までエレベーター部分を含む構造体が伸びている。
その利点は経済性にあり、一度作り上げてしまえばロケットなどより遥かに効率よく宇宙への輸送が可能となることにある。また、宇宙では高効率の太陽光発電が可能なため、そのエネルギーの利用も期待されている。現時点ではSF作品などに登場する架空の存在ではあるが、実現に向けての研究が進められており、時折ニュースにも登場する。
建造方法は、打ち上げた静止衛星から上下に構造物を伸ばしていくか、地上から徐々に伸ばしていくかだが、後者は重力に対抗しづらいため今のところ前者が有力視されている。ただし、建設場所は何処でも良いという訳ではなく、現実の宇宙ロケット発射場と同様に赤道付近の地盤が安定した平地が理想とされている。
主な登場作品
今の所スパロボに登場したのは『超時空世紀オーガス』、『宇宙の騎士テッカマンブレード』、『機動戦士ガンダム00』準拠の物。
- 超時空世紀オーガス
- チラムの前身となる国家で築かれた地上と宇宙とを結ぶ塔で繋がっている。物語では相克界で阻まれた地上と宇宙間の唯一の交通手段であり、大特異点に近いと言われている。
- オリジナル要素として『スーパーロボット大戦Z』では、跡地に「UN」のターミナルが築かれている。
- 宇宙の騎士テッカマンブレード
- 軌道エレベーターそのものよりも、オービタルリングと呼ばれる宇宙ステーション部分が物語の舞台となることが多い。
- 機動戦士ガンダム00
- 『00』の世界観の主軸として設定されている。提唱者はイオリア・シュヘンベルグ。ユニオン、人類革新連盟、AEUの三大国家群が各1基ずつ所有しており、それぞれをオービタルリング(地上1万km以上)で結んでいる。宇宙開発の基礎となる輸送システムかつ大規模な宇宙太陽光発電システムの要でもあるため極めて重要な施設であり、構造上はかなり脆い建造物であるため、テロリスト等に警戒して相当の軍事力が配備されている[1]。
- 南米アマゾンに建設されたユニオンの「タワー」、ソロモン諸島付近海域の人工島に建設された人類革新連盟の「天柱」[2]、アフリカ・ビクトリア湖付近に建設されたAEUの「ラ・トゥール」[3]が存在しており、各国家連合体の経済と発展の中核を成している。
- 中でもAEUの軌道エレベーター「ラ・トゥール」(2ndシーズンでの「アフリカタワー」)は物語上最も重要な場所であり、1st第1話にてソレスタルビーイングによる初の武力介入や、2nd第17話にて衛星兵器「メメントモリ」の掃射を受けてアフリカタワー外壁部の破片が地上に降り注いだ「ブレイク・ピラー事件」が起こっている。
スパロボ未登場のもの
- トップをねらえ!
- 地上と宇宙ステーションをケーブルで繋いで「ケーブルカー」としている。
- ∀ガンダム
- 南米に敷設してあるマスドライバーと宇宙ステーション「ザックトレーガー」が繋がっている。
- 機動戦士ガンダムSEED
- オーブ連合首長国が「アメノミハシラ」という名前の軌道エレベーターを建設途中だったが、連合・プラント間の戦争により、建設作業を打ち切る。そのため、既に完成していた宇宙ステーション部分は生産基地として使用される。
- なお、続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』においても宇宙ステーション「アメノミハシラ」は重要な要素として設定されているのだが、TV版本編では明言されている場面は少ない。むしろ、主に外伝作品である『ASTRAY』シリーズで舞台となることが多い。
- ヤキン・ドゥーエ戦役終結後に月面プトレマイオス基地を失った地球連合軍がアメノミハシラの宇宙生産力に目を付けて、ストライクダガー30機で襲撃を行ったが、失敗した。
- ガンダム Gのレコンギスタ
- エルライド大陸の国家「キャピタル・テリトリィ」が所有する軌道エレベーター「キャピタル・タワー」が登場する。
- ロックマン
- 『ロックマン10』におけるワイリー基地が軌道エレベーターとなっている。最終ステージに突入するとそれまであおりのアングルで見えなかった基地の上方へカメラが移動し、ロックマンの進軍ルートを示すラインがはてしなく上へ伸びてゆき、最終決戦の地である宇宙ステーションへ到達する。