ARX-7 アーバレスト
ARX-7 アーバレスト(ARX-7)
- 登場作品:フルメタル・パニックシリーズ
- 分類:アーム・スレイブ
- 全高:8.5m
- 重量:9.8t
- 動力:パラジウムリアクター、ロス&ハンブルトンAPR2500a
- 最大作戦行動時間:100時間
- 生産形態:ラムダ・ドライバ実験機
- 設計者:バニ・モラウタ
- 主なパイロット:相良宗介、アル
- メカニックデザイン:高野眞之(オリジナルデザイン)、海老川兼武(アニメ版リファイン)
世界の10年先を行くと言われる超高性能第三世代ASのM9 ガーンズバックの試作型をベースに、ラムダ・ドライバを搭載した機体。
ベースがM9なので、武装等も同じものが使用でき、運動性や電子性能はM9と同等であり、世界屈指の運動性能を誇る。しかし、同じ技術力で作られているのにラムダ・ドライバという”余分”を搭載している為、その重量から稼働に必要なエネルギーも増えており、ラムダ・ドライバ抜きの本機の性能はM9以下である。だが逆に言えば、そうまでして搭載する価値がラムダ・ドライバにはあるという事である。
上記の点を除いて、基本的にはM9と大差ない機体であるが、ラムダ・ドライバ発動時に展開される排熱版が、背中と肩装甲に搭載されている。また、人でいう口の位置にハードポイントがあり、そこにナイフなどの武器を咥える事が可能になっている。
原作長編第一巻、順安の事件に置いて窮地に陥った宗介達を助けるため射出され宗介が乗り込んだ。この際にラムダ・ドライバが宗介にあわせて初期化されたため、以降他の人間ではラムダ・ドライバを駆動させることができなくなった。
長編第二巻以降、テッサより宗介の専用機として預けられたが、ラムダ・ドライバ起動の呼吸がつかめない宗介はかなり苦しむ事となる。
長編第五巻の香港にて、ようやくラムダ・ドライバを安定して発動させることが出来るようになった。
長編第七巻にて、レナードによりアーバレストは破壊されてしまった。しかしラムダ・ドライバ系の中枢と支援AIの「アル」は回収されており、後に修復され「ARX-8 レーバテイン」として復活を遂げる。
…のだが外伝となる『フルメタル・パニック!アナザー』にて回収仕切れなかった残骸は日本政府が回収しているのが判明している。
本機のメカデザインは3度に渡り変更されている(原作初期版→アニメ一作目→アニメ三作目)。
商品展開などではアニメ三作目のデザインで発売される事がほとんどだが、スパロボではJ、Wとアニメ一作目のメカデザインで参戦していた。この度第3次Z 時獄編でアニメ三作目のデザインでの参戦が決定した。
余談ではあるが、アニメ版の主役機だったのにも関わらず、アニメ未登場の「ARX-8 レーバテイン」と比べ商品展開が小規模なため、作者やファンにネタにされる事が多々ある。
登場作品と操縦者
相良宗介専用機で、他のパイロットは乗り換え不可。同じく宗介専用のボン太くんとは、改造段階を共有する。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦J
- リアル系ながらラムダ・ドライバの恩恵+宗介が魂持ちのために凄まじい攻撃力を見せる。問題は射程の短さと、全体的に少なめな武器の弾数、そして宗介がデフォルトで所持している援護防御。
- スーパーロボット大戦W
- イベントでラムダ・ドライバを解放したり封印したりするのでプレイヤーをヤキモキさせる。ラムダ・ドライバ解放前は流石に火力が低いが、合体攻撃で補うことが可能。それ以外では相変わらず射程と弾数が弱点。援護防御は宗介がデフォルトで覚えなくなったので勝手に気力を下げには行かない。
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- PV1にて登場。
装備・機能
一応、基本性能からの分類としては近~中距離向きのリアルロボット。サイズはS。HPや装甲は低い上、宗介は性格が『冷静』なので攻撃を食らうと気力が下がる(J・Wでは、例えバリアでダメージ0にしても下がる)。よって敵の攻撃は回避が前提。Jでは宗介が援護防御を持っているので気を付けないと勝手に気力を下げに行ってしまう。
武装・必殺武器
ラムダ・ドライバの活用が前提となっているため、サイズ差の影響もあって基本攻撃力は抑え目である。しかし一旦ドライバが発動してしまえばどんどん攻撃力が上昇し、スーパー系も真っ青の爆発的な火力を発揮する。
J・Wで各武器の戦闘アニメが違い、更にラムダ・ドライバを発動しているか否かでも異なる。Wでは単分子カッターとボクサーにトドメ演出がある。
- AM11 12.7mmチェーンガン
- 頭部に内蔵。発射速度は1800発/分、装弾数は1500発である。アニメや原作などでは装甲車両や歩兵に使う事が多く、ASには使われる事はほぼない。
- 40mmアサルト・ライフル
- 正式名所「エリコン・コントラヴェスGDC-B 40mmライフル」。M9が装備しているものと同型の携行可能な突撃銃。原作小説では宗介は下記の散弾砲を愛用しているため、ほぼ使われない。Wではマルチコンボ対応武器になった。
- 単分子カッター
- 正式名称「ジオトロン・エレクトロニクスGRAW-2単分子カッター」。こちらもM9が装備しているものと同型。刃がチェーンソー状になっているAS用ナイフ。厚い装甲もダンボールを切るように切り裂ける。J・W共にコンボ(マルチコンボ)対応武器。Wではトドメ演出でラムダ・ドライバのパンチを放つ。
- 57mm散弾砲『ボクサー』
- 正式名称「OTOメララ「ボクサー」57mm散弾砲」。宗介が前線で戦う時に愛用した散弾銃。威力は高いが反動も強い。ラムダ・ドライバ発動時は、演出が強化される。また単分子カッター同様、こちらにもWでトドメ演出が追加。崖の上から3連射する通常演出から、崖の上から飛び降り姿が見えなくなるほどの猛ダッシュ。敵機の目の前に止まると宗介のカットインが入り、ゼロ距離からの射撃。
- J、W、ACERでは散弾を発射しているが、アニメではAPFSDSという徹甲弾を発射している。原作小説ではOO-HESHという粘着榴弾も使用した事があるが、着弾時に炸薬を粘着させ、爆発の衝撃波で装甲内側の剥離や内部にダメージを与える弾であり、J、W、ACERの様な散弾ではない。
現在のSRWでは通常武器として使用不可能な武装
- XM18ワイヤーガン
- M9が装備しているものと同型。両腕部に装備している。壁面に打ち込んで移動を補助するのが主な役目だが、瞬間的には100t以上の負荷に耐えられるため、使い方によってはアーム・スレイブを破壊する事も可能。
- ロイヤル・オードナンスM1108 対戦車ダガー
- M9が装備しているものと同型。文字通り対戦車用に作られたダガー。炸薬が仕込まれており、目標に刺さると爆発し、内部から破壊する。対戦車用と名前が付いているが、アーム・スレイブは戦車より装甲が薄いため、十分すぎる威力を与えられる。
合体攻撃
- ウルズ・ストライク
- クルツ・ウェーバーと、メリッサ・マオのM9 ガーンズバック2機と共にコンビネーション攻撃を行う。3機の全武器中で唯一のEN消費型。攻撃属性は射撃扱い。
特殊能力
- ECS
- 電磁迷彩システム。赤外線や電磁波などによる探知や肉眼目視は不可能。ただし戦闘中には稼動できず、雨やホコリ等でショートを起こしたり、オゾン臭がきついなど弱点も多い。ゲーム中では分身系能力の一種となっている。
- ラムダ・ドライバ
- 虚弦斥力場生成システムと呼ばれる、特殊システム搭乗者本人の意思を具象化するシステム。意思次第では核を防いだり、味方をすり抜け敵のみに攻撃を当てることも可能。だが、エネルギーの消費が激しく長時間利用できない。ゲーム中では最終ダメージアップ効果と、全属性のダメージを一定値まで無効化するバリアを兼ね備え、気力アップで効果が上昇する特性を持つ。詳細はリンク先参照。
- 剣装備
- 斬り払いが発生。
- 銃装備
- 撃ち落としが発生。
移動タイプ
サイズ
- S
機体BGM
- 「戦うM9」
- 劇中BGM。J・W共に採用。
- 「疾走」
- 劇中BGM。Wで採用。後半にデフォルトBGMとして追加。
関連機体
- ARX-8 レーバテイン
- SRW未登場。アーバレストの後継機であり、本機の支援AI「アル」が機体の設計、ミスリルの残党が組み上げを行ったアーム・スレイブである。
初陣で3機のベヘモスを6分足らずで撃破するほどの戦闘能力と、ラムダ・ドライバ無しでも80m近い高度まで跳躍するパワーを持っている。ラムダ・ドライバもテスト無しで稼動させた。
しかし、上記にある圧倒的な能力を発揮するための大出力ジェネレータやラムダ・ドライバを搭載したしわ寄せが稼働時間と電子兵装の面に現れている。(最大作戦行動時間がM9の5分の1と極端に短い、ECSを搭載していないなど)
切り札の「165ミリデモリッションガン」はラムダ・ドライバと併用しなければ発射できないほど反動が大きいがベヘモスを一撃でしとめることができ、着脱式の砲身を装着することで30kmもの長距離射撃も可能にする『“ガン・ハウザー”モード』を取ることもできる。
性能バランスという点ではかなり大きな問題を抱えているが、既存のアーム・スレイブと比べれば間違いなくトップクラスの性能を持つ。
……なお、原作登場前本機の設定に関して(あくまでも冗談として)原作者の賀東招二氏が「マップ兵器が欲しい」「空Aになるようにしましょう」「移動後攻撃の射程は6以上。攻撃力もデフォで5000は欲しい」「強化パーツはスロット4つ」等々と発言している(後半二つを採用してしまうとゲームバランスが崩壊するのが容易に想像できるだろう)。
また、本機の名前案の一つに「エクスカリバー」があったが、「YF-19というエクスカリバーの名に相応しい機体が既に存在するから」という賀東氏の考えで没になった経緯がある。 - AS-1 ブレイズ・レイヴン
- SRW未登場。日本初の純国産「第三世代型AS」として開発されていた。そのメインシステムはアーバレストの残骸から回収されたシステム「TAROS」を独自に解析・模倣した物が搭載されている。
- ケントゥリア
- SRW未登場。上記のブレイズ・レイヴン1号機の「TAROS」の蓄積データをコピーしたAIを搭載した無人AS。