幸せの時

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幸せの時とは、『ガン×ソード』に登場する用語。

概要

カギ爪の男の集団の最終目標。

作中でカギ爪の男惑星エンドレス・イリュージョンにて計画した。自らの思想を彼自身の命と引き換えに、エンドレス・イリュージョンの全人類に遺伝子レベルで植えつけるというもの。事象的にはエンドレス・イリュージョンを破壊して一度全人類を抹殺し、その周辺宙域の時系列を圧縮、再変換させ、オルフェの花を触媒に原子分解されたカギ爪の男の意識を全世界の人間に浸透させる事で、彼以外には一切犠牲を出さない方向で計画されたものだが、最終的にヴァン達によって阻止された。なお、カギ爪の男がヴァンに対して「大切な人(エレナ)を生き返らせてあげる」と言ったのは、これによって周辺宙域が再構築されるために可能な処置である。

通常で考えれば不可能に近いが、人間の心を蝕むオルフェの花、エンドレス・イリュージョンのに設置された惑星破壊兵器「プリズン・プラネット・デストロイヤー」、サウダーデ・オブ・サンデイが持つ月への移動のためにある飛行能力、月を惑星エンドレス・イリュージョンにG-ER流体で繋ぎ止めるバースデイ、といった条件が揃うことによって可能となった…とされているのだが、作中では何万回のシミュレートを全て失敗しており、実際に実行しても成功しない無謀な計画であることが示唆されている。にもかかわらずカギ爪の男は本番なら絶対に成功すると確信しており、彼の思想に共感した者もそれを盲信していた。

ちなみにヴァン達は原理をよく理解出来てはいなかったが、ジョシュア・ラングレンだけは理解していた。計画の全貌を知る者は限られており、組織内部でも世界征服あるいは全人類抹殺のどちらかであると思われていた為、ザピロ・ムッターカの離反などが起きることになる。

登場作品

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦K
後半に実行された。原作と逆でを落とそうとする。オルフェの毒素を抜く為にジンバを使用したり、精神感応においてプラネッタの理論を応用したりと、オーバーマンが活用されている。ヴェリニーからはその計画そのものは阻止しようとしていたが、同時にその技術をプラネット・クライシスに使おうと考えていた。

VXT三部作

スーパーロボット大戦T
世界中にオルフェの花の触媒を届けるためにDG細胞を利用しようとする。
世界中の人間に精神制御を施そうとする異常性はT3のメンバーからも恐怖され、スパイクからは「恐ろしいのはその計画に『幸せ』なんて言葉を使うセンス」とまで評された。

単独作品

スーパーロボット大戦30
今作では目標達成のために神文明エーオスの遺産・技術を利用する。また、C.C.シャルルがかつて行おうとしたラグナレクの接続との類似性を指摘している。

計画に関わる人物たち

カギ爪の男
計画の首謀者。
ヴァン
エレナの死とそこから始まる復讐の否定に繋がるがゆえに彼の計画を否定している。
それというのも、カギ爪の男がヴァンとエレナを襲撃し、エレナを死に追いやったのがそもそものきっかけである。
エルドラメンバー
ネロ達は悪の手先になると思い込んだために、計画を否定する[1]
Kでは「平和は自分たちで掴む」「お前の計画なんぞ必要ない」と真っ向から否定している。
ウェンディ・ギャレット
カギ爪の男の計画を「心の暴力」であるとして否定する。正真正銘のエゴイストであるカギ爪の男の本質を上辺だけでしか理解できていなかった集団に対して、ウェンディだけは前述にあるとおり心の暴力であると本質を理解し、真っ向から対立することになったのであった。

余談

  • この計画は遺伝子を利用しているのでデスティニープランに近い物である可能性もあるが、この場合は個人の思想を遺伝子レベルにまで植えつける類のもの。デスティニープランに照らし合わせてしまうと、言うなれば全人類サイコパス状態になってしまうため、後の世界がどうなるか容易に想像できてしまう。

脚注

  1. もっとも、仲間をうっかり殺し、しかも自省するだけで以後の行動に反映しないような彼の意識が刷り込まれて、本当に平和になるのかは疑問の余地が残る。そういう意味では、ネロ達の思い込みも的外れとは言えない。