ディス・アストラナガン
ディス・アストラナガン | |
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外国語表記 | Dis Astranagant |
登場作品 | |
デザイン | 金子一馬 |
初登場SRW | 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ |
SRWでの分類 | 機体 |
スペック | |
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分類 | 人型機動兵器 |
生産形態 | 改修機 |
全高 | 22.3 m |
重量 | 58.8 t |
動力 | ディス・レヴ |
補助動力 | ティプラー・シリンダー |
エネルギー | 悪霊、怨霊、死霊などの「負の無限力」を輪廻転生させる際の死と生の狭間のエネルギー |
装甲 | ズフィルード・クリスタル |
原型機 | ベルグバウ |
パイロット | クォヴレー・ゴードン |
ディス・アストラナガンは『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』の登場メカであり、主人公の一人であるクォヴレー・ゴードン選択時の後半の主役メカ。
概要
ベルグバウがシヴァー・ゴッツォの開発したディス・レヴと、残されたアストラナガンのデータを参考に作られたパーツによって強化改修された結果、誕生した新たなアストラナガン。
イングラムの意思はこの機体を悪魔王の名を冠した銃神と称している。
「負の無限力」を無尽蔵に吸収し続ける動力炉である「ディス・レヴ」を搭載している。さらに、アストラナガン搭載の特殊機関であるティプラー・シリンダーも搭載していると思われる。
ティプラー・シリンダーとディス・レヴを搭載していることにより、因果律にすら干渉する能力を持つアストラナガンやネオ・グランゾンなどと同等の力を秘めていると思われる。その力は暴走すればクォヴレー自身にも制御不能となりかねず、スーパーロボット大戦シリーズに登場する機動兵器の中でも特に危険な機体の部類に入る。その危険っぷりは味方はもちろん、敵の大ボスクラスの相手にすらも恐れられている(ディス・レヴを開発したシヴァーですら戦慄する有様)辺りからも伺える。また、負の感情を力に出来るという点においてはあのペルフェクティオと同質の存在である。しかし、現在では己の存在を確立し、使命の道を往くクォヴレーの力に抗うことは出来ず、その意思によって完全に制御されている。
悪魔絵師こと金子一馬氏によるデザインからか機械でありながら有機的な生々しさを感じさせるデザインが特徴的で、アストラナガンの意匠を「堕天使」とするなら、この機体の意匠は間違いなく「悪魔」「魔王」と言えるだろう。この機体の武器の演出や、初登場の場面ではデザイナーの金子氏が携わった『女神転生』シリーズを彷彿とさせる魔術的な演出が目立ち、超技術を結集させたアストラナガンのそれとは一線を画したものとなっている。曰く付きの動力源を搭載していることなどから、単純に機動兵器としてカテゴライズできる存在であるかも定かではなく、他作品においては構造的に全く関係ないはずのSRXと融合するという離れ業まで披露している。
登場作品と操縦者
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 初登場作品。ベルグバウの改修機として登場し、本作のリアル系男主人公の後半機。エイスやキャリコの策謀によってクォヴレーの乗機となったディス・アストラナガンであったが、彼らが想像した以上の力を発揮した。ディス・レヴはラスボスであるケイサル・エフェスと同じく悪霊の力を使っており、彼から見ても魅力的だったようで、最終決戦前にはクォヴレーに愛機ごと軍門に下るよう諭した。
- 機体の能力値は桁違いに高く、HP・EN回復、ディフレクトフィールドの全体バリアといった特殊能力の他、武装の攻撃力も高く、総合能力は第3次αに登場する機体の中でも上位に食い込む。用途としては敵集団に飛び込み、反撃で駆逐するというスタイルがベストである。ちなみに移動力はデフォルトで9。しかし、MAP兵器がないため、実は総合的な殲滅力はASアレグリアスにわずかに譲る。反撃無双ならこちら、PPでの進撃戦なら向こうに軍配が上がる。
- 機動兵器かどうかも定かではない機体だけに、撃破時の爆発モーションは宇宙怪獣と同じ内部から破裂するモーションとなっている。
- なお、実は店頭トレーラーの第2弾にこっそり登場していたりする(ダンクーガのデモで表示される小隊員の一番後ろに、アイコンで出ている)。
OGシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦OG
- ストーリー再現が第2次α~第3次αトウマ編序盤なので未登場だが、アダマトロンの攻撃演出にてユーゼスの「虚憶」の中の存在「黒き銃神」としてシルエットが登場。OGシリーズでも極め付けに特殊な存在らしい。
- スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ
- 第1話の冒頭、亜空間と思われる場所でのアストラナガン対ディス・アストラナガンの対決の場面で登場した。「鋼の戦神」における対話を「搭乗機での交戦(ゲーム風に言えばイベント戦闘)」のイメージで再現し、こちらでは融合せず完全に分離したらしい。本編終盤のネビーイームでの最終決戦では、クォヴレーがリュウセイに語りかけ、「鎖」が解き放たれたことによってSRXと融合、「DiSRX(ディス・アールエックス)」へと変化する。ちなみに「Record to ATX」でも第1話冒頭と同じシチュエーションで終盤に登場。
装備・機能
あくまで「ベルグバウの改造機」であるためか、アストラナガンに搭載されていた「フォトン・バルカン」「アトラクター・シャワー」「T-LINKフェザー」は現段階では未確認(Z・Oサイズ使用時の緑色の光は単なる噴射炎)。
全ての武装が宇宙適応Sのため殲滅力が高く、結果的に継戦能力は非常に高い。
武装・必殺武器
- ラアム・ショットガン
- 射撃武装だが、Z・Oサイズの柄としても使用される。小隊攻撃。Z・Oサイズが優秀過ぎるのと小隊長向きの性能のため、あまり出番がない。原型機のアストラナガンには存在しない本機オリジナルの装備。
- Z・Oサイズ(ゾル・オリハルコニウムサイズ)
- 携行式の近接武装。ラアム・ショットガンと組み合わせることで大鎌になる。アストラナガンのZ・Oソードに相当する武器でモーションもαのそれを意識しており、ウイングを展開して切り込み、一撃食らわせて怯ませたところでショットガンを接続、斬撃の後柄になっているラアム・ショットガンで接射する。トドメ演出では斬撃の部分で敵が真っ二つになり、接射が三連射になり敵が消滅、ショットガンとサイズを収納して離脱する。
- 本機の武装では唯一の移動後攻撃可能な武器でバリア貫通能力を持つ。おまけに無消費・射程1~4の有射程武器とかなりの性能を誇る。後述する必殺武器の「アイン・ソフ・オウル」と違い格闘武器であることがネックと言えなくもないが、クォヴレー自身も格闘がそこそこ高いので十分なダメージが見込め、バルマーの機体のディフレクトフィールドを貫くためダメージ効率は高い。
- ガン・スレイヴ
- 背中に6基装備された蝙蝠型の無線誘導兵器。よりガン・ファミリアに近くなったが、元になった機体が登場しないせいか、武装名はスレイヴのまま。ベルグバウ時とは異なり、非実体弾を発射する。トドメ演出ではスレイブが敵に張り付いてビームで貫くが、バグなのかダメージが表示されない(簡易戦闘デモではちゃんと表示される)。
- メス・アッシャー
- 両肩に装備されたエネルギー砲。エメト・アッシャーの強化版でアキシオン・バスターの機構を統合している。アストラナガンのアキシオン・キャノンに対応する兵器のようで、アキシオンの奔流が敵を粉砕する。全体攻撃。「meth」は死を意味するヘブライ語であり、ベルグバウの同等の武装と合わせ、「ゴーレムはemeth(ヘブライ語で真理の意)と書いた羊皮紙を貼り付け完成し、eを取ってmethに書き換えると壊れる」というユダヤ教の伝承に由来する。意訳するならば「物質世界における死」とでも言うべきか。
- 消費ENが40とやや重いので乱発は禁物。といってもEN回復能力と移動によるEN回復バグがあるので、多少無計画に撃ちまくっても何とかなるのだが。
- インフィニティ・シリンダー
- 胸部に搭載された時間逆転機構で、アストラナガンと同じもの。
- アイン・ソフ・オウル
- インフィニティ・シリンダーを用いた攻撃。胸部装甲を開放してエネルギー弾を発射し、対象に命中すると同時に出現する魔法陣によって10個の中性子星を召喚、それらを超高速回転させることで対象の存在を抹消する。発動時のカットインにイングラムの影が浮かび上がり、クォヴレーの髪が蒼く染まる。PS2の処理能力を超えているためか命中後の演出は処理落ちが目立ち、早送りするとちょうど良くなる。トドメ演出は対象を消滅させた後に中性子星が飛び散り、大爆発を起こす。トドメを刺さない場合はインフィニティー・シリンダー同様、中性子星が衝突して機体が消える演出の直後に暗転が解けて終了する。
- 「アイン・ソフ・オウル」とはカバラ魔術の用語であり、「無限光」と訳され「000」で表現される言葉。アイン・ソフ(無限、あるいは無名の存在)から生じる。アイン・ソフ・オウルから10の光球(セフィラ)が生じた。最大射程もオリジナルのインフィニティ・シリンダーと同じく10と長いが、最小射程は3とオリジナルよりもやや弱体化している。
- 機構自体はアストラナガンと同様だが、直結しているのがディス・レヴであるため、これを喰らった相手は文字通り全ての世界から存在を抹消され、比喩ではなく虚空の彼方へと消え去ることになる。その意味ではオリジナルを超えている。勿論、ゲーム中でキャラが消滅したりはしないのでご安心を。
特殊能力
- 剣装備
- Z・Oサイズで切り払いを発動する。回避能力に加え、下記の通り防御性能が桁外れなので、技能欄を一つ潰す意味があるかは微妙だが。
- HP回復(小)
- ベルグバウから引き継いだ能力だが、バリアに加えて圧倒的回避能力があるためほとんど世話にならない。相変わらず回復能力は低い。
- EN回復(小)
- 正式参戦する味方では唯一所持している。これでも能力は低いくらい。
- ディフレクトフィールド
- 小隊全体を保護するバリア。無消費・軽減型の上、小隊員にも等しく効果を発揮する。
移動タイプ
サイズ
- M
- アストラナガンに比べると一回りサイズが小さい。
機体BGM
- 『THE GUN OF DIS』
- ディス・アストラナガンのデフォルトBGM。アストラナガンのBGM「虚空からの使者」のアレンジバージョン。これは聞けばすぐ分かる。
- 「ザ・ガン・オブ・ディス」、意訳するなら「冥界の銃神」か。ディスは否定、反対、そして冥府の神プルートあるいはハーデスを意味する。
対決
- 対ヴァルク・バアル
- 幾度となく激突を繰り返す宿敵キャリコの駆るヴァルク・バアル。その決着はバルマー本星での最終決戦において付けられる事となる。
- 対ディバリウム
- 閉鎖空間でのキャリコとの激突の直後、突如姿を現すディバリウム。エイスの念によってディス・レヴが暴走し、機能不全に陥った所にゲルーシュ・シュナイムが直撃する。
- 対ケイサル・エフェス
- 同質の力を持ちながら、決定的に相いれない両者。イルイの力を取り込もうとする霊帝を抑え込み、クォヴレーとアストラナガンは光の向こうへ消える。
名場面
- 「THE GUN OF DIS」
- 『第3次スーパーロボット大戦α』クォヴレー編第35話「THE GUN OF DIS」において魔術的な演出と共に登場。安定を欠いたディス・レヴから莫大な負の霊力と怨嗟の声を撒き散らしながら搭乗者を求める機体はαナンバーズに襲い掛かるも、クォヴレーが意を決して乗り込むことで覚醒。ディス・アストラナガンへの新生を果たし、出現したゴラー・ゴレム隊の機体群に最強兵器「アイン・ソフ・オウル」を放ち一蹴した。こうしてクォヴレーはイングラムとは似て非なる銃神の力を手にする。
- 「鋼の戦神」
- 因果律の番人として目覚めたクォヴレーが乗り込んだディス・アストラナガンの力は、崩壊する異次元空間の歪みを一時的に安定化させ、鋼の戦神が到来するタイミングを作り上げた。
- 対アストラナガン戦
- 『スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ』にて。何処とも知れぬ空間で、堕天使と魔王が激突する。「一つになることこそが運命だ、それを受け入れろ」と促すイングラムに対し、クォヴレーは「多くのものを失って、数多の世界を彷徨えというのか」と拒絶。かつて分かり合ったはずの二人の「虚空の使者」は、互いの最強武装を放って勝負を決めにかかるが、時空間兵器の激突で空間が崩壊し、クォヴレーとイングラムは愛機諸共虚空へ消える。目覚めたイングラムの目に映っていたのは、機械と静寂に満たされた薄暗い空間だった。
- DiSRX融合
- 『スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ』25話より。セプタギンのズフィルード・クリスタルから突如生じた漆黒の機動兵器は、セプタギン内部に取り込まれていたSRXを引きずり出し宇宙空間に放り投げた。そして、朦朧とした意識の中、リュウセイは謎の少年の姿を幻視する。どこかイングラムに似たその男は、「因果の鎖を断ち切るために力を貸す」と告げ、リュウセイを導く。次の瞬間、半壊したSRXに異変が起きる。失われた手足を補うように展開した光は異形のフォルムを形成し、SRX本体も同様に変質していく。数瞬の後、そこにいたのはSRXを救ったモノに酷似した漆黒を纏う機動兵器であった。限界を遥かに超えた出力によって、その機体から放たれた必殺の一撃は敵機中枢を生体CPUとされたイングラムごと穿ち、ほぼ同時に行われた仲間たちの攻撃によってセプタギンは完全に破壊されたのであった。
関連機体
- アストラナガン
- 原型と呼べる機体。ヴァルク・ベンとの融合により生まれたベルグバウとしての形態を経て、最終的にディス・アストラナガンとして生まれ変わった。
- DiSRX
- SRXと融合した姿。意匠はアストラナガンのものと酷似しているが、攻撃の演出はディス・アストラナガンのものと似ている。
- レイブレード
- 動力において死霊が関わっている共通点を持つ機体。最終的に得た特性は異なるが、「死を生へ変換し、発生するエネルギーで動く」という意味では同じ。ただしレイブレードは生の属性を持つに対し、ディス・アストラナガンは死に近い属性を持つ。
余談
- アストラナガンの名称に冠されている「ディス」という単語の由来はローマ神話・大陸ケルトにおける冥府の神ディス・パテル(Dis Pater)の略式名称ディス(Dis)であると思われる。一般的に知名度があるプルートーという表記のラテン語訳であり、更に遡ればギリシア神話の冥府神ハーデスの別名プルトンが他神話に取り入れられたものである。中世以降の西洋世界では、冥界の神という立ち位置がキリスト教的な地獄の支配者、魔王サタンのイメージと同一視されたので、その辺りも含めて「ディス」=「悪魔王の名前」という対応の由来になっているものと推測される。また、disとは英語で否定・反対という意味を持っている。上記の通り、アストラナガンと対称な意匠を持つこの機体は、まさしく「負のアストラナガン」である。