内海

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内海
読み うつみ
登場作品 機動警察パトレイバー
声優 鈴置洋孝
デザイン ゆうきまさみ(原案)
高田明美(アニメ版)
初登場SRW スーパーロボット大戦Operation Extend
SRWでの分類 NPC
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プロフィール
種族 地球人
性別
所属 シャフト・エンタープライズ
役職 企画7課・課長
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内海は『機動警察パトレイバー』の登場人物。

概要

巨大多国籍企業・シャフトの日本法人「シャフト・エンタープライズ・ジャパン」で、アーケードゲーム機やゲームソフトの製品企画や市場調査を行う部署である企画7課の課長。ただし企画7課本来の仕事は高度専門技術者と工作員で構成されるシャフト内の裏仕事部隊であり、内海も本来は非合法活動を組織的に行うエージェントのリーダーである。

普段は背広を着こみ、ふちの大きな眼鏡をかけ、常にへらへらした笑顔で飄々とした風貌が特徴。頭の回転の早い切れ者だが、万事能天気で「自分の楽しいと思うことしかしない」という快楽主義者で子供っぽい性格。課の開発したレイバーグリフォン」を率いて、ゲーム感覚なのか愉快犯なのかわからない破天荒さで特車二課に戦いを引き起こす。またグリフォンも実は「自分が楽しむための趣味」のおもちゃ扱いだったり、レイバー同士の格闘戦を無邪気に喜ぶなど、目的そっちのけの言動を見せており、「手段のためには目的を選ばない男」とも言われている。

漫画版では物語早々に登場。イングラムに対抗できる高性能機種の開発を目指すSEJ上層部に対し、「(そのためには)イングラムのデータそのものを入手したい」「軍用なのに実戦を経験していないブロッケンのテストにもなる」という大義名分を掲げながら、自社製品とはいえ軍用レイバーのブロッケンを日本に持ち込み、反社会勢力に譲渡して警察に挑戦させるという破天荒ぶりを発揮。アニメ版では黒崎達部下が策動した無人レイバー・ファントムに関わる事件の後に登場し、どちらでもイングラムとの対戦で得たデータをもとに、グリフォンで特車2課に挑戦してくる。

「血を見るのが嫌いだから、人が目の前で死ぬのはイヤ(=相手の殺害が避けられないなら自分の目の範囲外でやってくれ[1])」と言ってしまうワルらしからぬ人物だが、漫画版とアニメ版では人物像が若干異なる。前者では緊迫した事態になると、表情や発声が一転して険しくなり言葉遣いも急に荒くなることがある他、企画7課を邪魔しようとしたシャフト・セキュリティー・システム(通称「SSS」。シャフト・エンタープライズの私兵的警備会社)の関係者を排除するためには、自ら爆弾を仕掛けて爆殺する等も厭わなかった。対して後者は発声にドスを利かせた場面も非常に少なく、その時も言葉遣いは変わらないなど、笑顔を絶やさない余裕のあるキャラクター性が強調されているほか、人が死ぬような行為は極力避けていた節もある。

香港支社に所属していた時は「リチャード・王」と名乗っていたが、詳細は不明。そもそもどちらかが本名なのか、また国籍や民族も劇中では語られない[2]

アニメ版では黒崎と二人仲良く逃亡に成功してまんまとフェードアウトしたが、漫画版では特車二課に敗北後、誘拐した熊耳込みで海外逃亡を企てるが元シャフト・セキュリティー・システムのジェイク鮫島に刺されて絶命[3][4]するという自業自得の最期[5]を迎えた。

登場作品と役柄

単独作品

スーパーロボット大戦Operation Extend
初登場作品。当初は原作同様特車二課やコネクト・フォースと敵対するが、後にシャフト上層部の意向によりバドとグリフォンをコネクト・フォースに出向させ、まさかの味方化。裏方での工作・交渉等でコネクト・フォースを支援する。
エンディングにて後藤に逮捕されそうになるが、日本に到着する前に黒崎と共に逃亡した。

人間関係

バドリナート・ハルチャンド
部下。漫画版でもアニメ版でも、少なくとも表面的には「遊び相手」のような接し方をしている。
黒崎
部下。漫画版作者のゆうきまさみは「忠犬」と評した。
ちなみに黒崎を含め内海の部下で名の出ているメンバーの名字は、全員色を表す文字が入っている。
後藤喜一
敵対関係だが、ウマが合うところも。
熊耳武緒
昔の恋人。現在は特車二課に所属。破局しても未だに両想い。内海の方はアニメ版ではある程度割り切ろうとしていた節を見せたが、漫画版では未練を拗らせて最終的に誘拐した。
徳永
シャフト・エンタープライズ・ジャパン専務で内海の上司。内海との関係は終始最悪であったが、内海は徳永のことを内心尊敬していた。
平光
シャフト・エンタープライズ・ジャパン取締役。査察部長を使って企画7課の資金の不正運用を調べ上げ、解散に追い込んだ。徳永よりは内海とウマが合っていた模様。
地球防衛軍
テロリスト。データ収集のため変装して彼らにブロッケンを提供するなど支援していた。
ジェイク
SSSから内海の監視役に派遣された男。しかし、彼等の横槍でグリフォンのデモンストレーションが失敗したため、内海はSSSのメンバーを爆殺。生き残ったジェイクは最終話で雪辱を果たすが、彼も黒崎に撃たれ死亡した。

名台詞

「や、どーも。」「いや参った参った! 新しい受付嬢と話をしてたらなかなか離してくれませんで、いやー、本当に参った。」
漫画版の初登場シーン。呼び出しそっちのけで受付嬢と話し、幹部を待たせておいてこのセリフ。「悪の無責任男」の本領発揮である。
「そうだねぇ……『黒の騎士』、とでも呼んでもらおうか。ウフフフフ」
非番の日、ゲームセンターで『パトレイバー』なるゲームを見つけて挑戦するも、てこずる野明遊馬。そこに「その役目は私に任せてもらおう」とカッコつけて声をかけてきたメガネの男は、遊馬の「あんた、誰?」との問いにニコニコしながら猫なで声のようなソフトなしゃべりで自己紹介。
漫画版でも全く同じシチュエーションで登場するが、この台詞はテレビアニメ版で追加されたもの。
素晴らしい腕前で全面クリアして見せた後、遊馬に自身がシャフトの社員で、自社開発の『パトレイバー』(ゲーム開発も内海ら7課の仕事なので嘘ではない)の視察に来たと明かす。なお全面クリアまで猛練習したことがバドとの会話で読者には明らかになる。
「ば、バカ!なぜ撃った!?」
自分の事を知る熊耳を撃った部下に対する𠮟責。めったに見せない真剣な表情をしていることを考えると彼女に未練があることが窺える。
傍目から見れば恋愛感情とは言えないだろうが、内海本人は漫画版では誘拐した熊耳に向かって「君を愛しているから(誘拐した)」とか「君を手に入れるためなら何人死んだっていい」と臆面もなく言い放っている。
バドリナート・ハルチャンド!! いい加減にしろ! 引き上げどきを間違えるな! このまま警察の手に落ちる気か!!」※漫画版
「バドリナート・ハルチャンドちゃん。いい加減になさぁい、引き上げどきを間違えるんじゃない! このまま警察の手に落ちる気なの?」※アニメ版
予定外のアクシデントでダメージを受けたグリフォンが捕縛されそうになって。普段は友達のように接しているバドをフルネームで呼び、漫画版では叱責して離脱を命令する一方、アニメ版では母親の様な口調で離脱を命令する。
「高度が取れていない。これでは海に落ちるぞ!」※漫画版
「高度が取れてない。これじゃ海にドボンだ。」※アニメ版
上記の一件の後、何とか離脱に成功したバドだが、ダメージを受けた影響でグリフォンの高度が取れない状態になっているのを見届けて。こちらも漫画版・アニメ版とで台詞が異なっている。
「内海でございまぁす♪」
携帯電話越しに発した第一声。アニメ版『サザエさん』風のイントネーションである。
後藤「あのう…火、貸してもらえませんか?」
内海「ヒ?Fire?」
後藤「ええ、すみません…」
内海「アメナラアリマス…」
後藤「飴…?」
内海「タバコヨリカラダニイイッスヨ?」
後藤「匂いがしたんですけどねぇ…?」
内海「タバコノ?」
後藤「火です…」
内海「ニオイダケデハ、シカタアリマセンネェ…?」
後藤「匂いだけではねぇ…?」
TV版35話にて後藤が成田空港にて香貫花を見送った後、内海に話しかけた時のやり取り。この時の内海は頭にターバンを巻き、付け髭を付けて外国人のように片言で話しており(隣にいたバドもインド人のような民族衣装を着ていた)、内海は上手くやり過ごそうとするが後藤の「匂いがした」という台詞に付け髭が取れてしまう程激しく動揺していた。後藤も目の前にいる男が内海ではないかと疑うも証拠がないことから見逃した。
この場面は当時連載中だった漫画版よりも先んじていたが、漫画版では後藤と内海は電話でのやり取りに終始したため、結果的にこの場面が後藤と内海が面と向かって話す最初で最後の機会となった。
徳永「ついさっき、ここに刑事が来たよ…?」
内海「日本ノ警察優秀デスカラネー?イヤァー侮レナイナァー?危ナイナァ…?」
徳永「ふざけてる場合じゃないっ!!」
内海「ホニャー!」
徳永「いいかね内海!?君は晴海の件以来依然としてマークされておるのだ!!」
内海「だからこうして船の中に隠れているんじゃありませんかぁ…健気でしょ?」
徳永「念のために言っておくが、君のやっていることは犯罪以外の何物でもない!くれぐれも本社に迷惑の及ぶことがないようにな…!!それともう一つ!健気とはどういう意味か、辞書で調べておきたまえ…!!」
内海「おうおう、言う言う…でもね?専務、そういうあなたの一言一言が…内海を益々手の付けられない者にしてるって事も理解しなければいけませんよ…?」
新OVA版第3話(現在発売されているDVD等では第2話)「逆襲のシャフト!」にてシャフトジャパン本社にいる徳永専務とさんぐりあ号にいる内海との電話でのやり取り。冒頭の片言風の日本語等、終始ふざけている口調の内海とは対照的に、徳永は常に怒りっぽく、怒りのあまり電話機を落としてしまう場面も。内海が徳永では制御し切れない存在であると共に、両者が上手くいっていないことを端的に示す場面である。電話が切れた後一瞬見せる内海の本性にも注目。
黒崎「課長、バドは危険だと申し上げたはずですよ…?」
内海「危険に見合うだけの事は十分してくれたじゃないか…」
黒崎「今までの話ですそれは…」
内海「黒崎君?言っておくがその起爆スイッチは使えないよ…」
黒崎「え?」
内海「伊豆内から電話があってね?ぜーんぶ聞いちゃった…」
黒崎「全部…ご存知…」
内海「内緒でそういうことをしちゃいけないなぁ…?」
黒崎「それじゃ一人でドキドキしてた僕は一体なんだったんです?」
内海「詰めが甘いな?黒崎君…大体ね?これを使うのならば、みんなにバドの声を聞かれる前でなければ意味がないんだ…今からじゃ逆効果だよ?」
黒崎「しかし…!」
新OVA版第7話(現在発売されているDVD等では第4話)「GAME OVER」にてグリフォンのパイロットがバドであると野明たちに分かってしまった直後のホテルの一室での内海と黒崎のやり取り。黒崎はグリフォンに仕掛けた爆弾を爆発させる起爆スイッチを用意するが、黒崎の企みは内海に見抜かれていた。黒崎は狼狽するもすぐに冷静さを取り戻し、素直に内海へ起爆スイッチを手渡す。一計を案じた黒崎ではあったが、策士としては内海の方が一枚上手だった。悪党同士とはいえ、清々しいやり取りである。
黒崎「車を入れるなという命令は頑固に守るが、出ていく車はノーマク…日本のお巡りさんは謹厳実直、理路整然…」
内海「ディーラーたちは、大丈夫かなぁ…?」
黒崎「他の客に紛れて、脱出しているはずです…」
内海「さすがにシャフトはもう使えないな…?」
黒崎「パイプを残そうとした私の計画も、無駄に終わりました…」
内海「ま、楽しめたし、それで良しとしようじゃないか…?」
黒崎「しかし、あれを残しておくのはまずいんじゃありませんか…?それは使えないと…!」
内海「ウ・ソ…!」
同上、新OVA版「GAME OVER」にて。クリーニング店の店員に変装して内海と黒崎は脱出に成功した時の車内でのやり取り。先述の起爆スイッチが使えないというのは実は内海のハッタリだった。内海は黒崎に比べて二枚も三枚も上手だったことを如実に示している。漫画版にて内海はジェイクに刺殺されるという最期を遂げるが、アニメ版では脱出に成功。このやり取りがアニメ版における内海と黒崎の最後の出番となった。
「週刊誌の作り方知ってるかい?」
「強きをけなし弱きを笑う。勝者のアラ探しで庶民の嫉妬心をやわらげ、敗者の弱点をついて大衆にささやかな優越感を与える」
「これが日本人の快感原則にいちばん合うんだな」
黒崎「卑しい国民だ
「だから、独裁者も革命家も出現しないんだよ。いい国じゃないか、まったく」
漫画版第14話「嵐の到来その2」より。悪徳週刊誌『パトス』に食いつかれた特車二課の記事を見ての皮肉。
冷やかさに満ちた黒崎の一言に、ドキリとさせられた読者は少なくないであろう。
マスメディアや大衆の愚かな部分を辛辣に皮肉る内海と黒崎の会話シーンは、漫画版において最も有名な場面の一つとなっている。
「ぼくの留守中、何をすればいいかわかってるね?」
黒崎「わかってますよ。なにもしなければいいんでしょ?」
「その通り!楽しいことは全部残しといてくれよ。」
「快楽主義者」の内海、「忠犬」の黒崎を象徴するセリフ。
「やれやれ、不粋なもんだよ。せっかくの巨人の格闘に飛び道具を持ち出すかね」
「バドもバドだ。ロマンってもんがわかってないんじゃないか?」
AVS-98(SRW未参戦)から拳銃を奪って発砲したグリフォンに対して。派手好きな彼には不満だったようで「帰ってきたらお仕置きだ」と怒っていたが、直後に銃を捨てて再び格闘戦に移ると一転して大喜びしていた。
「黒崎くん、自分が不利の状況で頭を下げるのは下策だよ。頭は優位に立ったときこそ下げるもんだ!」
シャフト内の勢力争いでグリフォンを取り上げられそうになるが、巧みな立ち回りで対抗勢力を翻弄して。
この後も「対抗勢力の別荘敷地内にグリフォンを隠す」「相手の目の前でグリフォンを爆破する[6]」など破天荒な行動を繰り返す。
「こいつ…どうしてこんなことを……」
漫画版ラスト、死亡時の台詞。まさか自分が不意討ちを、よりにもよって忠臣と愛する人の目の前で食らう羽目になった[7]ことに対する心境が滲み出ている。一方で、あれだけのことをしておきながら、刺された理由を本当にわかっていない[8]とも取れる。
あちこちに大迷惑をかけながらも人死にを極力避け、熊耳への未練もある程度自制して最終的に逃亡・成功したアニメ版とは違い、人死に込みでやりたい放題で熊耳への未練もタラタラだった漫画版では、このような悲惨な最期は必然だったのかもしれない。

余談

  • 担当声優の鈴置洋孝氏の死去後に発表された『CR機動警察パトレイバー』では、氏の持ち役を多く引き継いだ成田剣氏が代役を担当している。

脚注

  1. 手駒として使ったテロリストの殺害を提案した黒崎をたしなめ、熊耳を銃撃した部下も叱責している。後述するSSSに対し爆殺という手段をとったのも「目の前で死なないから」。
  2. 漫画版では、後藤隊長との電話で美味しい中華の店を紹介すると言ったり、「いわゆる日本人という民族」のメンタルについてよく理解した台詞(名台詞参照)を残している。
  3. 直接的な描写はないが、刺された直後でありながら大量出血していたこと、松井刑事が指紋からの身元判明と話していること、別の場面で熊耳の精神状態について言及があったこと等から推測される。
  4. ちなみに、漫画版作者であるゆうきまさみ氏はこの結末について「少年誌だからこそ、内海は殺しておかなければと考えた」との趣旨で説明している。
  5. シャフト・セキュリティ・システムは内海のせいで散々な目に遭った上に死人まで出ている。
  6. 予備機は用意しており、以後登場するグリフォンは3機目。
  7. しかも相手は散々虚仮にした連中の生き残り、という皮肉極まりないスペシャルオプション付き。
  8. 内海を刺したジェイク鮫島からも「わからないのか?まあいい。あんたはそういう人間だからな」と言われている。あるいは、既に自身の身柄がシャフトのアジア方面のトップ極東マネージャー預りになったことでSSSが自分を追う理由も無く、謂わば「業務外」の私怨でジェイクが自分を刺したことが理解できなかったのかもしれないが、内海自身も鬱憤晴らしの私怨でSSS隊員を爆殺している。