「プレイステーション・ヴィータ」の版間の差分
(2人の利用者による、間の2版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
− | '''プレイステーション・ヴィータ'''は、2011年12月17日にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)<ref>後のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)。</ref> | + | '''プレイステーション・ヴィータ'''は、2011年12月17日にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)<ref>後のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)。</ref>が発売した第7世代携帯型ゲーム機。公式な略称は「'''PS Vita'''」で、本項でもそれに倣う。 |
− | [[プレイステーション・ポータブル]] | + | == 概要 == |
+ | [[プレイステーション・ポータブル]](以下PSP)の次世代機。「Vita」とは[[ラテン語]]で「生命」を意味する([[英語]]の「Life」にあたる)。 | ||
− | + | それまでの携帯型ゲーム機と比較して極めて高解像度(960×544)となり、ファーストモデルであるPCH-1000シリーズはディスプレイには5インチの有機ELを採用。また、Wi-Fi通信の他に3G通信にも対応<ref>3G通信の使用には別途3G回線契約が必要となる。</ref>している(Wi-Fiのみのモデルと3G/Wi-Fiの2モデルの販売)。CPU(ARM社のCortex-A9)とGPU(SGX543MP4+)のいずれもクアッドコアプロセッサが搭載されており高い性能を誇るが、前述したようにプレイステーションプラットフォームとしては初めて自社開発のアーキテクチャを一切採用せず、汎用パーツによりハードが構成された。この設計思想は後の[[プレイステーション4]]にも受け継がれた。 | |
− | |||
− | ソフトウェア提供はフラッシュメモリ方式のPS Vitaカード<ref>プレイステーションシリーズでは初のフラッシュメモリ採用。最大容量は4GBまで。</ref> | + | ソフトウェア提供はフラッシュメモリ方式のPS Vitaカード<ref>プレイステーションシリーズでは初のフラッシュメモリ採用。最大容量は4GBまで。</ref>とダウンロードで行われる。違法ダウンロードやデータチートが横行したPSPの反省から、外部記憶媒体にはメモリースティックの様な汎用ストレージではなく専用のメモリーカード<ref>容量は8、16、32、64GBの4種類。</ref>が採用された。操作系には背面タッチパッドといった独自のインターフェイスが搭載されている。 |
− | [[プレイステーション3]] | + | [[プレイステーション3]](以下PS3)や[[プレイステーション4]](以下PS4)とのマルチタイトルも多くリリースされており、スパロボシリーズも多くのタイトルで該当する。『[[第3次スーパーロボット大戦Z]]』『[[スーパーロボット大戦V]]』『[[スーパーロボット大戦X]]』などが発売されているが、グラフィックは解像度以外、音源も据え置き機と遜色ないレベルで再現されている。 |
− | + | PSPタイトルに関しては、メディアの違いによりダウンロード版のみプレイ対応となり、加えて「PSP>PS Vita互換」マークが付いているタイトルについてのみ互換性が保証されている。スパロボでは『[[第2次スーパーロボット大戦Z]]』や『[[スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD]]』などが該当した。 | |
ソニー・コンピュータエンタテインメントは2013年夏に、PS Vita新規購入者に対し『[[スーパーロボット大戦Operation Extend]]』第1章を無料ダウンロードできるキャンペーンを実施した(現在は終了済)。 | ソニー・コンピュータエンタテインメントは2013年夏に、PS Vita新規購入者に対し『[[スーパーロボット大戦Operation Extend]]』第1章を無料ダウンロードできるキャンペーンを実施した(現在は終了済)。 | ||
22行目: | 22行目: | ||
:初代Vita。2011年12月発売。後述のPCH-2000シリーズ発売後も3G/Wi-FiモデルのみのPCH-1100が引き続き生産されていた(2016年に出荷終了)。 | :初代Vita。2011年12月発売。後述のPCH-2000シリーズ発売後も3G/Wi-FiモデルのみのPCH-1100が引き続き生産されていた(2016年に出荷終了)。 | ||
;PCH-2000シリーズ | ;PCH-2000シリーズ | ||
− | : | + | :セカンドモデル。2013年10月発売。1Gの内部保存用メモリが新たに実装され<ref>専用メモリーカードを本体に装着した場合は外付けメモリーカードの方が優先されるため、同時に使用することはできない</ref>専用端子はマイクロUSBに変更、軽量化とバッテリー容量の増加が図られているが、ディスプレイは液晶にダウングレードされている。通信機能もWi-Fiのみとなった。 |
;PS Vita TV(VTE-1000シリーズ) | ;PS Vita TV(VTE-1000シリーズ) | ||
:2013年11月発売。ディスプレイとゲームパッド機能が廃され、替わって家庭用テレビとデュアルショック3もしくは4<ref>SIXAXISも対応。L2、R2も使用できるため、PS3専用だったゲームアーカイブス(『アーマードコア』など)も遊べる。</ref>を繋げてプレイする据置型Vita。事実上のコストダウンモデルでもあり、実際本体の値段は1万を切っている。 | :2013年11月発売。ディスプレイとゲームパッド機能が廃され、替わって家庭用テレビとデュアルショック3もしくは4<ref>SIXAXISも対応。L2、R2も使用できるため、PS3専用だったゲームアーカイブス(『アーマードコア』など)も遊べる。</ref>を繋げてプレイする据置型Vita。事実上のコストダウンモデルでもあり、実際本体の値段は1万を切っている。 | ||
− | : | + | :テレビ接続が前提のため、HDMIポートと有線LANポートが追加されており、同じルーター上に設置してあればPCとのデータ交換も有線LANを通して可能。USBも通常の端子に変更されている。本機も1GBの内蔵メモリを搭載しているが、メモリーカードを入れると無効化される。 |
:タッチパッドなどを廃した関係上、それらの機能を使用したソフトは非対応扱いとしてプレイできない(インストールは可能だが、ファームウェア側からロックが掛けられているため起動は不可能)<ref>ただし、タッチ機能がメインでない場合はコントローラーからの操作で対応可能で、ソフトも対応している。PS Storeに繋ぐと対応しているかどうか表示される。</ref>。 | :タッチパッドなどを廃した関係上、それらの機能を使用したソフトは非対応扱いとしてプレイできない(インストールは可能だが、ファームウェア側からロックが掛けられているため起動は不可能)<ref>ただし、タッチ機能がメインでない場合はコントローラーからの操作で対応可能で、ソフトも対応している。PS Storeに繋ぐと対応しているかどうか表示される。</ref>。 | ||
:2016年2月末をもって出荷を終了した。 | :2016年2月末をもって出荷を終了した。 | ||
72行目: | 72行目: | ||
: | : | ||
;[[ROBOTICS;NOTES|ROBOTICS;NOTES ELITE]] | ;[[ROBOTICS;NOTES|ROBOTICS;NOTES ELITE]] | ||
+ | : | ||
== 資料リンク == | == 資料リンク == |
2023年8月4日 (金) 22:43時点における最新版
プレイステーション・ヴィータは、2011年12月17日にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)[1]が発売した第7世代携帯型ゲーム機。公式な略称は「PS Vita」で、本項でもそれに倣う。
概要
プレイステーション・ポータブル(以下PSP)の次世代機。「Vita」とはラテン語で「生命」を意味する(英語の「Life」にあたる)。
それまでの携帯型ゲーム機と比較して極めて高解像度(960×544)となり、ファーストモデルであるPCH-1000シリーズはディスプレイには5インチの有機ELを採用。また、Wi-Fi通信の他に3G通信にも対応[2]している(Wi-Fiのみのモデルと3G/Wi-Fiの2モデルの販売)。CPU(ARM社のCortex-A9)とGPU(SGX543MP4+)のいずれもクアッドコアプロセッサが搭載されており高い性能を誇るが、前述したようにプレイステーションプラットフォームとしては初めて自社開発のアーキテクチャを一切採用せず、汎用パーツによりハードが構成された。この設計思想は後のプレイステーション4にも受け継がれた。
ソフトウェア提供はフラッシュメモリ方式のPS Vitaカード[3]とダウンロードで行われる。違法ダウンロードやデータチートが横行したPSPの反省から、外部記憶媒体にはメモリースティックの様な汎用ストレージではなく専用のメモリーカード[4]が採用された。操作系には背面タッチパッドといった独自のインターフェイスが搭載されている。
プレイステーション3(以下PS3)やプレイステーション4(以下PS4)とのマルチタイトルも多くリリースされており、スパロボシリーズも多くのタイトルで該当する。『第3次スーパーロボット大戦Z』『スーパーロボット大戦V』『スーパーロボット大戦X』などが発売されているが、グラフィックは解像度以外、音源も据え置き機と遜色ないレベルで再現されている。
PSPタイトルに関しては、メディアの違いによりダウンロード版のみプレイ対応となり、加えて「PSP>PS Vita互換」マークが付いているタイトルについてのみ互換性が保証されている。スパロボでは『第2次スーパーロボット大戦Z』や『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD』などが該当した。
ソニー・コンピュータエンタテインメントは2013年夏に、PS Vita新規購入者に対し『スーパーロボット大戦Operation Extend』第1章を無料ダウンロードできるキャンペーンを実施した(現在は終了済)。
2013年12月[5]からは「ポケットステーション」再現アプリが配信されたため、アーカイブス版『スーパーロボット大戦α』のポケステ機能が利用可能となった。
2019年3月1日をもってPCH-2000モデルの国内での出荷を終了、SIEからも「後継機となるゲーム機の開発予定は無い」というアナウンスがなされており、PSPから約14年続いたソニー製携帯型ゲーム機の歴史は本機の展開終了をもって幕を下ろすこととなった。
型番
- PCH-1000シリーズ
- 初代Vita。2011年12月発売。後述のPCH-2000シリーズ発売後も3G/Wi-FiモデルのみのPCH-1100が引き続き生産されていた(2016年に出荷終了)。
- PCH-2000シリーズ
- セカンドモデル。2013年10月発売。1Gの内部保存用メモリが新たに実装され[6]専用端子はマイクロUSBに変更、軽量化とバッテリー容量の増加が図られているが、ディスプレイは液晶にダウングレードされている。通信機能もWi-Fiのみとなった。
- PS Vita TV(VTE-1000シリーズ)
- 2013年11月発売。ディスプレイとゲームパッド機能が廃され、替わって家庭用テレビとデュアルショック3もしくは4[7]を繋げてプレイする据置型Vita。事実上のコストダウンモデルでもあり、実際本体の値段は1万を切っている。
- テレビ接続が前提のため、HDMIポートと有線LANポートが追加されており、同じルーター上に設置してあればPCとのデータ交換も有線LANを通して可能。USBも通常の端子に変更されている。本機も1GBの内蔵メモリを搭載しているが、メモリーカードを入れると無効化される。
- タッチパッドなどを廃した関係上、それらの機能を使用したソフトは非対応扱いとしてプレイできない(インストールは可能だが、ファームウェア側からロックが掛けられているため起動は不可能)[8]。
- 2016年2月末をもって出荷を終了した。
商品情報
PS Vita専用ソフト
スーパーロボット大戦シリーズ
- スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
- PS3版と同時発売のマルチプラットフォーム。
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- PS3版と同時発売のマルチプラットフォーム。
- 発表当初、PS Vitaカードの容量上限(最大4G)の関係でPS Vita版はダウンロードでのみの提供としていたが、後にデータ圧縮技術の向上により問題が解決しパッケージ版のリリースも決定された。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- PS3版と同時発売のマルチプラットフォーム。
- スーパーロボット大戦V
- PS4版と同時発売のマルチプラットフォーム。
- スーパーロボット大戦X
- PS4版と同時発売のマルチプラットフォーム。
関連作品
- スーパーヒーロージェネレーション
- PS3版と同時発売のマルチプラットフォーム。
ダウンロード
- スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
- PS3版と同時発売のマルチプラットフォーム。
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- PS3版と同時発売のマルチプラットフォーム。
- スーパーロボット大戦(リメイク版)
- PS3とのマルチプラットフォーム。『第3次Z時獄篇』の初回限定特典で、単品版も発売。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- PS3版と同時発売のマルチプラットフォーム。
- 第3次スーパーロボット大戦Z連獄篇
- 『第3次Z天獄篇』の初回限定特典。
PS Vita互換のPSPソフト
- 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
- スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- スーパーロボット大戦Operation Extend
参戦作品
資料リンク
脚注
- ↑ 後のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)。
- ↑ 3G通信の使用には別途3G回線契約が必要となる。
- ↑ プレイステーションシリーズでは初のフラッシュメモリ採用。最大容量は4GBまで。
- ↑ 容量は8、16、32、64GBの4種類。
- ↑ PlayStation Plus加入者に対しては同年11月から先行サービス。
- ↑ 専用メモリーカードを本体に装着した場合は外付けメモリーカードの方が優先されるため、同時に使用することはできない
- ↑ SIXAXISも対応。L2、R2も使用できるため、PS3専用だったゲームアーカイブス(『アーマードコア』など)も遊べる。
- ↑ ただし、タッチ機能がメインでない場合はコントローラーからの操作で対応可能で、ソフトも対応している。PS Storeに繋ぐと対応しているかどうか表示される。