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『[[翠星のガルガンティア]]』に登場する宇宙生物。物語のはるか以前から、「[[人類銀河同盟]]」との果てしない宇宙戦争を繰り広げている。[[地球]]に住む海中の軟体物や甲殻類のような姿をしており、その様は宇宙で活動する海洋生物そのもの。人類とのコミュニケーションは皆無とされている。 | 『[[翠星のガルガンティア]]』に登場する宇宙生物。物語のはるか以前から、「[[人類銀河同盟]]」との果てしない宇宙戦争を繰り広げている。[[地球]]に住む海中の軟体物や甲殻類のような姿をしており、その様は宇宙で活動する海洋生物そのもの。人類とのコミュニケーションは皆無とされている。 | ||
− | + | この名前は同盟が「忌まわしき下等な生物」という意味でつけた蔑称。巻貝のような「[[宇宙ヒディアーズ]]」、三枚花のような「攻撃体ヒディアーズ」、母艦としての役割を持ち攻撃力の高い「母艦型ヒディアーズ」や、同じ攻撃の通用しない「進化型ヒディアーズ母艦」といった種類がある。 | |
その外殻は擬似的な炭素結合を形成したナノマシンで構成されている。これは堅牢な外骨格として機能すると同時に、そこから電磁波を吸収して高効率にエネルギーを得る生命維持機関でもある。また、マシンキャリバーなど外部のエネルギー体を捕食し、そこからエネルギーを得ることもできる。ワームホールによる移動能力こそ有していないものの、戦闘能力は人類銀河同盟を大幅に凌駕している。 | その外殻は擬似的な炭素結合を形成したナノマシンで構成されている。これは堅牢な外骨格として機能すると同時に、そこから電磁波を吸収して高効率にエネルギーを得る生命維持機関でもある。また、マシンキャリバーなど外部のエネルギー体を捕食し、そこからエネルギーを得ることもできる。ワームホールによる移動能力こそ有していないものの、戦闘能力は人類銀河同盟を大幅に凌駕している。 | ||
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当時の地球には、氷河期の到来を予期し宇宙への脱出を考えた人類による世界間連合体「'''コンチネンタル・ユニオン'''」が存在した。宇宙へ脱出したとしても他の恒星系への移動に時間がかかりすぎるという問題に対し、人間のまま生きるために空間跳躍技術を開発していた。これに対し、人体そのものを改造することで宇宙に適応しようと考えた人間たちの集まりが、[[ライアン・マツモト]]に代表される自発進化推進派、通称「'''イボルバー'''」である。 | 当時の地球には、氷河期の到来を予期し宇宙への脱出を考えた人類による世界間連合体「'''コンチネンタル・ユニオン'''」が存在した。宇宙へ脱出したとしても他の恒星系への移動に時間がかかりすぎるという問題に対し、人間のまま生きるために空間跳躍技術を開発していた。これに対し、人体そのものを改造することで宇宙に適応しようと考えた人間たちの集まりが、[[ライアン・マツモト]]に代表される自発進化推進派、通称「'''イボルバー'''」である。 | ||
− | + | イボルバー達の試みは、ヒトゲノムの改造とナノマシンとの融合によって生み出した、宇宙の環境に適応させた「共生体」となることにより、深海や真空などの過酷な環境に人類を適応させるものである。この結果、この手術を受けた人間は、実験の中で襟巻のような器官や身体を覆う膜のようなものが発達し、白い身体を持ったヒトのようなナニカへと変貌していった。だが、イボルバーの行った遺伝子操作・人体実験は倫理規定違反であり、コンチネンタル・ユニオンと対立。さらに、イボルバーの行動やその結果が明らかにされるや否や、ユニオンは国際決議を待たずして先制攻撃を敢行、結果世界大戦に発展してしまう。 | |
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− | + | 戦争の影響で地球上の生存圏が失われる中、ようやくワープホールドライブが完成したが、ユニオンはイボルバーを地球に置き去りにすべくドライブに自爆装置を仕込んでいた。しかし、これを察知したイボルバーはドライブを奪取し、結果地球から遠く離れた宇宙の彼方においてもまだ戦争が続くことになった。この中で、共生体となったイボルバーたちは、苛酷な環境への適応と、人類銀河同盟となったコンチネンタル・ユニオンと戦う中で強力に進化し続けたが、その結果倫理・人道はおろか文化・情操さえも捨て去り、人間らしさを捨ててでも生存するための生体兵器群と化してしまった。つまり、同盟とヒディアーズとの戦いは、人であることを重視したコンチネンタル・ユニオンと、人を捨ててでも生き延びようとしたイボルバーとの戦いの延長戦である。 | |
− | + | この情報は人類銀河同盟では機密事項とされており、霧の海の海中に沈んでいた旧文明施設からこの情報を入手したチェインバーは、当初レドへの開示を拒否した。指揮官クラスには知らされていた情報だったらしく、第11話ではレドの上官・クーゲル中佐は正体を把握していたことが明かされている。この情報を知ったレドは一時戦意喪失するも、チェインバーは「人類は単独での活動が限られるために文明を保存し、その象徴としてマシンキャリバーが誕生したが、人類の究極進化形であるヒディアーズは文明を放棄しており、生存戦略が人類と根本から異なる」という持論を展開、レドが生存を望む限りヒディアーズとの戦闘は避けられないと諭した。 | |
なお、地球に残った人類は氷河期によって絶滅の危機に陥ったものの、生存した一部勢力によって人工の温暖化が成功。イボルバーの残したナノマシンによって浄化された海は翠に染まり、翠の海には実験段階で完全に人の形を捨てたイボルバー達、初期のヒディアーズが残っていた。人々はこれを聖なる生き物「[[クジライカ]]」と呼ぶようになったが、レドとチェインバーがガルガンティア船団に漂着し、偶然これに遭遇したことでヒディアーズであることが明らかとなった。 | なお、地球に残った人類は氷河期によって絶滅の危機に陥ったものの、生存した一部勢力によって人工の温暖化が成功。イボルバーの残したナノマシンによって浄化された海は翠に染まり、翠の海には実験段階で完全に人の形を捨てたイボルバー達、初期のヒディアーズが残っていた。人々はこれを聖なる生き物「[[クジライカ]]」と呼ぶようになったが、レドとチェインバーがガルガンティア船団に漂着し、偶然これに遭遇したことでヒディアーズであることが明らかとなった。 | ||
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:ほぼ原作同様であり、中盤のマクロス・クォータールート、ならびに各分岐ルートにおける銀河中心点([[カオス・コスモス]])で交戦する。レドは正体を知った時点では皆に打ち明けなかったが、[[D.O.M.E.]]によってその真実が全員に知れ渡る事になった。 | :ほぼ原作同様であり、中盤のマクロス・クォータールート、ならびに各分岐ルートにおける銀河中心点([[カオス・コスモス]])で交戦する。レドは正体を知った時点では皆に打ち明けなかったが、[[D.O.M.E.]]によってその真実が全員に知れ渡る事になった。 | ||
:その後は交戦する機会はないが、[[宇宙怪獣]]との決戦の際には独自に応戦している事が確認されている。 | :その後は交戦する機会はないが、[[宇宙怪獣]]との決戦の際には独自に応戦している事が確認されている。 | ||
:敵対理由については、[[チェインバー]]が「文明を以て弱者であり続けた人類と自ら知性を放棄して強者へと身を変じたヒディアーズは、存在意義レベルで相容れない」と語っている。その様子はコーディネーターとブルーコスモスの敵対の極致と思われる。 | :敵対理由については、[[チェインバー]]が「文明を以て弱者であり続けた人類と自ら知性を放棄して強者へと身を変じたヒディアーズは、存在意義レベルで相容れない」と語っている。その様子はコーディネーターとブルーコスモスの敵対の極致と思われる。 | ||
− | : | + | :ヒディアーズの真実を記録したメディアには「[[アクシズ]]落としによって寒冷化してしまった地球に適応するため、政府主導の[[ムーンレィス|人工]][[D.O.M.E.|冬眠]]や[[イノセント|環境]][[シベリア鉄道公社|適応]]といった計画とは別軸で行われた」との発言が残っていた。 |
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2015年7月12日 (日) 00:03時点における版
ヒディアーズ (Hideous)
『翠星のガルガンティア』に登場する宇宙生物。物語のはるか以前から、「人類銀河同盟」との果てしない宇宙戦争を繰り広げている。地球に住む海中の軟体物や甲殻類のような姿をしており、その様は宇宙で活動する海洋生物そのもの。人類とのコミュニケーションは皆無とされている。
この名前は同盟が「忌まわしき下等な生物」という意味でつけた蔑称。巻貝のような「宇宙ヒディアーズ」、三枚花のような「攻撃体ヒディアーズ」、母艦としての役割を持ち攻撃力の高い「母艦型ヒディアーズ」や、同じ攻撃の通用しない「進化型ヒディアーズ母艦」といった種類がある。
その外殻は擬似的な炭素結合を形成したナノマシンで構成されている。これは堅牢な外骨格として機能すると同時に、そこから電磁波を吸収して高効率にエネルギーを得る生命維持機関でもある。また、マシンキャリバーなど外部のエネルギー体を捕食し、そこからエネルギーを得ることもできる。ワームホールによる移動能力こそ有していないものの、戦闘能力は人類銀河同盟を大幅に凌駕している。
彼らヒディアーズは、ワームホールドライブを抜けた先にあるホットジュピター型惑星の裏側直上に「巣」と呼ばれる惑星を持つ。「巣」の周辺はホットジュピター型惑星の輻射熱により多方面からの侵入が不可能となっている。さらに、唯一侵入可能な惑星の影側には、防衛プラットフォーム「ブロッサム・セイル」を配置することにより難攻不落と化している。
正体
その正体は、第五次氷河期を迎えた旧文明時代の地球において、遺伝子レベルで肉体を変化させ宇宙の環境に適応した姿、つまり人類の成れの果てである。
当時の地球には、氷河期の到来を予期し宇宙への脱出を考えた人類による世界間連合体「コンチネンタル・ユニオン」が存在した。宇宙へ脱出したとしても他の恒星系への移動に時間がかかりすぎるという問題に対し、人間のまま生きるために空間跳躍技術を開発していた。これに対し、人体そのものを改造することで宇宙に適応しようと考えた人間たちの集まりが、ライアン・マツモトに代表される自発進化推進派、通称「イボルバー」である。
イボルバー達の試みは、ヒトゲノムの改造とナノマシンとの融合によって生み出した、宇宙の環境に適応させた「共生体」となることにより、深海や真空などの過酷な環境に人類を適応させるものである。この結果、この手術を受けた人間は、実験の中で襟巻のような器官や身体を覆う膜のようなものが発達し、白い身体を持ったヒトのようなナニカへと変貌していった。だが、イボルバーの行った遺伝子操作・人体実験は倫理規定違反であり、コンチネンタル・ユニオンと対立。さらに、イボルバーの行動やその結果が明らかにされるや否や、ユニオンは国際決議を待たずして先制攻撃を敢行、結果世界大戦に発展してしまう。
戦争の影響で地球上の生存圏が失われる中、ようやくワープホールドライブが完成したが、ユニオンはイボルバーを地球に置き去りにすべくドライブに自爆装置を仕込んでいた。しかし、これを察知したイボルバーはドライブを奪取し、結果地球から遠く離れた宇宙の彼方においてもまだ戦争が続くことになった。この中で、共生体となったイボルバーたちは、苛酷な環境への適応と、人類銀河同盟となったコンチネンタル・ユニオンと戦う中で強力に進化し続けたが、その結果倫理・人道はおろか文化・情操さえも捨て去り、人間らしさを捨ててでも生存するための生体兵器群と化してしまった。つまり、同盟とヒディアーズとの戦いは、人であることを重視したコンチネンタル・ユニオンと、人を捨ててでも生き延びようとしたイボルバーとの戦いの延長戦である。
この情報は人類銀河同盟では機密事項とされており、霧の海の海中に沈んでいた旧文明施設からこの情報を入手したチェインバーは、当初レドへの開示を拒否した。指揮官クラスには知らされていた情報だったらしく、第11話ではレドの上官・クーゲル中佐は正体を把握していたことが明かされている。この情報を知ったレドは一時戦意喪失するも、チェインバーは「人類は単独での活動が限られるために文明を保存し、その象徴としてマシンキャリバーが誕生したが、人類の究極進化形であるヒディアーズは文明を放棄しており、生存戦略が人類と根本から異なる」という持論を展開、レドが生存を望む限りヒディアーズとの戦闘は避けられないと諭した。
なお、地球に残った人類は氷河期によって絶滅の危機に陥ったものの、生存した一部勢力によって人工の温暖化が成功。イボルバーの残したナノマシンによって浄化された海は翠に染まり、翠の海には実験段階で完全に人の形を捨てたイボルバー達、初期のヒディアーズが残っていた。人々はこれを聖なる生き物「クジライカ」と呼ぶようになったが、レドとチェインバーがガルガンティア船団に漂着し、偶然これに遭遇したことでヒディアーズであることが明らかとなった。
登場作品
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- クジライカと宇宙ヒディアーズが登場。
- ほぼ原作同様であり、中盤のマクロス・クォータールート、ならびに各分岐ルートにおける銀河中心点(カオス・コスモス)で交戦する。レドは正体を知った時点では皆に打ち明けなかったが、D.O.M.E.によってその真実が全員に知れ渡る事になった。
- その後は交戦する機会はないが、宇宙怪獣との決戦の際には独自に応戦している事が確認されている。
- 敵対理由については、チェインバーが「文明を以て弱者であり続けた人類と自ら知性を放棄して強者へと身を変じたヒディアーズは、存在意義レベルで相容れない」と語っている。その様子はコーディネーターとブルーコスモスの敵対の極致と思われる。
- ヒディアーズの真実を記録したメディアには「アクシズ落としによって寒冷化してしまった地球に適応するため、政府主導の人工冬眠や環境適応といった計画とは別軸で行われた」との発言が残っていた。