完全勝利ダイテイオー
- 初参戦スパロボ:スーパーロボット大戦NEO(2009年)
概要
2000年代前半、「電撃ホビーマガジン」での雑誌展開とインターネットで展開された『エルドランシリーズ』第4作。モチーフはおとぎ話の桃太郎となっている。英語表記は「PERFECT VICTORY DAITEI-OH」
テレビアニメ化も視野に入れられていたが、声の無いパイロットフィルムのみに終わっているため、声が付くのは『スーパーロボット大戦NEO』が初となる。戦闘アニメやキャラクターの肉付けはサンライズ監修。 現在までの参戦では敵勢力のオニガッシュマーまでは流石に登場しておらず基本的にいるだけ参戦となっているため、他のエルドランシリーズと同時参戦させることでシナリオでの存在感が薄くなることを防いでいる。
なお、ムック『エルドランシリーズ メモリアルブック』においてはダイテイオーの構想をベースとした漫画が掲載されており、物語冒頭から最終決戦までがダイジェスト形式で描かれている。
なおスパロボにおけるゴッドライジンオー・グレートガンバルガー・キングゴウザウラー・パーフェクトダイテイオーによる合体攻撃「エルドラン・スペシャル」は、本作のパイロットフィルムが初出である。
2014年より順次発売されたエルドランシリーズ3部作のBlu-ray BOXの連続購入特典として、前述のパイロットフィルムに『NEO』登場時に決められたキャストによるアフレコとSEなどを再度付け直した『完全勝利ダイテイオー プロモーションディスク 完全勝利バージョン』が制作された。
ストーリー
ザウラーズが機械化帝国を退けて数ヶ月。地方都市「極楽町」にある極楽小学校では、今日も5年3組の生徒たちが地球を救った地球防衛組・ガンバーチーム・ザウラーズに憧れ、日夜エルドランロボットの研究を行っていた。
そんな最中、突如「鬼界帝国オニガッシュマー」が襲来し、地球を侵略し始めた。5年3組の生徒たちは今までの研究成果を試すため、オニガッシュマーに立ち向かおうとするもピンチに陥ってしまう。そこへ地球の守護神であるエルドランが現れる。彼はライジンオーたちを操り、オニガッシュマーに対抗。しかし、力及ばず、3体のロボットは巨大な黄金の剣に封印されてしまう。
自分たちにはなす術がないことに苛立つ5年3組の生徒たち。その心情を理解したエルドランは彼らに新たなる守護神「ダイテイオー」を授ける。これにより彼ら5年3組こと「ダンケッツ」は、夢にまで見たエルドランのロボットに乗り、地球を守る為オニガッシュマーと戦うのであった。
登場人物
極楽小学校5年3組(ダンケッツ)
- 大桃タロウ(モモタロウ)
- 「ガンバーチーム」に憧れていたが、そのガンバーチームのガンバルガーらがオニガッシュマーに封印されたのをきっかけに、エルドランによってダイテイオーのパイロットに選ばれた少年。他のエルドランシリーズの主人公と同じく、「熱血」性格。苦手なことは「歯医者さん」。
- 大地カケル
- 「ザウラーズ」に憧れ、モモタロウと言い合う友達。モモタロウと同じくエルドランに選ばれた少年。
- 大空マイ
- 極楽小学校5年3組の委員長。大人のような常識感を持ち、「地球防衛組」に憧れていた女の子。同じくエルドランに選ばれた。
- 川口アカネ
- 赤崎カズオ
- 佐々木ジュリ
- 早坂ルリ
- 加藤スミレ
- 紺野シンゴ
- 若草トモコ
- 非パイロットながら『NEO』に登場。
- 柴田タケシ
- 萩原ミドリ
- 水沼トオル
- 平賀セイジ
- 非パイロットながら『NEO』に登場。
- 黄金沢ナオト
- 山吹リエ
- 新井シオリ
- 桜田門ミノル
- 月城ヒリュウ
- 防衛組の月城飛鳥の従兄弟である転校生。彼もまたエルドランによってダイリュウオーのパイロットとして選ばれていた。
- 井上サツキ
- 5年3組(ダンケッツ)の担任教師。
鬼界帝国オニガッシュマー
- キンカーク
- オニガッシュマー三大幹部の一人で、正攻法の戦いを好む。声は小原雅人氏。
- ギンカーク
- 三大幹部の紅一点。冷酷で知略を好む。
- ドウカーク
- 三大幹部の一人。愉快犯的な、混乱を巻き起こす作戦を好む。声は烏丸祐一氏。
- オニガッシュマー大王
- 鬼界帝国オニガッシュマーの支配者。その正体は、本拠地である「鬼界城」そのもの。声は三宅健太氏。
登場メカ
ダンケッツ
- ダイテイオー
- テイオー、リクオー、クウオーの三機が合体したロボット。
- ダイリュウオー
- ダイテイオーとは別にヒリュウに託されていたロボット。龍形態『リュウオー』へ変形可能。
- ダイゲンオー
- エルドランが関与せず、ゴクラクルーザーの艦内で子供達が作り上げたロボット。19体の小亀型メカ「コゲンブ」が合体して誕生する。海亀型形態「ダイゲンブ」と武装形態「ゲンブロック」へ組み変わることができるが、『NEO』にはパーフェクトダイテイオー時の武装としてしか登場しない。
- パーフェクトダイテイオー
- ダイテイオーとダイリュウオーが合体した形態。
- ゴクラクルーザー
- 極楽小学校の敷地全体が変化した空母。スパロボ未登場。
鬼界帝国オニガッシュマー
- デビルガッシュAu
- キンカーク専用機。鬼界獣と合体し、デビル鬼界獣になる能力を持つ。
- ギンガッシュAg
- ギンカーク専用機。
- ドウガッシュCu
- ドウカーク専用機。
楽曲
映像がパイロットフィルムしか制作されておらず、主題歌もBGMも存在しない(パイロットフィルムはサンライズの汎用BGMが用いられた)。その後、時期は不明だがBGMが制作されている。
以下の二曲はJASRACのサイトで作曲:田中公平で権利者登録されているため、田中公平作曲で間違いないようである。ただし「必殺!カイザー・ダイダン・エンド!」は「必殺!カイザー・ダイタン・エンド!」となっており、どちらかが誤植のようである。なおこれ以外にも「エルドランの想い」という曲が登録されているが、スパロボに採用されていないため詳細は不明。
- 「完全勝利ダイテイオー見参!」
- ダイテイオー系ユニットの、通常の戦闘BGM。『NEO』『OE』で採用。
- 「必殺!カイザー・ダイダン・エンド!」
- ダイテイオー系ユニットの、必殺技使用時のBGM。『NEO』『OE』で採用。
- 『OE』では止めを刺した際の曲が終了するバージョンが採用されていないため、最後まで演奏しきるバージョンは『NEO』でしか聞くことができない。
登場作と扱われ方
単独作品
- スーパーロボット大戦NEO
- 初参戦作品。映像がプロモーションのパイロットフィルムしか存在せず、原作についても一応完結はしたものの話数等の問題から描写・練りこみが不足しており、サンライズの監修をうけての世界観構築となった。
- ゴクラクルーザーや敵である鬼界帝国オニガッシュマーは登場せず。パイロット以外は若草トモコと平賀セイジの2名のみの登場となった。
- 原作ではエルドランシリーズは「放映年=作中の年代」であり、『ゴウザウラー』の出来事から数ヵ月後の『ダイテイオー』は西暦1994年の設定であるが、本作ではエルドランシリーズに年代のずれはなく、全て同一の年代(FC.61年)へと改変されている。また、ダイテイオーを託される経緯が「3体のエルドランロボが封印されたため」ではなく「エルドランロボたちがアースティアに飛ばされてしまい地球防衛の戦力が低下したため」になっている。
- スーパーロボット大戦OperationExtend
- ダイテイオーとパーフェクトダイテイオーが使用できる。他のエルドランロボ同様、最初から完全勝利合体が使える。第一章からスポット参戦するが、正式加入は6章と非常に遅く、主人公キャラでは最後の加入となる。
用語
- ダンケッツ
- 5年3組の子供達が、自分達につけたチーム名。
- 極楽小学校
- エルドランによって「ゴクラクルーザー」という母艦となった小学校。
- 鬼界帝国オニガッシュマー
- 敵勢力。宇宙から飛来した侵略者。
- 鬼界獣
- オニガッシュマーの戦力。人間の「怖いもの」を元にした外見と能力を持つ。
- オコリンボー
- 鬼界獣の素。人間の恐怖心を読み取り、それにちなんだ鬼界獣を生み出す。
主要スタッフ
- 制作会社
- サンライズ
- シリーズ構成・脚本
- 北嶋博明
- キャラクターデザイン
- 近藤高光
- メカニカルデザイナー
- やまだたかひろ
- 監修協力
- 川瀬敏文