人類銀河同盟

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人類銀河同盟(Galactic Alliance of Humankind)とは、『翠星のガルガンティア』に登場する組織。

概要

宇宙中に散らばった地球人の末裔が共闘し、宇宙生物ヒディアーズを殲滅するために生み出された統一政体。言語は地球のそれとは異なり、本編序盤ではレドチェインバーを中心とした視点の場面では二人の会話が日本語に、エイミーやリジットら地球人から見た視点の場面では彼らの会話が日本語に聞こえ、逆の人物達は未知の言語を使用している演出がなされていた。

テクノロジーは荒廃した地球を遥かに凌駕しており、レドはドリル等の地球人が使用している道具を見て「旧式にも程がある」と語っている。しかし後述の通り、それだけの技術力を持ちながらもヒディアーズとの生存競争(全面戦争)では劣勢状態にあり、本編開始時のヒディアーズとの戦闘も賭けに近い大規模反攻作戦とのこと。なお、同盟に所属していない人類も多く存在し、彼らは「漂流部族」と呼称されている。表向きはヒディアーズとの戦いに恐怖した脱走者とされている。

前身は旧地球文明時代、第五次氷河期により雪と氷に閉ざされようとしていた地球に存在していた多国籍連合組織『コンチネンタル・ユニオン』まで遡る。ヒディアーズを生み出すこととなる自発進化推進派『イボルバー』とは対立関係にあり、彼らの国際法に違反した非人道的な人体実験が明らかになると国連決議を待つことなく多国籍艦隊を派遣し、イボルバーの持続進化研究所を爆撃するなど現在までの対立の原因を作っている。 人体進化による地球氷河期を乗り越えようとするイボルバーとは違い、ワームホールドライブの開発による新惑星開拓を行う方針を固めていたが、完成したワームホールドライブに自爆装置を内蔵し、エキゾチックマター供給停止と同時にドライブを自爆させ、イボルバーを地球圏に封じ込めることを画策するなど当時から徹底してイボルバーと敵対(当時は進化してから日が浅いためか、改造されたイボルバー達は人としての感情や言語を保っている)していた。

結局、物語的には主人公であるレドが完全に(同盟と)袂を分かつ時点で物語が終了しており、かつ、最新の劇場版でも地球の内情(陸地の残存及び独自の文明の存在)が示唆されただけであり、本当の意味での(同盟、ひいてはヒディアーズとの宇宙戦争の結末etc.)結末は提示されないと思われる。

思想・政治体制

ヒディアーズの殲滅に全力を傾けた国家総動員体制。ヒディアーズとの生存競争(全面戦争)では劣勢状態にあり、未だ生存に適した惑星を得られておらず超巨大移民船アヴァロンを本拠地とする。虚淵氏によれば宇宙の一等地はほぼヒディアーズに抑えられているとのこと。人口は4億7000万ほどだが、小説版を見る限り実際はもっと目減りしている可能性がある。

軍隊は国民皆兵の徴兵制で、アヴァロンへの渡航すら特定期間以上の兵役が必須。個人の財産保有は兵役中は認められず、余暇や移動時間等は全て戦闘シミュレーションと睡眠学習に割り当てられ食料や酸素は配給チケット制。その食料も必要栄養素をパッケージングした流動食と戦いに全てが最適化された管理社会と化しており、「人類」と名乗っておきながら人類が数千年以上をかけて積み上げてきた文化を全否定しているという、人類からかけ離れた存在となってしまっている。娯楽類は皆無だが、強いて言えば幼少期を過ごすシミュレータシートのゲーム(≒戦闘シミュレータ)やマシンキャリバーの模型が娯楽(という名の啓発)といえるのかもしれない。一方でその成立の原因故か、彼らは「人型」を至高の物としており、マシンキャリバーなどのロボット兵器をはじめ、戦艦なども良く見ると人型のシルエットとなっている。また、パイロットの存在はマシンキャリバーにとっては枷ともいえ、育成期間や手間などを考えれば無人機のほうが効率がいいはずなのに有人式を採用している辺り、「人によってヒディアーズを滅する」ということに重点を置いていると思われる。

家族の概念が希薄であり、養育は集団で行われる。初等教育の後に幼年学校で2年間の集団生活を行い、その後に各々の適正にあった各部署へと配属されることとなる。身体的弱者や反体制的な思想の持ち主はこの段階でも不必要と判断され淘汰(処分)、資源へと還元されてしまう。婚姻や生殖もコンピュータの判断の元に行われるが、高い業績を上げた場合は(相手の同意の上で)任意の相手を選ぶことが可能となる。正確な時期は不明だが、少なくとも幼年学校の段階では恋愛感情などの教育は行われず、投薬と暗示で性欲も抑制される。

同盟の意志決定にはマザーコンピュータが大きく関与しており、あらゆる意思決定機関に入り込んでいる。政治家に相当する職業は存在しているものの、人類はマザーコンピュータの分析を追認する状況に陥っている。マザーコンピュータは自己改良の末に既に同盟の人間にも把握出来ない程に複雑化しており、「意志」や「心」といっても差し支えないレベルにまで達している。ガルファ皇帝Zマスターなどと異なりまだ暴走といえる段階には至っていないようだが、社会の硬直を防ぐために意図的に犯罪者を生み出し観察、用済みになれば処分と言った非情な行動も行っている。作中でパイロットが死亡したインターフェースAIが閉鎖コミュニティにおいてを自称する事態が起きている辺り、マザーコンピュータの暴走は時間問題とも解釈できる。しかし、マザーコンピュータの用途は政治や教育等、多岐に及んでおり同盟の人間の行動、思想等を含めて実質、人類銀河同盟の全てを管理できている為、そう簡単には暴走しない可能性が高い。

所属人物

レド
クーゲル

保有戦力

ワームホール発生装置
マシンキャリバー
チェインバーストライカーなどが該当。
ヘクサエレナ級特務艦
ヒディアーズの巣の攻略の為に切り札として建造された新型艦。6隻でフォーメーションを組み新兵器ディメンストリーム(次元の渦)を発生させ攻撃する。
空母ラモラック
全長20kmを誇る大型艦。戦域突入支援艇やクローザーパスを多数搭載している。当艦以外にも同型艦が複数存在しておりアニメ第一話では6隻が確認された。レドやクーゲルが戦域突入支援艇で発艦した空母。
空母ガランサス
Blu-rayの特典書き下ろし小説に登場した空母ラモラックと同型艦と思われる空母。レドやクーゲル、技術将校のシエナが配属されていた。
主力戦艦
人類銀河同盟軍の主力戦艦でインパクトショット(加速重粒子砲)を搭載している。アニメ第一話でヒディアーズの巣を攻撃する際に多数のこの艦艇が投入され巣を守る防衛プラットホーム、ブロッサムセイルの要塞特殊砲に対して一斉攻撃を行い一時的に要塞特殊砲を使用不能にした。一斉攻撃とはいえブロッサムセイルの大きさ(40万km)から考えるに要塞特殊砲を一時的に無力化したインパクトショットの一発の火力は非常に強力な威力であると考えられる。大きさは小説版によると数キロメートルあるとされている。
パワーシールド強化艦
戦域突入支援艇
マシンキャリバー120機を乗せ作戦宙域に輸送する支援艇。アニメ第一話で無数の同艦艇が投入された。
クローザーパス
量子次元反応弾と呼ばれる設置型兵器。機雷モードに変更も可能。アニメ第一話で多数のクローザーパスが投入された。

登場作品

Zシリーズ

第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
初登場作品。概ね原作同様の扱い。終盤では宇宙怪獣打倒のために地球人に協力するなど、原作よりは協力的な印象を見せる。
地球に漂流し機能を停止していたチェインバーガンダムDXを(部分的に一致したとはいえ)友軍機と誤認する、レドの回想シーンにバルキリーらしき機体が登場していた、友軍の一つとしてシリウスの名が出るなど様々な作品の勢力との繋がりが暗示されている。

敵対勢力

ヒディアーズ
殲滅対象。

スパロボシリーズにおける敵対勢力

宇宙怪獣バジュラインベーダー
天獄篇ではヒディアーズ同様に殲滅対象となっている。
サイデリアル
天獄篇では共に反目し合っている。