アウグストゥス

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アウグストゥス
外国語表記 Augustus
登場作品 機神咆吼デモンベイン
声優 若本規夫
デザイン Niθ(ゲーム版/アニメ版原案)
橋本秀樹
桜井正明(アニメ)
種族 地球人(ナイアルラトホテップの化身)
性別
所属 ブラックロッジ
役職 幹部
資格 魔術師
契約魔導書 金枝篇
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概要

アンチクロスの一人にしてマスターテリオンの側近的立ち位置にある、魔導書「金枝篇」を所有する魔術師

外見は黒のスーツを着こなす白髪の黒人男性で、右手には葉巻と耳にはハート型のピアスをつけている。

不可解な行動の多いマスターテリオンに対し疑念を募らせていき、C計画の発動に際して他のアンチクロスと共に謀反を起こす。謀反後に九郎と対した際には「地球皇帝」を名乗ったが、その姿は上半身裸で王冠とマントを羽織った姿というシュールなものであった。

名前の由来は古代ローマ帝国初代皇帝「アウグストゥス」から。

正体

正体はナイアルラトホテップの千の貌の一つ(化身の一体)。ただし、本編時点ではアウグストゥス自身に邪神の化身であるという自覚はなく、前述のマスターテリオンへの謀反も最初からナイアの計画に折込み済みの物であり、ただの駒のひとつとしか扱われていなかった。複数に分岐する原作のとある未来では、星の智恵派の指導者「ナイ神父」と名乗る男がアウグストゥスと同じ姿で登場する。こちらもナイアルラトホテップの化身のひとつなのだが「中身が違う」らしい。また、続編『機神飛翔デモンベイン』ではナイアルラトホテップ本体はあしゅら男爵のようにナイアとナイ神父(折笠愛と若本規夫)のダブルボイスになる。

上述の出自は原作ゲーム中では仄めかされる程度で明言されずに終わったが、原作ライターの鋼屋ジン氏が後年になって言及している。[1]

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦UX
初登場作品。役回り上、早期からインターミッションでの登場機会が多く、第43話(ユニオンルート)では「地球皇帝」時のイベントや顔グラ、そしてインパクト抜群なあのカットインもキッチリ再現されている。「BIG“C”」の戦闘イベントで若本氏の強烈なボイスが披露されて面食らったプレイヤーもいると思われる。
「地球皇帝」を名乗ったことには意外なほど多数のキャラが反応を見せており、自称皇帝の裸マント男に大真面目に反応するパイロットたち、と言う実にシュールな光景が展開されることになる。
W』のテッカマンオメガ(最終決戦時)や『L』のムーンWILLと同じくテキスト上でも若本氏のテンションの高く濃ゆい独特の口調が再現されている(序盤はそうでもないのだが、話が進むと顕著になってくる)。

人間関係

マスターテリオン
主君だが、次第に彼に対する疑念と不信を募らせ、遂には謀反を起こし、彼を排除するも……
ウェスパシアヌス
アンチクロスの同志。原作ゲーム版では最後は彼に出し抜かれてしまうが、アニメ版とUXでは逆に彼を抹殺する。
ティベリウスカリグラクラウディウスティトゥス
アンチクロスの同志。
ドクター・ウェスト
部下だがお互いを良く思っておらず、後に彼を排除しようとするも、これが切っ掛けで完全に離反される事に。
ナイア
上述のとおりアウグストゥス自身も、無自覚ながらも彼女と同じナイアルラトホテップの貌の一つである。
ナイ神父
アウグストゥスと同じ姿のナイアルラトホテップの貌の一つ。アウグストゥスとは中身が違うらしい。SRW未登場。

他作品との人間関係

ノーヴル・ディラン
UXでは彼女らのC計画への参画もマスターテリオンへの不信につながっていた。
飛鷹葵館華くらら加門朔哉ジョニー・バーネットエイーダ・ロッサ
UXでは彼らに「ムーンWILLの同類」とバッサリと斬り捨てられ、最期は復活したダンクーガノヴァ・マックスゴッドデモンベインの連携攻撃に引導を渡される事に。
ムーンWILL
UXでは彼の事を知っており「自分はムーンWILLとは違う」と豪語するも、そのムーンWILLを打倒したチームDの面々からは見事に同類認定をされてしまう。チームDが指摘した通り、その性格も一部似ている上、声も同じである。
ロミナ・ラドリオ
UXでは「地球皇帝」を名乗ったことで、その人の上に立つ者にあるまじき思想や振る舞いについて彼女から痛烈に指摘される事に。
海動剣真上遼
UXでは「地球皇帝」を名乗る身として「皇帝の名を冠する機体」を駆る彼らに対抗意識を剥き出しにする。向こうも「俺たちの前で皇帝(カイザー)を名乗るとはいい度胸している」と対抗意識を見せている。

名台詞

「さあ、私の前に跪け! この地球皇帝アウグストゥスに平伏せよ!」
「脆弱な! 人間どもよ!」
鬼械神レガシー・オブ・ゴールドの火力と防御力をモノに言わせてデモンベインを追い詰めて。この時点で彼が完全に悦に至っていることがわかる。

迷台詞

「ご…ごわす?」
「な、何だが分からんが…!」
アニメ版のドラマCDより。突如襲撃してきたウェスパシアヌスの変な口癖にさしもの彼も戸惑ってしまう。ウェスパシアヌスの返り討ちに成功したが…。
「え!? なぁに? 私の出番、もうおしまぁい?」
「ぶるるるるるうううううあああああああああああ!!」
ナイアに「その後復活した暴君ネロに瞬殺された」と語られて。その後ネロに消し飛ばされてしまう…。
「あ~どうもどうも皆さん、こんにちは。 私の名前はアウグストゥス、前の学校では地球皇帝の愛称で親しまれておりました」
「趣味は地球支配、時には裏切りと画策、愛犬レガシー・オブ・ゴールドとの散歩をこよなく愛する、多感なロンリーハンサムボーイ16歳、そこんとこよろしく」
ドラマCD「私立ミスカトニック学園デモベ組」にて、私立ミスカトニック学園に新しく転入して自己紹介した。初っ端から突っ込みどころ満載であり、九郎からも「ていうかアンタ、オッサンじゃん!」と突っ込まれてしまう。
「やーい怒られてやーんの! ボケカススッポンダボの屁こき虫のバーカ!」
で、自分よりど老けた顔と言ったアウグストゥスを根にもってあからさまないじめ宣言をしたウェスパシアヌスをライカに説教されて。この後、小学生レベルの喧嘩に発展し、アルからも「ある意味不気味だな…」と言われる始末。
「今、幸せかい……?」
続編『機神飛翔デモンベイン』の特殊EDで、『虚空に浮かぶ亡き友』として登場した時の台詞。青空を背景にこの台詞と共に半透明の地球皇帝が浮かぶというシリーズ屈指の迷シーンで、多くのプレイヤーを爆笑させた。とにかくスタッフの悪ノリが詰まったような迷EDである。

スパロボシリーズの名台詞

「大導師は、C計画を進めず放置し、ゲームばかりを進めている……!」
中断メッセージより、マスターテリオンがC計画そっちのけでゲームをやりこんでいる事をアンチクロスの面々に告げて。
……どこか憤慨しているかのような語りもさることながら、それを聞いた面々はどう思っていたのかも気になるところである。
なお、その中にウェスパシアヌスネロは登場していない。前者はボイス無し、後者は存在自体がネタバレと仕方ない事情もあるが。
「ふは…ふははははは! ついに、ついに私は神の力を手に入れた! 何者も抗えぬ、運命すらも制する窮極の力を! 手に入れたのはぁぁ…このぉぅ私だ! 世界の覇者ぁ、アウグストゥスだぁぁっ!」
第3部第43話ユニオンルート「THE RETURN OF THE SORCERER」より。ウェスパシアヌスを始末して。明らかにテキストのテンションがおかしくなっている(マントを羽織る音まである)。
「私は貴様らが倒したムーンWILLとは違うぞぉ? 私はこの世に在る全ての支配者。地球ぅ皇帝ぃアウグストゥスなり!」
同上。葵との戦闘前会話より。しかし実際にムーンWILLに会った彼らからは「思い込みだけで比較する、恥ずかしい人」「当人にそっくり」「神気取りで、すべてを手にした気になっている狭量さが特に似ている」などと、散々に言われてしまっている。
「うわぁーっははは! 愚かしさも極まったなあ! 人間ごとき家畜がぁ、神を超えるなどとは笑止千万ンン!」
同上。レガシー・オブ・ゴールドと自身の力に悦に入るアウグストゥスであったが…。
「き、貴様らぁあ! 人間の分際で、よぉくも私をぉう!」
上記の台詞の後、チームDの面々から散々にけなされて激昂してしまう。
「ごふぅっ! バ、バカな…なぜこの神がぁ…! 地球皇帝のこの私がぁぁ! ぐうぅるぁぁぁぁぁぁーっ…!」
同上。『UX』での断末魔。地球皇帝をブラックロッジの魔術師は人を超え、獣を超え、神をも超えるマシン魔を断つ剣の連携の前に討ち滅ぼされた。……しかし、断末魔に若本氏お得意のフレーズを持ってくるあたり、スタッフもある意味確信犯であろう。

搭乗機体

レガシー・オブ・ゴールド

余談

  • ネタ元はロバート・ブロック著『アーカム計画』の登場人物。邪神崇拝集団「星の智慧派」の中心人物であり、その正体はナイアルラトホテップだった。ちなみに原作であるクトゥルフ神話においてナイアルラトホテップが人間に擬態する場合、「掌まで黒い黒人」の姿を取ることが多いのだが、『デモンベイン』原作におけるアウグストゥスの立ち絵を見ると、しっかり掌まで浅黒くなっているのが解る。なお、レガシー・オブ・ゴールドのデザインのモチーフは「無貌のファラオ」で、これもナイアルラトホテップが好んで取る姿の一つである。
  • 「アウグストゥス」という名前自体はバンプレストオリジナルでもガンエデン絡みで登場する(こちらはアウグストス名義)。『第2次スーパーロボット大戦OG』ではシュウが上記の通りローマ皇帝の名前であると解説したうえで、同一人物でないことをイルイが明言している(つまり同じ名前の別の存在ということ)。
  • 本作に登場する魔導書の多くは架空のものだが、アウグストゥスの魔導書『金枝篇』は実在する哲学書である。国書刊行会から完訳版が出版されている他、岩波文庫などから出版されている抄訳版があり、こちらは書店で普通に購入できる。