機界最強7原種
機界最強7原種(The Big Seven Primeval Species)
『勇者王ガオガイガー』に登場する機界31原種の中でも特に強力な能力を持った腕・爪・耳・目(瞳)・腸・肋骨・肝臓の7体の総称。もしくは同作品の第39話のサブタイトル。
人語を発した初めての原種であり、パリアッチョやZX-01~06の無機的な不気味さとは異なる、明確な意思表示をする敵として描かれている。特に腕原種は原種の中では出番が多いこともあり、ゾンダー編におけるゾンダリアンのような役回りを担っている。また、彼らの会話により原種がお互いをモチーフとなった器官の名で呼び合っていることが判明する。
第32話でのマイク部隊との戦いで恒星間航行形態の大部分を失い、原種核の状態で世界各地に散っていたが、後にそれぞれが素体として人間と艦船を取り込んだ状態で合流。機界昇華の促進のためにGGGに対して共同作戦を展開する。まず取り込んだ艦船を基にした形態で艦隊を組み、オービットベースを包囲。GGGの注意が各艦に向いている間に目原種が侵入経路を探し、発見したミクロン単位の大きさの穴に肋骨原種の原始分解能力で分解した原種の人間態を送り込み、オービットベース内部で肝臓原種の即効再生復元能力を用いて復元、という手順で腸を除く6体が侵入する(この面倒な手法は過去ベイタワー基地を二度襲撃した際の反省から)。
オービットベースに侵入した6体は腕・目がゾンダークリスタルの奪回、爪・耳がオービットベースの制圧、肋骨・肝臓が勇者ロボの破壊を目的に別行動を取り、唯一オービットベースに侵入しなかった腸原種は艦船と融合した際に巻き込んだ華たち一般人を餌にラティオあるいはアルマをおびき寄せて抹殺しようと企てる。腕・目にはサイボーグ・ガイと原種討伐のために現れたJ、爪・耳には護とギャレオン、肋骨・肝臓には火麻参謀と勇者ロボ軍団、腸原種には戒道少年が立ち向かう。各原種の能力を活かした戦法でGGGとジェイアーク一行を苦しめた7原種であったが、爪・耳は護の発したパワーと爪原種が対消滅を起こしかけたことにより撤退、肋骨と肝臓はゴルディーマーグがとっさの思いつきで隔壁に穴を開けた為宇宙空間に投げ出され、腸原種は戒道少年が展開したJジュエルの絶対防御壁の突破に手間取っている間に華達を護に救出されてしまう。これにより腕と目も体勢を立て直すために仕方なく引き揚げることになった。
その後、オービットベースの動力部を利用しゾンダーメタルプラントを作り出そうとするが、マイクのディスクX原種varによりこれも失敗。艦船と融合している本体と合流してGGG機動部隊およびジェイアークと直接戦闘になった際も各々の能力を用いた戦法で挑むが、他の6体を即効再生復元能力でサポートするはずだった肝臓原種をジェイダーに倒されてしまう。最後の手段として残り6体による合体を行い、一度はGGGとキングジェイダーを圧倒するが、腸原種が戒道少年を拘束したままにしておいたことが災いし体内から攻撃された結果、スターガオガイガーがガトリングドライバーで収束したディスクX13枚分のソリタリーウェーブを防ぎきれなくなり、駄目押しとばかりにキングジェイダーの零距離射撃を受けて撃破され、爪・耳・目・肋骨を浄解されることとなった。辛くも逃れた残り2体は遠く離れたエジプトとペルーの2ヶ所で同時にゾンダーメタルプラントの作成を行う両面作戦を試みるが、無限エネルギー「ザ・パワー」の恩恵という予想外の要素によりこの作戦も失敗し、腸原種を浄解される。
最後に残った腕原種がどうなったのかについては「ZX-07」の項を参照のこと。
メンバー
機界最強7原種の人間態は素体として取り込んだ人間をもとに各原種のモチーフとなった器官が極端に肥大化した姿になっている。また、原種核は額に埋め込まれており、保護用のカチューシャを付けている。人間態の服装は、足まで隠れるほど裾の長いピンク色のフード付きポンチョで統一されている。
素体として取り込まれた人間は、救出する機会のなかった腕原種を除く全員が原種核を浄解した際に解放された。
- 腕原種(ZX-07)
- 超指向性重力波を放つ能力を持つ7体のリーダー格。素体はアメリカ海軍の戦艦ニュージャージーと男性プロレスラーのアームストロング。
- 爪原種(ZX-08)
- あらゆるものを切り裂く爪を武器とし、合体原種やZマスターに融合した際は左手に特徴が現れる。素体はイギリス海軍の原子力潜水艦トラファルガーと服飾ブランドショップの男性店員。劇中ではオネエ言葉で話すが、それが素体の影響なのかは不明。何気に取り込んだ艦船が7体の中で最も小さい。
- 耳原種(ZX-09)
- 耳からピアスのような端子を飛ばし、命中した人間を催眠状態にして思いのままに操る。素体はアメリカ海軍の空母インディペンデンスとロックバンドのギタリスト。後にZマスターの体内に勇者ロボ達が突入した際、途中で原種達が迎撃のために現れる中で人間態のイメージが再登場している。
- 目原種(ZX-10)
- 「瞳原種」とされる場合も。遠距離探知能力やミクロン単位のサイズの穴を発見するほどの分析力を持ち、それらに基づいた高精度の未来予測を得意とする。海上自衛隊のイージス艦きりしまを取り込むが、艦隊戦では攻撃よりも索敵と敵の行動予測に徹していた。素体とされたのは年端も行かない少女(声は護と同じ伊藤舞子氏)。
- 腸原種(ZX-11)
- あらゆる物体を吸収するマイクロブラックホールを発生させるほか、マイクロブラックホール発生時の重力場異常を利用した細胞破壊プラズマ攻撃を能力として持つ。華達を拉致し、護や戒道をおびき寄せようとする、戒道の義母を素体として取り込んで手を出せないようにするなど原種の中では狡猾さが目立つ。取り込んだ艦船は横須賀で一般公開中だったアメリカ海軍の強襲揚陸艦ベロー・ウッド。
- 肋骨原種(ZX-12)
- 語呂の問題なのか仲間内での呼び名は「アバラ」。一定範囲内に存在する任意の物質を原子レベルで分解する能力を持ち、Gストーンとの対消滅を気にせずに勇者ロボを攻撃することも可能。素体にされた人間は肋間神経痛に悩むサラリーマンらしい。取り込んだ艦船はロシア海軍の原子力砕氷船アルクチカだが、氷を割りながら進む砕氷船はあらゆるものを分解する肋骨原種のイメージに合っているかもしれない。後にZマスターの体内に勇者ロボ達が突入した際、途中で原種達が迎撃のために現れる中で人間態のイメージが再登場している。
- 肝臓原種(ZX-13)
- こちらも語呂の問題か仲間内での呼び名は「キモ」。肋骨原種とは対照的に一定範囲内に存在する任意の物質を原子レベルで復元する能力を持つ。同じく攻撃向けの能力を持たない目原種と違い、肝臓原種の場合は取り込んだ艦船さえも輸送船であり、戦闘能力の低さが際立っている。公式サイトによると素体はグルメ趣味を持った男性らしいが、この男性のモデルは脚本の竹田祐一郎氏なんだとか。
登場作品と役柄
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α
- 原作通りオービットベースに乗り込み、αナンバーズと交戦。肝臓原種は真っ先に脱落する。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦W
- 今作では無事に肝臓原種も合体に参加したほか、腕原種が同時にオービットベースに乗り込んでいたゴダードと出くわす場面も。
- スーパーロボット大戦BX
- 今作でもオービットベース内で主人公チームと交戦。
人間関係
- 天海護
- 緑の星のカインの子「ラティオ」として警戒。爪・耳・腸は実際に痛い目を見ている。
- 戒道幾巳
- 赤の星のアベルが遺した対原種用生体兵器「アルマ」の生き残り。腸原種は彼の戦意を削ぐために育ての親である戒道夫人を素体に選ぶ。
- ソルダートJ
- 赤の星のアベルが遺した対原種用サイボーグ兵団「ソルダート師団」の生き残り。腕原種とは過去に一戦交えて以来の因縁がある。
- 初野華、牛山末男、狐森レイコ、数納鷹泰
- ベロー・ウッドを見学しに来たところを腸原種に拉致され、人質にされる。華ちゃんが護の正体を知るきっかけにもなった。
- ゴルディーマーグ
- 分解能力を駆使して勇者ロボ軍団を圧倒し、Gストーンさえも分解してみせると豪語した肋骨原種に対し、隔壁に穴をあけて宇宙に放り出すことで難を逃れる。
- マイク・サウンダース13世
- 地球初襲来時の迎撃、ゾンダーメタルプラント作成の妨害、月面での戦いでの集束ソリタリーウェーブなど、何度も痛い目に遭わされている。
- 合体原種
- 先にジェイダーに倒された肝臓を除く6体が融合した姿。原種の中でも特に強力な6体の力を集結させたことにより、大河長官に「EI-01以上の化け物」と言わせるほどの強さを発揮した。
- 頭脳原種(ZX-06)
- 原作で絡んだことはないが、『W』では合体原種と共同作戦を展開し、『BX』では融合する。最強7原種からの呼び名は当然「脳」。
- Zマスター
- 全原種の集合体にして本来の姿。
他作品との人間関係
- 司馬宙
- 『第3次α』で爪原種の切断攻撃を防ぎ、爪原種を驚かせる。
- 浪花十三
- 『第3次α』で耳原種の耳を撃ち抜き、催眠コントロール能力を奪う。
- ゴダード
- 『W』では原種たちと同じタイミングでオービットベースに侵入しており、人間態の原種とテックセットせずに戦うことも。ゾンダーメタルプラントをディスクXで破壊されたときに笑われたり、肝臓原種を倒された時の決め手が彼の遺したクリスタルだったり、直接的にも間接的にもイヤな目に遭わされる。
- アプリカント
- 『W』では過去に彼ら知の記録者と交戦したことがあり、腕原種は彼と同じ顔をしているブレスを見て狼狽していた。
余談
「FINAL」に登場するソール11遊星主も、パルパレーパとピア・デケムとピルナスを除き、人間態を持つ全員が、色は異なるが同様のデザインのポンチョを着用している。