人類銀河同盟
人類銀河同盟(Human galaxy alliance)とは、『翠星のガルガンティア』に登場する組織。
概要
宇宙中に散らばった地球人の末裔が共闘し、宇宙生物ヒディアーズを殲滅するために生み出された統一政体。言語は地球のそれとは異なり、本編序盤ではレドとチェインバーを中心とした視点の場面では二人の会話が日本語に、エイミーやリジットら地球人から見た視点の場面では彼らの会話が日本語に聞こえ、逆の人物達は未知の言語を使用している演出がなされていた。
テクノロジーは荒廃した地球を遥かに凌駕しており、レドはドリル等の地球人が使用している道具を見て「旧式にも程がある」と語っている。しかし後述の通り、それだけの技術力を持ちながらもヒディアーズとの生存競争(全面戦争)では劣勢状態にあり、本編開始時のヒディアーズとの戦闘も賭けに近い大規模反攻作戦とのこと。なお、同盟に所属していない人類も多く存在し、彼らは「漂流部族」と呼称されている。表向きはヒディアーズとの戦いに恐怖した脱走者とされている。
思想・政治体制
ヒディアーズの殲滅に全力を傾けた国家総動員体制。ヒディアーズとの生存競争(全面戦争)では劣勢状態にあり、未だ生存に適した惑星を得られておらず超巨大移民船アヴァロンを本拠地とする。虚淵氏によれば宇宙の一等地はほぼヒディアーズに抑えられているとのこと。人口は4億7000万ほどだが、小説版を見る限り実際はもっと目減りしている可能性がある。
軍隊は国民皆兵の徴兵制で、アヴァロンへの渡航すら特定期間以上の兵役が必須。個人の財産保有は認められず、余暇や移動時間等は全て戦闘シミュレーションと睡眠学習に割り当てられ食料や酸素は配給チケット制。その食料も必要栄養素をパッケージングした流動食と戦いに全てが最適化された管理社会と化しており、「人類」と名乗っておきながら人類が数千年以上をかけて積み上げてきた文化を全否定しているという、人類からかけ離れた存在となってしまっている。娯楽類は皆無だが、強いて言えば幼少期を過ごすシミュレータシートのゲーム(≒戦闘シミュレータ)やマシンキャリバーの模型が娯楽(という名の啓発)といえるのかもしれない。一方でその成立の原因故か、彼らは「人型」を至高の物としており、マシンキャリバーなどのロボット兵器をはじめ、戦艦なども良く見ると人型のシルエットとなっている。また、パイロットの存在はマシンキャリバーにとっては枷ともいえ、育成期間や手間などを考えれば無人機のほうが効率がいいはずなのに有人式を採用している辺り、「人によってヒディアーズを滅する」ということに重点を置いていると思われる。
家族の概念が希薄であり、養育は集団で行われる。初等教育の後に幼年学校で2年間の集団生活を行い、その後に各々の適正にあった各部署へと配属されることとなる。身体的弱者や反体制的な思想の持ち主はこの段階でも不必要と判断され淘汰(処分)、資源へと還元されてしまう。婚姻や生殖もコンピュータの判断の元に行われるが、高い業績を上げた場合は(相手の同意の上で)任意の相手を選ぶことが可能となる。正確な時期は不明だが、少なくとも幼年学校の段階では恋愛感情などの教育は行われず、投薬と暗示で性欲も抑制される。
意志決定にはマザーコンピュータが大きく関与しており、あらゆる意思決定機関に入り込んでいる。政治家に相当する職業は存在しているものの、人類はマザーコンピュータの分析を追認する状況に陥っている。マザーコンピュータは自己改良の末に既に同盟の人間にも把握出来ない程に複雑化しており、「意志」や「心」といっても差し支えないレベルにまで達している。ガルファ皇帝やZマスターなどと異なりまだ暴走といえる段階には至っていないようだが、社会の硬直を防ぐために意図的に犯罪者を生み出し観察、用済みになれば処分と言った非情な行動も行っている。作中でパイロットが死亡したインターフェースAIが閉鎖コミュニティにおいて神を自称する事態が起きている辺り、マザーコンピュータの暴走は時間の問題とも解釈できる。
所属人物
保有戦力
登場作品
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 初登場作品。概ね原作同様の扱い。終盤では宇宙怪獣打倒のために地球人に協力するなど、原作よりは協力的な印象を見せる。
- 地球に漂流し機能を停止していたチェインバーがガンダムDXを(部分的に一致したとはいえ)友軍機と誤認する、レドの回想シーンにバルキリーらしき機体が登場していた、友軍の一つとしてシリウスの名が出るなど様々な作品の勢力との繋がりが暗示されている。
敵対勢力
- ヒディアーズ
- 殲滅対象。