ガーゴイル
ガーゴイル | |
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外国語表記 | Gargoyle |
登場作品 | ふしぎの海のナディア |
声優 | 清川元夢 |
デザイン | 貞本義行 |
初登場SRW | スーパーロボット大戦X |
SRWでの分類 | パイロット |
プロフィール | |
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本名 | ネメシス・ラ・アルゴール |
種族 | 地球人 |
性別 | 男 |
所属 | ネオ・アトランティス |
役職 | 首領 |
ガーゴイルは『ふしぎの海のナディア』の登場人物。
概要
秘密結社「ネオ・アトランティス」の首領。仮面[1]と黒い頭巾で素顔を隠しており、赤いスーツと白いネクタイ・手袋を着用している。部下に対する指示の合図として、よくフィンガースナップ(いわゆる「指パッチン」。手袋をしていても小気味良い音を鳴らせる)を用いる。
古代アトランティス人の遺した科学技術を利用して世界征服を企んでおり、そのためにナディアの持つブルーウォーターを狙っている。冷酷非情かつ尊大な性格で、自らを「アトランティス人の末裔」や「神」と称する。
元々はネモ船長こと「エルシス・ラ・アルウォール」が治めていたタルテソス王国の宰相であり、本名は「ネメシス・ラ・アルゴール」。ネモとは友人関係にあった。クーデターを起こし、王妃を暗殺して王国を乗っ取り、バベルの塔を稼働させるも、ネモの妨害によりバベルの塔は自爆・崩壊し王国も滅亡。以降「ガーゴイル」と名乗り、ネオ・アトランティスを率いて野望達成のために活動を始める。
終盤、ジャンたちの命と引き換えにナディアの身柄を拘束、宇宙へ上がる。その後、N-ノーチラス号で追いかけてきたジャンらのレッドノア突入を許し、中枢部で対峙するが、正気を取り戻したネオ皇帝によってナディアの洗脳を解かれる。反発するナディアからブルーウォーターを奪うためにジャンを殺害してみせるが、直後にN-ノーチラス号の砲撃を浴びて瀕死の重傷を負う[2]。
ジャンを蘇らせるべくブルーウォーターの力を発動させたナディアの前に満身創痍の状態で現れ、ネモの制止にも耳を貸さず妨害しようと光に触れたが、途端にガーゴイルの体は塩と化す。自身をアトランティス人と信じ、人間を見下し続けて来た男に突きつけられた真実は、自分もまた人間に過ぎなかったという皮肉なものであった。 その事実を静かに受け入れ、ネモたちに別れを告げて崩れ果てていった。
登場作品
VXT三部作
- スーパーロボット大戦X
- 初登場作品。担当声優の清川氏は映像作品『スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ』のレイカー・ランドルフ役を経て、初の版権作品での参加及びゲームでのSRW音声収録となる。
- アル・ワースにおいてエンブリヲと並ぶ人類の巨悪の片割れであり、彼と共にエクスクロスの前に立ちはだかる。
- 今作では人間の血が混じったアトランティス人という設定であり、純粋なアトランティス人でしか生きられない光に触れてしまった事で原作同様の最期を迎えた。
- 空中戦艦搭乗時と、レッドノア搭乗時の2種類のグラフィックを持つ。レッドノアの戦闘カットインでは、フィンガースナップを披露する。
パイロットステータス
能力値
射撃と防御に優れている。
精神コマンド
特殊スキル
エースボーナス
人間関係
ノーチラス号
- ナディア・ラ・アルウォール
- かつての友人の娘であったため、彼女のことも当然知っていた。自身の目的のため、彼女の持つブルーウォーターを狙っている。
- ジャン・ロック・ラルティーグ
- ナディアのために行動した彼を「勇敢な少年」と評している。最終決戦では彼を殺害したが、最終的にはブルーウォーターの力で蘇ることに。
- マリー・エン・カールスバーグ、キング
- バベルの塔では、ナディアと共に人質にとった。一方、番外編ではマリーに振り回される。
- ネモ
- かつてはタルテソス王国宰相として国王である彼を補佐し、個人的にも友好関係を築いていた30年来の友人だった。
- だが、アトランティス文明とアトランティス人の今後を巡って対立し、ついにはクーデターを起こしたことで決裂。以降、宿敵となる。
- 一方で、決裂した今もかつての関係に執着している節があり、「もう一度共に手を組まないか」と持ち掛けることもあった(当然、ネモからは一蹴されたが)。
- メディナ・ラ・ルゲンシウス・エレクトラ
- 元はタルテソス王国の住人だったため、彼女からも憎悪されている。
ネオ・アトランティス
- ネオ・イコン・エピファネス
- ネオ・アトランティスの皇帝。立場上は目上の存在だが、実はガーゴイルにより精神操作と肉体の機械化を施された、文字通りの傀儡に過ぎない。
- ネオアトラン幹部、ネオアトラン兵
- 部下。ガーゴイルは「使い捨ての駒」としか考えておらず、ナディアへの尋問のために射殺したり、失敗した者を飛行船「カルカロドン」から落として処刑するなど非道な扱いをしている。
- ギーガー
- 劇場版に登場したネオ・アトランティス残党を率いる男。ガーゴイルを「超化学に溺れた負け犬」と蔑む。
他作品との人間関係
- エンブリヲ
- 『X』ではアトランティスの超科学を手に入れようと目論む彼と利害の一致から手を組む。かつて自身が起こしたクーデターの協力者でもあった。
- アル・ワースでも内心見下し合いながらも共同戦線を張っていたが、彼が真実のアルゼナルを失って只人へと堕ちてからは完全に手駒として扱い、最後はエクスクロスへの捨て駒として使い捨てる。
- マリアンヌ・ヴィ・ブリタニア、ショット・ウェポン
- 『X』における協力者だが、最終的にはエンブリヲ共々彼らも用済みとばかりにエクスクロスへの捨て駒とし、仮にエクスクロスに倒されなくともエンブリヲ同様に彼らも始末する魂胆だった。
- 魔従教団
- 『X』では過去に彼らの協力を受け、タルテソス王国を滅ぼしているが、内心では彼らの背後に居る智の神エンデを恐れており、死の間際ネモに忠告している。
名台詞
- 「勇敢な少年だな。愛のなせる業、か……」
- 第8回「ナディア救出作戦」より。人質となったナディア、マリー、キングを救出するために名乗り出たジャンに対して、どこか感慨深そうに呟く。
- ネモ「バリアーか!?」
ガーゴイル「その通りだ」 - 同上。バベルの塔に張り巡らされたバリアでノーチラス号の攻撃を防いだ際のそれぞれの呟き。N-ノーチラス号の初陣時は立場が逆になった。
- ちなみにこの時、互いに通信などはしていない。完全な独り言である。
- 支部長「莫大な予算と年月を費やした基地が…!」
ガーゴイル「構わん、ネモに秘密を知られるよりは遥かに損失は少ない」
支部長「し、しかし…」
ガーゴイル「それより、たった数人の侵入者により、基地の破滅を招いたのは誰の責任かね?」
支部長「そ、それは!」
ガーゴイル「死を以って償ってもらおう」 - 同上。マハル島支部の壊滅の責任を支部長に問い、狼狽した彼をカルカロドンの床に穴を開けて処刑した際のやりとり。落下していく支部長の断末魔の叫びを背にしながら、ダメ押しとばかりに「愚かな人間め」と吐き捨てる。
- 部下を「使い捨ての駒」として扱うガーゴイルの冷酷さが露わになる場面である。
- ガーゴイル「久しぶりだねぇ、ネモ君」
ネモ「貴様か、ガーゴイル」
ガーゴイル「ハハハハ……ぶっきらぼうなところは13年前から変わっていないな」
ネモ「……余計なお世話だ」
ガーゴイル「それももうすぐ終わるよ。君の人生と共にね。13年前のチェスの勝負がまだついていなかったな? 今からつけようではないか」
ネモ「あの勝負は決まっている。私の勝ちだ」
ガーゴイル「フン! その負けず嫌いなところも変わっていないな。もう一度会えないのが残念だが、それも私と同じ思想を持たなかった君の運命だよ。ではさらばだ、ネモ君。永遠 に眠りたまえ、君の船と共にね……ハハハハハハ!」 - 第21回「さよなら…ノーチラス号」より。空中戦艦のスーパーキャッチ光線でノーチラス号を空中に固定し、原子振動砲&超音波砲を浴びせながらネモへ通信を入れる。
- ガーゴイル「我が友ネモよ、安らかに眠れ。君の魂は遥か宇宙の彼方に召されて、我々の力の及ばぬところで光となるのだ」
「君に与えられた灯 はただ一つ、それは!」
ネオアトラン兵『地獄の炎!』
ガーゴイル「君に与えられた快楽はただ一つ、それは!」
ネオアトラン兵『地獄の苦しみ!』
ガーゴイル「我々の同志が、君から与えられた非道の数々。それは地獄の底で、存分に報われるであろう。それが宇宙の掟である! 私は今日という日を、ネモの記念日とし、この歓びを永遠に歴史に残すものとする」
「残る、我々の目標はただ一つ! 『この地球は誰のもの?』」
ネオアトラン兵『ネオ・アトラン!!』
ガーゴイル「その通りだ。この地球を我が手中に収めるために、我々は新たな計画を実行する。神聖大要塞・レッドノアの復活である! この、星の世界まで飛ぶことのできる大要塞復活の暁には、世界中の人間どもは、我がネオ・アトランティスの威光の前にひれ伏すであろう」 - 第25回「はじめてのキス」より。空中戦艦に兵士たちを集め、大々的なネモに対する「葬式」を執り行った際の弔辞。
- 余談だが、上記の場面ではガーゴイル本人と兵士たちは律儀にも喪服に着替えている。なんともシュール。
- ネモ「ところで、これは一体何の真似だ? ガーゴイル!」
ガーゴイル「神前裁判だよ」
ネモ「裁判だと?」
ガーゴイル「そうだ。君の犯した罪を問い、ここでその罰を受けるのだ」
ネモ「神前だと言ったな。その『神』はどこに居る?」
ガーゴイル「ここに居るよ。私が神だからね」
ネモ「フン、茶番だな。弁護人はどうした?」
ガーゴイル「必要ないよ。神が神の名に於いて、君を裁くんだからね」 - 第38回「
宇宙 へ…」より。レッドノア中枢に乗り込んできたジャン、ネモ、エレクトラの前に自ら姿を見せ、さらに「判決の執行人」と称してナディア及びネオ皇帝と対面させる。 - 完全なエゴイストと化し、絶対的な権力と暴力を振りかざそうと振る舞う、ガーゴイルの最も醜悪な一面が露わとなった名シーン。しかし、最後には自身の存在や目的さえも無に帰す末路が待ち受けていようとは、この時の彼は知るよしもなかった。
- 「ハハハハハハハハハ……ネオ君、君も所詮は機械人形だよ。電源を切ればそのザマだ」
「奇跡はここで終わりだよ。もはや君は、指先一つ動かせまい。さあ、そのまま死にたまえ」 - 最終回「星を継ぐ者…」より。正気に戻ったネオがナディアの制御装置を取り外しに向かったので銃で撃つも、ネオの鋼鉄の肉体には通じないため、ガーゴイル自らがプラグを外すことでネオの動きを停止させ、勝ち誇る。
- シリアスな場面だが、巨大なプラグを抱えているガーゴイルの姿はどこかシュール。
- 「馬鹿な!? こ、こんな非科学的なことが……!? 人の意思の力は、科学をも超えるというのか!?」
- 同上。それでもナディアに手を伸ばすネオを見て、劇中で初めて驚愕の表情を浮かべる。
- ガーゴイル「さて、これでブルーウォーターを戻す気になったかね?」
ナディア「卑怯者!!」
ガーゴイル「違うよ、私は合理的に事を進めているだけだ。さぁ、ナディア姫!」
ナディア「………嫌です」
ガーゴイル「……仕方がない。今度は愛する者の死体を見て後悔したまえ」 - 同上。あくまで自分の言うことを聞こうとしないナディアに対し、エレクトラに電気ショックを浴びせて脅す。それでも態度を曲げないと見るや、今度は足場を動かしてジャンを地面に落とした。結果、ジャンは頭を強打し絶命。ガーゴイルもこの直後、中枢部に現れたN-ノーチラス号の電子砲をまともに浴びて吹き飛ばされる。
- ガーゴイル「いかん……! やめろ!」
ネモ「ガーゴイル!!」
ガーゴイル「そんなことをすれば、ブルーウォーターはその輝きを、永遠に失ってしまう!」 - あっけない最期を遂げたかに見えたが、ジャンを蘇らせるべくナディアがブルーウォーターの力を発動させようとした際に、再び姿を現す。
- 全身が焼け爛れた無残な姿ながら、カメラワークによって仮面のみが笑みを浮かべているように見え、非常に鬼気迫るものがある。
- 「いかん! やめるんだ!!」
「私の夢を……希望の光を……消してはならん……!!」 - なおも自身の野望を捨て切れず、ネモの制止も無視してブルーウォーターへ手を伸ばすが……。
- ガーゴイル「な、なぜだ……なぜ私が塩に!? まさか……!」
ネモ「そうだ。もうこの世にアトランティス人は二人しかいない。ネメシス・ラ・アルゴール、君は人間だ」
ガーゴイル「それでは……私のやっていたことは全て……」
ネモ「幻だったのだよ。ナディアとたった二人の異星人で、何ができる? この星はもう人間達のものだ」
ガーゴイル「そうか……さらばだ……」 - ブルーウォーターの光に触れた瞬間、ガーゴイルの体は塩と化していく。「自身の野望が根底から間違っている」という事実をネモから突き付けられながらも、最後にはそれを受け入れ、どこか悟ったかのように静かに呟き、散っていった。
迷台詞
- 「ノオオオ! 違う! アレは技術上の問題だ! 断じてネモに負けたのではなああああい!!」
- 『ナディアおまけ劇場』その6「ネオ・アトランティスへようこその巻」より。最終兵器・バベルの塔を「ノーチラス号に壊されちゃったのよね」とマリーに指摘された時の反論。
- SD等身とはいえ、ド派手にポーズを取ってムキになるあたり、ネモに負けたことは認めたくない様子。
- ノーチラス号にバベルの光を発射する直前に、人造オリハルコンが砕けて暴走し「自爆」したのが真相であり、(直接的な意味では)ノーチラス号に負けたわけではないのも事実である。どちらかというと、試射後に(ジャンやグランディスたちへの対応に追われていたとはいえ)人造オリハルコンの点検を怠ったまま再使用を決断したガーゴイルのミスであろう(試射直後に、人造オリハルコンに亀裂が入る描写がある)。
- 渋カジが 山へ行ったら 山火事だ
- 同上。マリーのうっかりで自爆スイッチが押され、バベルの塔第2号炉を木端微塵にされた際に思わず詠んだ一句。直後、なぜか「破門」の判が押される演出が入る。
- 「1、2、3、4、あー面倒だ!」
「1、2、3、あー!!」
「1、2、あー!!」
「1…あーめんどくせー!!」 - カセットコレクション『やったらこうなっちゃったナディア』「ネモが優柔不断で、ガーゴイルがせっかちだったら」より。
- ネモに10数える間に降伏を迫るも、数えるのを我慢できずに空中戦艦の主砲を発射。
- 同カセットに於ける数少ないガーゴイルのご乱心。それと並んで優柔不断のネモはやれ反撃だの退却だの潜水だの決断できず、エレクトラをやきもきさせていた。
- 「相手にすることはなかったかもしれんな」
- 同上。「ネモ、ミュージカルに凝り、船内の会話は全て歌にすると決める」より。
- 空中戦艦でノーチラス号に攻撃を加え、浸水しても、最後までエレクトラにミュージカル風の会話を続けさせた挙句、船を沈没させたネモに対しての一言。かつての親友のあんまりな姿にガーゴイルも呆れている。
スパロボシリーズの名台詞
- ガーゴイル「何故だ!? 何故、お前達は別の世界の人間を救うために自分の生命を懸けられる!」
シモン「知りたいならば、教えてやる!」
万丈「それは僕達が人間だからだ!」
ガーゴイル「何も答えになってはいない!」 - 『X』第47話「星を継ぐ者」のエンドデモより。レッドノアに突入したネモたちを援護すべく、エクスクロスが駆けつける。
- 人間全体を愚かな生物と見下し、理解を拒んでいたガーゴイルにとっては確かに全く答えになっていない答えである。しかし人間一人ひとりの善性を信じ、理解と共存を目指すエクスクロスの面々には、それで全て説明が付くのであった。
- ガーゴイル「ネモ君…。無様な私を…笑うがいい…」
ネモ「ガーゴイル…」
ガーゴイル「魔従教団には…セルリック・オブシディアンには…気をつけろ…」 - 同話での辞世の句。人間の見下し続けて来たが、その人間の血が混じっていた事実を知って愕然、自嘲した。最期は宿敵でありかつての友であった男に教団とセルリックの存在を伝えて落命した。
搭乗機体
余談
- 劇中では素顔はほとんど見られなかったが、2001年に発売されたDVD-BOXにて素顔が描かれており、その風貌は声優が同じである『新世紀エヴァンゲリオン』の冬月コウゾウによく似ている(冬月のキャラクターモデルは清川氏を参考にしている)。
- 一応、若い頃の顔もネモ(エルシス)らと一緒に撮影した写真に写っている。上記の件と合わせると、この頃からモデルにしていたと思われる。