ボソンジャンプ
ボソンジャンプ(Boson Jump)とは、『機動戦艦ナデシコ』に登場する技術。
概要
木星蜥蜴系ヒューマノイドユニットが持っている能力で、簡単にいえば瞬間移動のこと。木連は「次元跳躍」と称する(単に「跳躍」とも)。ボソンとはスピン角運動量が整数倍を取るボース粒子のことを指し、光子、重力子、グルーオン、ウィークボソンなどのゲージ粒子やヒッグス粒子などが存在する。ボソンジャンプが発生する際にはボース粒子の増大が観測される。
実行するにはチューリップを潜るか、その構成物と同じ組成を持つチューリップクリスタル(CC)が必要。通常の人間は火星古代遺跡の演算ユニットに転移先のイメージ伝達ができず消滅してしまうが、胎児のときに火星で過ごし母胎からテラフォーミング用ナノマシンを取り込んだ人間ならば自由にジャンプできるようになり、こういった人間をA級ジャンパーと呼ぶ。なお、木連優人部隊は遺伝子改造によってジャンプに耐えられる肉体を得たが、イメージ通りジャンプできるわけではない。
物理学の一つである電磁気学の基礎となる方程式上、あり得るかもしれない「先進波(レトロスペクト、到達点から出発点に戻る動きをする波。すなわち『過去に戻る』波)」と呼ばれる概念を用いた空間跳躍で、概念上時間跳躍もできることになる(SF作品ではタイムワープの概念として用いられた例が幾つかある)。『ナデシコ』劇中でも「実はタイムスリップで、時間移動できるから位置も移動できる」という説明がされている(要は移動しつつ移動にかかった分+α時間を巻き戻している)。任意地点に至るまでの細かい移動方法は不明だが、通常空間に存在したまま移動するという性質上、おそらく空間の歪み(マクロスシリーズのフォールド断層など)の影響は受けにくいと思われる。
ボソンジャンプはタイムスリップの一種であり、近似した平行世界に飛ぶものではないために、その使用を誤るとタイムスリップのパラドックスを生じる可能性が存在する。原作では、ある木連の兵士が極めて近い場所のごく近い過去にジャンプし、「飛ぶ前の自分」の視界内に出現した結果、飛ぶ前の自分が自分の出現に驚いてジャンプを中断、ジャンプが中断されたのでジャンプして出現する自分が現れなくなり、自分が現れなくなったので驚く事無くジャンプを実行しようとすると言うパラドックスに囚われてしまい、そこ以降の時間軸に存在しなくなってしまうという事故が起こっている。
ボソンジャンプを可能とするのは火星極冠遺跡にある演算ユニット(ボソンジャンプ制御装置)で、ゲーム「機動戦艦ナデシコ The blank of 3 years」ではボソンジャンプの正体は太陽系外の異星人が新しい移住地へ向かうための手段であり、演算ユニットはボソンジャンプ中継ステーションであると説明されている。
SRWでの扱い
地形や敵ユニットによる移動制限を無視して移動できる特殊能力として再現されており、多くは特殊回避系の効果も併せ持っている(似たような特殊能力に、バイタルジャンプ、次元連結システム、亜空間突入がある)。『BX』では木連の機体にのみ実装で、他の能力共々木連側の呼称が導入され「跳躍」表記になっている。
ストーリー中では、原作同様イネスの解説が行われるが、大半のキャラクターにとっては理解不能の代物なので「話を難しくするな」「判るように説明しろ」と文句が出るのがお約束となっている。 また『W』においては、作品の根幹にかかわる重要な伏線として機能している。『V』においては他の技術と組み合わせることで平行世界間のパラレルボソンジャンプを成功させた他、離れた場所にいる味方と合流する為の目印となるボソントランスミッターなどが開発されている。また、「素養の無い人間が行うと危険」という事実を逆手にとって「素養が無くても機械の体を持つ者なら安全」として、機械の体に人間と同様の心を持つ者によるボソンジャンプが実行された。なお、『IMPACT』ではボソンジャンプの素養がないはずの破嵐万丈がボソンジャンプに巻き込まれたにも関わらず無事だった事例が起きている(この事から、IMPACT世界での万丈は普通の人間ではないと思われる)。
作品 | 効果 | 気力条件 |
---|---|---|
A / R | 50%の確率で攻撃を回避 | 130 |
IMPACT | 移動制限無視 | 120 |
MX | 移動制限無視 | なし |
J / W | 移動制限無視(EN無消費)・分身可能 | 130 |
BX | 移動制限無視(EN無消費)・特殊回避(最大40%) | 130 |
主なユニット
また、A級ジャンパーの特殊技能持ちのパイロットが乗る機体にもこの能力が追加される。作品によって上記のユニットの中でもボソンジャンプが装備されない機体が出てきたりする。
余談
- 「ボゾンジャンプ」と言われることもある。英語を日本語で発音する都合上間違いではないが、原典では「ボソン」表記で統一されているため注意。