「ノーマ」の版間の差分
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== 概要 == | == 概要 == | ||
− | + | 作中世界では「[[マナ]]」と呼ばれる万能の力を誰でも使用し、その力の恩恵で一見、理想的で平和な社会が築かれている。しかし、一定の確率でマナが使えないばかりかその力に触れるだけで無効化してしまう人間が生まれてしまう。マナが扱えない人間として生まれるのは女性のみであり、男性はいない。その女性達を作中世界では「ノーマ」と呼んでいる。 | |
− | + | そのため、ノーマという存在はマナに依存しきっているほとんどのマナ使いからは差別・迫害の対象とされ、[[アルゼナル]]へと隔離される。アルゼナルは外界と隔絶された[[施設]]であり、送られたノーマ達はそこで養育され、「[[異世界]]から転移してくる[[ドラゴン]]と戦う為だけに認められる存在だ」と教育される。大抵は赤ん坊のうちに親から離される為、肉親に関する記憶を持っているノーマは非常に少ない<ref>劇中において「肉親の記憶を持っている」と確実に言えるのは[[アンジュ]]、[[ヒルダ (クロスアンジュ)|ヒルダ]]、[[ジル]]の3人のみ。</ref>。成長したノーマは10歳を過ぎた頃から[[メイルライダー]]、[[科学者・技術者|整備士]]、[[サブパイロット|オペレーター]]等、ドラゴンとの戦闘に関わる仕事に携わる事になる。中でも、メイルライダーは搭乗する[[パラメイル]]がコクピットが剥き出しの上、身体を固定する装備さえ無いので、[[死亡フラグ|死亡率が高い]]。 | |
− | + | === 真相 === | |
+ | 実は、'''「クロスアンジュ作中世界の大半の人間は[[エンブリヲ]]によって新たに生み出されたホムンクルスである」'''という事実が本編終盤において判明する。エンブリヲはマナを扱う人間を操る事ができるため、自身の目的に都合のよい存在としてホムンクルス達をそのように[[デザイナーベビー|遺伝子調整]]していた。しかし、女性の中に「マナを扱えない先祖がえりをして生まれてくる者」、すなわち「ノーマ」が現れる事実が判明すると、彼女達を迫害対象にするようにマナ使いに仕向けてアルゼナル送りにし、「ドラゴンと戦うための戦士」として教育を施した上で、マナの維持に必要な[[ドラグニウム]]を体内に持っているドラゴンと戦わせていた。 | ||
− | + | また、ドラゴンこと[[アウラの民]]達の目的は「自分達の始祖であり、エンブリヲに捕らえられているアウラを奪還し、自分達の世界の崩壊を防ぐ事」であり、世界の破壊や人々の殺戮など全く考えていなかった。つまり、'''「ノーマ達はエンブリヲに利用され、自分達を迫害する者達の為に無意味な戦いを強いられていた」'''のである(元々、マナを使えない故に迫害されるノーマ達にとっては、マナがなくなった方がむしろ都合が良い)。 | |
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− | + | 本編中盤では、本編以前にそうした事実に気づいたノーマ達が劇中の世界に元々住んでおり、エンブリヲと敵対していた[[古の民]]<ref>[[タスク]]は古の民の末裔であり、ホムンクルスではないのでマナを使えないが、ノーマではない。</ref>と手を組んで行われた「[[リベルタス]]」という計画を実行し、失敗した事が明かされる。 | |
− | + | そして、本編終盤では、ノーマ達は「長年互いに殺し合いをしてきたドラゴンこと異世界の種族である[[アウラの民]]と同盟を結ぶ」という一大方針転換を行う。この同盟にこぎ着けたのはアンジュとサラマンディーネの結び付きが大きい。[[龍神器]]の開発によって搭乗者である[[サラマンディーネ]]達は人間態のまま戦闘に参加し、アンジュと劇的な出会いを果たす。その後、ヴィルキスの力でアウラの民達の世界(真なる地球)にタスク、ヴィヴィアンと共に転移したアンジュはアウラの民達と接触し、そこでジルから聞いていた上記のリベルタスに加えて、サラマンディーネからアウラの民達の歴史とエンブリヲの存在を聞き、数日間、真なる地球で過ごした。この時の交流によってノーマとアウラの民のパイプが形成され、それが本編後半の同盟締結に結びついている。 | |
+ | 『クロスアンジュ』最終話では、ノーマが女性だけにしか存在しなかった理由がアンジュにより語られており、'''「[[神]](=エンブリヲ)に対する人間の潜在的な反抗意思であった」'''事が明かされる。多大な犠牲を出しながらもエンブリヲを打倒したノーマ達はアウラの民のいる世界である「真なる地球」に転移し、アウラの民と同盟を継続して移住。共に地球の復興を進める事となる。こうして長年、迫害され、不毛な殺し合いにさらされて来た彼女達にようやく平穏が訪れたのである。また、元々いた地球ではマナが消滅した為、今後生まれるノーマ達を区別する事は不可能になった<ref>もっとも、作中世界はマナの消滅によって文明自体が崩壊してしまったので、「かつてマナが使用できた人類とノーマとの区別どころではなくなった」のもまた、事実なのだが。</ref>。 | ||
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+ | == SRWでの扱い == | ||
+ | マナとノーマは『クロスアンジュ』という作品における根幹かつ独自性の強い設定であるため、他作品(=マナという力の存在しない世界)の人間との設定上のすり合わせが必要となる。そしていずれの作品でもノーマ達への理不尽としか言いようがない差別制度には他作品の人物たちも怒りや憤りを覚えている。 | ||
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+ | ;[[スーパーロボット大戦V]] | ||
+ | :『クロスアンジュ』初参戦となった同作では「'''[[始祖連合国]]'''と呼ばれる独自のマナ文化を築く閉鎖的な国家の連合体が形成され、その中でマナを使えない人間がノーマ」という設定になっている。 | ||
+ | :始祖連合国とそれ以外の国家はほとんど交流が無いので、「マナが使えない」という理由でノーマを差別する件に関して理解に苦しむ者もいる。一方で、(アンジュの言葉を借りれば)「野蛮で暴力的で反社会的な連中」というノーマに対する見解(偏見)も始祖連合国外の一部に広まっているらしく、[[ホイ・コウ・ロウ]]がノーマ蔑視の発言をしてアンジュの怒りを買う場面も存在している。 | ||
+ | :また、[[火星の後継者]]も[[地球艦隊・天駆|自部隊]]に所属するパラメイル第一中隊と交戦した際に「ノーマなのに地球軍に加担するのか」といった旨の発言をする<ref>しかし、火星の後継者もまた「[[木連|かつて地球から放逐された]]、ある意味ノーマと同様の立ち位置」という皮肉が発生している。</ref>。 | ||
+ | ;[[スーパーロボット大戦X-Ω]] | ||
+ | :イベント「理想の世界」においては、[[キラ・ヤマト|キラ]]が「ミスルギ皇国ではマナが使えない人が差別されていると聞いた」と話している。『V』と状況は似たり寄ったりだが、ミスルギ皇国以外の(『クロスアンジュ』の)国家については言及はない。 | ||
+ | ;[[スーパーロボット大戦X]] | ||
+ | :本作では[[アル・ワース]]に存在する「'''マナの国'''」出身のマナを使えない人間という扱い。 | ||
+ | :『V』とは異なり舞台はファンタジー寄りの異世界だが、他作品のキャラ達から「[[渡部クラマ|胸クソ悪い話]]」「[[アイーダ・スルガン|何というひどい事を]]」と境遇を異常に思われるなど、扱いはほぼ変わらない。 | ||
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+ | == 脚注 == | ||
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2024年6月22日 (土) 05:44時点における最新版
『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』に登場する人種の区分。
概要[編集 | ソースを編集]
作中世界では「マナ」と呼ばれる万能の力を誰でも使用し、その力の恩恵で一見、理想的で平和な社会が築かれている。しかし、一定の確率でマナが使えないばかりかその力に触れるだけで無効化してしまう人間が生まれてしまう。マナが扱えない人間として生まれるのは女性のみであり、男性はいない。その女性達を作中世界では「ノーマ」と呼んでいる。
そのため、ノーマという存在はマナに依存しきっているほとんどのマナ使いからは差別・迫害の対象とされ、アルゼナルへと隔離される。アルゼナルは外界と隔絶された施設であり、送られたノーマ達はそこで養育され、「異世界から転移してくるドラゴンと戦う為だけに認められる存在だ」と教育される。大抵は赤ん坊のうちに親から離される為、肉親に関する記憶を持っているノーマは非常に少ない[1]。成長したノーマは10歳を過ぎた頃からメイルライダー、整備士、オペレーター等、ドラゴンとの戦闘に関わる仕事に携わる事になる。中でも、メイルライダーは搭乗するパラメイルがコクピットが剥き出しの上、身体を固定する装備さえ無いので、死亡率が高い。
真相[編集 | ソースを編集]
実は、「クロスアンジュ作中世界の大半の人間はエンブリヲによって新たに生み出されたホムンクルスである」という事実が本編終盤において判明する。エンブリヲはマナを扱う人間を操る事ができるため、自身の目的に都合のよい存在としてホムンクルス達をそのように遺伝子調整していた。しかし、女性の中に「マナを扱えない先祖がえりをして生まれてくる者」、すなわち「ノーマ」が現れる事実が判明すると、彼女達を迫害対象にするようにマナ使いに仕向けてアルゼナル送りにし、「ドラゴンと戦うための戦士」として教育を施した上で、マナの維持に必要なドラグニウムを体内に持っているドラゴンと戦わせていた。
また、ドラゴンことアウラの民達の目的は「自分達の始祖であり、エンブリヲに捕らえられているアウラを奪還し、自分達の世界の崩壊を防ぐ事」であり、世界の破壊や人々の殺戮など全く考えていなかった。つまり、「ノーマ達はエンブリヲに利用され、自分達を迫害する者達の為に無意味な戦いを強いられていた」のである(元々、マナを使えない故に迫害されるノーマ達にとっては、マナがなくなった方がむしろ都合が良い)。
本編中盤では、本編以前にそうした事実に気づいたノーマ達が劇中の世界に元々住んでおり、エンブリヲと敵対していた古の民[2]と手を組んで行われた「リベルタス」という計画を実行し、失敗した事が明かされる。
そして、本編終盤では、ノーマ達は「長年互いに殺し合いをしてきたドラゴンこと異世界の種族であるアウラの民と同盟を結ぶ」という一大方針転換を行う。この同盟にこぎ着けたのはアンジュとサラマンディーネの結び付きが大きい。龍神器の開発によって搭乗者であるサラマンディーネ達は人間態のまま戦闘に参加し、アンジュと劇的な出会いを果たす。その後、ヴィルキスの力でアウラの民達の世界(真なる地球)にタスク、ヴィヴィアンと共に転移したアンジュはアウラの民達と接触し、そこでジルから聞いていた上記のリベルタスに加えて、サラマンディーネからアウラの民達の歴史とエンブリヲの存在を聞き、数日間、真なる地球で過ごした。この時の交流によってノーマとアウラの民のパイプが形成され、それが本編後半の同盟締結に結びついている。
『クロスアンジュ』最終話では、ノーマが女性だけにしか存在しなかった理由がアンジュにより語られており、「神(=エンブリヲ)に対する人間の潜在的な反抗意思であった」事が明かされる。多大な犠牲を出しながらもエンブリヲを打倒したノーマ達はアウラの民のいる世界である「真なる地球」に転移し、アウラの民と同盟を継続して移住。共に地球の復興を進める事となる。こうして長年、迫害され、不毛な殺し合いにさらされて来た彼女達にようやく平穏が訪れたのである。また、元々いた地球ではマナが消滅した為、今後生まれるノーマ達を区別する事は不可能になった[3]。
SRWでの扱い[編集 | ソースを編集]
マナとノーマは『クロスアンジュ』という作品における根幹かつ独自性の強い設定であるため、他作品(=マナという力の存在しない世界)の人間との設定上のすり合わせが必要となる。そしていずれの作品でもノーマ達への理不尽としか言いようがない差別制度には他作品の人物たちも怒りや憤りを覚えている。
- スーパーロボット大戦V
- 『クロスアンジュ』初参戦となった同作では「始祖連合国と呼ばれる独自のマナ文化を築く閉鎖的な国家の連合体が形成され、その中でマナを使えない人間がノーマ」という設定になっている。
- 始祖連合国とそれ以外の国家はほとんど交流が無いので、「マナが使えない」という理由でノーマを差別する件に関して理解に苦しむ者もいる。一方で、(アンジュの言葉を借りれば)「野蛮で暴力的で反社会的な連中」というノーマに対する見解(偏見)も始祖連合国外の一部に広まっているらしく、ホイ・コウ・ロウがノーマ蔑視の発言をしてアンジュの怒りを買う場面も存在している。
- また、火星の後継者も自部隊に所属するパラメイル第一中隊と交戦した際に「ノーマなのに地球軍に加担するのか」といった旨の発言をする[4]。
- スーパーロボット大戦X-Ω
- イベント「理想の世界」においては、キラが「ミスルギ皇国ではマナが使えない人が差別されていると聞いた」と話している。『V』と状況は似たり寄ったりだが、ミスルギ皇国以外の(『クロスアンジュ』の)国家については言及はない。
- スーパーロボット大戦X
- 本作ではアル・ワースに存在する「マナの国」出身のマナを使えない人間という扱い。
- 『V』とは異なり舞台はファンタジー寄りの異世界だが、他作品のキャラ達から「胸クソ悪い話」「何というひどい事を」と境遇を異常に思われるなど、扱いはほぼ変わらない。