デモンベイン

提供: スーパーロボット大戦Wiki
2014年7月22日 (火) 20:05時点における211.11.6.130 (トーク)による版 (→‎デモンベインの武装)
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デモンベイン(DEMONBANE)

  • 登場作品機神咆吼デモンベイン
  • 分類:鬼械神(コピー)
  • 全高:55.5m
  • 重量:4254t
  • 動力:銀鍵守護神機関『獅子の心臓(コル・レオニス)』
  • 装甲材質:ヒヒイロカネ
  • 開発者
    • 不明(設計開発)
    • 覇道鋼造(修理改修)
  • 所属:覇道財閥
  • 主なパイロット:大十字九郎アル・アジフ
  • メカニックデザイン:Niθ(オリジナルデザイン)、町田能彦(アニメ用リファイン)

魔術理論と科学の複合によって造られた、鬼械神を模した巨大ロボット。覇道財閥前総帥・覇道鋼造の主導で開発された(とされる)。

模造品ではあるが仕様やその性能は鬼械神と大差なく、魔術師と力ある魔導書が揃っていなければ運用することができない。アルと契約した九郎が格納庫に眠る本機を発見(ゲーム版では偶発的に逃げ込んだことで発見、アニメ版ではアルが本機と感応して地上に召喚)し、そのままパイロットとなった。

PS2版ではマスターテリオンとの最終決戦後、九郎とアルを元の世界に送り返すために「銀の鍵」の力を全開放、その反動で機能を停止して機体だけがアリゾナ砂漠に墜落。無限ループが断たれ修正された世界ではそのまま朽ちていくはずだったが、「機神飛翔」のエピローグで覇道財閥に回収されており、チアキらの手により完全に修復された。同時に、修正前の世界で使われていたデモンベインを運用するための広大な地下施設も莫大な費用をかけて再現されている。
なお、「機神飛翔」で活躍したデモンベインは一連の怪異の中でアズラッドらと共に実体化されたアルの『記憶』の一つであり、怪異が解決すると同時に消滅したものと思われる。実体化当時は未完成の状態だったが、破壊ロボを駆るウェストの手により即座に完成へと至った。

性能

特殊合金ヒヒイロカネの装甲を持ち、通常兵器はほぼ通用しない堅牢な防御力を持つ…が、作中で相対するのは鬼械神を始めとする魔術的な存在がほとんどであり、堅牢さを発揮する機会は少ない。その他の防御策としては、アルに依存することで発動する旧き印(エルダーサイン)があり、鬼械神相手では寧ろこちらの方が有効とされる。

フォルム面では頭部から放出される鬣のようなビーム(これはアニメ版においては手間の都合か省かれている)と、脚部に装着された巨大なシールドが大きな特徴で、まるで「城塞」を彷彿とさせるデザインである。尚、戦闘中はバイザーで顔面が覆われているため確認しづらいが、人間のものと同形状の口が存在しており、ゲーム版では大きく開いて咆哮したり、歯を食い縛ったりすることがある。劇中ではこの口の動きを含めて、様々な場面でデモンベイン自体が意思を持っていると思われる描写が散見される。

両足の脚部シールドには時空間を歪曲させる機能を持つ「断鎖術式『ティマイオス』『クリティアス』」が内蔵され、歪曲の反動を利用して爆発的な推進力・機動力を得ることができる。これを連続的に使用することで、敵の攻撃を跳躍して回避した後、空中で更に別方向へ跳躍して距離を瞬時に詰める等といった慣性の法則を無視した荒業を行うことも可能。逆に言うと、この機構を用いないと巨体かつ超重量のデモンベインは機動性の大半を発揮できない。

また、本来の機能に加えてアルが持つ(本来は自身の鬼械神であるアイオーン用の)兵装を流用することができる。また、作中で明言されているわけではないが、『ネクロノミコン』以外でも力のある魔導書ならばデモンベインの起動は可能であるため、例えばマスターテリオンやアンチクロスの持つ魔導書で起動させれば、それぞれの魔導書による魔術や魔術兵装を使用できると思われる。原作ゲーム版のライカルートにおいてブラックロッジに強奪されたデモンベインをティベリウスが操縦していた際は、ティベリウスの魔導書『妖蛆の秘密』の魔術の奥義である『怨霊呪弾』を使っていたほか、漫画版でクラウディウスが乗り込んだ際、クラウディウスが生身で使う魔具である剣玉を装備していた。

動力源である「獅子の心臓」は、内蔵された「銀の鍵」により開かれた平行世界から無尽蔵にエネルギーを汲み上げる半永久的な機関であり、これによりデモンベインそのものは基本的にエネルギー切れ等を起こすことが無い。しかし、魔力に限っては搭乗者に依存するため、搭乗者の状態によっては動かなくなってしまうことも。全体に魔力を供給する為、伝導率の高い水銀(アゾート)を血液のように張り巡らせている。予備の動力として通常電力も搭載されているが、こちらにはデモンベインそのものを動かせるほどの出力はない。また、デモンベインの建造途中では当時の人類の技術(十九世紀末)が追いつかず、蒸気機関を補助動力としていたこともある。なお、この当時は鋼造の持っていた魔導書の一つ「ネクロノミコン機械語写本」(当時最新のパンチカード製)が「心臓」の制御を担当していたが、それゆえかこの魔導書は生まれて間もない写本にも拘わらず精霊化を遂げている。 獅子の心臓は、リベル・レギスの動力機関の触媒である無限の心臓を機械化したものであり、無限の心臓を銀鍵守護神機関に組み込むことで制御が可能となる事が、外伝小説で明かされる。

またとあるルートでは、デモンベイン自身が心臓を抉り出し、握りつぶす事で次元転移ゲートを構成したり、別ルートでは因果律を操作し世界に干渉するなどの神に等しい行為を行っている。

特性

鬼械神は非常に高い能力を持つものの、人外の論理で顕現した魔術の一種であり、動いたり、召喚したり、存在を維持するために術者の魔力を大量に消費する。この魔力消費は、パイロットが人間であれば寿命を削るほどの多大な負担であるため、鬼械神は長時間の戦闘を行うことができない(数分程度の戦闘で命の危険があるほど)。また長期的な観点で言っても、貴重なパイロットをどんどんすり潰してしまうという欠陥があった。解決のためには、これに適応するためにパイロット自身が人外の存在に堕ちる他無い。

しかしデモンベインはあくまで鬼械神のコピーであり、魔術ではなく通常の物質で生み出された機械であるため、その存在を維持するために魔力を必要としない。動くためのエネルギーも平行世界からくみ出すため、存在にも行動にも魔力を必要としない機体である。そのためパイロットへの負担が非常に少なく、長時間の戦闘も問題無くこなせるし、貴重なパイロットを長期間運用することも可能となる。鬼械神に適応するために人外に堕ちる必要も無い。このようにパイロット個人として見ても、人類全体として見ても非常に好ましい性質を持っていることから、「人間のための鬼械神」とも称される。

魔導書さえあれば理論上誰でも操縦が可能(ゲーム版の瑠璃ルートで九郎が負傷して搭乗できなくなった際、アルと瑠璃が操縦した)。ただし、魔導書の力を引き出す関係上、基本的には魔術師でなければならない。

また、不測の事態により魔導書を失った場合でも、それ自体が「魔術」であるため稼働不能になるオリジナルと違い、あくまで「鬼械神を真似たマシン」であるデモンベインは召喚せずとも出撃可能であり、代替回路を用意できればパワーは落ちるものの問題なく動くことができる。事実、アルが戦闘不能に陥っていた期間、エルザがその役割を魔術回路で代替することでフォローしていた(もっとも、代替自体が本来は困難であるが)。

更に、機械であるため損傷箇所の修復やメンテナンス、細かな調整等が人の手により容易に行えることも強みとなっており、鬼械神の最大の弱点である「(術者の魔力が尽きるため)長く戦闘を続けることができない」という点がない。

このように、スペック自体はオリジナルの鬼械神に劣るものの、デッドコピーであるがゆえの長所をいくつも持っており、作中では「最弱無敵の魔を断つ剣」とも称されている。

名前は「魔(Demon)」を「滅する(Bane)」で、「魔を滅する者」を意味する。作中ではどちらかと言うと「魔を断つ剣」の方が通りが良い。

登場作品と操縦者

スーパーロボット大戦UX
初出演作品。第3・4話で一時参戦するが、参戦は他の主人公機と比べるとやや遅れる。
ダンクーガノヴァやノートゥングモデルのファフナーがMサイズの本作では、後半までは唯一の戦闘特化Lサイズユニットであり、スーパー系らしい攻撃力と防御力を持つユニット。アルの断片を取り戻す毎にパワーアップしていき、中盤でアルが離脱し弱体化するものの、終盤でアルが復帰しシャンタクが装備されて飛行可能な最強形態となる。他のスーパー系が合体を用いたデメリットもある強化なのに対し、純粋なパワーアップなのが特徴。特にHPが高く、撃ち落とし・切り払い・特殊回避・バリアと一通りの防御技能が揃い、九郎の技量も高いため発動率も高く、自軍トップクラスの堅牢さを誇る。
鬼械神全てに言えることだが、魔術を扱うロボットであるためかENゲージではなくMPゲージとなっており、「魔導書」レベルに応じて数値が上昇し、ターン毎の回復量が増える。改造による最大値強化は不可能でEセーブも無効だが、終盤でレベル9となりEN15段改造&毎ターンEN30%回復と同じ効果となるため継戦能力は高い。補給はなぜか有効だが、何をどうやって補給しているのかはさっぱり不明。改造項目が一つ少なく、ELSによるENダメージを受けないという利点もある。
本作のデモンベインについては、一部ユーザーから「スパロボなデモンベイン」と呼ばれることも。公式設定の「様々な可能性のデモンベイン」の一つ、という話である。なお、作中のアルの発言により、かつての乗機アイオーンは宇宙の終焉を超えたデモンベインである可能性が暗に示されている。

装備・機能

武装・必殺武器

バルカン以外の武装は全てMP消費だが、アルの「魔導書」技能により回復量が増えるため、実は見かけより燃費がいい。そのため、魔導書技能が無いエルザが搭乗している時は回復が見込めず最大値も低下するため一気に燃費が悪化する。
そのためエルザ搭乗時は戦術指揮効果EN・MPを回復できるアーニーないしスメラギ戦術指揮に据える、補給役を張り付けるなどして消耗を抑えるのが吉。

デモンベインの武装

格闘
殴りつける。蹴り系の必殺技があるため、原作でも通常攻撃としての格闘と言えば殴っていることが多い。
UXでは消費の割に威力が高く、しかも射程が4とバルカン砲より長いため、基本的に攻撃手段はこれとなる。
バルカン砲
こめかみ部分に内蔵された火器。文字通りのただの機関砲だが、量産型破壊ロボを一撃で破壊でき、鬼械神相手でも牽制としては通用する。
『UX』でも実装されたものの、格闘の陰に隠れてほとんど使い道がない。撃ち落とし演出で見ることの方が多いかもしれない。
アトランティス・ストライク
脚部の「断鎖術式『ティマイオス』『クリティアス』」の時空間歪曲によって生じるエネルギーを直接叩き込む近接粉砕呪法。その性質上、キックでさえあればどんな形でも成立する。
アニメ版ではオリジナル要素として脚部シールドが脚部側面に移動し、頭部が一部変形する。
『UX』ではアニメ版再現により初登場時に追加。演出は飛び蹴りバージョン。レムリア・インパクトの追加が非常に遅いため、長らく主力必殺技として使っていくことになる。ちなみにこの技にはアルと九郎のカットインがあるが、エルザとノーマル九郎のカットインもきちんと用意されている。
技の語源となった「アトランティス」とは古代ギリシアの哲学者、プラトンの著書『ティマイオス』及び『クリティアス』の中で記述した伝説の大陸のことを指す。
アトランティス・トルネード・ストライク
原作ゲーム版にて夢幻心母突入の際に使用した技。アニメ版では未使用。アトランティス・ストライクに錐揉み回転とシャンタクによる加速を加え、威力を強化したもの。
アトランティス・ストライク・ヴォーテックス
外伝小説『軍神強襲』にて使用。渦を描くように両脚で次から次へとアトランティス・ストライクを繰り出す。なお、この時のデモンベインは銀鍵守護神機関に匹敵する動力源をもうひとつ組み込んでいる状態ゆえにこの様な荒業が可能なのであり、本来のデモンベイン単体では実現不可能。
レムリア・インパクト
無限熱量により相手を「昇滅」させる第一近接昇華呪法。掌に魔力を集中させ、掌底を叩き込んだ場所の周囲に結界を張り、銀鍵守護神機関を直結させて異界の無限熱量を流し込む。鬼械神をも跡形もなく消し去るだけの破壊力を持つ、デモンベインの代名詞と言える必殺技。発動時はこめかみの放熱フィンが展開するほか、バイザーの上から口部をフェイスガードが覆い、若干ではあるが頭部のデザインが変化する。
発動するには瑠璃の承認と彼女が送信するナアカル・コードを受信する必要があり、自由には使えない。というのはこの攻撃、原作での初使用時九郎が詳細を知らず無我夢中で放った時は街の一角に巨大なクレーターを作る(廃棄区画であり犠牲者は出なかったが)程危険な破壊力を持ちながら、「並行世界から取り出した熱量をそのまま相手に叩き込む」という原理上、機体が健在である限り「並行世界が存在すれば無限に撃てる」というある種メイオウ攻撃に近い無茶苦茶な必殺技であるため、操者による悪用・濫用を防ぐセーフティロックとしてナアカル・コードが存在する。原作では解除キーが存在し、これを使うとナアカル・コード無しでも搭乗者の意思で発動可能。なお、ナアカル・コードとはクトゥルフ神話における、古代ムー大陸の言語「ナアカル語」のこと。
ゲーム版では初陣でいきなり使用するが、アニメ版ではアトランティス・ストライクが前倒しされて通算3戦目のデモンペイン戦で初使用。
『UX』では第1部の中盤(ティベリウス戦)とさらに遅い初披露となり、イベントで一度使用されるがその時点では通常使用が解禁されず(イベントBGMだけはこの時点で解禁)、実装はなんと第2部の終盤、エルザ参戦ステージとなる。なお、サブパイエルザのデモンベインは、総合性能ではかなり弱体化しているが、この武装の解禁とエルザの精神コマンドも有り、一部分ではアル離脱時より強化されている。弱体化によってプレイヤーにかかるストレスを最小限に抑えるため、武装解禁をこのタイミングにしているのかもしれない。
ちなみにこっちにもエルザとノーマル九郎バージョンのカットインがあるが、実装タイミングが前述の通りのため、アル版のカットインはかなり先になる。ついでに言うと原作前半版のカットインはアメリカルート15話のイベント戦闘とバンダイチャンネルのツメスパロボ、キャンペーンマップ16のみ。各所で話題となった瑠璃のパンモロカットインはこれで入る。
元ネタは山口貴由氏の漫画『覚悟のススメ』に登場した零式防衛術「螺旋波紋掌打」。ちなみに「レムリア」はインド洋に存在したとされる大陸の事を指し、こちらもクトゥルフ神話と縁のある設定。
レムリア・ディレイ・インパクト
複数の敵に次々とレムリア・インパクトを撃ち込み、最後に一斉昇華する技。『UX』では未使用。
レムリア・デュアル・インパクト
外伝小説『軍神強襲』で使用。本来は右掌で発動させるレムリア・インパクトを、左掌からも発動させ、二つ同時に相手に叩きつけ、昇滅させるという代物。なお、この時のデモンベインは銀鍵守護神機関に匹敵する動力源をもうひとつ組み込んでいる状態ゆえにこの様な荒業が可能なのであり、本来のデモンベイン単体では実現不可能。
レムリア・インパクト零零零式(-アイン・ソフ・オウル)
続編『機神飛翔デモンベイン』における最終奥義。戦闘終了時にあるコマンドを入力することで見ることが出来る。あり得るあり得ないに関わらず、全ての可能性のデモンベインを一斉召喚してレムリア・インパクトを放つという豪快且つ無茶苦茶な技。アイン・ソフ・オウルの元ネタは黒き銃神の武装と同じく、カバラ思想における『セフィロトの樹』を照らす『無である零(アイン)と無より生まれし無限である零零(アイン・ソフ)から来たる無限光(アイン・ソフ・オウル)』である。
後に格闘ゲーム『ニトロ+ロワイヤル -ヒロインズデュエル-』にて、『刃鳴散らす(はなちらす)』より参戦した石馬戒厳のEDにてゲ-ム会社「CIRCUS」への皮肉を交えたそのキャラの中の人ネタ(そのゲームメーカーの代表シリーズで中の人が殆どの作品で出演している。詳しくは「曲芸商法」で検索すること)で盛大にパロディを行っている。しかも当のゲーム会社公認のネタである

アル・アジフの断片

魔導書アル・アジフのページに記された数々の魔術および魔術兵装。劇中オープニングでアルのページが失われているので、物語が進みページを回収するごとにデモンベインの機能が追加される。これらの魔術の殆どはマギウススタイル時の九郎も使用可能(というより、魔術師の魔術を鬼械神サイズにスケールアップしているともいえる)。魔術であるため搭乗する魔術師の力量が上がるほどにその威力は増し、魔術師の発想力によって様々な応用が利くのが特徴。

アトラック=ナチャ
鬣状のビームを拡散させ、蜘蛛の巣のように張り巡らせて対象を捕縛する捕縛結界呪法。
『UX』においては特殊行動として実装され、MP消費で一定範囲内の敵の移動を封じる。自機中心で範囲が5なので、そのまま使うとデモンベインが袋叩きにされかねない。なので、ヒット&アウェイ+連続行動を併用し、突っ込んで1機撃墜⇒「加速」の後特殊コマンド使用⇒移動して自軍に合流、つまり「撃ち逃げ」をするのがベスト。特定ポイント防衛ステージなどでは「密集地帯に撃ち込み、その隙に味方が残りを叩く」という手法も有効。
ニトクリスの鏡
鏡で出来た幻影を発現する。また、機体をミラーコーティングしてビームを防御する・攻撃を受けて割れた破片の数々を敵に突き刺す等といった応用も可能。
『UX』においては特殊回避能力として実装。最大発動率は30%と本作の特殊回避の中では最低クラスだが、素の回避力が皆無なので効果を実感しやすい。また、同作では初登場時はウェストが持っており、デモンペインごと自分を複写するという予想の斜め上を行く手を打ってくる。また、中盤のバイストン・ウェルルートでは意外な目的で使用することに……
バルザイの偃月刀
プレート状の鋭利な刃を持つ"魔法使いの杖"。本来は持ち主の魔力を強化し、魔術の儀式に用いる事で魔術の使用を円滑にするためのものである。
単純な斬撃に用いるのはもちろん、扇の様に展開してブーメランのような投擲武器や盾としても使用でき、斬撃の衝撃波でも物体を破壊することができる。魔力を通すことにより、灼熱の刃へと変化する。
UXでは第1部の中盤で追加。2度斬りつけた後に衝撃波で追撃する。準必殺技クラスの攻撃力を持ちながら気力制限なしという点が優秀。追加時のイベントではデモンベイン出撃まで剣が飛び回って自軍のHPを削り続けるという地味に厄介なイベントがある。なお、アニメ版では盾として使用した描写が無いためか、シールド防御はできない。また本編では有射程・バリア貫通・気力制限なしの超優良武器だが、キャンペーンマップでは射程が1に落ちているので注意。
クトゥグア&イタクァ
炎の神性クトゥグア、風の神性イタクァという旧支配者の力を宿した二挺拳銃。作中でも言及されているように銃自体は「暴君」が九郎に与えたもの。また、銃そのものはアルのページではないため、彼女が戦闘不能になった時も人間サイズの銃として実体化しており、マギウス・スタイルになれない九郎の主力武器となっていた。また、生前の覇道鋼造も愛用している。
両者とも火薬には霊的存在の物質化を促進させる霊薬「イブン・ガズイの粉薬」が含有されているほか、「神獣弾」を装填することで、クトゥグア・イタクァの本来の姿を解き放つ神獣形態を使用できる。
『UX』では「クトゥグア=イタクァ」の名称で第2部中盤から追加。アニメ版に適切なシーンがなかった為か演出はオリジナル色が強く、「両手に紋章が浮かび上がるカットインから銃を呼び出して銃撃(このあたりはアニメ版の再現)→クトゥグアの1発とイタクァの連続着弾で宇宙まで打ち上げられる→真下から迫るクトゥグアと特有のジグザグ軌道を描くイタクァが連続で着弾して爆発」といった流れ。クトゥルフ神話では、イタクァは人間を空に巻き上げて地球外の遠方の地をあちこち連れ回し、最後は地上に投げ捨てるとされており、そのあたりを意識した演出なのかもしれない。射程は最大7と近接攻撃だらけのデモンベインにはありがたいが、必殺技クラスなので消費が40と重い。反撃時は状況と相談して撃つべし。
また、クトゥグアとイタクァの断片の人間態もキャラクターとして登場し、武器使用時には一瞬だけカットインが入る(銃を呼び出した直後)。アニメ版準拠で神獣形態は非実装だが、「THE RETURN OF THE SORCERER」インターミッションの夢幻心母突入イベントで神獣形態を使う描写が挿入された。
クトゥグア
「モーゼルC96」を基にした黒と紅の大型自動拳銃。破壊力と連射性にも優れている炎を纏った弾丸を放つ。
弾丸は炎の神の洗礼を受けた50口径弾『The minions of Cthugha』が使用されている。神獣形態は焔に包まれた獣の姿をしており、触れるもの全てを蒸発させるほどの熱量を放つ。
クトゥグア(覇道財閥版)
こちらはまだ九郎が「暴君」から二挺魔銃を譲り渡される前に、デモンベインの支援武装として作られた魔導兵器。形状は実在する拳銃「ルガーP08」をそのままデモンベインが使えるサイズにまで拡大した形。暴君から譲られた魔銃と違い、実体弾ではなくクトゥグアのエネルギーをプラズマ弾として発射する(この辺はアルの本来の鬼械神・アイオーンがクトゥグアを撃つ時の方式に近い)。インスマウスダゴンとハイドラを退けた際、そのあまりの熱量でデモンベインまで溶けかけたクトゥグアを制御する装置として、チアキ主導のもと、覇道財閥で作られた。ページモンスターと化したイタクァとの戦いで投入されるが、二発目を撃とうとした所で暴発し、壊れてしまう。以後は暴君からクトゥグア制御用として赤の魔銃が九郎に譲られたため、お蔵入りになった。
イタクァ
「マテバM6Unica」をベースにした銀の回転式拳銃。魔術による追尾誘導能力を持つ氷を纏った弾丸を放つ。
弾丸は風の神の洗礼を受けた46口径弾『Wendigo the Blackwood』が使われている。神獣形態は氷の躯と翼を持つ一角の竜の姿をしており、絶対零度で広域を瞬時に凍結させることが可能。
ロイガー&ツァール
二振りの小剣。二つを繋ぎ展開することで十字状の投擲武器として使用できる。
『斬魔大聖』には名前だけしか登場しておらず、ゲーム版『機神咆吼』に付属するOVAではこの断片を手に入れるまでの一幕が描かれている…が、ゲーム本編では僅かに登場するのみで、アニメ版では出番すらないという不遇の兵装。続編の『機神飛翔』ではとあるキャラクターがこの兵装を愛用し、大活躍することに。
ド・マリニーの時計
時間の停止、巻き戻しを可能にする。余談だが、ミスカトニック大学の時計塔には「本物」のド・マリニーの時計が覇道鋼造の手によって埋め込まれている。元ネタは九郎の名前の元になったタイタス・クロウが使う大時計型時空往還機(タイムマシン)から(元々はクロウの友人ド・マリニーの父が遭遇したある事件[小説『銀の鍵の門を超えて』]でゲートの役割を果たしたもの)。
シャンタク
アイオーンの飛行ユニット。アルが全ての断片を取り戻した後に使用可能になる。蝙蝠の翼や黒いマントと喩えられる形状をしており、これによりデモンベインも飛行能力を会得する。シャンタクとは鱗の生えた鳥のようなクリーチャーであり、この飛行ユニットも鱗状の模様を持つ。

???

輝くトラペゾヘドロン(シャイニング・トラペゾヘドロン)
第零封神昇華呪法。本体は中核部分にある多面体結晶であり、剣のような形状をとっているのは結晶を封じている「函」が変質した物。その異様さから「捻じ曲がった神柱」「狂った神樹」「刃の無い神剣」等と形容される。触れた対象を異次元へ放逐するというデモンベインの窮極呪法兵葬だが、機体が勝手に動き出して発動し、更に発動中は一切の制御が効かなくなる等、その存在は多くの謎に包まれている。
その正体は、『「無限に存在する並行宇宙そのもの」を結界と化して、邪神たちの宇宙(アザトースの庭)を封じたもの』であり、より正確には「放逐する」と言うより「吸収する」と言った方が正しい。この封印から逃れた邪神は今のところナイア一柱のみ。ナイア達邪神は触れることすらかなわない、まさに神器と言えるもの。それ故に、九郎、テリオン両者をトラペゾヘドロンが扱えるレベルまで成長させた上で両者を激突させ、トラペゾヘドロンを破壊し邪神の封印を解く事が本編におけるナイアルラトホテップの目的である。
ちなみに発動用の詠唱文が存在。内容は始動が「荒ぶる螺旋に刻まれた 神々の原罪の果ての地で 我らは今聖約を果たす」、発動が「その切実なる命の叫びを胸に 祝福の華に誓って 我は世界を紡ぐ者なり」。リベル・レギスの方は形式だけ同じで内容が反対。召喚した瞬間に所有者以外の一切が行動不能となる、処刑場或いは血戦場と称される空間が展開される。
『UX』では「シャイニング・トラペゾヘドロン」表記でアル復帰後に追加される。強力だが消費が60と重く、ボス戦向け。ただし、第51話のリベル・レギス戦で撃ち合いになった場合、カウンターで先手を貰うとフリーズしてしまうバグがある(より正確にはリベル・レギスの攻撃に対しこちらが反撃する形で撃ち合いになった場合フリーズする)。先述のように、このトラペゾヘドロンの激突がナイアの目的であるため、「原作再現っぽい」と原作ファンには若干好評だったりする(バグなのに)。なお、この戦闘では発動時の台詞が先述の詠唱文を使用した専用のものになるため、一度は見ておくといい。EPならばカウンターもないのでフリーズしない。ちなみにリベル・レギスの方もデモンベインに使う場合のみ専用の台詞が出る。
元ネタは勿論クトゥルフ神話。邪神「闇を彷徨うもの」を呼び出すことの出来るとされる惑星ユゴスで作られた「偏四角多面体」。伝説の大陸レムリアで発見された後アトランティスへと運ばれ、古代エジプトにて「暗黒のファラオ」ネフレン=カが手にした。その後、現代になって邪教集団「星の智慧派」に渡ったとされる。
ファイナル・シャイニング・トラペゾヘドロン
シャイニング・トラペゾヘドロンの強化型。分割されたトラペゾヘドロンが一つに戻った姿であり、ある意味真の姿とも言える一撃。
『UX』では最後に追加される武装。無改造での攻撃力7300というのは合体攻撃を除く武器の中では最高の数値であり、おまけに地形適応がすべてSという最終決戦に相応しい大技。追加されるのは51話のマスターテリオン撃破後(習得イベント発生後に第51話が終わるので実質最終話しか使えない)とオーガンのグランドクルスアタックよりも遅いが、カリ・ユガがあまりにも頑強なため活躍してくれる。消費MPは70と極めて重いが、幸い九郎が正義を持っているため援護攻撃等で連発することができる。

その他の装備・機能

旧き印(エルダーサイン)
魔力を介して発動する防禦陣。邪悪や敵意を祓い、清める力を持つとされる。物理的な衝撃に限らず、魔術攻撃に対しても高い防御力を発揮する。発動時、機体の前方に光輝く五芒星の印が展開する。
アニメ版ではバリアとして使われたシーンがないためか『UX』では特殊能力として採用されていない。代用なのか機体ボーナスでバリアフィールドが付く。
自己修復能力(メリクリウス・システマ)
終盤において機能し、損傷箇所を瞬く間に修復していく。オリジナルの鬼械神は総じて最初からこの能力を持っている。
アニメ版では明確に修復している描写がないためか『UX』では特殊能力として採用されていない。気になるならスキルパーツの修理装置搭載を付け代用しよう。
機神銃舞 / 零距離銃舞(モータルガンバット)
ゲーム版『機神咆吼』のライカルートにおいて、ネームレス・ワンに使用したコンボ技。アニメ版では未使用。
断鎖術式による2段ジャンプで敵の攻撃を回避すると同時に飛びかかり、至近距離からクトゥグア&イタクァによる銃撃を浴びせ、トドメに踵落とし版アトランティス・ストライクで粉砕する。
『機神飛翔』では必滅奥義(いわゆるフィニッシュブロー)として使用する。

特殊能力

銃装備
頭部バルカン砲で撃ち落としを発動。
剣装備
バルザイの偃月刀で切り払いを発動。バルザイの偃月刀入手に合わせて実装される。
ニトクリスの鏡
気力130以上で発動する特殊回避。発生確率最大30%。

移動タイプ

当初は陸上ユニット。シャンタク装備後は飛行可能。

サイズ

L
上記の通り、UXでは貴重な自軍Lサイズユニットである。

機体ボーナス

初期段階:照準値+5 HP+500
第二段階:照準値+10 HP+750 バリア1000
第三段階:照準値+20 HP+1000 バリア1250
最終段階:照準値+30 HP+1500 バリア1500 移動力+1
長所である耐久力の強化と、短所である命中・移動の補強を行えるボーナス。バリアでMPがみるみる減っていくが、MP回復を自前で持つためよほど無茶な運用をしなければガス欠にはならないだろう。
バリアは原作におけるエルダーサインの疑似再現と思われる(アニメ版では使っていないため)。

機体BGM

「機神咆吼―交錯する刃金と刃金」
通常戦闘時のBGM。
「破神昇華―渇ず飢えず無に還れ」
必殺技会得時に流れるイベント曲。通常時にそれらの技を使っても流れないが、戦闘曲に設定することは可能。

関連機体

アイオーン
アル本来の鬼械神。シャンタクを初めとする武装の一部はこの機体に由来する。また、デモンベインと酷似した姿をしているが、その理由は不明。
デモンペイン
ドクター・ウェストが制作したデモンベインの姿を模した破壊ロボ。「ベ」ではなく「」となっている。
リベル・レギス
宿敵・マスターテリオンの鬼械神。実はある意味で対存在。
デモンベイン・トゥーソード
『機神飛翔デモンベイン』に登場。異世界から来た少年「二闘流(トゥーソード・トゥーガン)」が使用する黒いデモンベイン。
頭部ビームフラッグが二本になり、脚部シールドが側面に移動している・シャンタクが脚部シールド内部から虫の羽のように展開するなど細かい部分に差異がある。オリジナルのデモンベインよりも身軽で、運動性能が高い。
並行世界のデモンベインの改造機だと思われていたが、その正体はとても意外な存在だった。
ある事情により術者・魔導書・鬼械神の三位一体ではないためかオリジナルに比べると戦闘力は劣り、エセルドレーダを欠いたリベル・レギスに一蹴されている。
なお、アニメ版デモンベインの脚部シールド変形ギミックはトゥーソードのデザインを意識した物となっている。
デモンベイン・ブラッド
トゥーソードと同じく『機神飛翔』に登場。異世界から来た少女「アナザーブラッド」が使用する紅いデモンベイン。オリジナルと同じ形状だが、使用武装は搭乗者であるアナザーブラッド独自の魔術に依存している部分が多い。
デモンベイン(軍神強襲版)
外伝小説『軍神強襲』に登場。銀鍵守護神機関に相当する機関を追加搭載する事で飛躍的に出力が増している。
魔を断つ永遠の剣(デモンベイン・アートレータ・アエテルヌム)
外伝小説『軍神強襲』版と『機神飛翔』版の2つがある。両方共チートそのものを具現化するとこうなるというかのような規格外の存在。
『軍神強襲』版
火星の地表を丸ごと使って描かれた超巨大な魔法陣で招喚されたことにより、とてつもないサイズと三対の腕とケンタウロスのような多脚を有する姿になったデモンベイン。諸事情により上記の追加搭載された機関を喪ってしまうが、アイオーンエンジン形態と合体する事で操縦者を得ると共に能力を維持している。サイズを意のままに変えるのは勿論、リベル・レギスに破壊された地球を一手で元通りにしたり宇宙の破壊や創造を容易にできるだけでなく、因果律に干渉して操る宇宙が熱的死を迎えて全てが停止する世界だろうと物体として存在できない世界であろうとお構いなしに戦い続ける…という出鱈目極まりない能力を備えている。
しかし、シャイニング・トラペゾヘドロンを持っていないことと、同様の力を持ってしまったリベル・レギスと終わりの見えない戦いにウンザリした邪神によって、(エドガーの存在も含めて)時間の巻き戻しによる歴史からの抹消を食らってしまった。
『機神飛翔』版
あらゆる時間・次元・可能性から召喚したデモンベインの大軍勢。その姿や境遇は千差万別、その数は宇宙を埋め尽くすほどの規模であり、中には『軍神強襲』に登場した上の個体と思われる「二つの心臓(エンジン)を持つデモンベイン」や三位一体に至ったデモンベイン・トゥーソードもいる。

他作品の関連機体

デウスエクスマキナ
ヒトマキナの統率者。UXではアルから「人の創りし機械の神、エクストラ・デウス・マキナ」、「もうひとつの存在しない鬼械神」と見なされた。
グルンガスト
「デモンべイン」は元々原作のシナリオライターである鋼屋ジン氏が第4次プレイ中にグルンガストに付けた名前である。

余談

  • 原作(アルルート)及びそれを元にしているアニメ劇中では「覇道鋼造によって造られた」と説明されているが、別のルートで明かされた真相によると鋼造は「前のループ」から飛ばされ破壊されたデモンベインを復元しただけであり、その後の続編や関連作品においても「最初のデモンベインが何者によって造られたか」について触れられたことはなく、現在に至るまでデモンベインの真の製作者は謎のままである。
    • また、そのルートでは、デモンベインを復元したのは鋼造ではなく、鋼造を名乗る別の人物だったことが明かされている。
    • この「鋼造が回収して来た原作版デモンベイン」は、実はアニメ版のエピローグにも登場している。
  • 「機神飛翔」では様々な可能性のデモンベインが一度に召喚された事例があり、どんな姿でもおかしくないというある意味ぶっ飛んだ機体。液体だろうが未完成だろうが、崩壊寸前だろうが気体だろうが考えられうる可能性はおろか、考えられない可能性まで全てを内包している。その中にはマジンガーシリーズだったりゲッターロボシリーズだったりイデオンだったりマクロスだったり、果てはミールだったりする可能性も存在していた。「デモンベイン」とはあくまで「魔を断つ剣」という定義に与えられる名である(つまり本家の鬼械神もどきはその名を冠する一つに過ぎない)ため、その定義に沿って戦う意志さえあれば形に関係なく全てがデモンベインになりえる。この定義に従うならばUXでデモンベインとともに戦った自軍全員が「デモンベイン」であるという解釈も成り立つ。

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