エクソダス

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エクソダスとは、「オーバーマン キングゲイナー」に登場する用語。

概要 [編集 | ソースを編集]

ドームポリスを抜け出し、かつて人が居住していた大地へ移住することを指す。

かつて地球の環境が悪化したため、温暖な地域を環境保全・食糧生産のみにあて、人類は寒冷地や砂漠などの劣悪な環境下にドームポリスを建設し移り住んだ。しかし、現在このシステムは政府側の一方的な利益保持の目的でのみ運営されており、自然は十分に回復していると考えられている。そのため一方的な支配体制から抜け出しかつての故郷に帰ろうという機運が活発になっている。このような活動をエクソダスという。

エクソダスは政府によって重大犯罪に定められており、監視機構であるロンドンIMAや搾取を目的とするシベ鉄(シベリア鉄道公社)等によって弾圧されることになる。また規模も個人レベルから都市丸ごとの集団移民まで様々で、周囲の環境もあいまって非常に困難で危険を伴う行いである。そのためゲイン・ビジョウのように依頼を受けてエクソダスを先導する専門家も存在する。

上のような経緯から、「現状から抜け出し前へ進む」といったポジティブな意味で使われる事もある。なお、「エクソダス(Exodus)」とは旧約聖書の一つ「出エジプト記」の英語読みが原案。

弊害 [編集 | ソースを編集]

作中の中心人物の多くがエクソダス推進派である事もあってか、エクソダスは賛美・美化される傾向が強い。しかし、エクソダスが政府によって基本的に犯罪扱いされている事実だけでなく、エクソダスを行う事が必ずしも良い結果に繋がるとは言えず、補給路の縮小や途絶により継続不可能となった末に難民化せざるを得なくなる等、「エクソダスによって生じてしまう弊害」もキリが無い程まで多数ある。

個人や思想を共有した一部集団でならともかく、都市ユニットごとのエクソダスの場合となると、偶々そこで暮らしていたエクソダスの反対派や政府からの締め付けがあっても落ち着いて生活がしたかった人間までもが、なし崩し的に「巻き添え」を喰らってしまう事になり、作中でゲインの計画した都市ユニットごとの大規模エクソダスは、実質的に「エクソダス推進派を中心とした大規模なテロ行為」となっている。当然、巻き込まれた者達にとって自分達の安全が保障されない所か犯罪者扱いされてしまうエクソダスは「迷惑」でしかなく、必然的にエクソダスの主導中心となる推進派に抗議した結果、厄介者扱いされて冷遇されてしまう事になる。また、エクソダスの最中で戦闘に巻き込まれて負傷したり、住居を失ってしまった者だけでなく、まともに生活出来無くなった末に出所も分からない(おそらく盗んだ物である可能性が高い)物品で行商しようとする者もいる等、半ば無法地帯となっているケースもある。更には、エクソダスに全く関わっていないにも関わらず、身内が自分勝手な都合の為にエクソダスに参加・加担した結果、シベ鉄によってエクソダスに関わった容疑を掛けられてしまう者もおり、その者達に待っているのは決して穏やかな人生では無い。劇中でもウルグスクを統括していたメダイユ公は「ヤーパンの天井」による大規模なエクソダスを防げなかった責任で侯爵家を取り潰しにされてしまい、ヤッサバ・ジンもまた家族が自分を捨ててエクソダスに参加した事で迫害されエクソダスそのものへの憎しみもあって政府への忠誠心を示す為にシベ鉄の一員になるしかなかった等、エクソダスを実行するという事は現実の犯罪と同様に自分の関係者にも多大な迷惑や負担を掛けてしまう行為なのでもある。

エクソダス推進派といえる人間達は、基本的にエクソダスの「良い部分」しか見ようとせず、その魅力に憑りつかれる傾向となっている為、安全な暮らしをしたいだけである反対派の人間の事を「権力に飼い慣らされた軟弱者」の様に差別し敵視する者が多く、自分達のエクソダスが原因で政府から冷遇される事になってしまった人間達への関心も薄い。中には邪魔者と見なして迫害する所か殺害にまで踏み切ってしまうテロリスト同然の過激思想の持ち主もいるのだが、そういった行いですらも推進派の人間達は「エクソダス成就の為に必要な犠牲」と割り切ってしまっている。

劇中でエクソダスに振り回される弊害を受ける事になった最も代表的人物は他ならぬ主人公のゲイナー・サンガであり、彼の両親はとある人物によってエクソダス反対派の濡れ衣を着せられた挙句に暗殺されてしまい、それによって天涯孤独の身となってしまったゲイナー自身も、それが遠因となって政府やシベ鉄からエクソダス関係の冤罪を着せられ、なし崩し的にキングゲイナーに搭乗しエクソダスに参加せざるを得なくなる等、理不尽な経験をする事になる。

関連用語[編集 | ソースを編集]

ミイヤ
最初にエクソダスを行ったとされる伝説の人物で、古の五賢人の一人。エクソダスの象徴でもある。現在も子孫と思しき人物が存在している。