R・ドロシー・ウェインライト
R・ドロシー・ウェインライト(R. Dorothy Wayneright)
『THE ビッグオー』シリーズのヒロインで、終始無表情で不愛想な少女型アンドロイド。外見年齢の18歳というのは元になったティモシー・ウェインライトの娘と同じ。ある事件の依頼者としてロジャーと接触するが、報酬を支払えなかったことをきっかけにスミス邸の世話係としてノーマン・バーグとともに働くようになる。
アンドロイドらしく身体性能(むしろ機体性能か?)は非常に高く、片足で数メートルのバック転をしたり、壁を殴って壊したり、自転車で車を追い抜いていったりと、各所でその性能を垣間見ることが出来る。
常に無表情で抑揚のない声で話す、いかにも機械的な彼女ではあるが、作り手のティモシーの前では表情が非常に豊かであり、笑顔を見ることもできる。
ピアノの演奏が得意だが、そのレパートリーは極端なもので激しい曲が多く、毎朝奏でられるその音色によってロジャーは不快な目覚めを余儀なくされる(ロジャーとしては、朝は静かで優雅な曲が聞きたい)。また彼女が入れるコーヒーは砂糖を大量入れるためとても甘く、ブラックが好きなロジャーには苦痛以外の何物でもない。ただしピアノの件は、ある事件の際の報酬代わりに「お願い」としてロジャーに聞き入れられている。
電脳部分にメガデウスに関係するメモリーを持っており、Act:04のようにアーキタイプをはじめとする、メモリーを求める様々なメガデウスの暴走を引き起こしてしまい、襲われることが非常に多い。彼女自身そのメモリーを忌み嫌っており、そういった事件に関与すると激しく動揺し、非常に弱気になる。
ある一件でついに頭部のメモリーを奪われて完全に停止してしまったが、技術者たるメモリーを取り戻したジェイソン・ベックが不思議がる中、メモリーなしで復活。危機に陥ったロジャーの元へ駆けつけ、ロジャーの気力を回復させると共に、ベックの与えたヒントを元に彼女自身がインターフェースとなることで、ビッグ・オーのファイナルステージを起動させた。
基本的にメガデウスを操縦することはないが、ビッグ・オーには機体運搬とロジャーの補助、自身の保護などで数回搭乗している。
登場作品と役柄
- スーパーロボット大戦D
- ビッグ・オーのサブパイロット(精神コマンド要員)。ロジャーの代わりにビッグ・オーを操縦し、カットインでも時々登場する。加速を持っているのでビッグ・オーにとっては重要。
ゲーム中では、カイラスギリー攻防戦前、シャクティたちと共に宇宙空間に放り出され、ザンスカール帝国に保護される。また急な敵襲に際し、OZのトレーズ・クシュリナーダを抱えて逃げたのだが、果たしてどのような抱え方だったのだろうか? - スーパーロボット大戦Z
- 初の声付きで登場。また、矢島氏がSRWシリーズで声を出すのも初となった。今回もビッグ・オーのサブパイロットになる。ロジャーの弱点を補うような精神コマンドが多いため、非常に頼りになる。声優ネタとして、ホランドを「父ちゃん」と呼ぼうとするシーンがある。
- 第2次スーパーロボット大戦Z(破界篇/再世篇)
- 破界篇、再世篇共に登場。また、再世篇では新たに顔グラとカットインが追加されている
パイロットステータスの傾向
精神コマンド
人間関係
- ロジャー・スミス
- 道中は共に行動していることが多い。何かとそりがあわないが、何だかんだで最高のパートナー。
- ノーマン・バーグ
- 職場の仕事仲間で無愛想なドロシーだがノーマンとは仲が良い。
- ティモシー・ウェインライト
- ドロシーの生みの親。
- ミゲル・ソルダーノ
- ソルダーノ重工の社主であり、ドロシーの分身であるドロシー1を生み出した。死の間際、ドロシーを「ナイチンゲール(夜鳴きウグイス)」と呼んだ。
- R・インストル
- Act:06のゲスト。ロジャーの旧友であり、ドロシーにピアノをレクチャーした。
他作品との人間関係
- リリーナ・ドーリアン
- Dでは名前ネタにして声優ネタか、仲が良い。二人そろって攫われることもあった。
- 熱気バサラ
- Dでは彼の歌の素晴らしさをなんとなく理解していた。
- ホランド・ノヴァク
- Zでタルホの妊娠発覚の際に彼を「父ちゃん」と呼び、彼を困惑させる。その時の声色が「野原しんのすけ」のようなものであったかは不明である。
- トレーズ・クシュリナーダ
- ロジャー以外に最低の烙印を押されてしまった人その1。
- クライン・サンドマン
- ロジャー以外に最低の烙印を押されてしまった人その2。
- モーム
- 同じくアンドロイドである彼女と仲良くなる。
- ランド・トラビス / セツコ・オハラ
- 記憶をなくした時に行動を共にする。ランドに「親方」と呼ばれセツコには「チーフ」と呼ばれる。
- クロウ・ブルースト
- ロジャー以外に最低の烙印を押されてしまった人その3。
- ゼロ (コードギアス)
- 最低の烙印までは押されていないがロジャー同様に趣味が悪いと評価されてしまった。
名台詞
THE ビッグオー
- 「私を守ってほしいの」
- Act:01、ドロシーはスミス邸にひとり現れ、自らの意思でロジャーに自身の護衛を依頼する。
- 「あなたって、最低だわ」
- Act:01、ロジャーに囮にされた上にセダンに内蔵されていたミサイルの爆風を受けた後、ドロシーは煤だらけでドレスもボロボロ、髪もバサバサな状態でロジャーに毒づく。気持ちはわからないまでもない。アンドロイドでなければ黒コゲになってるところである。
- 「やめて…お父様…」
- Act:01、ロジャーがビッグ・オーを呼び出して自らの分身であり、姉でもあるドロシー1を止めようとする時に。セダンに反射する両眼の光が不気味。
- 「いたくているんじゃないわ。他に行くところがないからよ。それに、今の私には、これしかネゴシエイトの代金を払う方法がないの」
- Act:02ラストより。父親であるティモシー・ウェインライトの死後、ドロシーはスミス邸で働くこととなる。
- 「……あんた達の服の趣味、最低だわ」
- スミス邸内では、とにかく黒い服でいることを強要するロジャーに対して。彼女のこの台詞でAct:02は終わる。
- 「……私だってそういうの、弾いてみたい気分があるの」
- Act:03ラスト、ドロシーがブルースを弾いている様を見て驚くロジャーに対して。
無表情であるが、ピアノの影で当話のクライアントであるケイシー・ジェンキンズ=エンジェルの名刺が破り捨てられており、かなり嫉妬している模様。 - 「違う…違うわ!あれは私の…私の『仲間』なんかじゃない!どこから来たのかもわからない…!あれは…あれはいてはいけないものよ!!」
- Act:04、地下深くに眠るアーキタイプに自身のメモリーが反応した後、襲い来るその手からロジャーと共に逃亡しながら激しい動揺を見せるドロシー。
彼女のこの台詞、特に太字の部分から、いつもは無表情・無愛想な彼女らしからぬ怯え方が伺える。 - 「付き合うわ。形だけでよければだけど」
- Act:05より。ボニー・フレイザーの幽霊騒動とその真相を探るロジャーの帰りを待ちわびるドロシー。ノーマンに共に食事に付き合うように言われた彼女は無表情ながらも承諾するのだった。
なお、Act:03では食事をする、ような真似をする場面がある。無論、アンドロイドなので食事は取る必要はないのだが…。 - 「起きるのが遅い時は、こうするって決めたの」
- Act:06、極端かつ激しいレパートリーでピアノを弾き鳴らし、ロジャーを起こす際に。
静かで爽やかな寝覚めを望むロジャーにとっては不愉快でしかないようだが…。 - 「インストルのピアノに比べると調律が悪いわね。これ」
- ビストロ『アマデウス』でR・インストルのレッスンを受けた習慣がついた後、スミス邸のピアノでソナタを弾いた時に。
- 「ロジャー…お願い。インストルを無事に救い出して」
- ギーゼングの襲来で荒らされたビストロ『アマデウス』。消えたインストルの蝶ネクタイを見つけた彼女は、ロジャーにインストルを救うよう彼に依頼する。
- ロジャー「君の口からそんな言葉が出るとは、意外な気もするが」
ドロシー「まだレッスンの途中だもの」
ロジャー「わかった、ドロシー。で…報酬は?」
ドロシー「あの曲を、もっと上手く弾けるようになるわ」
ロジャー「素敵な報酬だ」 - インストルを探してセダンを走らせる二人の会話。
- 「でも、私のレッスンは終わってないわ」
- Act:06ラスト付近より。ギーゼングの策略によりアマデウスの遺産・コンスタンスのインストルメントにされたインストル。閉ざされた彼の心を救ったのはドロシーの演奏による繊細なソナタ、そして自らの息子を想うアマデウスのメモリーだった。しかし、彼の両腕はコンスタンスのコックピットに完全に連結されており、二度とピアノを弾けない身となってしまう。
それでも、ドロシーは蝶ネクタイを両腕の失ったインストルに差し出し、もう一度彼にレッスンを求めるのだった。 - ロジャー「ノーマンが乗ってたんじゃなかったのか?」
ドロシー「私だったら、空気がなくても平気だもの」
ロジャー「彼は今頃、残念がっているだろうな」 - Act:07、ロジャーが深海の摩天楼から脱出した後、ドロシーと会話する場面より。座った状態のままドロシーがジャンプしてロジャーにコックピットを明け渡すのにも注目。
- 「私、はっきり感じたの。この子、誰かに救いを求めていた」
- Act:08より、ロジャーになぜ捨て猫のペロを拾ったのかと問われて。
- 「見て、ペロ。今日の空は太陽がいっぱいよ」
- Act:08より、太陽の光すら届かぬドームの空を猫のペロと共に見上げて。
- 「この歌、誰のメモリーかしら…自然と口ずさんでいたの…」
- Act:08、ペロをなでながら自然にハミングする時に。
- 「ペロが泣いている…」
- 人口蛋白を研究していた元・パラダイム社の科学者ユージーン・グラントのアジトに拉致されたドロシーは、ペロの声を聞く。
- 「ペロ…私と一緒に…」
- 自ら万物の神にならんとしたユージーンはペロのメモリーが残っていたキメラの思わぬ反逆により殺される。そして、ドロシーのこの台詞を受けた後、炎の中に消えていった…。
- 「ロジャー、大好きなロジャー」
- Act:09、ベックの策略で電脳を取り換えられ洗脳された時に漏れた本音。ツンのままデレるという驚異的なことをしてのけ、さらに洗脳をはねのけた。
- 「もし、全ての記憶をなくして出会ったら、私たちも恋に落ちるのかしら」
- Act:09ラストより。ある事件の後、ロジャーに対する「難しい質問」として。当初ロジャーからの回答は誤魔化されたが…。
- 「黒がいいの」
「とっておきの、黒をちょうだい」 - Act:11、パラダイムシティのクリスマス・イヴといえる日『ヘブンズデイ』にて、デパートの紳士服売り場でネクタイを買う時に。
店員からは葬儀用のものしか置かれていない、と言われてもドロシーは「いいの。最低の趣味の持ち主だから」と粘るのだった。 - 「私の誕生日は、本物のドロシーと一緒。まだ先よ」
- デモンシードの成長が収まり、騒動が収まった後、ノーマンにヘブンズデイが誕生日と聞かされたロジャーからのプレゼントを手にして。
- 「ロジャー、私も感謝している人にプレゼントをあげたいの。みんなと同じようにしてみたいの」
- ロジャーへのプレゼントを手渡す時に。
- 「あなたが忙しすぎるのよ」
- 1stシーズン最終話であるAct:13より、ロジャーを救い出したビッグ・オーのコックピットから顔を出し、彼に最近顔を見かけなかったのはなぜか、と問われて。なお、この時、ロジャーはドロシーに瓜二つのアンドロイドR・Dに殺されかけていた。
THE ビッグオー 2nd SEASON
- 「演じる?あなたは俳優などではないわ。ロジャー・スミス」
- Act:14、メモリーの世界からロジャーが脱出する際に「私はロジャー・スミスを演じていいのだな?」と問われて。この時、ロジャーは浮浪者の衣装、ドロシーはAct:02と同じ赤いドレスを着ていた。
- 「そんな感情を持たないで済むように私を造ってくれた、ウェインライト博士に感謝するわ」
- Act:15、主の失ったウェインライト邸にて、自身のモデルとなったドロシー・ウェインライトの肖像画を前に、ロジャーからは「懐かしいかね、ドロシー?」と問われた時に。
- 「あなたも、同じなの?心を失った…」
「やめて…お願い…私はあなたの心にはなれない…誰も、なれない…」 - Act:17、ドロシーがメモリーを求め、シティの都市を砂に変えて暴れるメガワームを目の当たりにする時に。
- 「思ったより元気そうね。ロジャー」
- Act:18、捕われのロジャーを救うために自らベックとの交渉に向かった時に。なお、この時は自分で走らせた自転車でダヴとTボーンを痛めつけていた。
- 「あらロジャー、下らないなんてひどいことを言うのね」
「わかっているわ。悪人にまんまと捕らわれてしまったのでしょう?私の愛する人が」 - カプセルの中に捕われの身のロジャーを目の当たりにしたドロシー。ベックに「大事な大事なドロシーちゃん」と茶化されたロジャーはやけになって「下らない事を言うな!」と切り替えそうとする。が、ドロシーにこの台詞を言われたロジャーはいっそう困惑してしまう。…が、最後に「冗談よ。場の雰囲気を和ませるための」と言われて思わず脱力してしまうのだった。
- 「交渉よ。これあげるから、ロジャーを返して」
- トランクをベックの前に突き出して。その中身は金でなく、何とロジャーがビッグ・オーを呼び出す時に使われる時計の山であった。
- 「アドバイスありがとう、ロジャー。でも、私はあなたの仕事を奪うつもりはないの」
- ドロシーは時計の山をベックに渡した後、ロジャーを閉じ込めていたカプセルを素手で割る。呆気にとられる彼から「暴力的な行為をするのは最後の手段だ」と言われたドロシーはこの台詞で返す。
- 「進歩ないのね」
- Act:18、ベックはAct:09と同じようにドロシーの制御回路を利用するが、頭部のメモリーは強奪されないようにしっかりとプロテクトがかけられてあった。
この台詞の後、カチューシャをブーメランのように飛ばしベックを拘束する場面もあって笑いを感じさせてくれる。 - 「お礼が欲しいわけではないけど、お願いがあるの」
- ベックの魔の手から逃れ、ロジャーに新品のネクタイを手渡す際に。ちなみに、そのお願いとは「いつものレパートリーでロジャーを起こす」ことであった…。
- 「歌を聞いているの…」
- Act:20より。スミス邸の屋上から、どこからか流れるヴェラ・ロンシュタットによるユニオンの歌を聞く時に。その歌に導かれるまま、ドロシーはユニオンのアジトに迷い込み、アラン・ゲイブリエルに破壊されかけてしまう。
- 「ビッグ・オー…ロジャーが戻るわ。ありがとう…」
- Act:21より。
スパロボシリーズの名台詞
- 「あんた達の趣味、最低だわ」
- Dより。ここでいうあんた達とはロジャーとトレーズのこと。Zではサンドマンが一緒くたにされた。
- 「もしかして最低コンビ?」
- ロジャーとランドに言った言葉。
- 「父ちゃん……」
- Zのタルホの妊娠発覚の際にホランドに対して。この台詞にホランドは「その声で言うな!」と困惑した。
- 「あなたは歪んでいる…どうしようもない程まで」
- Zにてエーデルとの戦闘台詞。おそらく人に作られた存在であるドロシーは何かを感じ取ったのだろう。
- 「…ありがとう。その言葉を聞いたら、彼も喜んだと思う」
- バックストーリーメモリー「キープ・オン・ムービン」にて、アクセルから「お嬢さんの生みの親に技術屋として敬意を払う」と称賛された際のリアクション。何気にティモシーに触れた唯一の発現。
- 「惜しい人を亡くしたわね」
- 第2次Z破界篇で、アイムによって撃破されたべック達の最期(?)を目の当たりにしての一言。無論、べック達は生きているのだが。
- 「あなた、最低ね。相変わらず」
- 再世篇でべックが引き際に発した「儲け話」に反応したクロウに対して。
- 「私も知りたいわ。あなたと彼に共通する趣味の悪さの由来を」
- 再世篇でゼロをゼロたらしめている過去を知ることは自分にとっても有意義であると語るロジャーに対して。真面目な話であるがこの一言は彼女も言いたいことであったようだ。確かに原作でC.C.にゴスロリ服を着せるなど彼のファッションセンスには独特のものがあるが。