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;[[宇宙怪獣]]、[[インベーダー]]
 
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:太陽系外宇宙より来た地球外生命体、意思疎通や対話が不可能という点において共通。
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:太陽系外宇宙より来た地球外生命体、意思疎通や対話が不可能、圧倒的な数の暴力で攻め寄せるという点において共通。
 
:研究や人体実験を行うぶん、BETAの方が残忍で質が悪いと言える。
 
:研究や人体実験を行うぶん、BETAの方が残忍で質が悪いと言える。
  

2022年4月19日 (火) 18:23時点における版

BETA(ベータ)とは、『マブラヴ オルタネイティヴ』シリーズに登場する種族。

概要

1973年にて太陽系外宇宙より地球に飛来してきた謎の地球外生命体。

読み方の『ベータ』は、ギリシャ文字の2番目となる『β(ベータ)』と共通するが、本作におけるBETAとは、「Beings of the Extra Terrestrial origin which is Adversary of human race(人類に敵対的な地球外起源種)」の略称となる。

生理的嫌悪感を否応無く感じさせるグロテスクな外見に加え、多種多様な形態、無制限に等しい圧倒的過ぎる物量によって人類を蹂躙していくその様は、まさに「地獄絵図」と言え、何の躊躇も無く人間を残殺したり捕食するだけでは飽き足らず、サンプルとして捕らえた人間には普通に殺された方がマシと言える位の非道な研究や人体実験の材料として扱ったり[1]、新たな戦力として改造処置を施す(兵士(ソルジャー)級が改造の成れの果て該当する)等[2]、その行いはまさに残虐非道そのものの一言に尽きる。

当初は対話によるコミュニケーションも考慮されたが、月面での接触時に探査チームが一方的に虐殺されて以降は、意思疎通が不可能と判断。友好を築く為ではなく直接的な生態調査を目的として多大な犠牲を払いつつもBETAの生態解明を目論んだが、人類を含めた地球の生命と同じ炭素系生物ではあるものの、生殖をおこなう為の器官が無いどころか食物を摂取・消化するような器官すら見受けられず、どういう生態なのかすら判明しなかった。外敵を認識する能力も地球上の生物の例とは全く似つかず、少なくとも『色』では識別していない。どういう方法で識別しているのかは不明だが、人類が用いる兵器に対して「より複雑・より高度なもの」を優先的に対処する傾向にある。単により巨大・より機動性が高いものを見分けるだけでなく、全く同じ無人機でも搭載されているコンピューターの性能が高い方を的確に見分ける。原作中では、途中から「人間が搭乗している兵器」を最優先対象と認識しており、同じ兵器でも人間が搭乗していない物より搭乗している物に優先的に群がってくる。この対人探知能力は種別によって差があるようで、概ね小型の種の方が対人探知能力が高い。

正体 

その正体は、ケイ素生物系の異星人によって産み出された資源採掘用の生体マシン、すなわち生きた土木工作機械ともいうべき存在で、各種BETAは作業用生体マシンが目的に合わせて変化したものである。

創造主である異星人に組み込まれた命令として、「生命体の存在する惑星で活動してはならない」という内容があるのだが、BETAの知性は決して高いとは言えず、自分達(BETA)にとっての生命体とは創造主と同じケイ素生物系のみであり、それに該当しない(地球人の様な炭素生物系を始めとする他の生命体)全ては生命体として認識しないと判断。その根拠も「安定性に欠ける炭素を起源とする炭素系生命が宇宙に自然に発生して知的生命体となる可能性が極めて低い」という偏見と、「自分達が活動出来ている以上は、人間は別の異星起源の被創造物であり、生命体ではない」という屁理屈を通り越した暴論から来るもので、つまり地球は「BETA側の都合の良い解釈」によって、「生命体が存在しない星」と認識されてしまっていたのである。しかも、人類側の必死の反撃に関しても、BETA側は「自分達に降りかかってくる災害」としか認識出来ず、むしろ自分達の方が被害に遭っているとしか考えていなかった模様[3]

重頭脳(マザーブレイン)級によると数は10の37乗個存在するらしいが、これが「BETA全体」を指すのかそれとも「自分と同じ重頭脳級の個体数」を指すのかは不明。少なくとも聞かされた白銀武は後者と認識しており、もしその通りだとすれば、BETAの総数は更に9桁以上も跳ね上がるという悪夢の様な現状となる。

BETAに関する歴史 

第二次世界大戦の十数年後となる1959年、火星で巨大建造物と共に謎の生物が発見され、知的生命体であると期待した人類側は、これとコミュニケーションの確立を目的とする研究が開始される。

しかし、それから数年後となる1967年、同種と思われる生物が月面でも発見されるのだが、月面探査チームがそれらに虐殺された事でコミュニケーションが不可である事が確認され、人類はこれを敵対種と認定。以降は『BETA』と呼称される事になった。

1973年にて、遂にBETAのユニットが地球へ降下。中国の西の果てであるカオシュンを最初の制圧地(オリジナル・ハイヴ)にした後、世界各地に渡って侵攻を開始する。当初は、1970年代レベル(ただし、現実よりも技術の進歩は早い)の航空兵器による空爆で対処は出来ていたが、高出力かつ超長距離射撃によるレーザー攻撃を得意とする光線級の出現以降は、実質的に地球側の航空戦力が無力化されてしまう(ろくに接近できないまま、レーザー砲によって撃墜されている)。1974年のカナダへの侵攻時は、BETA側に展開される前に戦術核で殲滅する方針がとられたが、放射能の影響によってカナダは人の住めない土地となり、人類の30%が減少してしまう事態となった。

そして1998年には日本にも侵攻。最初に北九州へと上陸し、そこから中国地方、四国地方へと渡り、これによって日本もまた総人口の内30%が犠牲になってしまい(世界人口では60%)、残された人類は10億人程度にまで減少してしまった。佐渡島で新たにハイヴが建造され、長野県付近でBETAの侵攻が停滞している隙を突く形で、アメリカ側は日米安全保障条約を一方的に破棄。日本を見捨てる形で在日米軍は日本から一斉撤退してしまう事になった。そしてBETA側の侵攻再開後、首都圏の横浜が制圧され、新たなハイヴが建造される事になる。

1999年、横浜のハイヴ殲滅と本州奪還を最終目的とした「明星作戦」が国連によって敢行され、BETAの技術を転用して生み出された「G弾」を米軍が味方の巻き添えも厭わない形で使用した結果、甚大な犠牲を出しながらも、人類史上初のハイヴ奪還に成功している。2000年には国連横浜基地が建造され、基地内に衛士訓練学校が移設される。

そして1年後の2001年、この世界への武の出現によって、人類とBETAの戦いは大きく動き出す事になる。

BETAの各種

BETA 兵士(ソルジャー)級 ヴェナトル
全長1.2m。作中最終決戦以前に確認されている中で最小の種。1995年に確認された最新型。人間の数倍の腕力と強化装備を喰い破れるほどの強靭な顎を持つが、機械化強化歩兵(パワードスーツ)でも十分対処可能。…が、本当に恐ろしいのは戦闘中に捕獲・捕食した人類を再利用して製造されるという点。更には原作最悪のトラウマイベントの下手人でもある。
BETA 闘士(ウォリアー)級 バルルス・ナリス
全長1.7m。象の鼻のような一本腕を持ち、人間の頭程度なら簡単に引き抜ける。動きも俊敏で歩兵が相手をするのは困難だが、当たりさえすれば拳銃でも十分に殺傷できる程度の防御力。戦術機にとっては脅威にすらならない。原作では影が薄かったが、それでも十分以上にプレイヤーの感情をどん底に叩き落としている。
BETA 戦車(タンク)級 エクウス・ペディス
全長4.4m。小型種だが、厳密には中型。防御力は低く歩兵の重機関銃でも対処できる一方、その顎は戦術機の装甲を噛み砕けるほど強靭。そのため、多数の戦車級に取りつかれて機体諸共衛士が食い殺される例が後を絶たない「最も多くの衛士を殺したBETA」。アニメ版トータル・イクリプスのトラウマ担当。
BETA 突撃(デストロイヤー)級 ルイタウラ
全長18m。BETA群の先鋒を務める大型種。モース硬度15以上(ダイヤモンドが10)かつ再生能力を有する装甲殻を持ち、最高時速約170kmの体当たりを行う。反面、後方は脆弱で歩兵の対戦車ミサイルでも有効打になる程度。定常旋回能力も低く、ほぼ真っ直ぐにしか突進出来ない。また、対人感知能力も低い。実は頭が二つある。
BETA 要撃(グラップラー)級 メデューム
全長19m。群れの大型種の約6割を占める中核戦力。モース硬度15以上の硬度とカルボナード以上の靱性を併せ持つ強靭な二本の前肢での近接格闘を行う。定常旋回能力も高い。頭に見える部分は尾で、歯のような部分は感覚器官である。
伊隅大尉曰く「戦場で最も多く出会うお友達」。欧州方面では「タコ助」などと揶揄されているらしい。
BETA 光線(レーザー)級 ルクス
全長3m程。巨大な2つの単眼を持つBETA。
2つの眼球から発射される高出力光学レーザーは単純射程距離200~300㎞、距離380㎞・高度1万mの飛翔体を的確に捕捉する精度をもつ。すなわち航空兵器は地平線から顔を出した瞬間に撃墜されるようになり、完全に無力化されてしまった。
人型兵器が開発されることになった直接の要因。戦術機という人型兵器が開発された大きな理由の2つのうち一つが「縦穴を多く含むハイヴ内に少数で潜入して作戦を遂行できる機体であること」、もう一つが「光線級に撃墜される航空機に頼らず地上から進軍できる兵器であること」。
なお下記の重光線級を含め、決して味方誤射をしないという特性がある。射線上に他のBETAがいる場合はレーザー発射行動をぴたっと停止するため、光線級がいると思われる戦線では常に他のBETAの陰になるような位置で戦う事がセオリーとされている。
接近することは容易ではないが、接近さえすれば戦術機の手足による打撃でも十分に殺傷可能。
BETA 重光線級 マグヌス・ルクス
全高21m。光線級の強化型。単純射程距離1000km以上、高度500mで低空飛行しても100㎞以上が有効射程であり、レーザー出力は天候での減衰を期待できないほど高く、これが複数寄り集まっての一斉照射ともなれば、大気圏突入にすら余裕で耐えうる装甲艦が数秒で真っ二つに折れて爆散する程。一般的な戦術機であれば回避を考える間も無く蒸発して消える。照射粘膜は1つだけだが、その分巨大化している。光線属種にとって照射粘膜は弱点でもあるが、瞼のようなもので覆える構造となったことでそれを克服。本体の強度も高いが、量産性は悪化し、レーザー照射のインターバルも伸びている。
この他に超重光線級も存在するが、外伝作が出典かつ事実上ワンオフの決戦兵器のため割愛する。
BETA 要塞(フォート)級 グラヴィス
全長52m。作中最終決戦以前で最大の種。尾に収められた約50mの触手が武器。例によって先端はモース硬度15以上で、更に命中時には戦術機も瞬時に溶解する強酸を分泌する。小型種の兵員輸送車でもあり、光線級であれば6体まで搭載可能。その搭載方法というのが非常に特殊で、小型種はドロドロに溶けた状態で尾節に格納され、それが外部に排出される時に恰も3Dプリンターの如く小型種のボディを成形する(格納時にはまたドロドロの状態に戻す)。
BETA 頭脳(ブレイン)級
ハイヴの中枢となっている生体コンピューターで、反応路(リアクター)とも呼ばれる。各ハイヴに必ず1つ存在し、これが破壊されずに残っている限りは、そのハイヴはどれだけBETAが掃討されようとも他のBETAからは「まだ生きているハイヴ」だと認識される。
あらゆるBETAのコントロールシステム兼エネルギー源で、ハイヴに所属するBETAへのエネルギー供給などを担っている。最大の特徴として、全ての頭脳級がオリジナルハイヴの重頭脳級とネットワークで結ばれていることで、獲得した情報は重頭脳級に送られた後に対応策がフィードバックされていく。これ自体は自我や独立した思考能力を持っている訳ではなく、BETAの各個体からフィードバックされてきた情報を集積してアップロードすること、重頭脳級から下された対応策をBETA各個体に反映する中間管理サーバーのようなものである。
なお、原作では当初はこれらのサーバーコンピュータ的な役割が判明しておらず単なるエネルギー源だと思われていたため、「反応路」とだけ呼称されていた。
BETA 重頭脳級『あ号標的』
カシュガルのオリジナルハイヴ最深部に存在する全てのBETAの統括者。人類と唯一コミュニケーションが取れる個体で、自らを「上位存在」と称した。極めて高度な対応力を持っており、人類が打ち立てた対BETA戦術の多くに対応してきた。だが、対応力はあるものの根本的な学習能力は皆無に等しく、生命体と認識しているのは自身を創造したケイ素系生物のみで、自分自身や地球人類を含めた炭素系生物は単なる消耗品としか見なしていない。この為、接触した武からは「馬鹿」と評された。最終的に武の手で破壊されるが、宇宙全体には10の37乗(10澗=10,000,000,000,000,000,000兆)体もの重頭脳級が存在すると語っている。

他作品との関係 

宇宙怪獣インベーダー
太陽系外宇宙より来た地球外生命体、意思疎通や対話が不可能、圧倒的な数の暴力で攻め寄せるという点において共通。
研究や人体実験を行うぶん、BETAの方が残忍で質が悪いと言える。
フェストゥム
ケイ素系生物、首魁的存在によって意思を共有化し操られているという点が共通している。

余談 

  • 創造主が不明で、そもそもその創造主の文明が存続している事自体不明という点は、スーパーロボット系作品の『無敵超人ザンボット3』の敵対勢力であるガイゾックに共通している。

脚注

  1. この人体実験の最大の被害者と言えるのが、物語のメインヒロインである鑑純夏であり、彼女は目の前で幼なじみの白銀武を殺された挙句、快楽を調査する為として触手に凌辱され続けながら、不要な部分を削除され最終的には脳髄のみの状態にされてしまっている。
  2. 人体実験や改造の可能性を想定した結果、戦術機には自爆装置が基本装備として備わっており、BETAに敗れて脱出不可能になった操縦者達は、捕らえられて凄惨かつ屈辱的な最期を迎えるくらいなら、いっその事自決する道を選べる様になっている。
  3. 捕らえた人類に人体実験を施したり、改造して戦力している事実からも、BETA側で唯一知性を持つ重頭脳(マザーブレイン)級の認識や主張はあまりにも矛盾に満ちており、それを聞かされた武は「こいつ、馬鹿なんじゃないのか?」と、怒りを通り越して呆れられていた。