「ハルル・アジバ」の版間の差分

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== 余談 ==
 
== 余談 ==
*ハルル役の麻上洋子(現:一龍齋春水)氏は、オーディションでの選抜ではなく『[[伝説巨神イデオン]]』の総監督である富野喜幸(現:由悠季)氏による指名だったと振り返っている。富野氏による「'''森雪の中の人にハルルをやらせたい'''」との一言で決定した。
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*ハルル・アジバ役の麻上洋子(現:一龍齋春水)氏は、「ハルル役はオーディションでの選抜ではなく、『[[伝説巨神イデオン]]』の総監督である富野喜幸(現:由悠季)氏による指名だった」と振り返っている。
 
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**ちなみに、富野氏による'''「(『[[宇宙戦艦ヤマト2199|宇宙戦艦ヤマト]]』に登場した)森雪の中の人にハルルをやらせたい」'''との一言で決定した。
 
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2016年12月25日 (日) 23:18時点における版

概要

バッフ・クラン宇宙軍総司令ドバ・アジバの長女。父の期待に女性であるという一点を除いて全て応えている女傑。

カララ・アジバの実の姉であるが、その軽挙からバッフ・クラン軍を異星人(ソロシップ)の脅威に晒したとして見捨てる気でおり、対面したときは最大限の罵倒を浴びせた末将兵の前で辱めさえした。このように苛烈な性格の持ち主だが年若い士官に「女傑」と恐れられる一方、一部では「年増のじゃじゃ馬」だの「感傷的なお方」だのと陰口を言われていた。

かつてダラム・ズバと兄妹のように育ち、恋心を抱いていたものの袖にされた、という過去がハルルの人格形成に関わっているのだが、事情通にも失恋した以上の情報は伝わっていないようである。そのダラムを恨みに思う一方で、彼の振る舞いに失望してみせたり、その隊に予想以上(ダラム曰く)の援助を施したりという形で未練のほどが現れていた。

11話からドロワ・ザンで前線に登場したが、イデの力の前に次々と戦力をすり減らし、帰還を余儀なくされる。母艦まで沈められたところをダラムに助けられたが、これが生前では唯一の対面となっていた。

終盤ではガドモア・ザン級の母艦で戦線に復帰したが、イデオンが惑星一つを滅ぼす場面に遭遇して撤退し、TV版ではここで出番が終わった。

「発動篇」では散々憎んだカララがイデの力の中心にいることを捉え、ピンポイントでカララを殺すことにこだわる。そのために自らザンザ・ルブに乗り戦い、機体は破壊されたもののソロシップに潜入してカララを殺害する。その後ドバと合流し、自室を訪れたドバにカララの死を報告する際、はじめは「アジバ家の恥さらし」というような言い方をしたものの、すぐさま「妹を殺した」と言い直し、またアジバの血や名誉のためではなく、女としての嫉妬や憎しみからカララを殺したことを告白する。こうすることでドバから父親としての本音を引き出そうとしていたようであるが果たせず、失意を秘めながらサムライとして戦う他なくなる。

その後も(ガンド・ロワの射線に追い込めばよいとするドバとは違い)イデオンを直接撃破することを望んでいたが、これもダラムの恨みを晴らす目的が大きかったと見られる。最期はバイラル・ジンを亜空間飛行させてイデオンに肉薄を図ったものの、イデの導きで通常空間からイデオンガンで狙い撃たれ、バイラル・ジンの約1/3と共に吹き飛ばされて死亡。因果地平の果てではメシアの誕生を祝う子供達の歌で目覚め、ダラムと共に旅立って行った。登場人物全体ではユウキ・コスモに次いで遅く、女性では最後に目覚めた。

登場作品と役柄

旧シリーズ

スーパーロボット大戦F完結編
他のバッフ・クラン軍の面々やソロシップのクルー達と同じく、イデの力によって未来からタイムスリップしてくる。現代に辿り着いた後は、シロッコと同盟を結びイデオンロンド・ベルと交戦する。本作にはドバは登場しない為、実質彼女がバッフ・クラン軍の総大将扱いとなっている。最終話にて、原作では成しえなかったカララとの和解が実現し、最後は他の『イデオン』のキャラクター達と同じく、未来へと帰っていった。
最終話でハンニバル・ゲンに裏切られ、ハルルが落とされるとゲームオーバーになる。また何かの間違いでラスボスに突撃してしまうと返り討ち必至なので、そんなことになる前にラスボスを倒すかイベントで未来にお帰り願いたいところ。
顔グラフィックだとアニメ本編以上に頬骨が目立ち、かなり険しい顔に。

αシリーズ

第3次スーパーロボット大戦α
概ね原作準拠。音声も新規収録された。最終的には戦死してしまうが、没データに対ケイサル・エフェス用の特殊戦闘台詞が存在しており、開発段階では仲間フラグも検討されていたのかもしれない。

パイロットステータス設定の傾向

精神コマンド

F完結編
信頼根性加速挑発集中激励

人間関係

ドバ・アジバ
父。彼の求めに応じ最高位のサムライとして振舞ってきたが、最終決戦の前に弱みを吐露する。しかし親子としては最後まですれ違ったままであった。
カララ・アジバ
妹。二つの地球の出会いを招き、結果泥沼の戦いのきっかけとなったこと、そうしておきながら異星人との間に子どもまでもうけたこと、そして同じ女としての嫉妬から並ならぬ敵対心を抱き、最後には自ら殺してしまう。
ダラム・ズバ
元恋人。袂を分かってからは頑なな態度を取っていたが本心ではない。結局心を通わせること叶わず、遺言さえ聞けなかったことがあまりにも大きな心残りとなってしまう。
ギジェ・ザラル
妹の許婚。アバデデの死後に直属とするが、植民星アジアンでイデオンを取り逃したことにより見捨てた。後に彼がダラムに拾われたことを知った際には、少なからず驚いていた。
ハンニバル・ゲン
原作では特に大きな接点はない(ハルルの息がかかった暗殺者のクララ・キナを、補充要因としてルクク艦隊に送ったくらいか)。
F完結編』でハルルの副官のような立場に立つが、最終的に「女の情念で軍を動かしている」とみなしハルルを裏切るという大胆な、というか無茶な行動に出る。

他作品との人間関係

パプテマス・シロッコ
F完結編』では同盟を結ぶ。

名台詞

TV版

「聞けば妹の行動は身勝手ゆえのもの、バッフ・クランのためならば妹の犠牲も厭わぬ!」
「ドバ総司令も申しておられる。我が子の犠牲も厭わぬと」
第10話にて通信モニター越しに初登場し、ソロシップ攻撃が果々しくないアバデデらを叱責。さらにカララの生死は問わないと宣告する。この宣言にアバデデとギジェは内心で反発したが、既に独断でカララごとソロシップを沈めようとした経緯がある。
「あの斬り込んで来たサムライといいあの巨神といい、侮れぬ異星人…。カララはあれで良いかもしれぬが、私は済まぬ…!」
停戦申し入れに来たカララを捕らえて辱めたところ、激怒したベスが単身拳銃と剣一本で躍り込んできて肉体派の士官と互角の戦いを演じ、さらに駆けつけてきたイデオンに調整中の重機動メカでは歯が立たなかった。そのベスの戦いぶりと男ぶりを姉妹揃って「サムライ」と評したのだが、これでベスに転んだ妹とは違いハルルは怒りを燃やすのだった。
「刺し違えてでもイデオンを倒せば、お前の一族郎党はドバ・アジバの名の下に守ってやる」
第13話でグハバ・ゲバに失地挽回のチャンスを与えたときの物言い。バッフ・クランのサムライの苛烈な面が現れている。16話でダミドが兵を叱咤する際や、35話でハンニバルがサムライの死生観を語る際にも一族について言及されるが、裏返せば無様な戦いをすれば一族の栄誉や身は保障されないとも取れる。
(終わるときは造作もない…)
(貴方は最後まで私をもてあそび、その身を異星人の手に委ねさせようというのか…)
第21話で、武器が底をつき本星へ戻る途中、イデオンとソロシップに遭遇して(引き寄せられて)しまい、イデオンのパワーの前にドロワ・ザンを沈められた時のモノローグ。
イデオンの前に負けを重ねたことに加え、因縁浅からぬダラム・ズバが急に通信を寄越したかと思えばほったらかしにするということをしてきたために、ハルルらしくもなく弱気になってしまっている。しかし、ドロワ・ザンの脱出艇にイデオンが迫るまさにその時、ダラムのガンガ・ルブが助けに来たので命拾いした(が、ハルルはやはりもてあそばれたものと思った)。
「それを成し遂げてくれれば、私は女としてお前に、感謝しよう…」
女スパイのクララからルクク・キルがダラムの遺言を盗み見て嘲笑ったことを聞き、彼女にルククの暗殺と遺言の奪還を命じ、こう付け加える。同じ女に私事からの暗殺をさせるための方便、と言えなくもないが、そうだとしてもハルルの本音が含まれていることも否定は出来まい。
なお、クララはルククの暗殺を成し遂げたものの、ルククの艦隊ごとイデオンガンに飲み込まれたために遺言を持ち帰れなかった。
「ほ…星の一つが、消えてゆく…」
イデオンソードにより、巨大植物の星ステッキン・スターが石くれに変わっていく光景を見て、さすがのハルルも戦慄を隠せなかった。TV版における出番はここまでとなった。

発動篇

「では、私はどうなる? 死ぬまでヘルメットをしてはならん訳だ?」
自らザンザ・ルブに乗り込んだ際、直属の部下キラルルとトロロフ(ともに女性)がヘルメットをつけたがらないのを「美貌が隠れるから」と言ったので、それに返した冗談。ハルルが冗談らしきことを言うのはかなり貴重で、この時ソロシップでもカララの妊娠に祝福ムードで、この後の破滅と対比するかのように和やかな場面であった。
「私のダラム・ズバを殺して何を言うか! 恨み晴らさぬわけにはダラムに済まん!」
イデの介入により戦いは無意味だというコスモの叫びが聞こえたとき、コスモに向かって恨みを吐き出す。そのまま終着点のない恨みの言い合いをした挙句、イデオンガンで乗機ザンザ・ルブを吹き飛ばされるが、脱出艇でソロシップに取り付き…。
「おう撃ってみよ。裏切り者の女の撃つ弾が当たる物かよ」
ソロシップに潜入後、実妹カララとの最後の話し合いが決裂となり、「姉さんを殺して異星人との子を産む」と銃を向けてきたカララをあざ笑う。F完結編では発動篇の再現がまったくないにも関わらず一言モードで収録されていた。
「下衆が!」
上の直後。結局カララの撃った弾は当たらず、ハルルはこう吐き捨てながらカララの顔を撃ち抜いた。実の妹に対してこの物言いである…。
「悔しかったのです…カララが憎かったのです! あの子は好きな男の子供を宿せたのに、私はダラムの遺言さえ手に入れられなかった! 同じ姉妹(きょうだい)でありながら…」
一度帰還した後、部屋を訪ねた父ドバに対し女としての本音を打ち明けたが、ドバは何も答えなかった。
「ロゴ・ダウの異星人全てへの復讐は果たさせてください…そのために軍の指揮は執ります!」
「はい、総司令閣下!(ドバ退室する) …う…うっ…うっ…ダラム、助けて…」
前者は上記した本音に何も答えないドバの背中に向けてのセリフで、後者はそれに「女として育てた覚えはない」とドバに言われての返事。
結局父は最後までハルルをバッフ・クランのサムライとしてしか扱わなかった。その父に表面上は同じサムライとして応えたものの、一人残されたハルルは声を殺して泣く。
「かまわぬ! 戦闘指揮官は私である、亜空間解除して、ロゴ・ダウの艦に体当たりをかけろ! ダラムの仇を…っ!?」
「ああぁーーっ!!」
惑星を挟んでイデオンガンで狙い撃ちにされようとしていることを察知したハルルは、彼女の独断に抗議するドバ、混乱するギンドロを無視し、亜空間飛行でバイラル・ジンごとイデオンとソロシップにぶつけようと目論む。だが空間をも越えて飛んできたイデオンガンの波動に成す術もなく飲み込まれてしまう。因果地平へ飛ばされるハルルの魂を追うように何者かがまた宇宙を飛んで行ったが、その人物…ダラムにハルルが気づくのは全てが終わった後であった。
「歌? 歌が…。ああ…可愛い歌だこと…」
因果地平の果てで、メシアの誕生を祝う歌を聞いて目覚めたときのセリフ。憑き物が落ちたように穏やかな顔でダラムの腕に抱かれていた。

スパロボシリーズの名台詞

F完結編

「バカな!? この距離から攻撃できる武器があるというのか!」
反撃できないとき。何てことないセリフだが、その度にいちいち心底驚いたような顔で発言するので妙に印象に残る。さらに座乗艦のドロワ・ザンは最大射程が6と長くないので、わりと高い頻度で驚く。
「分かり合う、か。もう少し早く理解しておれば…いや、だからこそ分かるのかもな。ダラム、もう一度会いたかった…」
地球を救おうというソロシップクルーの意思に呼応し、イデが発動しようという瞬間と、その発動を前に手を取り合うベスとカララを見ながら、一人寂しげに呟いた。

第3次α

「ダラム……結局、あなたの仇を取ることは出来なかった……」
「でも、これで……あなたに会える……」
第57話対バッフ・クランルート「憎しみの環の中で」より。最後までイデの善き力を信じられず、戦いに消えた。だが、妹殺しの業を背負うことなく、亡き想い人の許に召される様子を見れば、彼女にとってはこれでよかったのかも知れない。

余談

  • ハルル・アジバ役の麻上洋子(現:一龍齋春水)氏は、「ハルル役はオーディションでの選抜ではなく、『伝説巨神イデオン』の総監督である富野喜幸(現:由悠季)氏による指名だった」と振り返っている。
    • ちなみに、富野氏による「(『宇宙戦艦ヤマト』に登場した)森雪の中の人にハルルをやらせたい」との一言で決定した。