童話

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童話

児童が読む、または親などの大人が幼年期の子どもに読み聞かせる文学である。「おとぎ話」や「昔話」、「メルヘン」などもこれに含まれる。
そのジャンルは世界中から伝わる民話、伝説、神話、寓話、創作された物語と多岐にわたる。

その目的は幼児期の子どもが童話を読むことで言葉や文字を学習したり、美的感覚、善悪の判断等の情操教育や想像力や価値観を育てることである。
そして親(大人)が子どもにコミュニケーションをとる手段の一つとして童話を絵本、紙芝居と言った形で読み聞かせたりする。

童話は大抵子ども向けとして創られているためか、基本的に主人公は子どもが容易に想像でき、好感が持てる人物像となっている。また、その行動に明確な結果が待っていて子どもに対する教訓となっている(所謂『善行を行った者には褒美を与え、悪行を行った者には罰を受ける』という展開や結末がある)。
それらが動物など擬人化された存在である場合も多く、西洋の童話では継母は悪人として書かれることがある。

大抵は幸せな結末で終わるのが基本だが、「人魚姫」のように悲劇的な結末を迎える作品も少なからず存在する。また、グリム童話では悪行を犯した者対しては残酷ともいえるレベルの報いや制裁を受ける事が多い(因果応報と言われたらそれまでだが)。
想定する読者対象が子どもであることも配慮して、そのシーンを削除、もしくは修正・改変をされた作品もある。

童話が取り入れられている作品

バンプレストオリジナル
無限のフロンティアシリーズではあらゆる童話の登場人物、道具などをモチーフにして取り入れられている。
完全勝利ダイテイオー
桃太郎をモチーフとしており、主人公の一人の愛称もそのまんま「モモタロウ」である。
交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい
ピーター・パンをモチーフにして取り入れられている。

作品

ピーター・パン

イギリスで誕生した戯曲、小説。作者はジェームス・マシュー・バリー。

ピーター・パン(Peter Pan)
ネバーランドに住む少年で空を自由に飛ぶ事が出来、決して大人になることがない。勇気を持っているためか、同じく年を取らない子供たちのリーダー的存在となっている。
大抵の服装は緑色の服に緑色の帽子と言ったスタイルであるが、作品によって細部が異なる。
ティンカーベル(Tinker Bell)
ネバーランドに住む妖精。彼女の妖精の粉を浴び、なおかつ信じる心を持てば空を飛べることができる。
作中で壊れた鍋やフライパンといった金物を修理しているが、これは名前のTinkerが鋳掛屋を意味していることから。
フック船長(Captain Hook)
ピーター・パンの宿敵である海賊の船長。黒髪と黒ひげをおり、片手が付け替え式のフックのような義手である。
ミスター・スミー(Mr. Smee)
フック船長の相談役である水夫。実はフック船長より年上だったりする。
タイガー・リリー(Tiger Lily)
フック船長に誘拐されたインディアン酋長の娘。
ネバーランド(Neverland)
親とはぐれた子どもが妖精と住む国。

シンデレラ

継母や姉にいじめられていた少女が、魔女の力で舞踏会へと行き、王子に見初められる話。グリム版とペロー版が有名だが、前者は相当えげつなく描かれている。

シンデレラ(Cinderella)
主人公。継母とその連れ子である姉たちに苛められる辛い日々を送り、自分だけドレスもない為に城の舞踏会にも行けないなど不幸の連続だった。魔女によって舞踏会に行ける準備を整ったが、12時には魔法が解けるので帰ってくるようにと警告される。
城の舞踏会では美しいドレスと容姿から王子に見初められるも12時の鐘の音に焦ったシンデレラは急いで帰ってしまう。
しかし、王子がシンデレラが帰る際に落とした靴を手がかりに探し、その靴にピッタリ入れることができたために妃として迎い入れられた。
ちなみに、苦労の末に幸運を手にしたことを意味する「シンデレラ・ストーリー」はこれが由来。

白雪姫

ドイツのヘッセン州の民話で、後にグリム童話の一つとして収録された。
グリム童話のものは、例によって子供にはそのまま聞かせられない内容になっている(王妃が最終的に拷問のような目にあっている辺り)。

白雪姫
主人公。一般的に童話では毒りんごを売りつけられるだけだが、原典では王妃に3回殺されかけており、少なくとも1回死んでいる。というのも、傲慢な王妃の嫉妬により命を狙われたのが理由である。
また、毒りんごを吐き出して助かった理由も童話で知られている王子のキスではなく、王子が死体でもいいからと連れて帰る道中で柩が揺れた衝撃で、である。
王妃
白雪姫の継母であり、死んだ生母にかわって妃になった。だが自分が一番美しくなければ気が済まない、とその性格は歪んでおり、自分より美しい白雪姫を狩人に殺させようとし、それが失敗したことを知るや否や、自ら毒を仕込んだ櫛やリンゴを作り、善良の物売りに扮してとにかく始末しようとする。
しかしそれも尽く失敗し(毒リンゴは成功したが、後に水泡に帰する)、最終的には赤く焼けた鉄の靴を履かされて死ぬまで踊らされてしまう。

竹取物語

日本で最も古くから誕生した物語。しかしその物語が成立した年、作者ともに不明。

かぐや姫
竹取の最中に翁が光り輝く竹の中から見出され、翁夫婦に育てられた少女。発見時はその大きさも三寸(約9cm)だったが、3ヶ月ほどで妙齢の娘と変わらない体格となったが、作中の文章を見る限り絶世の美女として描かれており、その美しさに惚れて度々求婚をかけられたりした。実は月からやってきた人間(月人)であり、彼女はその月を見るたびに今まで育ててくれた翁夫婦たちと離れることを恐れてしまったが、最後は迎えにやってきた月人によって天の羽衣を着せられて月へと帰ってしまった。
仏の御石の鉢
仏(ブッダ)が悟りを開いた時に出現したとされる石鉢。見た目は黒い鉢で光沢がある。1人目(求婚は5人同時。以下帰還の順)の求婚者・石作皇子(いしづくりのみこ)に出された難題。
どうせかぐや姫には分かるまいと適当な鉢を持っていったが、光らなかったため失格。そのやり取りから民衆の笑い物にされてしまうが、懲りずにまたかぐや姫に言い寄ったようである。
ちなみに「恥を捨てる」という慣用句の語源はこの逸話。
蓬莱の玉の枝
不老不死の地・蓬莱山にある、根は銀、茎は金、白い玉がなるとされる木の枝。2人目の求婚者・庫持皇子(くらもちのみこ)に出された難題。
職人に本物の金と銀で枝を作らせ、持参。かぐや姫も困惑するが、職人が報酬の直談判に来たために偽者であるとばれ、失格。その後、彼は姿をくらましてしまう。
ちなみに「偶さか=まれ」という言葉の語源はこの逸話。
火鼠の皮衣
火の中に入れても燃えない衣。3人目の求婚者・右大臣、阿部御主人(あべのみうし)に出された難題。
わざわざ中国まで出向いて手に入れた立派な反物を持参するが、火にくべると燃えてしまったため失格。
ちなみに「敢え無く~」という慣用句の語源はこの逸話。
余談であるが、秘宝の中では現実に難燃性の素材が実用化されている為、ある意味火鼠の衣を伝承に最も近い形で再現するのは可能である。
さらに余談になるが、高橋留美子の漫画作品「犬夜叉」の主人公の犬夜叉が着ているのが火鼠の衣である。
竜の首の玉
龍の首元にあると言われる、五色に輝く宝玉。4人目の求婚者・大納言、大友御行(おおとものみゆき)に出された難題。
船を繰り出し龍探しに勤しんだが、嵐に巻き込まれて船員の多くを失い断念。そして彼も重病にかかってしまう。
ちなみに「堪え難い」という慣用句の語源はこの逸話。
燕の子安貝
燕が卵を産むときにだけ体内に作られ、産卵の際に出てくると言われる。5人目の求婚者・中納言、石上麿足(いそのかみのまろたり)に出された難題。
果敢にも自ら崖を上り、燕の巣からの回収を試みるが、貝だと思って掴んだそれは燕のフンであり、更に崖から落ちて重傷を負う。このことに気を落した彼は、その後まもなく病気で亡くなってしまう。
ちなみに「~の甲斐がない」という慣用句の語源はこの逸話。