林水敦信

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林水敦信(Atunobu Hayashimizu)

陣代高校3年1組。生徒会長というよりは総理か大統領と形容した方がぴったりくるような風貌と辣腕ぶりで、近隣校の生徒会関係者(及びヤンキー関係の皆さん方)に一目おかれている。

私は全生徒の利益代表者だ」という発言でも明らかなとおり、生徒の自主・自治・自立のために奔走。校長とも好敵手として互いに認め合う仲のようだ。学力は全国レベルの優秀さ。卒業後は有名国立大学に優秀な成績で入学するのは確実か。

と、素晴らしく優秀な人物なのであるが、性格はかなり非常識。生徒の権利を守るためなら手段を選ばず、近隣の不良集団にスパイを送り込んだり、「C会計陣代高校生徒会に代々伝わる、教師には秘密の隠し予算。林水が一年の頃会計補佐に就任して以降、謎の資産運用で十倍に増加したという。宗介が破壊したゲーム筐体の修繕費(推定200万円越え)があっさりと支払われていることから、現在はかなりの額になっているものと思われる。会計担当曰く、「隣のおじさんが喜んで娘を差し出す程度の額」とのこと)」を運用したり……。類は友を呼ぶとかで、宗介を自身の特別補佐官に任命。二人が組んで起こした騒動は数多い。副会長のかなめも、林水相手にはツッコミが控えめになるようだ。宗介が「武の変人」とすれば、林水は「文の奇人」として双璧を成すと言えるだろう。宗介にとっては、日本において初めて自分の奇行を受け入れてくれた人物であり、「会長殿」と呼び、その人柄に心酔している。

優秀な頭脳と幅広い知識を駆使する人物であり、その才能が最も発揮されるのは、交渉ごとに当たった時である。彼に任せておけば「地球はドーナツ型だった」というタワゴトだってみんなに信じ込ませることができるかも知れない。しかも、彼の論理の特徴として「会話の展開の結果、結論はおのずから明らかだった」と相手に思わせてしまうテクニックの優秀さがある。巧妙に誘導されて結論へ行き着いた相手は、なんか変だとは思いつつ、自分で決めたことだと納得してしまうのだ。風間に誘われたMMO内でもその才能は如何なく発揮され、戦闘操作は不得手だがゲーム内の流通を瞬時に把握して流通事情を完全に掌握してしまった。ある意味もっともハマった人。

『追憶のイノセント(非アニメ化シナリオ)』にて理由が判明するが、現在林水は親と絶縁状態になりながら一人で暮らしている(借りているアパートはやかましい外人ばかりで一人きりの孤独とは無縁だが。生活費や学費も株の運用という、いかにもな手段で賄われている)。そのため、彼の父が陣高を訪れた時にも会おうとしなかったが、暗殺されかかった父を救った宗介には礼を述べるなど、憎い訳ではないようだ。

長編のストーリーに関わる事は長らく無かったが、原作長編7巻『つづくオン・マイ・オウン』にて、宗介の素性、かなめの秘密に薄々感づいており、その上で警告を発している。彼の聡明さが最も如実に表れている。

髪をいつもオールバックにしており、真鍮フレームの眼鏡を掛けている。制服は他の生徒と違い特注の白い制服(素材はシルクなどの天然繊維で出来ている)。割と頻繁に扇子を持っているが、アニメ中では彼の持つ扇子に書かれている文字がくるくると変わっていくという謎の現象が確認されている。彼の心中を代弁する文字が書かれることがあり、テッサが留学生として陣代高校に来た回で彼と会話していた(実際には台詞はない)シーンでは「妹」と書かれていた。林水とテッサが同じ銀髪であるためだが、かなめと宗介は呆れつつ否定していた。

その話し方は終始理性的で、後輩は男女問わず君付けで呼ぶ。林水が呼び捨てにするのは(原作中では)対等の友人だけである。

2001年頃に行われた人気投票では、かなめ、テッサ、宗介に継ぐ4位という高順位を獲得しており、人気の程が伺える。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
明確に登場してはいない。しかし、男主人公のノーマルエンドの場合、三人娘に学校の制服をプレゼントしたのが生徒会長だと言うので、十中八九、林水だろう。
スーパーロボット大戦W
満を持しての初登場。その策士っぷりもきっちり再現されており、兜甲児ゲッターチームはたかが学園祭のためにカイザー真ゲッターを繰り出す事となり、あしゅら男爵などは完全に手の平の上で踊らされている。なお、第一部で既に3年で、第一部ラストが2月(SEED血のバレンタインが発生する)、そして第二部で半年経っているのにまだ在学しているが、時間経過はどうなってるのだろうか?

Zシリーズ

第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
陣代高校ボランティア部設立案を持ちかけたかなめに対し、ボランティア部の実績を積むために変質者を追うかラグビー部の助っ人かの選択を迫る。
他にもZ-BLUEで出動中のボランティア活動を単位として確保させたりとなかなかの手腕を見せる。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
15話のみに登場。原作同様、宗介に友人として警告を与える。ただし虚偽の報告はせず、そのままフェードアウト。

人間関係

美樹原蓮
生徒会書記。部下の生徒会書記にして好意を寄せられている。当初は蓮の片思いだったが、長編7巻では交際中のような描写がある。
相良宗介
自身の補佐官に置く腹心の部下。林水の知謀と宗介の行動力で、向かうところに敵はない。林水の楽しい日々を彩るファクターの一つで、彼が社会に適応していく過程を作中の誰よりも観察している。
千鳥かなめ
生徒会副会長。林水に乗せられ、知らず知らずのうちに面倒ごとを抱え込むことになるのが多い。
日下部侠也
SRW未登場。かつての友人である不良。林水が名前で呼び捨てにすることが判明しているただ一人の人物。ある事件から仲違いしていたが、その後の描写を見る限り関係はある程度修復されたようだ。
新浦知子
SRW未登場。林水が変わるきっかけとなった少女。ある理由から陣代高校に入学するために林水から勉強を教わっていたのだが…。
速見伸彦
SRW未登場。元作家の都議会議員で、陣代高校に視察で訪れた。実は林水の父親で、本名は林水信彦。林水は「憎み合うだけの関係」と言うものの、上記の通りそこまで憎い訳では無いようだ。

名台詞

「自分の人生は自分で面倒を見るしかないのだが、『そうではない』という幻想が不健全なまでに肥大しているのだよ」
短編『大迷惑のスーサイド』にて。「球技大会を中止しなければ自殺する」という脅迫めいた文書が届いた際、送った生徒が実際に亡くなったら誰が責任を取るのかとかなめと宗介に質問した後の台詞。かなめはこの台詞を言った時林水が怒っているように見えたようだが、かつて周りの期待に応える事を疑問に思わず過ごしてきた彼なりに思うところがあったのだろうか……。
「感謝したいが残念だ。彼女が私を、ここに連れてきてくれたのに」
エリートコースを歩むことになんの疑いも持たなかった林水は、ある事件を通して、世界の広さと豊かさを知る、みずみずしい感謝の言葉。
「そろそろ、無理だと思うよ」
原作7巻『つづくオン・マイ・オウン』にて。自身が生徒会長ではなくなった後では、宗介やかなめを庇うことができなくなるという警告。宗介と接していた時は、おちゃらけていた成分も多少は含有されていたと思われていたが、彼なりに宗介が社会に適応していく過程を誰よりも見ていたことが会話に出ていた。
「そうか。達者でな。……君との10ヶ月間は楽しかったよ。本当に楽しかった」
宗介との最後の頼みの電話にて。彼も本当に宗介との学園生活を楽しんでいたことがよくわかる台詞。
「テスト、テスト。こちらは生徒会です」
「つい先ほど、北校舎で重大な災害が発生いたしました。当生徒会の補佐官、えー、ご想像のとおり、彼です-彼が持ち込んだ科学兵器が、不幸な事故により漏洩しました。これから100秒以内に校庭まで避難してください。すこしでも遅れると死にます。お急ぎを」
テロリストにより爆弾が仕掛けられた学校にて、宗介の最後の頼みで停学覚悟でこの全校放送を流す。普通ならこんな事言われても絶対に誰も信じやしないし、本気で逃げたりもしないが、全員が本気で一斉に避難した。冗談みたいな事実であるが、宗介によって培われた全校生徒の10ヶ月の経験と、林水の嘘のような事実を真実と思わせる饒舌さがあって初めて成立した作戦である。

迷台詞

「爆破、だと……!?なるほど。それなら確実だ」
自身の靴箱に開けられた形跡があったので(実際には恋文が入っていただけ)、容赦なく爆破処理を施した宗介に言った言葉。言った当人と宗介を除く生徒会室の全員がすっころんでいた。
「想像したまえ、君の自宅に小包が届いたとしよう。手にとって見ると中からなにかガサゴソと音がする…卑猥な悪臭やほのかな温かみでもいい。そういう小包だ。さて、千鳥君、君なら小包を開けて中を見るかね?」
かなめ「開けません…捨てます…」
「そうだろ?ましてそれが靴箱だったらもはや爆破でもするほかあるまい」
上記の理由を説明して。彼にかかればどんな非常識な事態もヘリクツを並べ立ててこのとおり。周囲もそんな林水に全く太刀打ちできず、納得させられてしまう。彼もまた、宗介と並び立つ変人である。
「私は全生徒の利益代表者だ。校長から『反省文か、弁償か』という脅しが来た以上、それに応じるわけにはいかない。いちど教師側にイニシアチブを渡せば、悪しき前例を作ることになる」
岡田「いいじゃないスか、反省文くらい」
「いかん。文章として残るのが特にいかん。50年後の生徒会に禍根を残しかねないぞ」
宗介がゲームセンターのゲーム筐体を銃で破壊し、学校側から「反省文を書けば弁償金を学校で立て替える」と通達が来た際に、宗介が反省文を断る事を了承し、弁償金を生徒会の「C会計」で立て替える事を決定しながらの台詞。
彼の生徒会長としてのスタンスを表す台詞であり、同時に周囲は「ヘリクツでは絶対勝てない」と突っ込みを放棄した。
「中国に殺一警百シャーイージンパイという言葉がある。一人の部下を殺しておいて、百人の敵に警告するという意味だ。相良君の行為は図らずも、それと同じ効果をもたらしたようだ」
「やりすぎのウォークライ」にて。宗介がパントの指示で蹴りをぶちかまして郷田たちが奮い立った様をこう表現した。原作では林水の台詞ではない。