御三家

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御三家(The Big Three)

宇宙世紀ガンダムシリーズ』、TVアニメ版『マジンガーシリーズ』、TVアニメ版『ゲッターロボシリーズ』のスパロボの常連3シリーズを指す用語。

この3シリーズは初代『スーパーロボット大戦』からの参戦組であり、更に、今日のスーパーロボット大戦の原型が固まった次作「第2次スーパーロボット大戦」においても唯一の版権作品として活躍。スーパーロボット大戦シリーズの歴史は、この3シリーズによって幕が上がったと言っても決して過言ではない最古参の作品である。

初代のプロローグメッセージが単に「スーパーロボット」と表現されていたのに対し、第2次のプロローグでは明確にこの3作品がメッセージ中に登場しており、非常に印象深い。


……(前半略)……
だが、全世界の8割がDCの手によって支配されるようになっても、その支配に抵抗を続ける人々も存在した。

そして奇跡的にDCの手から逃れてきた3体のスーパーロボット…
ガンダム、マジンガーZ、ゲッターロボとそのパイロットを中心に、DCに対して立ち上がったのである。

そして今、全世界を震撼させる第2次スーパーロボット大戦が始まろうとしていた…。
 


その後もこの3シリーズは、スパロボシリーズにおいて欠かさずレギュラー参戦する常連組として活躍。ファンからはシリーズにとって欠かせない存在として認知されるようになり、自然発生的にこの愛称で呼ばれるようになった。

旧シリーズ~α頃まで

前述の通り、シリーズ初期は参戦作品が次々に入れ替わりを見せる中、この3シリーズは常に欠かさず参戦作品として名を連ね、御三家としての地位を揺ぎ無いものとしており、αが発売される2000年頃まではその傾向が続いていた。

ただしその役割については必ずしも対等なものではなく、スパロボの世界観においては宇宙世紀ガンダムシリーズ』の影響が圧倒的であった。その影響が特に顕著に表れているのが敵方の構成であり、版権作品の大物敵としてシロッコやハマーンといったキャラクターが圧倒的な地位を得ている一方で、Dr.ヘルやミケーネ帝国の扱いは芳しくなく、恐竜帝国や百鬼帝国はその組織が登場すらしない場合がほとんど(僅かに64で百鬼帝国が登場を果たした程度)であった。

これは、ガンダムシリーズが世界観として既に完成されていた事や、マジンガーシリーズ及びゲッターシリーズは当時殆どビデオ化されておらず、資料を集める事すら困難だった点も大きい(この傾向はマジンガーシリーズとゲッターシリーズに限らず、当時のスーパーロボット作品の多くも同じ事が言える)。

マジンガーシリーズとゲッターシリーズについては、どちらかと言えばロボットとキャラクターの力でその存在感を発揮する役割にあり、TV版の甲児・さやか・ボスは、アムロ・ブライトと並んで版権作品の登場するシリーズで唯一皆勤を果たし、インターミッションではシリーズ常連の盛り上げ役として確固たる立ち位置を築いていた(TV版ゲッターチームも概ね同様の立ち位置ではあるが、新で原作漫画版の設定が採用されたために皆勤を逃したり、シナリオライターが途中交代してしまったF完結編の後半では会話に殆ど絡まなくなるなど、甲児達に比べると一歩劣る位置に甘んじている)。

また、マジンガーZと甲児には「最序盤から登場するスーパーロボット」という序盤の要としての立ち位置が与えられた反面、ゲーム終盤ではどうしても息切れするという傾向が常態化しており、その対策として新たにマジンカイザーという甲児の後継機の設定がダイナミックプロの協力のもとにスパロボのために作られた(初出はF完結編)。ゲッターについてはより戦力面での貢献が顕著で、数あるスーパーロボットの中でも最高の攻撃力を誇るアタッカーとして活躍し、特に真ゲッターの参戦以降はボスキラーとしての地位を不動のものとする。3人分の精神コマンドを活かしての「熱血」+「必中」+「幸運」のシャインスパーク(orストナーサンシャイン)は、敵ボスを沈めるための合言葉といっても決して過言ではない認知度を誇っていた。

αシリーズ、携帯機シリーズ以降

この潮流に変化が現れだしたのは『スーパーロボット大戦α外伝』及びGBAシリーズ第2段の『スーパーロボット大戦R』である。

αではそれまで曖昧にされてきた「原作ストーリー準拠の参戦」という方針が明確化され、シリーズ次作のα外伝ではマジンガーシリーズの中でもあまり扱いがよくなかった剣鉄也や、ゲッターチームの敵方である恐竜帝国にスポットが当てられるなど、扱いが向上。以後の参戦時には、従来より原作の展開が掘り下げられることが多くなった。

その一方で、この頃からスーパーロボット大戦シリーズは「王道」「若者(新規層)向け」「OGシリーズ」の3種類の作品をリリースしていく戦略を推進、新規層向けの看板シリーズとしてGBAでの作品リリースが開始された。その過程で、COMPACT2では、御三家の一角であるゲッターシリーズが一時的な参戦作品から脱落、後のR、Dでは、TV版ゲッターシリーズに代わり、OVAシリーズ「真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ」、「真 (チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日」で参戦する。更にJやK、Lなどゲッターシリーズからは一切未参戦という作品も発生するようになった。

世界観構築や参戦機数・パイロット数の多さで隆盛を誇っていた宇宙世紀ガンダムシリーズについても、第3次αでの機動戦士ガンダムSEED参戦以降はコズミック・イラ作品への軸足移行が進んでおり、TV版ゲッター同様に宇宙世紀ガンダムシリーズが一切登場しないスパロボも今日では珍しくなくなっている。

マジンガーシリーズについても、2001年、スパロボのために生み出されたマジンカイザーが本家に逆輸入され、OVAとしてリリース。『スーパーロボット大戦GC』以降、同作品名義での参戦も多くなった。但し、同OVAの作風及び登場キャラクターの性格は、ゲッターチームのTV版・OVA版程にはかけ離れたものではないので、ファンからは概ね従来通りの感覚で受け入れられている。また、マジンガーシリーズは上記の2シリーズと異なり、「王道」系の作品以外でもTV版準拠で参戦することも未だ多い(『K』『NEO』等)。

今後の展望

上記のようにその立ち位置は変化しつつある三シリーズではあるが、これまでに培ってきたスパロボへの参戦実績とそれによって形成されたファン間の認知度を考えれば、今後も形を変えながらスーパーロボット大戦シリーズに強い影響を与えて行くものと思われる。

ガンダムシリーズ

ガンダムシリーズについては、非宇宙世紀作品も含めて考えればこれまでに完全未参戦となった作品はなく、ファンの間でも「『ガンダム』は必ず参戦している」との認知(つまり、さほどフェードアウトしているわけではないという解釈)の仕方も強いようである。また、近年ではリメイク(『劇場版Z』など)、新シリーズ(『ガンダム00』など)の存在もあるため、作品の若返りが進む中でも投入できるラインナップは豊富に存在しており、その立ち位置は揺るがないだろう。

ゲッターシリーズ

ゲッターシリーズは、原作者でありまたスパロボに好意的とも取れるエピソード(真ゲッター初参戦の際、氏自ら新規に真ゲッター2及び3のデザインを書き下ろした、等)で知られた石川賢氏が鬼籍に入ってしまったこともあり、3シリーズの中では最も立ち位置が不安定な作品である。とはいうものの、原作漫画版同様にバイオレンスな雰囲気が色濃いOVA作品の人気は総じて高く、これらを前面に押し出すことでスパロボシリーズにおいて新たな立ち位置を築きつつある。また、Zにおいてこれまでシリーズの常連であったTV版竜馬(所謂「神谷竜馬」)がOVA版竜馬(所謂「石川竜馬」)の存在を感じ取った発言はファンの間で一時話題となったが、TV作品とOVA作品の共演が果たされることとなれば、更に独自の存在感を発揮することになるだろう。

マジンガーシリーズ

前述の通り、マジンガーシリーズは二作品に比べると従前からの参戦スタンスを保ち続けている作品である。特に甲児は旧TV版かOVA版か真マジンガー版かの違いこそあれ、 UXまでの版権作品参戦シリーズの中では唯一の皆勤キャラクターであり、更にさやかとボスもScramble Commanderシリーズ等を除いた全作品に参戦(更に、鉄也のポジションもα外伝やDといった作品を経て向上を続けている)。近年アムロや竜馬が未参戦となる事も多い中、スパロボ全作品を通じての顔役として気を吐き続けている。原作再現の少なさから「いるだけ参戦」と揶揄されることも多いものの、元々これまでも甲児たちの本領がインターミッションでの活躍にあったことから考えれば、さほど大きな問題ではないだろう。「スパロボの番人」とも呼ぶべき風格を備えた貴重な同シリーズは、今後も引き続き参戦していくものと思われる。

余談

ガンダムシリーズはロボットアニメ業界最大手のサンライズにとっての言わずと知れた看板作品であり、またマジンガーシリーズ、ゲッターシリーズも業界の雄・ダイナミックプロの看板作品である。

それゆえ、この3作品が欠かさず参戦している理由として、この2大巨頭との関係への配慮という政治的な理由が背後に存在しているという説がある。実際、サンライズの関わった作品を抜きにしてロボットアニメは語れないというほどサンライズ関連のロボットアニメは多く、同社関連作品の参戦許諾はスパロボの生命線といっても決して過言ではないため、関係維持に慎重さを要する部分があることは想像に難くない。また、ダイナミックプロについては、前述のマジンカイザー誕生の経緯からも明らかなようにスパロボシリーズに好意的であることで知られており、それゆえの返礼的な配慮という見方も存在する。

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