ビーム兵器

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ビーム兵器(Beam Weapon)

ビームとは、粒子や波等のある一方向への淀みない流れを指す物理用語であり、ビーム兵器とは、そのような性質を持つビームを兵器に転用したものである。

現実に存在する代表的なビームとしては、光のビームであるレーザー、各種粒子のビームである粒子ビームなどがある。レーザーなど一部のビームは既に実用化されているものの、兵器として用いるには出力の問題や加速器の小型化の問題など課題が山積しており、現実世界で兵器として採用されるには至っていない。

SF作品・ロボットアニメにおけるビーム兵器

現実世界では実用化の道は険しいビーム兵器であるが、SF作品においてはビーム兵器は兵器の中でもとりわけメジャーなジャンルといって過言ではない。

フィクション作品におけるビーム兵器は、大概が「光の筋が敵に向かって照射される」「光の筋はそれ自体が破壊力を有し、敵機に触れると大抵爆発する」のように演出される。何がしかの光る物体を飛ばして相手にダメージを与えるという基本設定は、ヒーローや怪獣の超常的な能力の表現に非常に効果を発揮し、また粒子を飛ばすなりレーザーを撃つなりといった点は、現実世界の延長線上で考え得る中でも特に映像化して映える兵器としても使い勝手の良いものであったため、作品のジャンルを問わず幅広く採用され、その地位は揺ぎ無いものとなっている。

うち、ロボットアニメにおけるビームの扱われ方としては、概ね以下の3パターンが存在する。

超兵器としてのビーム

所謂スーパーロボットについては大概が現実に存在しない超エネルギーを動力としているわけだが、その動力源をビームとして相手に照射するというもの。『マジンガーZ光子力ビーム』、『ゲッター1ゲッタービーム』がその代表にして筆頭である。

また、スーパー系の作品では主人公メカのみならず、敵機の側も様々なバリエーションのビームを放つ。大雑把には『破壊光線』という形で括ることが出来るこれらのビーム兵器は、その大半が原理不明(しかも光線であるかどうかすらも疑わしいことが多い)であり、何らかの超常的な技術により発せられる光状の物体により対象を破壊するという点のみが共通している。

いずれについても原理の説明は最初から放棄している場合がほとんどで、逆にそれ故に超兵器としての存在感や圧倒的な破壊力など、自由な設定が行われている場合が多い。

現実世界風の雰囲気を醸し出しているビーム

前述のように、現在のところ、ビーム兵器はまず現実世界では兵器としては採用され得ない。しかし設定の工夫によっては、ビーム兵器が戦場における主力兵器として活躍し得る作品もある。その代表が、ミノフスキー粒子や核融合炉等の設定によってビーム兵器の存在をそれらしく演出することに成功した『ガンダムシリーズ』である。後代のリアルロボット作品のほとんどは、本作で確立された「ビームサーベル」や「ビームライフル」といった兵器に少なからず影響を受けていると言える(ビーム剣やビーム銃の発想自体はガンダム以前のSF作品にも既に存在していたが、「戦場で用いられる巨大な人型機動兵器の主兵装がビーム兵器である」というパターンについて言えば、本作が与えた影響は甚大である)。

尚、このタイプのビームとしては、レーザー等は秒速30万kmという圧倒的スピードのために回避困難+当たっただけでは相手が爆発しない、マイクロ波ビーム(メーザー)等は可視光線ではない上に水分を温めることしか出来ない…等の理由により、消去法的に粒子ビームが採用されやすく、後の作品ではエヴァンゲリオンも、ポジトロンライフルという形で粒子ビーム兵器を採用している。また、これらのビーム兵器は(実現可能かは別にして)明瞭な法則に基づいた兵器であるが故、対ビーム用の防御措置が充実しているのも特徴である。後述のように、ゲーム中で「ビーム兵器」という属性が採用されるのはこれらのバリアの能力表現の為であるので、ゲーム中では「リアルロボット系が使う粒子ビーム」に限定してビーム兵器扱いされる場合が多い。

現実の技術で可能なビーム

少数ながら、例えばレーザー兵器などのように、現実に実現可能なビーム兵器を搭載している場合もある。但し前述のようにレーザーは対象を切断するには有効だが、爆発させるには不向き。かつ秒速30万kmというスピードをそのまま再現すると相手は回避のしようがない為、演出上はいろいろと課題が多く、採用例は多くない。中には「レーザー」と呼ばれているにも関わらず、スピードが遅いものもあり、名称と実体が一致していないケースも見られる。

ゲームでの扱い

ビーム属性

ユニットの武器属性としてビーム属性が採用されており、「B」のアイコンによって非ビーム兵器と区別されている。上記3パターンのうち、基本的には2つ目の「主にリアル系ロボットに搭載されている粒子ビーム兵器」に対して属性が付与される場合が多く、超兵器や非粒子ビーム兵器については付与されない場合が多い。

但し粒子ビーム兵器の中でも、ビームサーベル等の接近戦用兵器やファンネルなどのオールレンジ攻撃類には属性が付与されない場合が多かった。これはバリアの作用しない至近距離からの攻撃となるゆえ、バリアでの防御性能に矛盾を生じさせない為の措置であった。しかし、近年は純粋に粒子ビーム兵器であるか否かが防御の可否を左右するPS装甲などの特殊能力が出現してきている事もあり、これらの接近戦用ビーム兵器についてもビーム属性が付与されるようになってきている。その場合、ビーム属性と同時に、バリア貫通属性が付与されており、今までのメリットが損なわれない形で実装されていると言える。

使い勝手

以下に、ビーム属性である事によるメリットとデメリットを記載する。ビーム属性である事は一長一短なので、敵の能力と照らし合わせて、使いどころを選んでいきたい。

ビーム属性のメリット

・絶対に切り払いで無効化されない(Zオールレンジ攻撃を除く)。
・貫通できる充分な威力さえあれば、ディストーションフィールドでダメージを軽減されない。
PS装甲を貫通できる。
・それなりにコストパフォーマンスに優れた武装が多く、使い勝手が良い。
・敵の回避を低下させ、クリティカル時のダメージ増加率も上昇する。(OEのみ)

ビーム属性のデメリット

ビームコートIフィールドといった、専用バリアの類によってダメージを軽減される。
・一部の作品には『ビーム吸収』を持っている敵ユニットもおり、旧シリーズでは直撃が無い為、ビーム属性の武装をメインウェポンとしている場合、完全に役に立たなくなってしまう。
(水中)に対する適正が低い事が大半で、地形を選んでしまう。

資料リンク